1つの花に雌しべは1本というのが、花の基本構造。
というより、雌しべが花の本体なのだから、雌しべが2本なら花は2個と数えるしかない、と思っていた。
愛知県瀬戸市の定光寺公園で四季桜が咲いていた。
見たら、ほとんどの花に雌しべが2本ある。
※中には雌しべのない花もあった。
一見そう見えるだけで、下の方の子房のところは1つだろうと思いよくみたら、子房も2つだった。くっついてはいたけど。
ネットで調べると、サクラには雌しべが2本あるタイプがある、というのは結構常識?
サトザクラやマメザクラにはそういうのがあるらしい。
それが雑種になって名木になったものが「鴛鴦桜」であり、園芸品種には「普賢象」とか「妹背桜」というのがある。普賢象は象の2本の牙にたとえているとか。
2つの子房は合着したままさくらんぼになる。
見てみたい。
四季桜はマメザクラとエドヒガンの雑種ということ。
こういうのを、1つの花と呼ぶべきか、2つの花と呼ぶべきか、考えてしまうが
樹木には合体木というものもある。
定光寺自然休養林にある森林交流館には、裏木曾のヒノキとサワラの合体木の輪切りが展示してある。不思議なことに、癒合した部分はきれいに年輪までつながって、そこに元は樹皮があった痕跡が見られないのである。
樹皮はどこに消えてなくなったのか。
おまけに、合体枝というのもあって、隣り合った木の枝と枝がぶつかったままつながってしまっている。つまり、隣同士でちょっと手をつないでみたら、そのまま離れなくなって一体化したのである。そして、それは伸びて行く方向までなくなってしまった。リョウブだった。
その枝は伸びることをあきらめたのだろう。
世の中では合体の歌かなんかはやっているの?
今日は文化センターの講座の仕事で、定光寺自然休養林に行った。
いつもJRの窓から見ているモクモクの照葉樹林の底を歩いた。
5月になるとところどころに真っ白な高木が見られる。それはアズキナシで、私の大好きな木なのだけど、下を歩くと今ちょうど赤いアズキ型の実をいっぱい落としていた。実はあんずみたいに白い粉をふいていかにもうまそうな感じ。食べてた人もいたわー。
果柄がある、いわゆるさくらんぼ型の実。こういう実を見ると、私たちは反射的にさくらんぼ型(梅型)の大きな種が入っていると想像していることを発見した。
アズキナシの果実の中にはナシやリンゴタイプの種子が2~3個入っていた。
ソヨゴも同様で、中には5~6個の種子が入っている。
ヤマホロシの赤く透き通ったきれいな果実をつぶしてみたら、トマトそっくりの薄っぺらくて丸い種子がたくさん入っていた。ナス科だから。
ミニトマトと近縁なのでしょうね、実のつき方とかそっくり。
野生のナス科植物はほとんどが強い毒を持っているのだけど、野菜のナス科はおいしい。でもそれなりに癖はある。トマトとかピーマンとか。
ヤブミョウガのコバルト色の果実をつぶすと、意外にもパリッと割れて中は空洞で、いっぱい種子が入っている。それをルーペで見ると、真ん中にポチっと種子がありそのまわりを硬い殻みたいのが三角形にとりまいていてぎざぎざ皺があり、
みんなで、おお~っ、と驚きました。
定光寺にこんな森林があることは意外と知られていないようです。
写真はソヨゴ