山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

爆竹のあるどんど焼き

2010-01-19 | 植物利用
さえない写真ですが。
年末、うちの近所の空き地に準備された、どんど焼き。
1月15日の小正月の日、これに火をつける。
もっとも今は15日ではなく、直近の日曜日に行っている。
この地方では、かなりすたれてはきたけど、あちこちでまだまだやっている。

真ん中に立てられているのは竹。一番上に御幣がついている。
神様のよりしろっぽい。

下の方にある「たきつけ」は、去年の注連縄や、お正月がすぎれば、はずした門松。それだけでは足りないので、ほかの燃える小枝や、門松を作ったときに余った松など、とにかく燃えるもの。

当日、これに火をつけると、当然のことながらどんどん燃えていく。
書き初めも燃やして、そのもえさしが高く上がると字が上手になるという。

真ん中にあるのは竹じゃないといけない。
周りのたきつけががんがん燃えてクライマックスになったころ、真ん中の竹が黒焦げになって、バンッ!と音をたて、上の方で折れかかったりしてくる。
最近気づいた。この竹のはぜるバンッっていう音が大事。きっとそれで邪気を払っているのだろう。

なぜかというと、群馬県上野村では(どんどん焼きという)、真ん中の竹以外に、1メートルぐらいに切った竹筒をいくつも焚きつけの中に仕込むのである。
従って、焚き火がどんどん燃えると、バンッ! バンッ! バンッ! バンッ! と、何度もにぎやかに音をたてるのである。私はその現場に居合わせたわけではないけれど、そういう仕込みなのである。
結局は爆竹として使っているということ。
爆竹って、そもそもこういうものだったのだ。

竹だけではなく、たきつけの大部分は松だから、これが燃えるとまたパチパチと景気のいい音をたてる。どんど焼きでは音が大事なんですね。
そういえば恵那の北部では、門松は松じゃなくてそよご。ソヨゴがまた、松以上に、燃えるとパチパチいう音なのである。そのため節分のときにソヨゴを燃やして豆を炒り、その音で鬼を追い払うという。どんど焼きで、門松としての役目を終えたソヨゴを盛大に燃やせば、それはそれはいい音がするだろう。

つまり、どんど焼きで大事なのは音ってことでしょうか。
だからどんど焼きっていうの?
これってもしかして常識だったかしら。

うちのほうでは、竹がはぜて折れかかってくると、そろそろ火も小さくなっていくので、「焼きものタイム」が始まる。竹ざおの先端に割れ目を入れたところにお餅をはさんで焼く。みかんも焼く。お芋も焼く。
そして食べたら、どんど焼きも終わり。
恵那のある地方では、竹の黒焦げになったのを長方形の札状に切って、各家が持って帰り、家の炊事場の屋根の上に投げ上げる。
こうすると火事にならないことになっている。

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