山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

イランイラン……マカッサルオイル

2008-09-24 | 植物利用
精油の中でもラベンダーに次いで有名かもしれないイランイランが熱帯アジア原産で、インドネシアでは伝統的に使われていることを初めて知った。
イランイランを採る木をイランイランノキという。かわいい。
……そういえばイネ科の植物でアランアランというのもあったわ。これは草屋根に使う草、いわば萱で、ススキみたいに半栽培しているかも……
……でもイランイランはタガログ語でインドネシア語ではないから、並べても仕方ないか。

イランイランのオイルはかなり高い。
そんなことならスラウェシで探してみたかったけれど、山の中にあるものだろうか。もっと暑い低地にあるかもしれない。

もっと驚いたのは、イランイランには皮脂の調整作用があるためかつてヨーロッパ人が整髪料として用いており、それをマカッサルオイルと呼んでいたとのこと。マカッサルって、スラウェシの大都市のマカッサルのこと? マカッサルは香辛料の貿易拠点としてかつて栄えたというから、胡椒や唐辛子なんかと一緒に運ばれていたのかもしれない。

イランイランは頭がくらくらするような濃密な香りがして少し敬遠気味だったが、一気に興味がわいてきた。
そういえばデンパサールの空港でイランイランを初めとする精油を売っていたのは、原産地だからだったのか……

カヤツリグサ科に親しむ 街の植物観察

2008-09-24 | 植物
この前の土日と、山里文化研究所にとっては一大プロジェクトである奥矢作の「聞き書き塾」を終えた。月曜日、午前中思いっきりゆっくりし、さて次は、植物調査に明け暮れることになっていて、実に昨日は朝の6時半から調査、午後はその植物調べでへとへとになった。そして今日はのんびり名古屋ですごすつもりが再びへとへとになっているのは、重い荷物をもって歩きまわったせいである。
数ヶ月、小型の図鑑を持っていくだけだったが、久しぶりに心新たに大型の図鑑をしょって、「街の植物観察」に出かけていった。

昨日の調査でしっかりとアゼガヤツリと仲良くなったので、前回の懸案だった公園のカヤツリグサ科がアゼガヤツリだったことが判明。そして不明だったのがハマスゲであるらしいことが分かった。

講師であるにもかかわらず実に頼りない話だが、実際すべての種類の植物を知っているわけなどなく、また一度覚えてもきれいさっぱり忘れ去ってしまっているものもあり、初めて知ったつもりが図鑑に誰かが線をひいた跡があったりする(誰でもない、自分が引いたのである)。
なので、よく分からないもの、分かったつもりだけど不安なものは、図鑑で調べなおすのだが、私が勝手に調べてしまっては何も面白くないので、受講生の皆さんに調べてもらっている。

皆さんはそれぞれ違う図鑑や本を持っているので、みんなの本を読み合わせ、最後は多数決で決める???いやはや、多数決でないこともありますが。
この読みあわせが結構面白く、あーでもないこーでもないとにぎやか。ちなみに受講生の皆さんは決して植物オタクだとか、すごく植物に詳しいとかいうことはなく、ごく普通の人たちである。

キク科の花はルーペで観察するのがお定まり。中央の管状花があれば、それがまったく美しいことをみんな知っているからである。
今日の人気はタカサブロウというキク科の花で、小さな管状花から黄色のめしべの柱頭が見えていてかわいい。みんなその名前に驚いたのだが、誰かが「こんなきれいな花なのに……」といったのがきっかけで、玉三郎と名前を変えることにした。

最近はみんな私の手の内を知っていて、私が何もしなくても勝手に調べたりルーペで回し読みならぬ回し見して、感動を伝え合っている。
今日は2班に分かれて、それぞれ見つけた植物を採取して名前を調べてもらった。
かなり多くの植物が見つかった。やはりこの時期は、カヤツリグサ科とイネ科が天下をとっている。こんな街の中にテンツキがあることを初めて知った。
あとは、年中がんばるミチバタガラシやウリクサ、タンポポ、オニタビラコ、クルマバザクロソウなど。
都会の植物は季節を問わず通年営業している。

ちなみに採取した植物は公園のいわゆる「雑草」であり、採ってしかられるようなものではない。しかしながらOASIS21の2階では雑草もOASISの財産であるので採ると叱られる。

数冊の図鑑はほんと重かった。けれどもよく役に立った。