7月17日(水)、晴。
雲は多いですが、空の色は梅雨明けの兆し。
本日の映像は、大橋家に残されてきた古文書の断片。
小見出しに
「先(さきの)宗桂より相伝什物の控」とあって、
一、将棋家宝 箱一組内に
小将棋勅筆ノ駒 一面(組)
同 水無瀬殿筆駒 三面
中将棋ノ駒 同筆 三面
小将棋ノ駒守幸筆 一面
同 栃ノ駒 二面
小将棋小駒 一面
(以下云々、省略)
とあります。
ここに書かれている一番最初の「勅筆(天皇が書いた筆跡、宸筆とも)」とある駒。
これが代々の大橋家で「伝・後水尾天皇直筆の駒」として引き継がれてきた駒のことを指しているのですが、駒は、昭和初期に木村名人が買い付けたのですが、昭和の終わりごろ、木村家からの鑑定依頼によって、正しくは水無瀬兼成筆の駒であることが分かりました。
以上、誤伝の基である大橋家の実際の古文書を、参考のためアップしておきますので、お確かめください。
なお、映像中「矢印」をつけているのは「守幸筆の駒」の部分です。
最新の画像[もっと見る]
今もありますか?
「錦旗」に関しては、誤まりだらけです。
例えば「宸筆錦旗」なんていうのは、誤まりを誤りと知らず、巷間ささやかれている誤りを真に受けて、わざわざ銘に「宸筆」を冠しているのは、取り返しが利かないことだと思います。
世の中の大半の将棋愛好者は、プラ駒略字彫りで満足しています。書体銘のいくつかを言える方は少ないでしょう。さらに錦旗には、豊島錦旗があり宸筆錦旗もあることを知っている方はマニアと言えるでしょう。マニアならまことしやかに伝聞された誤りに惑わされず、正しく学習してほしいものです。