仕事で、バルセロナに行った。
サグラダ・ファミリアを取材した。
100年以上前に建設が始まり、
今なお、建設が続くこの教会には、
外尾さんという建築家が携わっており、
当然、彼の話もうかがったのだが、
ひょんなことから、
それ以外のバルセロナ在住の建築家に、
酒の席で、話を聞いた。
現在、現場的には2010年(!)には、
完成すると言っているが、
2人の建築家の見解はこうだ。
在バルセロナ20年のベテラン建築家は、
「サグラダ・ファミリアは建設中だから、魅力的なんです。
もし、ピサの斜塔はまっすぐになったら、その魅力は半減するでしょう」
在バルセロナ4年の新進気鋭の建築家は、
「たとえ、完成しても、そこから今度はすぐに修復の長い道のりが始まるでしょう」
なるほど。
確かにサグラダ・ファミリアを囲むクレーンや、
その内部にそびえる足場も、
「建設中」だと思うから見るに耐える。
でも、それが修復中のものだったら、どうだ?
「神話」は、「現実」と化す。