「飲茶倶楽部」
広尾の広東料理の名店「真不同」の支店として2016年9月1日にオープンした新店。
最寄駅、恵比寿からも程近く利便性の良い立地ですから、本店と比べ、そのアクセスの良さに
驚かれる方もいるのではないでしょうか?
店はビルの6Fに入っており、エレベーターを利用して向かいます。
入店すると空間は右手方向に広がり、客席はテーブル席と厨房前のカウンター席でレイアウト。
すっきりとした店内は堅苦しさがなく、カジュアル飲茶レストランという雰囲気です。
通常営業は夜からですが、某日は午後の時間帯での貸切宴会仕様。
(※以下の料理はすべて、幹事さんが、事前にお店と打ち合わせして決定したもの。
通常メニューにないものがあるかもしれません)
各人に渡された菜單では以下の14品。
・頂湯燒賣
・鷓鴣蛋燒賣
・柱候蒸排骨
・豬潤燒賣
・咖哩蒸魷魚
・蠔油鮮竹巻
・懐舊鷄球大包
・咸水角
・炸芋角
・鹹魚蒸肉餠
・糯米鷄
・豉汁鳳爪
・百花滑鷄脯
・馬拉
出来上がり次第、提供されますので、順不同。
なお、料理は、大皿で供されるものと、各人ごとのポーションで供されるものが入り混じったスタイルで、
大皿の場合は各人での取り分け作業が必要です。
頂湯燒賣(左)、鷓鴣蛋燒賣(右)
鷓鴣蛋燒賣は、トップにうずらの卵を据え、上面を覆うようにシュウマイ皮を乗せ蒸したもの。
ベールをはがすと、その立体的なフォルムで目を向かせることでしょう。
黄色い皮で香港ファンの心を鷲掴み!頂湯燒賣は当店の看板點心といえるもの。
金華ハムの旨みを蓄えた頂湯は矢印の先、焼売内部に仕込まれていますから、
このままガブリといくと熱々スープが飛び散り衣服を汚す可能性もあるのでご注意を。
双方ともにとても肉々しく力強い焼売です。
百花滑鷄脯
こんがりキツネ色の鶏皮とふっくらとしたエビすり身団子の強力タッグ。
塩味が効き、香ばしさとプリプリ弾力を楽しめ、ビールにも合う1品です。
柱候蒸排骨
スペアリブの柱候醤蒸し。骨周りの肉はホロホロとろとろ。
柱侯醤は肉と鉄板の相性ですから、地に足のついた堅実な味わいと言えましょう。白飯の恋人です。
咸水角
五目入り揚げもち。見た目はちょっと日焼けしすぎていたり、白く粉を吹いた状態ですが、
カリッと揚がった咸水角に歯を入れ、もっちりした皮を噛みちぎると、五目餡がとろ~りと口に広がり、
納得できる美味しさ。同席させていただいた方々にも好評のようでした。
豉汁鳳爪
鳳爪(もみじ)の豆鼓ソース蒸し。
もみじは鶏の足のことですから、食べ慣れない日本人にとって、その見た目からも
敬遠する方もいることでしょう。しかし、香港人はこれが大好物。
香港ナビさんによると、好きな点心ベスト10入りするほどの人気なのです。
味はしっかり濃いめですが、骨からするりと剥がれ、ゼラチン質たっぷりでとろけるように柔らかいです。
炸芋角
一般的には蜂巣炸芋角として親しまれているタロイモの五目包み揚げ。
ここでは里芋で代用されているとのこと。
ハチの巣状に揚げた薄皮にはうき粉が入っているので、さくほろっの軽い食感。
中には蒸してすりつぶした里芋皮が五目餡を包みこんでいて、ねっとりホクホクとした食感から
調味餡の味が混じり合い、それらの相互作用により一つの味が完成する、とても面白味のある點心で
1個の食べ応えも十分です。
咖哩蒸魷魚
イカのカレー蒸し。スパイスの芳香が鼻をくすぐり、食欲を刺激します。
煲老火湯
菜單には記載されていませんが、例湯も登場。
白濁した色味のスープには青菜が確認できますが、それだけではありません。
どうやら、仕上げにグリルした鯛を入れてくれたみたい。
スープベースは鶏のよう。そこに焼いた魚の香ばしさが加わり、風味豊かでより味わい深いものに。
また、身のふかふか食感も味わえるので、ご馳走度もアップしています。
懐舊鷄球大包
真っ白なジャンボサイズの肉まんに一同の視線は釘付け。
食べやすいように包丁で半分にカットして提供してくれましたが、ふんわりと柔らかい皮の内側には
これでもかっ!というほどかの豊富なパワフル具材。
ほんのりと甘みのある皮と程よく調味された肉餡の力強さとジューシーさを味わえる
ボリューム満点な肉まん。ご機嫌になれる美味しさです。
さて、厨房では次のお料理が出来上がったようです。(撮影・掲載承諾済み)
鹹魚蒸肉餠
小さなハンバーグ状に形成したミンチ肉と鹹魚(ハムユイ)の蒸し物。
庶民的な家常菜としての肉餅を期待していたのですが、発酵系独特の風味は控えめで、
品の良い味わいです。
鹹魚(ハムユイ)のクセのある風味が苦手な方にも、これなら受け入れやすいかも。
(ノブロー) サイズも品数のある宴会スタイルだで、この大きさなのかもしんねえな。
情報によると厨房で腕をふるうのは香港厨師なんですって。シャイな笑顔が素敵です。
次のお料理。これで何が出されるのかすぐにわかる方は、香港迷の素養ありかしら?
豬潤燒賣
豚レバーのせ焼売です。レバーのシャクシャクとした歯触りと風味を同時に楽しめる焼売で、
私と寝太郎さんの間では、“寝太郎さん恋慕の點心”という位置づけ。
本場と比べると若干こなれ感が出ていないようにも思えますが、日本で一般的にいただけない
點心をこの宴のメニューに組んでくれたことに感激しています。
なお、参加メンバーの熱い支持を受け、豬潤燒賣は通常メニューにも登場するようなので、
内臓系がOKな方はレッツトライ!
糯米鷄
もち米に鶏肉などの具材を混ぜ、蓮の葉で包んで蒸したちまき。
蓮の葉を開けると、ふわっと香りが広がり、具材の旨味がしみ込んだもち米は安心・安定感のある美味しさ。
飲茶の定番メニューですが、お腹にしっかりたまるのでオーダーの際には組み立てを考えお願いしましょう。
蠔油鮮竹巻
細切りにしたタケノコをはじめとする具材を湯葉で包み揚げ、オイスターソースで蒸したもの。
齧り付くとオイスターソースのコクを含んだ素材の旨味がじゅるじゅると広がる、
たまらなく美味しい點心なのです。
馬拉
ふっくら中華蒸しカステラ(馬拉糕)。
粉、卵、牛乳、かん水、(砂糖)で作っているという話も聞きましたが、
熱々しっとり、素朴な味を口に運べば、別腹が起動することは間違いなしでしょう。
宴会料理とは別ですが、下記の写真は幹事さん持ち込みの皮蛋による味比べ。
順興行
白身はフルフル、黄身もとろんとろん。デリケートな皮蛋はつるんとした喉越しで、まるで飲み物のよう。
コクうまマックスで味に力強さがあり、抜群の美味さを誇ります。
李煥糖心皮蛋
飴色にキラキラと輝き、透き通るような白身が美しい皮蛋。
アンモニア臭とは無縁で、味も繊細で華やいだ美味さがあり、後味も綺麗。
これらをつまみながら飲む酒がまた美味かったのであります。贅沢をさせてもらえ感謝。
今回貸切宴会に対し、店側は2名で対応。そのため少し忙しなく、一部粗さもでてしまったようにも
思えますが、気負わず利用でき、香港スピリッツを体感できる飲茶レストランがオープンしたことは朗報。
今回は宴会仕様でしたが、通常営業でのお料理がとても気になるお店です。
飲茶倶楽部
東京都渋谷区恵比寿南1-8-9 京城ビル 6F
TEL 03-6303-1318
営業時間/17:30~12:00 -店舗情報「食べログ」より-