熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。
送料込み5000円。
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作品 文章 写真 販売品

ある電話

2012-04-07 06:31:32 | 文章
4月7日(土)、晴れ。

今日は、明るい空です。
昨日は、晴れるかと思えば雨。
雨かと思えば、止んだり。
夜は、満月。
寒さもぶり返して、訳の分からない天気でした。

昨日は漆の盛り上げを続行。
そんな中、通路に茂った雑草を少し引っこ抜いたり。
直ぐ伸びるのですね。
まあ、気分転換にはもってこいです。

ーーーー
そんな中、夕方に岡山から電話がありました。

「以前、電話したHです。あれから3か月入院してひと月ほど前に退院。
 駒づくりがしたくなって、熊澤さんが使っている彫刻刀が欲しいのですが・・」。
「ああHさん、名前は覚えていますよ。大変でしたね。ちょっとお待ちください。在庫があるかどうか確かめます」。

「ありました。6ミリのと4.5ミリのとが今は3本あります。どちらが良いですか」。
「3本ください。それにフルミズナシセの桂馬の紙も欲しいのですが。前に貰った中に桂馬が無かったもので・・」。
「ハアー?? もう一度言ってください」。
「古い水、無い・・とありますが」。
「ああー、それはコミナセと読みます。ですが、古水無瀬は自分専用のオリジナル書体なのでどなたにも渡すことはしていませんが・・」。
「ア、これはあの人からだったか?・・」。

「私の駒の写真でも見て勝手に作ったのでしょう。それに古水無瀬という銘を入れて・・。そんなことをしてこっそりと」。
「知りませんでした。ひどいことをしますね。モラルは無いような・・」。
「そう。ところで、版木刀は良く切れるように研ぐことが大切なので砥石も良いものを・・」。
「ハンギトウって、何んですか。砥石は溝が付いたものですか?」。
「いやいや。平らな砥石。版木刀は彫刻刀のことです。駒は作ったことはおありなんですか」。
「いいえ、これからなんです。出来れば漆もほしいのですが・・」。

「そうですねえ、漆は取り扱いが難しい。最初は安い練習用の木地でなさったら。テストするくらいは差し上げますよ。
 小さなシミが入っていても日本産の黄楊ですから。それで少し練習してからが良いですね。最初から高い木地で失敗しては勿体ない。
 目止めもシッカリしないと」。

「木地と彫刻刀3本と、それに一般的な書体の字母紙が欲しいです。メドメと言うのは何んですか。それも一緒に」。
「目止めは透明の塗料。ホームセンタで買ってください。初めてのようなので、作り方のテキストもコピーして送ります。
 何回も読んで、分からないところは、また電話ください。駒づくりはその後ですね」。


では、また。





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駒の写真集

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