
お見合い
吉村達也
結婚前に火遊びのつもりで行ったお見合い
しかし、火遊びで終わるはずのものが
そのカップルの人生を破滅の道へと引き込んでいく…
抜け出すことのできない沼地に入り込んでいく彼女を
男性が真っ直ぐな心で助け出そうとするが…
甘い恋愛小説のようなスタート
(いささか虚を突かれる)
物語が進むにつれ
ジャンルの切り変わり具合の妙がある
話が転がりだしサスペンス色を帯びていく
そこに事件の真相を確かめようと推理していくもの
場面が切り替わりながら解き明かされていく真実
二重三重に用意された目を見張る展開
終盤はホラー一辺倒かな
(その辺りは、少々興醒めだったような…)
やはり
無駄のない文章
彼女の真相を突き止めるべく、男は父に頼みこむ
国語教師で論理的、オカルト超常現象を真っ向否定の父
名探偵のようにどんどん理詰めで真実に近づいていく
名探偵に促され、散らばったピースを集めていく助手のような息子
衝撃的な真実が見え隠れする中、息子を励ます父
その微笑ましい親子愛がまぶしく見えた