7月21日といえば、私の子どものころは、この日から夏休みだった。
太陽がサンサンとして、気分もうれしくてサンサンとして
頭の上の雲がパーッと晴れて、
空がどこまでも高くどこまでも広いような気がしたものだ。
私はほかの子と違って、学校よりも家のほうが好きだった。
夏休み初日なので、一応6時ぐらいに起きて、
まだカンタンなページがふんだんに残っている夏休みの宿題を
カンタンなページばっかりさくさく片付けて悦に入って
ひやりとした畳の上に背中からバタッと寝転ぶ自分の姿が見える。
実際寝転んだかどうかは、記憶はないけど
そういう姿が見えるのである。
10時ぐらいになると台所から冷麦のおつゆの匂いが
これでもかというほど漂ってきた。
花かつおとお醤油のふわりとした匂い。
縁側にはすだれがかかって、
裏ではアブラゼミとミンミンゼミが鳴いていたものだ。
夏休みの10日ぐらい前から「短縮授業」というのになって
毎日お昼で学校が終わる。
その頃には毎日かんかん照りで、帰り道は暑くて暑くて
圃場整備されたばかりの田んぼの用水の
冷たい流れの中にハンカチを浸して
おでこにつけたりして涼をとったものだ。
梅雨明け十日はそういう天気が続くものだけれど
最近はそのとおりになる夏と、そうでない夏が
ほぼ半々ぐらいで続いている気がする。
昨日、ネムの花はいつにもまして濃い花色で薄闇に浮き立つようだった。
毎日4時頃ホトトギス、4時半ごろ、ひぐらし。
ひぐらしは、日の出が遅くなるのとともに、だんだん遅くなる。
写真は、ゴゼンタチバナ。
花の盛りは6月末。先日見に行ったときにはもう終わりがけだった。
草には珍しく、ミズキ科。確かにミズキの仲間にはこの時期に咲くものが多い。
花が小さくて整っていて、
それに加えて葉もしっかりした形をしているので
とても端正な姿。ちょっとおカタイ感じだけど、
御前橘という名前が似合う。
葉が4枚の株は咲かなくて、6枚の株が咲く。
葉の大きさや数と花はほかの植物でも関係があるようだ。
奥山にあるから、わざわざ見に行かないと見られない花。
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