ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

目先の利ざやよりも、収益の仕組みを考える 、「企業統治(コーポレートガバナンス)

2009年01月17日 07時37分12秒 | Weblog
石油の仕切りや市況は毎日変わります。
仕入れや売りの価格に毎日、毎日、振り回されて、ああでもない、こうでもない。

「そんな目線で商売をしていると、自分の石油ビジネスが情けなくなる」
「これからも、こんな仕事が続くのか・・・・・」
なんて、嘆いているSS経営者の悲痛な声が聞こえます。

確かに、そうなのです。そのとおりです。
目先の価格ばかりを追いかけていても、競争が激しいこの業界では、いつまでたっても採算に追い付きません。
ですから、採算性を確保するには「儲かる仕組み」、を構築することがポイントです。

最近では、SSを起点とするビジネスアイデアの試行も増えています。

しかし、企業として、一番即効性がある、収益構造の改善手法は、
「経営管理業務の省力化」、(管理業務のコストダウン)なのです。
こんな時代に、売上を増やすことで租利益を増加させるという考え方はしょせん無理があります。

業務管理コストを、劇的に削減することが即時の収益向上に効果を発揮します。

ですから、大手企業は人を削って、合理化システムの導入を推進します。
当然、経営規模が大きいほど確実に収益効果も大きくて、即効性があります。
問題は、導入経費対効果ということになります。あとは、人材と資質の問題です。

合理化ですから当然、人の問題は付いてきます。
リストラして、システムで管理業務を平準化するという手法が一番効果があるのですが、当然、リストラに対する抵抗や業務改善などの変化を嫌うベテランスタッフなどの抵抗もあるはずです。

ここで、経営管理者に問われるのが、「企業統治(コーポレートガバナンス)」ということになります。

こんな時代です。部下の社員やスタッフが、正面切って反対したり、抵抗することはないにしても、かなり巧妙な手練手管で、経営者の目の届かない現場の一部の意見などの理由をつけては、省力化に抵抗したり、進捗を遅らせるといった手法で見えない抵抗勢力となっているケースが増えています。

最近も、某大手企業の経営者の方が嘆いていらっしゃいました。
老舗企業などにはよく見られるケースです。

貴方の企業では、そんなジレンマをありませんか?
なにも、石油業界に限ったことではなくて、ほとんどの企業で経営者の課題として企業統治能力が問われているわけです。

国の政治でも企業でも、現状維持派で変化や改善を嫌う「抵抗勢力」が組織を腐らせているわけです。
大胆な改革や改善を実行するためには、経営者としての大英断が必要なのですが、抵抗勢力は業務の中身に精通していて、何だかんだと理由をつけてきます。
ですから、経営者の意思と命令を速やかに実行に移すための企業統治能力が問われるわけです。

アメリカなどでは、企業によるリストラを回避するための社員のためのコンサルティングという、有料の学習教室があるのだそうです。笑ってしまいますが、本当の話なのです。

こうなると、経営管理者と怠慢でしたたかな社員の「知恵比べ」みたいになってしまいそうです。

チャイナ発 世界大恐慌

2009年01月17日 06時22分04秒 | Weblog
全国各地に出張して見ますと、年が明けて景気は、さらに厳しくなっているという実感がわいてきます。

石油業界では、今後の値動きと収益動向に対する緊張感が増幅しているようです。
こんな時節は経営者の考え方や動きにも差が出てきます。
積極的な方、意気消沈型。
まあ、一人の人間でも強気になったり弱気になったりするものです。
仕方がありません。

企業を経営していれば、常に心の迷いや、不安がついて回ります。
独りで悩んだり、苦しんだり、そんなときに経営者は孤独だと感じます。

「100年に一度」と表現されている、今回の大不況。

本当に100年に一度だとしたら、ほとんど100%の経営者が初めて体験する規模の大不況だということですから、考えてみれば大変なことなのです。
ですから、どんなことが起きるのやら全くわかりませんね。

これほど急激に、そうそうたる大企業の決算が一気に赤字になって、製造業などの人員整理がこんなに過激に行われるとしたら、これからの実体経済はどうなるのか? 、誰でも、先行き不安になってしまいます。

昨年の今頃は、こんなことが発生するとはほとんどの方が予想せずに、「オリンピックイヤー」で浮かれていたわけです。

一部の経済評論家などは、「大恐慌到来の危機」を予測する論評を盛んに書いていましたが、実感としては「まさか・・・」という方が多かったはずです。

こんな時節に、副島隆彦氏のベストセラーであるアメリカ発の世界金融恐慌の到来を予見した『恐慌前夜』などを読み返してみると本当に勉強になります。

浅井隆氏の「チャイナ発世界大恐慌」も今後の予測としてはかなり大胆な事が書いてあります。
「2010年、世界もあなたも未曾有の大混乱に襲われる!」
第一幕(サブプライムローン)はついに終わった。
そして、次にやってくるのは
前代未聞のチャイナ発世界大恐慌だ!

なんともはや、恐ろしい、副題の「本」です。
本屋の店先に、「大恐慌」の文字が躍っている時代です。

大変なのは、貴方だけではないのです。
世界中が大変なのです。

こんな時代ですが、一生懸命。がんばりましよう。