中華料理「の弥七」(ノヤシチ) 再訪。
(ノブロー) 今日は、いま管理人お気に入りの“素敵中華”に寝太郎、連れてきただ。
(寝太郎) タイミング合ってラッキー!すっごく楽しみだよ。
前回は6,500円コースだったので、今回は9,000円コースを予約してある。
予約で盛況なのだろう。この日、フロアの卓数は5卓。
カウンター席の客を含め5組のお客様を迎えれるようレイアウトしている。
店側は3人体制。フロア担当の女性は私を覚えていてくれたよう。少し嬉しい。
彼女の案内でカウンター席に近い、片側ソファのテーブル席に着いた。
テーブル・セッティング等は、予め爪楊枝が置かれたことを除き、変りがないため省略。
厨房内のシェフから挨拶を受け、「順番にご用意させていただきます」とコース料理が始まる。
初回同様、料理はサーブ時に口頭説明を受けれる。
焼き胡麻豆腐
「自家製ポン酢でお召し上がりください」
上には九条ネギをのせ、黒七味をかけ仕上げている。
口に含むと、ねっとり、ふわっとした舌触りで、まるでフグの白子をいただいているようだ。
聞くとやはり、白子をイメージして作っているとのこと。
勿論、自家製ポン酢のベースには“清湯”を使用。まるみがあって、味が綺麗だ。
(ノブロー) 前回の胡麻豆腐の揚げバージョンだな。シェフは引き出し持っているだ。
博多産白イカの揚げ物
下には酢橘。細切りにした白イカに粉をふり、からっと揚げ、軽く塩かけたもの。
いただくときは、箸で酢橘の香りをつけて。散らされた青海苔の風味がアクセントになる。
三段前菜
手提げ三段重を使用。
再訪の日が近かったためか、ぱっと見は、前回と変わらぬように思う。
(ノブロー) 先制パンチの揚げ胡麻豆腐も素晴らしかったけんど。
いよいよ“素敵中華”の本領が発揮されるな。ワクワク感が半端ねえ
博多産白イカと根室産ウニの老酒漬け
前回は蒸した?と思ったけれど、ミョウバンの渋みもないし、生のよう。
老酒に漬けたというより、柔らかい博多産白イカの持ち味を活かし、
敷いているぐらいの加減。
よだれ鶏
山梨県の銘柄鶏、美桜鶏を使用。美味。
①揚げ皮蛋・・・揚げることで特有の香りを和らげ、持ち味を活かし、香ばしさをプラス。
②清湯を使った出し巻きたまご・・・美味“清湯”との合わせ技!ほんわりじっくり確実路線!
③もやしの湯葉巻・・・ごま油で和えたもやしを湯葉で巻き上げる。
④自家製叉焼・・・噛みしめるごとに、甘みと旨みが溢れだす。
⑤自家製腸詰・・・同上。
⑥炙りとうもろこし・・・香ばしさをプラス。
⑦つぶ貝の醤油煮・・・味がしみて、肝まで旨し!
提供される料理に若干の違いはあれど、大筋は同じ。
中華使いに強弱をつけたセンセーショナルな三段前菜に、寝太郎さんも興奮気味。
ハートを射抜かれたよう。
しかし、まだまだ、これからだ。“素敵中華”の進撃は続く。
自家製麻辣たれ
水餃子はそのままスープとともに食べても良いのだが、お好みでと、先行したれが卓にセットされた。
味見をしてみると、ナッツの食感が香ばしく、ニンニクががっちり効いて、醤油のエッジもくっきり。
複合的な味わいを構築している。
水餃子
これは、翡翠碗で使われた碗と同じ。
蓋を開けると、美意識に優れたわびさびの世界。自家製水餃子、金華ハム風味。
ころんとキュートな水餃子で、皮は力強くもっちりと厚め。
自家製麻辣たれの使用を計算した皮の厚さなのだろう。
また肉餡もシンプルで、余計な味をつけていない。細部にまで神経が行き届いている。
エゴマの朝鮮漬け
(レンタロー) これは前回と同じだけんど、前はアングルが悪かっただな。
今日は真ん中に包丁入れてくれてるで、全貌がわかるよう努力するだ。
(レンタロー) ほんれ。カツオとねっとりクリームチーズが見えるべ♪
エゴマの野草のような香りに、高知産のカツオ。そこにチーズがコクを出し、
ぴりっとした辛さが旨さの波状攻撃を仕掛けてくるだ。
チビチビといつまでも食べていてえ、のん兵衛の寝太郎には最高の酒の肴になるだ。
卓には、自家製ポン酢と自家製食べる辣油がセットされ、次の料理へと準備が進む。
新型の卓上コンロ入場。
はじめて見る型だが、これは主に保温を目的としているようで、
客が火力調節をしないほうが賢明。下手にいじって消してしまうと、鍋をいったん厨房に
返してから再度、チャッカマンで火をつけることになる。
自分、やっちゃいました。お手間とらせてすみません。
鱧と松茸のしゃぶしゃぶ
9,000円コースのスペシャルメニュー。季節ものの鍋。
野菜は水菜。さて、どうなることでしょう。
「熱いお鍋が来ます。お気をつけください」
鍋は厨房で火にかけられ、ぐつぐつと白い湯気をたてて、コンロ上に運ばれてくる。
この鍋はスッポン鍋にも使われるものだとか。
そのまま飲んでも美味しい当店の“清湯”
それをベースとして塩で味を調えた滋味あふれるスープに、
箸でつまんだまま鱧や松茸を、さっと泳がせ、口に運ぶ。
松茸の香り凄し!あまり火を通さずがGood!私は何もつけず、このままがいい。
鱧もきちんと美味い。
スタッフさんのアドバイスでは、鱧に使う自家製食べる辣油は、味のアクセント程度にとのこと。
いやあ、恐れ入った。
シェフの料理は、和の素養ありまくりだけれど、この鍋も凄いチャレンジだ。
食べ手の好奇心を煽ってくる。
さんまの燻製と栗のかき揚げ
季節感を盛り込んだ一皿。印象変わらず。
茄子の唐煎り(2名分)
(ノブロー) 茄子は柔らかいんだけんど、ちいともべちゃべちゃしていねえ。見事なもんだで。
桃のシャンパン漬け
フレッシュな青山椒と赤唐辛子を添えて。
釜炊きご飯(2名分)
土鍋でのプレゼンに気持ちが高揚する。オコゲできているかな。
漬物は、ツボ漬け、青ザーサイ、蓮の根。
麻婆豆腐
白髪ネギも2名用。前回の写真ではわかりづらいと思うので、全体像はこんな感じ。
各人ごとに提供されるコース〆の麻婆豆腐の量はさほど多くはない。
(寝太郎)すっげ~!何これ、革命的な美味しさだ。赤ワインに合いそうな麻婆で、
僕的に言わせてもらうと、東京三大煮込み、森下の「山利喜」さんの煮込みに通じる旨さだよ。
日本人ならではの発想とういか、超絶面白旨い
普通の中華の枠を超えた煮込み系の旨さ、中華史に永遠に語り継がれる味わいだよ。
(ノブロー) ネタ、大興奮だで。オラも負けてらんね。語るだ
確かに日本人ならではの発想だけんど、豆鼓が中華へ味を繋いでいるだよ。
(みに) ノブローさん、張り切り過ぎて、おでこに赤いのついてるわよ(汗)。
シャインマスカット、自家製杏仁豆腐ココナッツミルクがけ、お茶
おしぼりの差し替えを受け、デザートタイム。
シャインマスカットは、皮が薄く、剥かずにそのままで食べれる種無しぶどう。
瑞々しく、甘みも豊か。果肉そのものを味わう充実感がある。
杏仁豆腐もとろっとしてミルキー。杏仁もしっかり感じられた。
美味い料理に酒も進み、サッポロ黒ラベル中瓶@680、関帝陳年十年花彫酒@3,850、
紅桜夢陳年六年@3,200ほかを注文。
お会計は、1人当たり15,000円(千円未満四捨五入)。
今宵も“素敵中華”に酔いしれた。
退店時には、シェフとスタッフさんから丁寧なお見送りを受ける。
コース料理なので、訪問する間隔を空けないと料理の内容構成が変わらないのでは?
ということが気掛かりだが、それでも次はいつお邪魔しようか、と心が動いてしまう。
真面目な仕事と抜群のセンスが客を引き寄せる、たいへん魅力的な店だ。
の弥七 (ノヤシチ)
東京都新宿区荒木町8 木村ビル 1F
TEL 03-3226-7055
営業時間/11:30~13:30/17:30~21:30(L.O)
定休日 日曜日
※中国料理満足度数は、4.8~5.0 必再訪