松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

風船になる

2005-10-15 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
キャンペーン開始から2週間。
今まで以上に充実した練習ができて
とても嬉しい。

何よりも基本を確認できることが大きい。
どういうわけか大切な基本であるはずなのに、
少しずつ自分で
変質させてしまっていることが少なくない。
はじめに説明をきいて
動作確認もしたはずなのに、
時間の経過とともに
基本からはずれてきてしまう。
先生に指摘されてはじめて気づく。
自分で修正できないうちは、
こうした基本に立ち返って
再確認する時間が必要なんだなと思う。

さて、今回新たに意識しだしたことの中に
“風船のような状態”というのがある。
外へと張り出すようなイメージ感覚なのだけれど、
なるべくこの状態に近づこうと思うと、
ある程度ゆるんでこないと
感覚がつかめないみたいな気がしている。
しかも風船が球体であることを忘れていると、
張り出すイメージがいびつになっていることに
気づかされる。おもしろいと思う。

全身を風船に見立てると
球体でバランスを考えるようになってくる。
手の位置、足の位置をそこに置くために
必要な前後左右上下の
それぞれの方向への意識があったことに気がつく。

ただそこへ置くのと、
明確に意識しながら置かれているのとの違いが
少しずつわかってくる。
こういう意識の働き方がわかってくると、
力は必要な時に必要なだけ使えばいいんだなあ
と思えてくるのが不思議。
でも、そのように感じたからといって、
すぐに風船になれるわけではないところも面白いし
好きだなと思う。
わかったと思ったことが
またわからなくなったりするのが
太極導引だと思うし、
諦めずに続けてこられたのも、
少しずつだけれど自分が身につけているものが
確かにあるからだと思う。

はじめから多くを望んでみても
人にはそれぞれ器というものがある。
他人の目からは
おぼつかない足取りに見えるかもしれないが、
自分のペースで自分の器を満たせるように
なれればいいのだと思う。


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