中国料理 郷村菜 蔬菜「蓮香」再訪。
今回のシェフの旅は新疆ウイグル自治区。お任せコースは下記の通りです。
盛り合わせ
①じゃがいもの生フェンネル風味<茴香土豆>・・・フェンネルの香りをまとうじゃがいもは
別次元の美味しさへ到達。飽きの来ない味わいです。
②ウイグルのレーズン・人参・スパイスサラダ・・・クミンが香る千切りニンジンのサラダは
スパイス使いの妙が冴え、ご馳走へと昇華。
③マンボウの腸の冷製・怪味ソース掛け・・・怪味ソースはピリッとした辛さの中に
ゴマの風味も感じられる、まさに複雑な味わい。
千葉産の旬の恵み、歯触りのよい腸の冷製にも好相性です。
④レタスの黒酢風味熱油掛け・・・黒酢の使用も味にとがったところがなく、まろやか。
また、ニンニクも効いているため、食欲のそそり方が半端ない。
“無限サラダ”という表現が相応しいかも。
⑤羊のスパイス焼きクミン醤油・・・長野産の肩ロースはきちんと火が入っているのに
ジューシーで柔らか。素材の素晴らしさもさることながら、技量の確かさがうかがえ、
このままでも何ら不足のない美味しさですが、クミン醤油のちょい漬けで
味が引き締まり二度美味しい。
白骨空芯菜ウイグルドライトマト炒め
炒めには、ニンニクと鷹の爪も使い、ドライトマトは思ったほどカリカリではなく
セミドライトマト風。酸味が強調したものではなく味にまるみがあります。
中国野菜の白骨空芯菜のシャキッととろっとした食感がたまらなく、また
今宵も迷いのない強火炒めで油が「乳化」していますからオイルも旨いのです。
新疆式<辣子鸡>ウイグル式鶏の山盛り唐辛子炒め
現地の味をベンチマークするには、唐辛子を惜しみなく使う。それが、この料理のポイント。
話によるとウイグルの辣子鶏は山椒無しなのだそう。
使用している唐辛子は食べられるもの、というので、さっそくチャレンジ。
香ばしくて美味し~!と調子に乗って食べていたら、3本目にその時はやってきました。
中ほどの胎座が付着した種のあたりに突然辛味を感じ、ひーはー炸裂。
それでも美味しかったから、恐る恐るではありましたが5本は食べちゃったかな。
鶏肉は「虞妃」さんと同様、大ぶりカットの唐揚げ。カリッとして肉はふっくらジューシー。
どっさりの唐辛子の中からお宝探しのように小さなカリカリ唐揚げを掬い上げる食べる
辣子鶏も悪くはないのですが、肉の旨味を味わえるこの大きさがご馳走サイズです。
ふくろ茸のオムレツ<草茹炒蛋>
オムレツは玉子のコクに、だし巻きのように下味がついていて、ふわふわとろっと
滑らかで優しい口当たり。このふわとろ感の巧みさに心が躍るのであります。
羊と葱の強火炒め<葱爆羊肉>
先ほどの肩ロースとは異なる、赤身のような肉の力強い旨みがあり、
白飯を欲するピリ辛濃厚味。
コース料理の中で、きっちり味の強弱をつけているから食べる楽しみが継続するのです。
新疆高級キノコ<巴楚茹>とエビ塩炒め
エビは衣をつけて揚げたものをピーマン(赤・青)とウイグルの高級キノコと
炒め合わせています。この巴楚茹は別名“接待キノコ”とも呼ばれ、
文字通り接待時にしか登場しないラグジュアリーなキノコ。
貝のようなシコシコ食感で噛むと味がしっかり。
ほかのメンバーと協調しないわけではないのですが、歯触り、味わいともに豊かで
その存在感は絶大。この炒めの主役をエビからもぎ取っていました。
ラムチョップ
シェフのサジェスチョンにより加えてもらった料理。
こちらはニュージーランド産のラムチョップによるスパイスグリル。
添えられた生タマネギと交互にいただくようアドバイスを受けられました。
香り高く臭みなし。この点では共通ですが、国産の羊肉にはフレンチレストランで
いただくような繊細な美味しさを感じられたのに対し、こちらはぐっと味が
濃厚で羊肉の旨味がたっぷり。より野趣溢れる味を楽しめました。
各人の好みによるもの、と思いますが、私としてはこのニュージーランド産の
ラムチョップが今宵の1等賞!間違いなく癖になる美味しさです。
(ノブロー&レンタロー) うんめえー!!羊肉の脂がじゅるじゅるだで~
ナスとトマト ウイグル族の家庭風<家常双茹>
お任せコースも終盤。〆の飯に合わせてサーブされたのがナスとトマトの炒め。
淡い味付けで素材の持つ自然な甘みが生きた家常菜が提供。
そして、カザフスタン式のポロが登場。
旅の収穫として現地で教わり舌に記憶させたものが、このカザフスタンスタイルの
炊き込みご飯なのだそう。
香りがふわっと立ち上がり、羊の旨みエキスが生きたポロはナチュラルな味わいで
源流を感じさせ、最後の料理もシェフが体感した味を共有させてもらえました。
ウイグルのドライフルーツのせヨーグルト
クラッシュナッツも食感のアクセント。語る必要もないかと思いますが、
ドライフルーツとヨーグルトの相性は抜群。デザートとして出してもらえたことで
コース料理の満足度もさらに高まりました。
私にとって、またお邪魔させてもらいたい1軒であります。
(ノブロー) おまけでもろうたんはラクダとヤギのミルクアメ?かな。
クセのない味だけんど、カッチカチに硬いんだ。
蓮香(Renshan)
東京都港区白金4-1-7
TEL 03-5422-7373
営業時間/18:30~21:00(L.O)
定休日 不定休 -店舗情報「食べログ」より-