いや楽しい楽しい!
滅多に乗る機会が無い車というだけでなく、これだけ プリミティブ な スポーツカー はそう残って無いかもしれない。
なんて勝手に思ってしまう。
若かりし頃の自分みたいに、「エアコン に オートマ なんて堕落しまくり、汗のひとつもかかずに 何がスポーツカーだ!」 って無茶苦茶な理屈をのたまわる人には、最高の「特効薬」 です(爆。
ほんと、いい汗かけますョ。
ってか、夏場とかには絶対乗りたくないかも。
平日の横浜・横須賀は適度な車の流れで、工事とかが無ければ 渋滞はありませんでした。
どうしても道幅が狭いのですが、「フェアレディ Z」 はとてもコンパクトなので、軽自動車じゃなきゃ抜けられないかもって隙間を、意外とスイスイ抜けられたりする。
坂道になってる場所も多いのだけど、豊かなトルクと マニュアル らしい エンジンブレーキ の恩恵で逆に面白い。
ようやく、左手に海が開けると、思わず 「うひょーーー!」 って声に出てしまって。
楽し過ぎて、気持ちが若返りしてる?
海岸線を 「ダットサン フェアレディ Z」 で流すなんて、なんかドラマのワンシーンみたい♪
みうらに入ると、田舎道というか、急に畑が広がったりと景色を思いっ切り堪能できる。
交通量がとても少ない(土日がウソみたい)ので、ドライブには最高でした。
が、クネクネとした道を経て、いよいよ自分の両腕が悲鳴を上げだす。
「城ケ島 で美味しい海の幸が食いたいー」 と唱えるものの、「このままじゃ車を返す前に腕がどうかなるかも」 って焦りが出始めた。
情けない、体力が貧弱な わが身の限界点ってところでしょうか。
決心し、このまま横浜に戻る事に。
大橋で島に渡る手前で脇道に反れ、ナビがリルートを叫び続けるのを無視して帰路を探す。
大失敗し、油壺で行き止まりに入り込み、狭い場所で 「Uターン」 を余儀なくされる。
…「地獄」。
ハンドルが重い上に、切れ角が小さく、車両感覚も難しい車でやるのは厳しい。
ほとんど、「ガンコおやじ」 や 「ヒステリーおばさん」 を 説得しようとするようなもの、自殺行為です(笑。
ハンドル径が小さすぎて、禁じ手 「逆手ハンドル」 もできない。
半分 「涙目」 になりながら、「うぉぉー」 って叫びながら懸命にハンドルと格闘する。
とても他人に見せられた姿じゃない。
3回切り替えし、何とか方向転換できた。
広い路肩を探し停車、スマホのナビに借りた場所を設定。
車の簡易ナビは、「自宅」 を選択すると 営業所がセットされる。
帰路は 自動車専用道路 を最優先で走ります。
一般道のような急カーブが無い利点もありますが、個人的に 「横浜新道」 を GノーズのZで走ってみるのは 「夢」 だったりする。
子供の頃、小松左京原作のTVドラマ、「日本沈没」 で見て印象深いシーンが。
「田所博士」 が 「次は横浜新道がやられる!」 と警鐘するも、やる気の無い学者先生に無視された結果、「安部玲子」 の運転する フェアレディ Z 240 が 横浜新道(出来立て?)で道路陥没にあってしまう。
そこで、ドラマ前半で再三登場する マルーンの 240Zが爆発してしまうのだが、どういうワケか自分の中で 「横浜新道」 と 「フェアレディ Z」 は印象深いのです。
ある意味、夢が30年ぶりに叶ったかな(笑。
有料道路に入り、最初に見つけたパーキングで一休み。
トイレ と 自販機しか無いが助かります。
実は、このハンドルの重さが怖く、途中で寄ろうと考えてたコンビニも、結局1度しかとまれず喉カラカラでしたから。
因みに、ココのみ ETCカード非対応で、必死に財布から小銭を探すハメに。
窓は広く、極端に低くはないものの、この車を借りる際は ETCカード(自分で用意)必須ですね。
さすがに、バケットシートで寛ぐ気にはなれず、そばにあったベンチで小休止です。
また直ぐに走り出すため、エンジンは掛けたまま。
古い車の場合、始動時にトラブルが出ると怖いので、ここは起きてるまま待って頂きます。
やはりエンジンのバランスがあまり良くないのか、アイドリングではかなりのバイブレーションが出てしまう。
そのバラつきは、排気音からもうかがえる。
壊れて動かなくなる雰囲気は無いものの、これを酷使してスポーツ走行しようという気にはらないかも。
今回は出先でユックリと撮影する余裕が無く、結局はココで数枚写しただけに。
にしても、「フェアレディ Z」 のこの 「Gノーズ」。
ペリカンのクチバシというか、長く伸びる様は独特ですよね。
元は 「フェアレディ 240ZG」 という、海外向けモデルにあった形状と聞きました(本当?)。
それが、交換キットで改造する人が続出したらしく。
恐らく、この Z も オーナーが 「Gノーズ化」 したものじゃないかなぁ。
追突したら 「刺さる」 よね、きっと(笑。
「DATSUN(ダットサン)」 のバッヂが似合ってる。
この車体の頃って、まだ プリンス と合併する前だったのだろうか。
昔は 「ダットサン フェアレディ」 って良く聞いたなぁ。
せっかくだから、イロイロなアングルで 好きな角度を探して見ます。
「ダックテール」 化していない(あれはちょっと邪道かなぁ)リアアングルも、なかなかに魅力的です!
今じゃ見ない、鉄のメッキバンパーも この車にはアクセントとして似合います。
全体に 「小じんまり」 した佇まいも、逆に新鮮でいいなぁ。
車幅 1,630mm って、サイズ的には、トヨタ 「ヴィッツ」 より狭いんですよね(汗。
さすがに全長は4mを越えちゃいますが。
ちなみに、4人乗り(2+2)のモデルでは、横のせり上がる小窓の形状・サイズが変わりますね。
私はこちらの2人乗りの持つ、潔い美しさに魅かれます♪
…、あれ?
一応 「ヘッドレスト」 あったのね(気付かなかった)。
でもって、やっぱり 「Gノーズ」 の私的 ベストアングルはコレかなぁ。
巷に ロングノーズ&ショートデッキ のフォルムを持つ車は沢山あれど、この独特の形状はなかなか個性的です。
運転席から常時見える、可愛いメッキワイパーも 時代を感じさせる。
今となっては 「古典的」 な姿も、逆に 「新鮮」 にさえ感じてしまう。
箱の車が多い中、流線型 ってのは希少価値ですよねぇ。
東京モーターショーの 「RX-VISION コンセプト」 があれだけ 注目を集めるあたり、今後長生きしたら こうしたフォルムの 再考・復権 なんて見れたら面白いなぁ。
さて、想い叶って 「横浜新道」 を 80km/h(高速道路ではないからね)で気持ちよく流します!
軽く舵角を当てる程度なので、実に快適に運転できる。
これダケなら、普通の女性でも運転できそう。
乗り心地も良く、この辺りは グランツアラー的な表情を見せ、北米で大ヒットした所以なのかもしれない。
ギヤも5速にさえ入ってれば、よほど長い上り坂でない限りはシフトチェンジは不要。
にしても、昔のL20 ってこんなに粘ったのかな、扱い易いわ。
金沢八景で下に降り、一般道へ。
そこそこの渋滞があっても、クラッチが軽めでトルクあるから思った以上に楽なのですね。
ここも、トヨタ 「86」 より好印象。
サイドブレーキを使う必要、ほとんど無かった。
結局、燃料計の針が微塵も動かないうちに無事帰着。
因みに、Zを借りる時は 携帯電話(スマホとか)は必ず持ちましょう。
パーキングを出る時と、戻って入る時に、係り員が専用カードでゲートを開閉をしてくれます。
出る時は良いのですが、戻る際は 直前に電話を入れてお願いします。
携帯電話が無いと、どこかで公衆電話とかから連絡するハメになるので大変です。
近くに観光地の 山下公園 と 中華街 があり、それ以外はオフィス街 なので コンビニも駐車場が無いケースがほとんど。
容易には電話を見つけられません。
その中華街の影響で、営業所に戻る最後の信号はかなり恥ずかしい事に。
借りた朝はまだ人が少ないものの、帰りは内外の物凄い数の観光客の波の中、交差点を通過する事になるのです(汗。
一斉にスマホやデジカメのレンズが向けられ、何人かが手を振ってくる(汗×max。
笑顔がサマにならない私ですが、せいいっぱいの 「作り笑顔(ださ…)」 で軽く手を振りかえす。
何となく、日本人より欧米の方が興味を持ってる気がする。
文化の違い???
そんな雰囲気ですね。
「エリーゼ や ウェストフィールド じゃなくて良かった…」。
オープンカーじゃもっと照れるわな(爆。
戻ると、タワーパーキングのため、螺旋状の坂の途中でバックの車庫入れが必要になる。
とはいえ、ここは係員がしっかりと指示を出してくれるので、落ち着いてやれば難しくはない。
定位置に戻すと、ドッ と疲れが出て、同時にえもいわれぬ満ち足りた満足感が。
通常のレンタカーと違い、返す時はいろいろ車のチェックが入ります。
今回は担当の方がちょうど手隙になったようで、暫く Z と エリーゼ を前に貴重なお話しを伺えました。
(お仕事邪魔してごめんなさい)
「フェアレディ Z」 は、子供の頃に ご家族が実際に乗っていたのだそうです。
今のコレを 維持・整備 するにあたり、そんな経験がとても生かされてるらしい。
とはいえ、既に純正の整備書も入手不可なため、できるメンテナンスは限られると言います。
コスト的な面(採算がありますしね)もですが、「オリジナル」 を大事にすることが絶対な以上、割切る点も出て来る。
中には不明なスイッチがあったりと、実際に苦労が絶えないそうです。
場合によっては、お客の方が高いスキルがあると、そこから教わる事もあるとの事。
とはいえ、出所不明な部品があっても、「レンタカー」 として運用する以上、断念せざるをえないケースも。
例えば、サービス開始当初、「RX-7(FC) のカブリオレ」 があったそうですが、現在は終了しています。
別に車自体が壊れたとかではなかったそうですが、ロータリーエンジンの要、「アペックスシールド」 のメーカー在庫が終了してるために、オリジナル状態の維持が難しいと判断されたからとの事。
実は現在、13B でも アフターパーツでより高性能な 「アペックスシールド」 が出回ってます。
でも、レンタカーとして使う以上、「純正パーツ」 が重要なんですね。
因みに、「フェアレディ Z」 はもっとパーツが欠品してると思ったのですが、意外にまだまだ手に入るので継続してるのだそうです。
とはいえ、時と共に老朽化するのは 機械製品の さだめ。
退役の時は必ず来ます。
パワステが無い、エアコンが温風のみ、ライトが暗い等々、実用として難の多い車です。
でも、「一度でいいから、オリジナルの状態で運転してみたい」 と思ったら、これはとても面白いと思うのです。
キャンペーン価格で借りれるのも、とても親切。
担当の方は、とても丁寧、親切、車が好き と、営業の理想を絵に描いたような方(笑。
今回は 私の友人が仕事で不参加。
なので、また 「フェアレディ Z」 を、今度はナビゲーターと一緒に楽しみたいと思いました。
因みに、タイムズレンタカーの 「SERVICE X」 では、「他に導入して欲しい車」 のアンケートを行ってます。
多くの声が集まり、採算が可能でないとダメですが、リクエストしたら 叶うかも?
ということで、次回はもう少し腕力と体力を強化してからですね。
だって、まだ両の 二の腕、パンパンですー。