
北京料理「北京遊膳」(ペキンユウゼン)
オーナーシェフ 斎藤永徳 氏は、山の上ホテルの「新北京」で腕をふるわれていた
経歴がおありとのこと。
最寄り駅は荻窪。南口の路地裏に店を構えていらっしゃいます。
お目当ては当店の看板料理、北京ダック。
予約の電話をいれたところ、北京遊膳おまかせコース@6,300(二名様より)には
北京ダックが入っていないというお話。
それでは、つまらない。アラカルトでお願いしよう。
北京ダックのお値段をお聞きすると半身で7,000円。
1週間前に予約注文が必要だということですが、たまたま私達の訪問日に
他のお客様に半身の注文があったのでしょう。
3日前でしたが予約することができました。らっきー♪ツイてるぞ。
狭い階段を上り入店すると、正面にL字型カウンター、右手にテーブル席なのですが
以前は小料理屋さんだったのではないか?
と思わせる昭和の香りがする内装。
カウンター席(6)、テーブル席4卓と小ぢんまりとしています。
利用は2人掛けテーブル席。人気店のようで満席だ。
テーブル・セッティングは、箸置き、ロゴ入り箸袋に入った割り箸(横置き)。
テーブルクロスは2枚重ねでトップはビニールクロス。
着席後に、タオル地のおしぼりがトレー置きされ、メニューが手渡される。
卓上には、酢、醤油、辣油、胡椒、爪楊枝、紙ナプキン。
予め取り皿が重ねて置かれています。
まずは、生ビール(中)@600、(小)@500 で乾杯。
メニューはマスターメニューのほかに、オススメとして店内のホワイトボードにも
記されています。 この日、フロアで接客を担当されていたのは
クチコミサイトでも評判の良いマダムと女性の計2人。
「本日は北京ダック半身(一人4枚)をご用意しております。けっこうずっしりときますから
組み立てとしまして、その前に2品ぐらいで良いかも」 とマダムのアドバイス。
マダムは説明が丁寧で的確、口調も品があって笑顔も素敵だ。好感度大。
なお、お料理は大皿での提供。各自での取り分け作業が必要になります。
そして運ばれてきた際に、内容など説明を受けていますが、これを急ぎ控え、
補足し記録させていただきますから正確さには欠けるかもしれません
干し貝柱と冬瓜の薄塩煮@2,500
オススメよりチョイスすると
「こちらはスープ感覚でも召し上がることができますよ」 とマダム。
また、サーブ時には、
「タレと一緒に召し上がると美味しいですからスプーンも置いておきますね」と
銘々にスプーンを用意してくださった。
スープはきっちり出汁をとられており味わい深い。
貝柱も出汁をとられきったスカスカのものではなく、食べていて風味がある。
味が良い。これは期待できそうだ。
北京ダック(半身)@7,000
マダム曰く、「けっこうずっしりときます」 ということなので、腹に余裕のあるうちに
お目当てのものをいただくことにしました。
事前に卓上にてお披露目。
「おーー!!」
飴色で艶やかに光り輝く北京ダックに目は釘付け。なんと美しいのだろう。
連れ(寝太郎さん)と2人で大興奮。
皮(おそらく薄餅のことだと思います)を蒸し始めるそうです。
薄餅(ポーピン)、特製の醤、キュウリ、青ネギ。
本場では身肉をつけて出されるお店もあるとということですが、当店の
北京ダックは皮のみの削ぎ切り。
白髪ネギではなく青ネギ(万能ネギ)を使われるのは、当店はご家族連れも多くいため。
中には(ネギの当たり外れにより?)白髪ネギが辛い場合もあるからだと言う。
「お店によって違うと思いますが、うちの場合は・・・」
とマダムがつきっきりで包み方のご指導。
ちゃんと聞いておかねばなりません。
残りの3枚はマダムの指導に頼らず、自分でやらなければならないのですから。
まずは1つ完成しました。出来上がりはこんな感じが理想なのかな。
(ノブロー) まずまずだ、思うで。
(ノブロー) マダムからレクチャーを受けた北京ダックの包み方
オラが、紹介するだで♪
コーンスターチを混ぜているという薄餅(ポーピン)。綺麗に焼けてるで。
こいつは乾燥しねえように固く絞った布巾がかぶせられているだ。
身肉をつけず鮮やかな包丁技で削ぎ切りにした皮は、蜜の照りが眩いな。
皮は香ばしく焼けて、パリッではなくバリッ!!なんだよ。
そんじゃそこらのもんと音が違うだ。
まずは、薄餅を皿の上に広げ、北京ダックを上のほうに皮目を下に置くだ。
特製の醤は自家製だ思うだ。 北京ダックの上にのせるで、
次は、キュウリと青ネギ(万能ネギ)
下から折り返す。
そんで、左右をきっちり巻くだ。
「けっこうずっしりときます」というお言葉の意味がわかるような気がしました。
特製の醤が一般のものと比べ一味も二味も違うのだ。
油がしっかり入っている。
この油で、ずっしりこられるお客様もいらっしゃるのではないかと思った。
しかし、特製醤はコクのある濃い目の味付けなのですが甘ったるさがない極上のもの。
今まで食べてきた北京ダックの甜麵醤(テンメンジャン)ベースのタレって
甘かったんだと再認識。
すごい。当店の北京ダックは必殺の一撃だ
うまい、うまい、と次から次に巻いては、バリバリっと頬張る。
いい味だねえ。薄餅も北京ダックも醤も申し分ないよ。
心地よい音をさせ北京ダックは、我々の胃袋にどんどん収まる。
いつの間にか皿は空になり、テーブルにポツンと特製醤が残ってしまった。
すると、おしぼりの差し替えを持ってきてくださったマダムが
「ミソお持ち帰りになる?皆さんそうするのよ。」 とのこと。
もちろん、ありがたく持ち帰ろう。フードパックに入れてくださった特製醤には、
ごま油が入っているため常温での保存を推奨。
でないと分離してしまうということなのだ。
-№2に続く-