温故知新中国料理 「喜臨軒」(キリンケン) 定期再訪→前回
オープン以来、花見のシーズンには必ずお邪魔する当店。
シェフに香港で購入した乾貨(馬友)や調味料などを、渡してあるから、
今日はそれらを使った料理がいただけるはず。
予め、リクエストを含め予算等は相談させてもらいましたが、具体的な内容は
当日までのお楽しみ。喜臨軒さんのうきうきわくわくディナーです。
リザーブした特等席は、カウンター中央のシェフズテーブル。
テーブル・セッティング:カトラリーレスト、レンゲ、箸(縦置き)
テーブルクロス:なし
卓上調味料:なし
その他:リング留めナプキン
着座後:タオルおしぼり(トレー置き)、メニュー
卓上に菜譜(菜單)の用意はなく、料理は一部を除き、各人ごとの
ポーションで供され、サーブ時に説明を受けられるシステム。
今回も仲良しのキリン君に、料理紹介ほか、記録の進行を手伝ってもらおうと思います。
前菜に先立ち、卓にセットされた調味料は
①XO醤、②辣椒醤、③タイ風チリソース
(管理人:イメージ) わ、余均益の!これ大好きなのよー。
香港土産の「余均益」さんの辣椒醤は、酸味と辛味のバランスが妙々な、めちゃウマ調味料。
多くは渡せなかったので、まさか出してもらえるとは――。
これの使用で心は香港へひとっ飛び。のっけから嬉しいプレゼンとなり、ツボを直撃されましたよ。
XO醤もタイ風チリソースも当店の自家製。
XO醤はお酒のつまみにもなるし、スパイスの香るスパイシーなタイ風チリソースは、
エスニックな味わいの中に中華を感じさせてくれ、来店するお客様にも大人気の調味料です。
前菜盛り合わせ(2名分)
2匹の小鳥がサイドに付いた目にも鮮やかな美しい大皿は、シェフが台湾で購入したものだそう。
前菜を盛り付けるのにぴったり!料理がぐっと華やぎます。これは素敵な買い物だわ。
(レンタロー) キリン!出番だで。前菜の紹介を頼むだ。
(キリン) いいよ、まかせて!
①クラゲの冷菜・・・食べやすくカットした花咲クラゲをごま油とネギ塩ソースで。
②黒バイ貝とホタルイカの紹興酒漬け・・・漬け加減良好。黒バイ貝のワタはねっちりとして濃厚。
まるでレバーを食べているような深いコクがあり、酒の最高の朋友。
③山クラゲとキュウリのピクルス
④豚肉の煮凝り・・・以前もいただいたことのある豚の各部位を使った煮凝りかな?
味の精度がぐんとアップして、品の良ささえ感じます。
⑤蒸し鶏・・・鶏肉は“低温調理”をイメージさせるようにしっとりと柔らか。
風味の良い香菜のソースで。
⑥白菜のマスタードソース和え・・・マスタードの酸味が効いた大人向けの味わい。
⑦白レバーと豚タンの香り煮・・・レバーのコクのある旨さに豚タンも歯がスッと通る柔らかさで、
酒との相性も抜群。食べ終えてしまうのが惜しい美味さです。
隠れてしまっていますが、このほか、マコモダケの蝦子和えも在席。
目で楽しめ舌をも満たす、味のバリエーションに富んだ満点前菜にテンションは上がりっぱなし。
先の料理も期待大です。
塩漬け魚入り蒸しハンバーグ
【リクエスト1】鹹魚蒸肉餅。お一人様サイズに丁度良い分量で銘々に提供。
このゴツゴツとしたビジュアルがたまらなくいい。
手切りしたミンチ肉には干しシイタケやシャキシャキ食感のクワイが入り、鹹魚(馬友)自体は
控えめですが、風味はしっかり。そして、今回もまたソースに(鹹魚の)油を使っているのかしら?
味も濃すぎず、非常にまろやかな口当たりで、香りよく旨みがもの凄い。
今まで、何度かリクエストしてきましたが、前回同様、料理に対する力の抜き加減、
味の落ち着かせどころも申し分なし。好みの味わいです。
(寝太郎) うんめー!舌を潤わす絶品オイルだね。完飲できる。
当店スタイルの鹹魚蒸肉餅はその完成形を極めた感じだよ。
(キリン) 鹹魚(馬友)は管理人が香港で買ってきたやつだよ。身も厚かったって。多謝!
季節の春巻き
きつね色にからりと揚がった春巻き。今回はどんな春を包んでくれたのかな?
パリッパリの皮の中には、海老、ウルイ、ソラマメ、ペーストにした鹹蛋など。
遊び心を加え、創造性豊かに春の顔を覗かせた美味しい春巻きは、コクがあって
何もつけずにこのままでも楽しめますが、オリジナルのタイ風チリソースともベストな相性。
揚げ物だけでなく魚介の湯引きにも合うのでは。とシェフ。
辛さと酸味もマイルドで、フルーティーな要素もあり、ちょっぴり屋台風で新感覚。
多様にしてまとまりのあるエスニックな味わいです。
鹹檸檬蒸魚
【リクエスト2】鹹檸檬を使った料理。
旬の魚、メバルを使った鹹檸檬蒸魚。サーブ時には醤油ベースのタレがセット。
絶妙な火入れでメバルはふっくらしっとりとした仕上がりで、レモンの爽やかな
塩気が味を引き締め、香港でいただいたものとは味のベクトルが違いますが、
シェフのセンスにより昇華した洗練された味わいは、タレ不要の揺るぎない美味さです。
(レンタロー) 鹹檸檬は「德記潮州菜館」さんで購入したものだで。
チャレンジしてくれてありがとだ。すっげ、うめえだ。
(キリン) お土産にもらった腐乳でほかにも料理作ってあるよ。
ハマグリと白霊茸、娃娃菜(ワワ菜)の腐乳煮込み
腐乳は「廖孖記」さんのもの。無添加、手作りでチーズのようなコクがあり、
シェフ曰くたっぷり使っても味がくどくならないのだそう。塩っ辛さが突出せず、まるで
ホワイトシチューを食べているような、ふくよかでリッチな味わいであります。
台湾風炒め煮
土鍋内メンバーは、ウサギ肉、腸詰、マコモダケ、ジャガイモ、スライスニンニクなど。
艶のある甘めの味わいで、これは当店スタイルの三杯料理になるのかしら?
独特の香りに、隠し味には鰹節を使っているんですって。
シェフのアレンジも冴えたスタイリッシュな仕上がりで、味もいい。
(寝太郎) ウサギ肉、クセがなくて美味しいね。教えてもらわなきゃわからなかったよ。
鴨と鹹檸檬のスープ
骨付き鴨肉に、鹹檸檬の酸味が入って手掴みで食べたくなる骨太な美味さ。
シェフはスープに苦味が出てしまったと、心配していましたが、一方的に渡され、
はじめて扱う鹹檸檬で奮闘してくれたことに感謝。きっちりプロの味ですよ。
(寝太郎) 手探りで鹹檸檬のスープを作ってくれたんだろ。
熱い!やっぱりシェフは情熱大陸な人だ。
炒飯
【リクエスト3】咸魚鶏粒炒飯。毎度のことになりますが少な目にリクエスト。
ハムユイの香り立つ炒飯はパラパラにほぐれ、達人技は健在。
この日はカットしたインゲンも入って食感豊かです。
(キリン) お腹いっぱいになった?
キリン君、進行のお手伝いありがとうね。ボリュームたっぷりで胃袋も満たされたわー。
ところで、君のとこのシェフは私のブログをあまり見ていないって聞いたわ。
たまにはいいことだって、書いているのよ。
信頼できるシェフなればこそ、素材を託すのですが、今回も秘めたるポテンシャルの高さを再確認。
探求心旺盛な方ですから、料理は今後さらにブラッシュアップしていくことでしょう。
酒はボーグル・ヴィンヤーズ カベルネ・ソーヴィニヨン@4,860×2ほか
グラス紹興酒などを数杯注文しました。
喜臨軒 (キリンケン)
東京都世田谷区池尻3-2-5 コンフィアンス流来 B1F
TEL 03-5787-6982
営業時間/月~土 11:30~14:00 (L.O)18:00~22:15(L.O)
定休日 日曜・月曜日ランチ