中国旬菜「茶馬燕」(ちゃーまーえん)
当店のHPによると、化学調味料を極力使わず、広東と四川を軸とした料理を提供する
中国料理店とのこと。
当店は、藤沢駅南口より徒歩3分の立地で、第一興産18号館ビル 6Fに店舗を構えている。
電話予約の際、申し込んだのは
<選べる『茶馬燕』コース> お一人様 \5,400~
2名様以上、前日までに要予約。HPより、各種料理を選び予約の時点で伝える。(当日の選択不可)
また、当該コースは「お任せ」でも提供可、その場合も予約時に伝えてほしいとのことだが
今回は、料理をチョイスする形でお願いした。
なお、選ぶ料理によっては割増料金がかかる。
静かに中華系BGMの流れる店内はテーブル席(片側ソファ席を含む)のみで8卓。
小体な造りだが、清潔感があって程よくモダン。
フロアを担当する女性2名も丁寧な接客に努めてくれるので居心地は悪くない。
入店後、上着を預け案内を受けたのは、中ほどの片側ソファテーブル席。
テーブル・セッティングは、箸置き、箸(縦置き)、レンゲ置き、レンゲ。
卓には布のクロスが敷かれ、トップはガラス天板。
着座後には、タオル地のおしぼり(トレー置き)と
「本日お料理は受け賜わっておりますが」とドリンクメニューが渡された。
ドリンクは、プレミアム生“アサヒ熟撰” タンブラー(中ジョッキ)@650、
ミニグラス@430からスタートし、
カメ出し紹興酒(加飯酒)古越龍山三年 カラフェ500ml@2750×2、
塔牌 陳十年 カラフェ250ml@1,850 に進行した。
(ノブロー) ほぉほぉ、これが管理人と寝太郎がチョイスした献立だな。
卓上には、私が予約時にお願いした料理がお品書きとして用意されていた。
これは予想していなかっただけに嬉しい。
お品書きは外食感をアップさせ、これにより食事の進行を確認し、楽しみを持ちながら、
次の料理を待つことが出来る。
なお、コース料理は全て各自分での提供となる。
一皿目が運ばれてきた。
六彩毎位盆(六種前菜“四川と湘南の散歩道”)
①松汁油菜(菜の花の松の実ソース)・・・甘みの中にほのかな酸味。
②例腌菜(本日のお漬物)・・・赤カブの酢漬け。さっぱりと。
③芝麻汁春芽(うるいのゴマソース)・・・ゴマ風味が自然で味わいに清涼感あり。
④茶馬口水鶏(香鶏の四川名物“よだれ鶏”)・・・質の良い鶏肉はむっちりとして心地良い弾力。
下にはキュウリ、刻み香菜とクラッシュナッツを散らし、花椒が効きしっかりビリ辛。
醤油感が優位で、欲を言わせてもらうと、もう少し香菜が欲しい。
⑤例海鮮涼菜(本日の魚介を使った冷菜)・・・真蛸の香菜ソース。味の仕上がり感が
中国料理というよりイタリアンのよう。このあたりが湘南の散歩道なのかも。
⑥姜汁牛舌(牛舌の生姜ソース)・・・とろとろの牛舌。生姜ソースもまろやかだ。
丁寧に仕事がほどこされた料理は、各々に味のナチュラル感がある。
八宝湯(スッポン、朝鮮人参など八種宝入りスープ)+650円
目前で蓋は外される。
様々な効能が期待できる八種宝入りスープは、旨味が濃厚で
ひと口毎に、胃袋がふっくらぽかぽかと温まり、しみ込むように滋味深い。
(寝太郎) 上湯をベースとした体に優しい美味しい薬膳って感じだよ。
美味しいものは手を休ませない。飲んだ際の綺麗な味の余韻が続き、
再びスープを口に運ぶ。この繰り返しで、あっという間に器の中は空っぽになった。
「お味、いかがでしたでしょうか?」
空いた器を下げにきたフロア担当の女性の問いに
「最高に美味しかったです!なかなかこんなスープはいただけないです」
と答える寝太郎さん。
事実、私もそうだと思う。割増料金がかかるが、選んで大正解。
美味しさが凝縮された絶品スープだった
脆皮麻辣星鰻(クリスピー穴子の四川甘辛仕立て)+100円
料理は予め店側で取り分けてから、提供される。
贅沢をいわせてもらえるなら、いちど大皿に盛って客側にお披露目後、分けていただけると、
もっとテンションが上がるのだけれど。これでは仕上がりの全体像がわからず、ちょっと寂しい。
散らされているのは、カシューナッツの飴炊き。
かりっと揚げた穴子は、甘すぎず、辛すぎず、絶妙な味加減で、おつまみ力も有する。
魚香肉絲(細切り豚肉の魚香炒め)
四川風魚香炒め。鼻孔を開くフレッシュで爽快な香りに驚く。
金針菜、タケノコなどと炒められた豚肉はふんわりと柔らかくジューシー。
スパイス使いも巧みで、ほんのりとしたピリ辛さが追行する。
もっとクセがあり、濃厚でこってりしたものをイメージしていたが、くどさがなく美味しい。
(ノブロー) オイルも滑らかでうめえだな。
羊肉餃子(羊と香菜の焼き餃子)
羊肉の個性が凝縮!独特の味の濃い旨味が香菜とマッチする。
(寝太郎) んんっ!肉餡には羊の脂も入ってるのかな。羊をダイレクトに感じるよ。
好みでと置かれた特製の孜然(クミン)入りのタレは、羊餃と相思相愛。
(寝太郎) オリジナルの麻辣タレ×クミン!シェフの調味料使いは自由だ!
使用をおすすめするよ。
(レンタロー) ほぉほぉ、コース料理はここで、ソルベ的な感じでお口直しが入るだ。
遊換口(本日のお口直し)
甘さと青さが程よくミックスされた小松菜ジュース。
馬拉蝦仁(天然エビと季節野菜の馬拉醤炒め)
マレーシアソース炒め。
味付けそのものは、コクをつける程度で強すぎず、エビはぷりっぷりで、
身質を噛み切る楽しさがある。
素材の旨味を最大限に生かした迷いのない火入れ加減は、技量の高さがあればこそだ。
正宗担担麺(本場仕立ての汁なしタンタンメン)
お腹の具合で多めにも、少な目にも量の調整可能とのこと。普通でお願いした。
「早目にお召し上がりください」
青菜、漬物、クラッシュナッツ、肉そぼろ。かき回して、口に運び味わう。
香りはあるが、どぎつい辛さはなく、穏やかな味わい。
――ああ、そうか。
当店、四川のエッセンスを取り込んでいるけれど、辛さの力押しをせず、
シェフのセンスで味を構築させているのかもしれない。
精美味甜點(本日のデザート)
デザートは2品からのチョイス。各自違えてお願いできた。
温かいクルミのお汁粉と杏仁豆腐。
素朴な味わいのお汁粉は、さらっとした口当たりで後味も綺麗だ。
選べる『茶馬燕』コース5,400+割増料金750で、当該コース料金は6,150円/1人。
会計はテーブルチェックでお願いできた。
1人当たり10,000円(千円未満四捨五入)。 サービス料はかからず。
今回、最もリーズナブルな夜のコース料理なので、店側での取り分けスタイルも仕方ないと思うが
その際も器がもう少し凝ったもので出していただければ、味気なさも解消できたかもしれない。
なお、当店はアラカルトでも注文可能。機会があれば、こちらにもいただいてみたいが
利用日も予約で満席状態。中国料理では、藤沢一の人気店なので予約は必須のよう。
四川のメニューも多いが、調味料使いに個性が光り、真面目な仕事と素材の持ち味を
生かす繊細さが感じられ、その人気の所以も納得。
また、帰り際には、シェフが厨房から出て、丁寧にお見送りをしてくれた。感謝です。
中国旬菜 茶馬燕 (ちゃーまーえん)
神奈川県藤沢市南藤沢20-15 第一興産18号館ビル 6F
TEL 0466-27-7824
営業時間/ [月・火・木・金・土・日] 11:30~15:00(LO14:00)17:30~22:30(LO21:30)
定休日 水曜日(祝祭日の場合はその翌日)、木曜日のランチはお休み -店舗情報「食べログ」より-
※中国料理満足度数は、4.0~5.0
中国旬菜 茶馬燕 (中華料理 / 藤沢駅、石上駅)