一時期、
グルメ雑誌の編集者の間で話題になった、
伝説の中華料理の店に、
食通の知人の案内で行った。
予約なしでは入れない店だという。
その店は・・・。
え、商店街の真ん中?
え、隣は松屋?
え、店頭にロウ細工のサンプル?
著名人も多数訪れる店にしては、
その店構えは、あまりに普通だ。
いや、普通というより、
ひと昔前の街の中華料理屋だ。
抱いていたイメージのすべてがくつがえされる。
そして、本題の料理は・・・。
まさに口福。
メニューはない。
用意してある食材を列挙され、
食べたい食材を選ぶと、
今度はその調理法を列挙され、
またまた選ぶ。
一体、何皿の料理を食べただろうか。
結局、3時間いて、その間に客は僕たちだけ。
つまり、そういう店なのだ。