中津川・恵那地方では今もどんど焼きが行われています。どんど焼きとはいわず、単にどんどといいます。市街地ではすたれていく傾向もありますが、まだまだ地区ごとにきちんとやっているところもあります。真ん中に長い竹の棒を立て、そのまわりに燃やすものを集めて火をつけます。燃やすものは、去年の注連縄や今年の門松というのが本来ですが、それが足りないと(たいてい足りない)ほかの木材などを使っています。ヒノキやスギの青い葉のついた枝もたくさん入れられます。書初めを投げ入れて高く上がると字が上手になるというのはどこも同じのようです。
細部ははこの地域のなかのさらに小さな地域ごとに少しずつバリエーションがあります。恵那市の笠置地方では、黒く燃えた真ん中の竹を細かく分けて、各家の人に配ります。それをお勝手の屋根の上に投げ上げておくと、火事にならないといいます。
どんどが終わる頃、各家から奥さんやおばあさんが食べ物を持ってきます。おじさんたちや子どもたちは、それをもらって火で焼きます。お餅を焼くのが普通ですが、子どもたちはみかんを焼きます。変です。でもみんなやってます。食べると意外にもおいしい。なぜかほくほくしてかぼちゃの味がします。
しまった、今日はどんどの話ではなかった。
門松は、そういうわけでどんどのためにも必要です(本末転倒ですが)。先日門松カードの話を書きました。門松が門松カードになってしまうと燃やすネタがなくなります。
しかし、逆に、どんどがすたれてしまった市街地では、門松を燃やす場所がないので、門松カードは便利でいい、と今日、恵那の市街地に住んでいる友達が言っていました。
また、加子母の友人は、40代の人ですが、門松カードは配られていなかったといいます。これについては、今度元加子母村長に聞いてみようと思います。