メイキング『トーキングブルース/やっかいな生き物』

2020年12月07日 10時47分39秒 | エンタメのかけら
『古舘伊知郎トーキングブルース/やっかいな生き物』の公演が終わりました。
ご来場頂いたみなさま、ありがとうございました。

あのトークライブがいかにして出来上がったのか。
そのメイキングを少しだけ記しておきます。

9月上旬。
古舘さんと僕で最初の打ち合わせをしました。
ここでいくつかあったテーマ案から、次の公演のテーマを選びました。

9月下旬。
山本、樋口、鮫肌、そして僕という4人が集められました。
古舘さんから前回決めたテーマと、そこから考えたことが語られ、
それに沿ってブレストを行いました。
『講談:愛の不時着』というアイデアもここで生まれました。

10月半ば。
古舘さんと僕で2回目の打ち合わせ。
前回のブレストでネタ、その後に古舘さんが考えたネタ、合わせて取捨選択し、整理しました。

ここから2週続けて、打ち合わせをしました。

1週目は、前回整理したネタを元に僕が仮構成を作り、
それを叩きました。
ここまで未定だったエンディングのプランが古舘さんから出てきたのも、
この時です。ただし、この時点では、実際に上演したものとかなり異なっていました。

『講談:愛の不時着』に関しては、別日に打ち合わせが行われていました。
僕はそこには関わっていません。
古舘さんに柳沢という作家がつき、一緒にドラマを観ながら、古舘さんが口立てで作る内容を、柳沢がまとめるといった進め方だったようです。

ある程度まとまったものを初めて僕が聞いたのは、この時の打ち合わせだった
と思います。

その翌週、どんな打ち合わせをしたのか、はっきりとは覚えていません。
確か、当初の予定にはなかった打ち合わせ。時間も珍しく短時間でした。
手元のノートにも、その時のことはほとんど書いてありません。ただこの頃、一度カットしたネタをやはり入れたいと思うのだが…と相談されたことは覚えています。

11月半ば。
まだ手元にメモを持った状態ですが、初めての通しを行いました。
(現在の『トーキングブルース』には台本はありません。
 打ち合わせをまとめたものに、古舘さんが手書きで加筆したメモが
 台本代わり。これはすごい代物です。他人が見ても絶対にわかりません)

この日の前に、他の作家やブレーンである田中さんなどにも内容をすべて
聞いてもらい、受けたアドバイスを反映したものを通しました。
以前考えたエンディング、古舘さんはどうもしっくりいっていなかったようなのですが、この時に新たな案が出てきました。多少の違いはありますが、この時に出た案が、本番に活かされています。

11月下旬。
本番の一週間前に、最初で最後の通し稽古を行いました。
台本代わりのメモも持たず、マイクを持って立つ、通し稽古です。
そこでちょっと困った事態が起こりました。想定している上演時間をかなりオーバーしてしまったのです。本番は、アドリブも増えるので、今日よりさらに長くなるはずです。
悩んだ末、結局、あるブロックをまるまる落とすことにしました。幸い腐るネタではないので、今後どこかで披露する機会があると思います。

そして、初日を迎えたのです。

と、ここに記したのは、あくまで僕が立ち会っていた部分のみ。
個別に他の作家に相談したり、講談の稽古をつけてもらったり、
そして打ち合わせした時間の何倍もの時間、古舘さんがひとりで考え、練り、覚え、稽古をしています。

その成果が、あのステージだったのです。