2月14日のバレンタインに合わせて、デパートが特設会場を設けたり、バレンタイン商戦が真っ盛りの様相を呈してきました。
これまでは私もその会場の中にいたのですが、今年はまったく違う視点でチョコレートを選ぶことにしました!
キーワードは、「フェアトレード」。日本語で、公正な取り引きのこと。以前から関心は持っていたのですが、バレンタインの時にも何も考えていなかった自分を反省。今年は、いろいろネットでも調べてあちこちに足を運んで勉強も兼ねて買い求めています。
フェアトレードについては、公式認証マークを出してもいるフェアトレードジャパンのサイトの説明を見てもらうのがよいと思います。でも、大まかな考えをお伝えすると・・・
日々の買い物で、(同じモノを買うなら安く買いたい)というのが、消費者の自然な感情。だけれど、その感情のままに安いモノを買っている間に、実はいろいろなことが起こってきたのを思い出して考えないとダメというのがまず出発点です。
・ミートホープ事件 牛肉のミンチにいろいろなものが混入されていたのが発覚。取引先に加ト吉、生協、ミスタードーナツなど大手で皆が利用している組合や企業があったことから大問題となったが、社長が、安いと喜ぶ消費者がいるからやったという発言でさらに物議をかもした。
・低開発国の低賃金や児童労働でビジネスをしたグローバル企業 スポーツ用品のナイキ、チョコレートのネスレなどの有名企業が、途上国の安い労働によって儲けていたことが分かってきて大きな問題となった。グローバル企業では、特に生産者と消費者の間が海を隔て、例えばチョコレートを食べたこともない子どもたちが、貧しさのために学校にもいけずにカカオの実をとる仕事をしていることを消費者はまったく知ることも考えることもなかった。
「消費者は神さまです」とおだてられて、安いモノや、きれいな商品を求める余り、生産者が農薬や殺虫剤で健康被害を受けたり、生活が成り立たないほどの貧困に貶められ、子どもたちが教育も受けられない事態になっていることに気づくことがなかった。その反省から、生産者と消費者の間にいた企業などを通さずに、NGOなどの団体が生産者の生活に密着して、生産者にも消費者にとっても安全で健康な生活ができるように、有機栽培の製品作りを推奨しながら進められたのが、生産者に払うべき適正な価格で安定的に商品を買う、フェアトレードなのだ。消費者にとっては、ちょっと商品が高めになるかもしれないが、それによって安全な商品がずっと手に入るなら、消費者にとってもよいのだ。私の入っている生活クラブは、地産地消で安全な商品を生産者と作り出して私たちに届けてくれているが、この地産地消も広い意味ではフェアトレードの中に含めてもいい。
大事なのは、「消費者である自分がよければいい」という考えから、「生産者も幸せに暮らせるような生産」を保証できる「適正価格」で、消費者も望む安全・安心な製品を作ってもらうこと。それによって、南北問題と言われる先進国と途上国の格差をも解消し、世界が仲良く共生の道を選ぶ一助になる活動といえる。
*現在、ナイキもネスレも批判を受けて、CSR(corporate social responsibility)企業の社会的責任を果たす企業へと変身を遂げてきた。ナイキの評価も最近はあがり、日本のネスレはまだ活動途上のようだが英国のキットカットにはフェアトレードマークがついたものもあるようだ。
そして、ここからやっと実践編で~~~す。いま、どこで、どうやったらフェアトレードのチョコが買えるかです。
イオンは、結構早くからフェアトレードを始めていたようで、先日こんなチョコレートを買うことができました。裏に、フェアトレードマークも付いてました。
昨日は、デパートの地下の「自由が丘ガーデン」で、下のフェアトレードマークがついた2種類のチョコをみつけて買いました。2つだけは、ちょっと寂しいかな?
さらに、駅の地下商店街にあるスーパー「成城石井」に行くと、こちらはフェアトレードのチョコが種類がいっぱい並べてありました。
思わず、成城石井に拍手。大人買いして来ました。
そして、今日はコンビニ巡り。セブンイレブンではフェアトレード・キュービックチョコという独自ブランドのがあるとネットに書いてあったので、近所のセブンに寄ってみました。お店の人は「分かりませんが、調べますね」と言って調べてくれて、「確かにあるようです。注文して頂ければ8個から注文できます」というので、注文。3日後には届くことになりました。
でも、店で人の目に触れるところにあるといいのにぃ~。残念に思いながら、もう一つあるセブンへ。すると、ここは店内のチョコレート売り場にちゃんと置いてありました!店によるようです。さっそくお買い求めしました。
いいですね。フェアトレードマークもありました。
あなたの家のコンビニやスーパーでも探して見て下さい。そして、もしフェアトレード商品がなかったら、是非お店の方に、「できたらフェアトレードのチョコも置いてほしいなあ」と希望を伝えて下さい。あなたのその一言で、フェアな世界へ社会が一歩前進できるかもしれません。
誰かの犠牲の上に自分が幸せになる。そんな世界は幸せではありませんよね。
ところで、フェアトレードのマークがついてないとフェアな貿易でない商品なの?と疑問に思われた方があるかもしれません。そこで、もう1歩進めて周りを見回してみました。チョコレートは、21世紀に入って児童労働によってカカオが作られている事実が問題となって、業界が、まずは、「カカオ豆生産量の50%に児童労働が使われていないことを認証できるようにする」を目標に取り組みを始めたようです。
それに合わせて、日本が輸入するカカオ豆のうち、その25%づつを輸入している森永製菓と明治製菓が、森永製菓は2006年7月に、明治製菓は同年9月に世界カカオ基金へ加盟。特に森永は早くから児童労働の問題に 1チョコ1for 1スマイルという活動をし続けています。
キャンペーン期間中は、今回は「DARS」と左の子の持っている「カレ・ド・ショコラ」を買うと、1個につき1円が「カカオの国のこどもたち」のために使われます。100円のチョコのうち、生産者の手に入るのは3円だったと読んだことがあります。1円は、大きな意味があると感じました。対象商品の後ろには、それぞれ「1チョコ1for 1スマイル」のマークが入っています。このフレーズもいいですね。
ただ、全ての森永製品ではなく、対象商品。しかもキャンペーン期間中だけなので、ご注意を!
そして、明治はやや森永に遅れてスタートだと思いますが、2014年?からでているthe chocolate シリーズで、”Bean to Bar”という取組で生産者とタグを組んで直接輸入する「究極のフェアトレード」と言われているようです。同社のHPでは、明治カカオサポートとして、ココに説明がありますが、フェアトレードマークはありません。
森永も明治もフェアトレードマークはありませんが、それぞれのやり方で取り組んでいるのでしっかり評価したいです。チョコレート以外でも言えるのですが、フェアトレードが大切なのは、生産者と共に生きる姿勢だと思います。
フェアトレード認証には認証代や、国際基準として設けられたいろいろな項目があり、あまりにそれが厳しくて、本来助けたい、手を結びたいと思う零細な生産者のサポートに結びつかないという問題もあるようです。
また、フェアトレードは外国からの輸入品ですが、輸入品に限らず、国内の生産者にも十分に適正な価格を払うことによって、生産者の生活が成り立つように消費者が配慮するのは当然のこと。両者がお互いに信頼関係をもてる行動をとってこそ、ミートホープのような事件を起こさない。雪印の前日の原料乳が使いまわし事件のような食品会社にあるまじき行動を防げるのです。
地産地消は、国内のフェアトレードと言われています。生協や、生活クラブ、大地の会とかいろいろあります。道の駅や直売所も盛んになってきています。皆が、自分の仕事に誇りをもって働けるように生産者への心配りができる消費をする。
進めてみませんか、そんな社会へ。まずは、バレンタインのチョコレートで生産者へも愛を届けましょう!
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