これから魔ものを退治に出かける と
太いこん棒を振りまわすケンちゃんの夢を見た。
その数時間後、ケンちゃんから電話がある。
「新聞の死亡欄にOOの名前があるがあれは叔母さんのこと?」
ケンちゃんとは幼馴染みだが、電話など滅多に来ることはない。
夢と電話・・・・・
なにかがどこかで繋がっているのかも。
これまでたくさんの葬儀に参列したが
きょうの叔母の葬式ほど胸につまったことはない。
故郷を捨てて40年、
ブルゴーニュから一時帰国していた従弟の
施主としての謝辞と立ち居振るまい・・・
ほんとうにすばらしかった! 感動した。
ドライ・アイに潤いが戻ってきた。
後方の席には声が小さくて聞き取れなかっただろうが
心の内はその姿から充分に伝わった筈。
ブルゴーニュ地方のおだやかな人たちと
美しい自然に抱かれて
やわらかな物腰と慈しみのこころを身につけてきたのだろう。
きょう初めて彼をすばらしいと誇りに思った。
(3月3日)
大阪から三人の女性が訪ねてきた。
旭高校1960年代の叔父史郎の教え子たちである。
不思議なことだが、親族が亡くなると
それに合わせたかのように
いつも遠くから見知らぬ人がやってくる。
なにかがどこかで繋がっているのかも・・・・
しばらくお喋りしたあと、お墓に案内する。
墓碑の前で懇ろに手を合わせてくれている姿に触れて
50年経ってもいまだ慕われている叔父史郎は
とても幸せ者である。(3月4日)
闇よりも黒き塊り恋の猫