五十の手習い足払い

五十歳を過ぎて始めたブログももう何年目?
山梨に住む新しモノ好きのオヤジが自分の趣味や日々の暮らしをつづります。

通夜の夜

2005年07月05日 | 日々のつれづれに
長男の高校時代の友人のお母さんが亡くなったとの知らせを受けて、青梅市にある斎場で行われた通夜に参列しました。

折からの雨は、斎場に着くころにはすっかり上がり、湿気をたっぷりと含んだ空気が、それでなくても重苦しい雰囲気をいっそうかき立てているかのようでした。

長男と同じ高校で、野球を一緒にやったその友人は、たしか三人兄弟の末っ子で、故人がとても可愛がっていました。
中学校を出たばかりの子供に青梅を離れて甲府の地での一人暮らしをさせるには、母としてもよほどの決意があったのでしょう。
息子が試合に出ない1年生のときから、公式試合には必ず夫君と一緒に球場に顔を見せていました。

大学に入って4年目、子供がいよいよ就職という時期になって、彼の行く末を見届けることも出来ずに癌によって命を絶たれてしまったことの無念さは筆舌には尽くしがたいものがあると思います。

昨年の試合の後「子供への手がかからないようになったら、ゆっくりとお邪魔させてもらいます。」と笑顔で言っていたのに、我が家でくつろいでいただく約束も果たせないままに逝ってしまいました。

来るときは気がつかなかったのですが、斎場から駅への帰り道にアジサイがひっそりと咲いていました。
保護者会などの親の集まりなどでもあまり表に出ようとはせず、いつも隅の方で微笑んでいた故人の笑顔を思わせるようでした。

 紫陽花に 亡き人のかげ 落としけり
コメント
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