我が家ではコーヒーの生豆を購入し、それを自宅で好みに焙煎し、焙煎した豆を好みに挽いて世界中のコーヒーを楽しんでいる。
私の嗜好で始めたことだが、女房どの始め子供たちにも、ここにきて、ようやくその良さを分かってもらえるようになってきた。
最近では、私の焙煎するコーヒー豆をみんなが待ってくれている。
それにつれて生豆の購入量が5㎏、10㎏と次第に増えてきた。先日、新たにグアテマラのブルボン農園産ブルボン種20㎏が届いたばかりだ。
この時期、問題なのが外気温だ。
生豆を焙煎する際、チャフというコーヒー豆の薄皮が飛散する。したがって閉め切った屋内ではその作業を行うことができない。少なくとも窓を開放していなければならない。
ところが、焙煎には高温が必要だ。焙煎器内の最高温度は240度位ほしいのだが、外気温が低いとその温度まで上げるのに時間がかかる。それが10度未満ではまともな焙煎が出来ない。
昨日、ようやくくるみさんの分400gを焙煎できた。早速、きょう女房どのに送る手配をしてもらった。
長女夫婦には待ってもらっているが、天気予報では明日は晴れ、せっせと焙煎に励もう。
コーヒーの生豆を自家焙煎した後のことを記しておこう。
コーヒーの淹れ方はいくつかあるが、我が家ではホットコーヒーにして飲む場合、ドリップで抽出する。また、アイスコーヒーにする場合は「水出し」で抽出する。
鮮度を保つため、焙煎したコーヒーは豆のまま保存し、コーヒーを入れる直前に挽く。この時に必要なのが「ミル」だ。ミルも様々ある。
以前は、手動式のミルを使っていたが、コーヒー豆を自家焙煎し始めたのを機に、小さな喫茶店などでも使われている電動式の「FUJI ROYAL みるっこ DX R-220」を購入した。
「みるっこ」の利点は、何といってもあっという間にコーヒー豆を挽けることだ。1回につき2人分、およそ20gの豆を手動式ミルで挽くのは結構大変だった。それがアッという間に挽くことが出来る。
「みるっこ」のいい点は他にもある。挽いた粒の大きさがほぼ一定していること。また、雑味のもととなる微粉を除去できること。
(市販の茶こし器を粉受けにセットして微粉を除去)
さらには、アイスコーヒー用の粉は細挽きの方が好ましいことなどから好みによって10段階に分けて粒度の設定が出来ることなどである。
「みるっこ」は、手動式の物や簡単な電動式の物から比べれば確かに高額である。しかし、毎日、それも何杯も飲むようなコーヒー好きにとっては、より手軽に、より美味しくコーヒーを楽しむことが出来るのだから決して高い買い物ではない。
ジェネカフェの場合、煎り止め後、自動的に冷却が始まり、ドラム内の温度が60℃まで下がると冷却を終える。そのままにしておくと焙煎が進んでしまうので、すぐさまドラムから金網に移し替え、団扇で風を送り冷ます。
焙煎されたコーヒー豆は生鮮食品と同じだと言われる。言い換えれば、焙煎直後から劣化が始まるということだ。したがって、冷ました後、直ちに密封ビンに移し替え、豆のまま冷蔵庫で保存する。
我が家の場合、これをほぼ1週間で消費する。ということは1週間に1度は焙煎しなければならないということになる。手間暇をかけなければ本当に美味しいコーヒーはいただけないというわけだが、そのかける手間暇もまた楽しいものである。
コーヒー生豆のハンドピック、水洗いが済んだら、いよいよ焙煎だ。
ところで、焙煎機だが手軽なものから本格的なものまで多種多様にある。
私が使用しているのは「ジェネカフェ」という電気式の焙煎機だ。購入前に色々と比較検討し、これに落ち着いた。今のところ、これで十分満足している。
ジェネカフェの一番の特徴は、焙煎ドラムが透明の耐熱強化ガラスでできている点だろう。
焙煎で最も難しいのが「煎り止め」と言って加熱を止めるタイミングなのだが、ほとんどの焙煎機は豆のはぜる音を注意深く聴いて、煎り止めのタイミングを探らなければならないのだが、これはなかなか難しい。
その点、ジェネカフェは、豆が焙煎されている部分が透けて見えるので、豆のはじける様子や色でそれを確認できる。初心者にとっては、これが最も有り難い。おかげで失敗することなく、浅煎り・中煎り・深煎りと好みの焙煎ができる。
私がコーヒー豆を自家焙煎するようになったのは、ほぼ毎日、自宅で飲んでいたコーヒーの味や香りに対し、ずっと不満があったからだ。
それまでは、女房どのが求めて来てくれた市販のコーヒー粉を、彼女がドリップで入れてくれたものを飲んでいたのだが、その不満は最近とみに高まっていた。不満というより不味いとさえ感じるようになっていた。どんなに高価なコーヒー豆でもだ。
喫茶店で飲むコーヒーも、ホテルなどで飲むコーヒーも同様だった。幸い、最近はコーヒーのバリエーションも増えたので、外ではカプチーノやカフェラテを好んで飲んでいた。
そんな時に「自家焙煎」に出合った、というより巡り合ったというべきだろう。
コーヒーの自家焙煎についてネット上の記事や、佐世保のユニクロ矢峰店から少し行った所の「MY珈琲」のマスターから色々と学ぶうちに、コーヒーの不思議、奥深さを知るようになり、どうしても自らコーヒーの生豆を選び購入し、それを自らのやり方で焙煎し、豆を挽き、そして自らが良しとするお湯の温度やお湯の注ぎ方で、自らコーヒーを入れたくなってしまった。
焙煎する際、毎回ノートに日時・天候・温度・湿度・豆の生産地・焙煎するコーヒー豆の量に始まり、時間の経過とともに行う焙煎の温度の調節、それに伴う豆の色や状態の変化、そして最も重要な焙煎を止めるタイミング・時間等を記しているのだが、そのノートを開くと記念すべき第1回目が2015年5月10日(日)となっている。ということは自家焙煎でたてたコーヒーをいただき始めて早8か月が経とうとしている。
夏のある日、来訪された方にアイスコーヒーをお出ししたところ、こんな美味いアイスコーヒーを飲んだことがないとお褒めいただいた。嬉しくなって、でしょう。おかげでホテルなどのコーヒーが飲めなくなってしまいましてねと応えると、それも困ったものですねとおっしゃる。なるほど、彼も相当のコーヒー好きだが、それ故の感想ではある。
いや実際、ホテルの朝食バイキングでそれまで食後に2、3杯お代わりして飲んでいたコーヒーが全く飲めなくなってしまった。だから、外出する際には、家でたてたコーヒーをポットに入れて持参している。
生豆の状態です。
ここからハンドピックといって、カビが生えている豆、虫が食っている豆、熟しきっていない豆等を一つ一つ取り除きます。どんな豆でも250g中10~20gの悪い豆が混入しています。
その後、私の場合さらに水洗いしています。
一説によると、世界で最も多量に農薬が使用されている作物が綿花で、2番目がコーヒーだそうだ。コーヒー豆を自分で焙煎しようと思い立ってからネット上に出ているコーヒーについてのあれこれを読んでいて知った。
コーヒーに限らず、直接体内に取り入れる食べ物・飲み物は出来るだけだけ安全なものをいただきたい。
安心と共にいただくコーヒーには格別な味わいがある。
コーヒーの生豆を自宅で焙煎し始めてすでに半年以上が経った。我が家で飲むコーヒーはもちろんのこと、新米をいただいたり、魚をいただいたりと日頃お世話になっている方へのお返しなどにも自家焙煎したコーヒー豆を用いている。
昨日は、絵理子さん一家の分と我が家の分、そして今日、くるみさんの分をそれぞれ250g焙煎した。今回は、ペルーの標高1,400mに位置するティンゴ マリア産のカトゥラ・カティモール・ティピカという品種の有機栽培コーヒー豆である。
我が家で使用するコーヒー豆は、立場の弱い発展途上国の生産者や労働者を支援するための取り組み、いわゆるフェアトレードで、かつ有機栽培また、自然の生態系を守りながら途上国の人々の生活をも支えることを狙いとする森林農法のコーヒー豆を直輸入しているところから取り寄せている。
焙煎に際して毎回記録を取っているのだが、くるみさんの分で48回目になる。焙煎の要領もいくらか分かってきた。焙煎一つとっても奥が深いのだが、自家焙煎を始めて一杯のコーヒーを口にするまでの面白さ・奥深さが色々と見えてきた。
たまたま入った喫茶店で焙煎間もないコーヒーを飲み、そのあまりの美味さに感動した若者が、それまで勤めていた自衛隊を辞め、自家焙煎のコーヒー屋を開業するに至ったという話を聞いたのがきっかけだった。
もうひと月以上前のことになる。近くでコーヒー豆の焙煎をやっている店はないかとネットで探すと佐世保市内で3軒の店がヒットした。その中から、黒髪町にある「Tanaka Coffee」を女房どのと訪ねた。
大塔インターで降り、愛車コペンのナビに従い山手の方に進むと間も無く、猫山ダム湖畔に目指す店はあった。
米屋の倉庫の一角を簡単に改装した小屋のような店だった。米屋の息子が父親に頼み込んで始めたコーヒー屋なんだろうと勝手に想像するくらい簡素な店だった。
店の前はダムで、その際に沿って桜並木が続いていた。すでに花の時期は過ぎ、葉桜となっていた。