創作中華「一之船入」 (イチノフナイリ)
当店はミシュラン星獲得店(一つ星)。
オーナーシェフは、横浜中華街で生まれ育ったという魏禧之(ぎ・よしゆき)氏。
HPによると、医食同源をコンセプトに置き、“京風”創作中華を提供している。
最寄り駅は、京都市役所前。京都ホテルオークラ裏手の高瀬川沿いという抜群のロケーション。
白熊二代目さんとのぬいさんオフ会のため、事前に、特撰船入コース 7品@8,500円を予約。
築90年の町家を改装した店舗でいただくヌーベルシノワに期待も大きい。
のれんをくぐり入店すると、石畳のエントランスが広がっていた。
――歴史ある町家の雰囲気に呑まれそうだ。
対応してくれたスタッフさんに予約名を告げると、リザーブしてくれた部屋は2階とのこと。
靴を脱ぎ、情緒のある階段を一段一段のぼって案内されたのは、一番奥の畳の個室。
テーブル・セッティングは、ペーパーランチョンマット、箸置き、ロゴ入り箸袋に入った割り箸、
スプーン(2)、コースター、ドリンクメニュー。
卓上には、紙ナプキン、爪楊枝などがセットされ、
正座椅子に座ると、タオル地のおしぼり(トレー置き)が提供された。
こちらのお部屋は、船入を眺められる、ウッドテラス付きの小部屋で、
のちに調べたところ「金龍の間」。しっとりとした風情を感じる中、
静かに流れるBGMは中華系で、日中が融合した“コラボレーション”空間。
(テラスには灰皿が置かれていた)。
白熊二代目ちゃんたちと久しぶりのオフ会。参加ぬいさんも多し!
(ノブロー) 今回は白熊さんとこのパンダ兄弟も参加だで♪ 心強いだ。
個室のお蔭で、ぬいさんと心置きなくリラックスしていると――。
「失礼いたします。どうもありがとうございます。どうぞごゆっくりしていってください」
と、店の方が部屋に挨拶に来てくれた。
コースがスタートする。(品書きはなし)。
料理は、一部を除き、基本各自分での提供。サーブ時にも細かく説明を受けれる。
じゃこピーナッツ(3名分)
乾杯用に、生ビール(小)@300×3。紹興酒は、古越龍山 陳五年(ボトル)@4,000を注文。
バターナッツのフカヒレ入りポタージュ
フカヒレはバラバラになった状態。レンゲで口に含むと、バターナッツ(南瓜)のほっくりとした甘みが
強く主張され、ポタージュは南瓜の一人舞台。
フカヒレがもったいなく感じた。
鮮魚とアボカドのタルタル
鮮魚は、漬けマグロ、スモークサーモン、いくら。
「よく混ぜてお召し上がりください」とサジェスチョン。
ごま油を絡めた冷たい麺入り。
アボカドのタルタルの上には、小さくカットしたリンゴが散らされ
フルーティーでコクのあるソースが、鮮魚やシャキシャキとした野菜に馴染み
いくらの塩気がアクセントになった。
フカヒレ姿と冬瓜の上湯仕立て
下に沈むのが、フカヒレ姿。味をしみ込ませているようで、見た目はこげ茶色。
その上に、摺りおろし、とろみをつけた冬瓜を浮かべ、鹹蛋(塩漬け卵)とオクラをあしらっている。
(コドモちゃん) サーブ時には好みで使えるよう、赤酢もセットしてもらえたよ。
白熊さんのところのぬいさんも、食レポをお手伝いしてくれてます。thank you
煮込みのソースは、独特の味の濃さがある。
そのままより、赤酢を使ったほうが口当たりもさっぱりするし、印象がプラスに働いた。
海老と松茸、ウニの炒め 福建のりソース
鮮やかなレッドの器に盛り付けられたネギ、生姜炒め。
油が多いのかしら? 素材は良いものを使っているのだけど、食べ進めると
しだいに重たくなり食傷してしまった。
また、香りの良い福建のりだが、ソース仕立てが「炒め」にマッチしているとは思い難い。
鴨とフォアグラのソテー 京揚げ豆腐とゴボウの煮込み
ソースにはアサリも入る。
さすが特撰。厳選した個々の食材の質の良さには恐れ入るが、
口に含むと、舌に留まり残る味の傾向がくどくも感じられ、私にはヘビー。
贅沢を言わせてもらっているが、ここにきて重たさが蓄積された感じ。
ズワイ蟹と松茸、レタス炒飯
この秋、最後の松茸。炒飯には小さくカットした状態で目視できた。
しかし、小粒でも十分に風味が立ち、存在感を示している。
ポーションは少な目なので、コース〆には丁度良い量だ。
(ノブロー) おめら、いきなり、吹き出しで食レポとは……。
大物になるで。パンダ兄弟、油断ならねえな…(汗)。
(ノブロー) デザート前にはおしぼりの差し替えがあって、ジャスミン茶もティーポットで
サービスしてもらえただ。茶葉は茶漉しボールん中だな。
デザート
スプーン、フォークがセットされた後に登場。
左から、中にツバメの巣を入れた杏仁豆腐(赤はザクロの実)、マンゴープリンのバニラアイス添え、
いちぢくのパスティ チョコレートソースがけ。(チョコソース、酸味あり)。
味の方向性を違えた盛り合わせ3種。どれも美味しく、楽しめた。
「お料理はこちらで以上でございます。ありがとうございました。」
お会計は、テーブルチェックにて。
サービス料10%を含み、1人当たり12,000円(千円未満四捨五入)
帰りには、表まで出てくれ、私達の姿が見えなくなるまで、長く見送ってくれていた。
和の要素以外にも、洋の技法を盛り込んだ京都町家ヌーベルシノワ。
今回、特撰で提供された美味しさの構成内容と、自分の嗜好にズレを感じたものの、
個室でのリラックスした時間は特別感があった。
接待などの大事な場面で重宝するだろう。
一之船入 (イチノフナイリ)
京都府京都市中京区河原町二条下ル一之船入町537-50
TEL 075-256-1271
営業時間/ 11:30~14:00(L.O.13:30) 17:30~22:00(L.O.21:00)
定休日 日曜 -店舗情報「食べログ」より-
http://ichinohunairi.com/
※中国料理満足度数は、3.6~5.0
一之船入 (中華料理 / 京都市役所前駅、三条駅、三条京阪駅)