今年は、正月の孫2人の出産手伝いにはじまり、震災、娘家族の引越し、リストラ、病気等々。慌しい日々に忙殺され、どこまでこれが続くのだろうかと、ちょっと途方にくれるような時があった。
が、ふと吉野弘の「虹の足」の詩を思い出して、ハッとした。
虹の足
雨があがって
雲間から
乾麺みたいに真直な
陽射しがたくさん地上に刺さり
行手に榛名山が見えたころ
山路を登るバスの中で見たのだ、虹の足を。
眼下にひろがる田圃の上に
虹がそっと足を下ろしたのを!
野面にすらりと足を置いて
虹のアーチが軽やかに
すっくと空に立ったのを!
その虹の足の底に
小さな村といくつかの家が
すっぽりと抱かれて染められていたのだ。
それなのに
家から飛び出して虹の足にさわろうとする人影は見えない。
―わーい、君の家が虹の中にあるぞオ
乗客たちは頬を火照らせ
野面に立った虹の足に見とれた。
多分、あれはバスの中の僕らには見えて
村の人々には見えないのだ。
そんなこともあるのだろう
他人には見えて
自分には見えない幸福の中で
格別驚きもせず
幸福に生きていることが―。
そう、子供達、孫達がいる。守るべき家族を持っている自分の幸せを、虹の足にいて、見失ってはそれこそ大不幸。
吉野さんの詩のお陰で、守るべき家族を支えられる健康と力がある幸せを感じられたら、自分の上にかかる虹が見えた。
この詩のように、自分を常に取り戻せる生活の支えを持ってる幸せも、再認識 *(キラキラ)*
追伸:以前の日記2009年12月5日(ココから)で、虹の下をくぐった今森光彦氏の驚き体験を掲載。虹の下を知りたい方は、そちらもご覧下さい!
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