北京家庭料理「炒め処 寅蔵」(トラゾウ)
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場所は、駒込駅東口を出て、駒込銀座さつき通り商店街を進行。
抜けたところで左折した右手側の道沿い。家庭的な趣きの店構えだ。
某日は、80cサイトのサトタカさんたちとの食事会。
カジュアルな店内は厨房前にカウンター席を配し、テーブル席を合わせても、
12席ほどの小体な造り。
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利用は、カウンター席の端。上着は自分でハンガーにかけフックに吊るす。
その外観からは意外だったが、BGMには静かにジャズが流れ、
手入れの行き届いた綺麗な厨房内には、全聚徳出身というシェフと奥様。
当店はご夫妻で切り盛りされているアットホームな店なのだ。
カウンターの一段高い位置には皿が重ねられ、おそらくその日のおススメなどが記されるのだろう。
ボードも置かれている。
テーブル・セッティングは、箸置きになる豆皿、ロゴ入り箸袋に入った箸(横置き)。
卓上には爪楊枝がセットされ、着座後にはタオル地のおしぼり(直置き)をいただけた。
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(レンタロー) シェフーー!こんばんはーー。オラ、レンいう。今日はよろしゅう頼むだあ![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/3a/6de607758d141a4cc4746176658d6d43.gif)
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今宵は「大寒 山東料理の夕べ」 全11品。
卓上に人数分の用意はないが、お品書きも準備してくれているので、料理の流れを把握でき
ペース配分をしつつ、次の料理の出来上がりを待つ楽しみを持てる。
料理は各人ごとに1皿ずつ提供してくれるものと、大皿で取り分けが必要なものがあった。
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冷菜:紅芯大根(紅芯大根の黒酢オイル漬け)
皮つきの紅芯大根を使用。
黒酢オイルの加減が絶妙、まろやかで素材にしっくりと馴染む。
また、皮のところが美味いのだ。
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冷菜:豚大耳凍(ミミガー)
美しく層をなした見栄えの良い、ミミガー。
下処理も完璧なミミガーは臭みもなく、こりこりとした抜群の歯応え。
豚耳というと、野趣溢れる感じだけれど、品の良さを兼ね備え、味はピカイチ。
商店街のはずれに当店のような店が隠れていたとは、感服させられた。
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(ノブロー) ミミガーはそのままでも十分にうめえ!
だども、奥さんが黒酢出してくれたんで、ちょいつけしてみるだ。
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(ノブロー) 豆皿を活用するだよ。
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生ビールからスタートした自分は、紹興酒に移行。
味の良い冷菜たちを前に酒もぐいぐい進むのである。
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熱菜:葱爆牛肉(牛肉と長ねぎ炒め醤油風味) (※大皿、各自で取り分け必要、4名分)
この牛肉は和牛かしら?噛みしめると肉質に品の良い甘みがあって柔らかい。
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中華への味の架け橋。フレッシュな香菜は手元でのせる。
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中華の枠を超え“炒め処”の本領を発揮。
マニアな方々には物足りなさがあると思いますが、日本人の舌にあった食べやすく
万人受けが期待できる炒めものです。
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(ノブロー) 優しい味だよな。
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熱菜:紅焼大蝦(天草産車海老のうま煮) (※大皿、各自で取り分け必要、4名分)
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1人あたり2尾。紅焼なので醤油味ベース。
頭の殻の硬い部分を外してバリボリといただく。素材力が光り、海老の身はしっとりと甘い。
次の料理に入る前には、おしぼりの差し替えがあった。
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熱菜:芙蓉鶏片(薄切り鶏肉と胡瓜炒め塩風味) (※大皿、各自で取り分け必要、4名分)
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下仕事をほどこした、ふんわりと柔らかな鶏肉に合わせたのは、キクラゲ、キュウリ。
手抜きのない料理人の誠実さを感じられる味わいに、安らぎさえ感じるのである。
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熱菜:四喜丸子(大きな肉団子の醤油煮 蓮根入り) (※大皿、各自で取り分け必要、4名分)
奥様の話によると「四喜丸子」は結婚式など、おめでたい時に出されるもの、とのこと。
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1個でボリューム大。
肉の力強さを感じさせ、大き目に切った蓮根効果で、ほくほくとした歯触りも加わる。
生姜を効かせ醤油はしょっぱさを感じない程度で、甘ったるさのない大人味だ。
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熱菜:糖醋魚(黒酢鯉魚) (※大皿、各自で取り分け必要、4名分)
おおーー!!![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/76/800a7134899493086929e7a685319b7a.gif)
同席者たちの歓声があがる。それも大いに納得。
このビジュアルは素晴らしい。一同の称賛に値する。
「相手のなすがままに任せるより仕方ない状態のたとえ」として
“まな板の上の鯉”ということわざがあるが、この鯉は調理されて、なお威厳をもっている。
自身は閉店になった清蒸の神「艇家大牌當」さんのダイナミックさを想起した……(涙)。
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後ろ姿も凛々しい。揚げられても、なお、生きているかのようだ。
――“鯉の滝登り”
私はそれをイメージした。
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外はからりと香ばしく、さくっとした歯応えを伝え、身はしっとり。
甘みと酸味が活きた、コクのあるぽってり黒酢をまとう鯉に泥臭さなし。
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(ノブロー) 千葉産の鯉なんだと。食べるときは気ぃつけてな。
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Y字の骨には、ご用心!
また、この料理は北京に住んだことのある方の喜びのツボらしい。
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次の料理に先行し、薬味が到着。
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熱菜:羊肉山薬煲(ラム肉と長芋の土鍋煮) (※大皿、各自で取り分け必要、4名分)
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薬味を散らし、取り分けた。ラム肉のダシが出た塩味スープは、旨味も深い。
シャキッとした食感を残しつつ、味の浸みこんだ長芋もマッチ力をみせる。
すべてに共通するが、使用されている素材の質が良い。
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熱菜:清炒白菜木耳(白菜と木耳のさっぱり塩炒め) (※大皿、各自で取り分け必要、4名分)
さいの目切りは生姜。あっさりいただけ、穏やかな味わい。
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主食:疙瘩湯(雫すいとん入り卵とトマトのスープ)
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細かく千切ったすいとんに卵とトマトのスープは鉄板の相性!
優しい味に仕上がっていて、理屈抜きに美味しい。日常的に愛し続けられる味だ。
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甜心:杏仁豆腐
口当たり滑らかな杏仁豆腐。ラストまで抜かりなし。という感じです。
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今回の料理はお店と相談の上、組んでくれたものになる。
話によると、通常メニューの種類は少ないため、各種リクエストは店に連絡のうえ、
確認された方が良いらしい。
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(ノブロー) また、シェフお任せ料理もあるだ。興味のある人は店に連絡してな。
「炒め処 寅蔵」
当初、この店名で、こてこての中国料理店を想像していたのだけれど、本場の骨太さと
日本の食材を合わせた繊細さが調味にも巧みに表現されており、そのバランス感が絶妙であった。
料理人の底力を随所に感じさせる、たいへん魅力的な店である。
炒め処 寅蔵
東京都北区西ヶ原1-1-1 東光ビル1F
TEL 03-3918-2385
営業時間/ 月~火・木~土・日・祝 17:30~23:00(ラストオーダー22:00)
定休日 水曜日 -店舗情報「食べログ」より-
http://torazou-japan.com/
※中国料理満足度数は、3.9~5.0
炒め処 寅蔵 (中華料理 / 駒込駅、西ケ原駅、上中里駅)