京都駅よりJR奈良線で「東福寺」乗り換え、京阪本線で「中書島(ちゅうしょじまえき)」
下車。自由時間に向かったのは京都伏見の十石舟。
伏見といえば全国屈指の酒処、川の両側に並ぶ酒蔵の風情を十石舟から観賞します。
月桂冠大倉記念館裏から出航して、三栖閘門資料館(みすこうもんしりょうかん)で
いったん下船。同資料館を見学のあと折り返して戻ります。(所要時間約55分)
宇治川派流をゆったりと遊覧。写真には収められなかったのですが柳が見事でした。
そうこうしている間に三栖閘門に到着。
説明によると、
「三栖閘門は伏見港と宇治川を結ぶ施設として1929(昭和4)年に造られました。
2つのゲートで閘室内の水位を調節し、水位の違う濠川と宇治川を連続させて、
船を通す施設です。
昔は、たくさんの船が閘門を通って、伏見と大阪の間を行き来していましたが、
道路や鉄道の発達にともない、交通路としては利用されていませんが、
地域との関わりが深く、歴史的にも大変貴重な施設です。」
なるほど。やはり、いつの世にも賢い方はいらっしゃるのだ。
水位を変えることにより通航可能になるとは、私にはとても考えがおよびませんでした。
それゆえにとても興味深い。
伏見、その歴史をさかのぼると豊臣秀吉が伏見城を築き栄えた城下町であり
水運が発達していました。
資料館での説明によると、
「江戸時代、伏見港は伏見と大阪を運航する過書船、京都と伏見を行き来する高瀬舟
の発着点になり、舟運交通の中継拠点としてさらに繁栄を遂げていきました。
1870年(明治3)、伏見~大阪間を蒸気船が就航するようになります。
-中略-
次々に汽船会社が誕生します。その一方、三十石船は次第に衰退していきます。
鉄道や道路の発達に伴い、1962年(昭和37)に貨物船輸送が完全になくなります。」
このように水運が陸路に代わり、やがて伏見港は埋め立てられ現在は公園と
なっています。
また、伏見といえば坂本龍馬ゆかりの「寺田屋」も有名です。
「高瀬川沿いにある木屋町通りは、大阪からの物資の集積地として発展したまちです。
-中略-
運び込まれる物資の中心だったのが材木や薪炭 でこれらを取り扱う問屋が多かった
ことから木屋町という名称がついたといわれています。」
高瀬川一之船入(いちのふないり)、以前訪れましたが、桜の似合う素敵な場所でした。
資料館には模型やパネルが展示され、職員さんからの丁寧な説明を受けることも
できましたが、そろそろ戻る時間です。
束の間でしたが、雨が止んでくれていました。
十石舟、酒蔵の間を舟が抜けていきます。
ここでお猪口で一杯伏見の酒をふるまっていただけたら、なお良かったのになぁ。
と飲んべえの独り言。 勝手なことを申してすみません。
十石舟
平成23年度
運行期間:4月1日(金)~11月30日(水)
運休日:毎週月曜日(祝日を除く、ただし、4・5・10・11月は月曜日も運航)
※8月22日(月)~9月2日(金)の期間は夏期運休
料金:大人1000円(中学生以上)小人500円(小学生以下)