峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

since 2005

ノルスタジー故か

2022年02月24日 | 移住
北京・冬季オリンピックが閉幕した。
とかく問題のあるオリンピックではあったが、それはさておき、冬季オリンピックならではの各種競技を堪能した。

そんなことで、朝から晩までアスリートたちの妙技に酔いしれ、女房どのと2人して、声援を送り、歓声を上げ、時に、ため息をついたりしていたのだが、その合間を縫い、精を出していたのが薪割りだ。

令和元年に現在住んでいる築75年の古民家を購入した。
購入の決め手は、先ずは古民家であったこと。 さらにはリノベーションされていてすぐにでも住むのが可能だったこと。 水洗トイレだったこと。 集落から程よい距離にあり、広大な庭・畑・雑木林が家屋と一体となって繋がっていたこと等々あるが、風呂を薪で沸かすという点もポイントが高かった。

今のキャンプブームが起こるずっと前から、焚火を趣味と公言するほど炎を眺めるのが好きだった。

小学5,6年生の頃に住んでいた借家が五右衛門風呂だった。当然、誰かが風呂を沸かさなければならなかったのだが、私は好んで、その火起こし役を買って出ていた。

新聞紙を丸めて焚口に詰め、その上に細い薪を置く。 そうしておいてマッチで新聞紙に火をつける。 細い薪が燃え出したら、少しずつ太めの薪をくべていく。 太い薪に火が着いた後に石炭を置く。 ここのタイミングが難しく、そう簡単に石炭は燃えてくれなかった。 何度も何度もやり直したものだ。
だからこそ、石炭に火が移り、ゴオッ~という音と共に勢いよく石炭が燃え出した時の喜びを昨日のように覚えている。
難しいから面白い。その後に火起こし以外のことでも幾度か経験してきたことだ。

母親と行った薪拾い。ぼた山での石炭拾いを懐かしく思い出す。
風呂を電気やガス式にリフォームすれば、伐採木を引き取りに行ったり、雑木林で枯れ木を拾い集めたり、薪割りをするような手間暇が省けるようになるが、それらのことを含め炎の揺らぎと合わせ、余計なこと一切を考えずにのほほんとしていられた幼い日の長閑な温もりを、知らず追いかけているのかもしれない。

やはり、私は今、少年の頃を生きている。
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棋士の昼食から見えてきたこと

2022年02月04日 | 暮らし
昨日の記事の中で、棋士に昼食の注文を取りに来たのが将棋連盟の女子職員だったと記した。
将棋連盟の職員かどうかは定かではないのだが、女性であるのは確かだった。いや、それも定かではないのだが、そんなことを言っていては切りがないので先に進めよう。

順位戦は持ち時間が長いので、勝負が決着するのは大抵その日の深夜に及ぶ。
したがって、対局者は、昼食も夕食も対局をいったん中断してとることになる。
この日も夕方、再び連盟の職員と思われる方が対局室に現れ、両対局者から注文を受けた。
その方は、昼食の注文を取りに来た職員とは異なってはいたが、やはり女性だった。

何度となく、この場面を目にしているが、少なくとも私が見ている限り男性が注文を取りに来たことはない。

男女共同参画推進に関する話の中で「固定的な性別役割分担意識」という言葉がしばしば出てくる。
男は仕事、女は家庭というように、男性、女性という性別を理由として役割を固定化してしまう意識のことだ。

ジェンダー平等を旗印に、女性社員の管理職への登用を推し進める企業で、当たり前のように女性社員による「お茶汲み」が続けられていたという笑い話のような事実がある。

上記2例のように、私たちは無意識のうちに「男性は主要な業務・女性は補助的業務」というように、性別により役割を固定化してしまっているように思われる。

1999年に施行された男女共同参画社会基本法により、各自治体は男女共同参画基本計画を策定するのを始めとして、男女共同参画社会の実現を目指し、様々な施策を展開している。

しかし、毎年、発表される「ジェンダーギャップ指数」のスコア・順位に見られるように私たちの国の男女格差は相変わらずのままだ。

「男女共同参画推進」・「ジェンダー平等」・「女性活躍推進」・「個性と能力を認め合うまちづくり」等々、勇ましく美辞麗句は飛び交ってはいるものの、その実態はお寒い限りだ。

改めて、私は、私の心の深いところにある男女の関係における役割意識について問うてみる。
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将棋ワールド その5 食事の注文

2022年02月03日 | 将棋
将棋順位戦B級1組、藤井聡太竜王対阿久津主税八段戦が今日午前10時から東京千駄ヶ谷の東京将棋会館で始まっている。

藤井竜王は今期、これまで8勝2敗で待望のA級入りまであと一歩のところまで迫り、対する阿久津八段は3勝7敗で降級の危機に瀕している。両者、何が何でも勝ちたい一局だろう。

いつものように、対局開始時刻前からAbemaTVで視聴しているのだが、フルで観ていると色々面白いことに出会う。

先ほど両対局者、昼食休憩を終えて対局室に戻って来た。
きょうの2人の昼食の献立は、藤井竜王が「日替わりカレー」で阿久津八段が「山椒ポークカレー」と「パッションフルーツラッシー」と紹介があった。

面白いのが昼食を注文するときの様子だ。
きょうは、午前10時半頃、対局場に将棋連盟のおそらくは女子職員が献立表を抱えて現れた。
先ずは、藤井竜王の傍に座り、数種類の献立表を藤井竜王に手渡した。最近は出前をする店が増えたそうだ。コロナの影響だろう。

将棋盤から献立表に目を移した藤井竜王は、しばらくあれこれ眺めていたが、間もなく女子職員に選んだ食べ物を告げると同時に、バッグの中から財布を取り出し、その中から千円札を出して手渡した。
女子職員は、その千円札を受け取り、用意していた硬貨の中からお釣りを返した。

次に、記録員の後ろを通り、阿久津八段にも同様に注文を取った。
阿久津八段も、バッグから財布を取り出し千円札を女子職員に渡したが、お釣りはなかったようだった。

余談になるが、藤井竜王の財布は二つ折りだが、大抵の棋士は長財布を使用しているようだ。ただし、共通して硬化入れが付いているのが面白い。お釣りを直ぐにしまえるからなのだろうか。

この様子を全てカメラがとらえ、テレビに映し出されているのだ。
画面の片隅には、AIの何百億手先を読む中での候補手が表されている。棋士も、高価なAIを使用して最先端の将棋を研究するという時代にあって、何とものどかな風景も残っている。将棋界の面白いところだ。
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住民自治の危機

2022年02月02日 | 移住
先月27日に予定されていた第5回備前市男女共同参画推進審議会が新型コロナウイルスの感染再拡大により書面会議となった。事実上の中止だ。
明日、第4次備前市男女共同参画基本計画案が会長・副会長によって答申されることになっている。

この審議会に、私は公募に応じて参加しているが、まともに意見を述べられる機会を得たのは第1回目の会議の時だけだった。
第2回目は書面会議。第3回目はオンラインで参加した。そして、第4回、第5回と書面会議になってしまった。

さらに、今月8日には「備前市まち・ひと・しごと創生懇談会」が開かれる予定になっていたが、こちらも中止の連絡が入った。
やはりコロナの感染が広がっているからというのがその理由だ。

この会は、2020年度末で計画が終了した備前市まち・ひと・しごと創生総合戦略の評価について意見交換する場として設けられていた。

事前に資料が郵送されていた。市の担当者が作成した評価報告書について書面(A4 用紙1枚)で意見を提出するよう求められ、既にそれは提出し終えている。

また、当日の議事内容は、第1期総合戦略の評価について、成果目標の2020年度における進捗状況の把握・評価。そして、第1期総合戦略全体を通しての意見交換。さらには、2022年度以降の効果検証や懇談会のあり方についての意見交換とあった。ただし、各委員1人あたり3分間という制限時間が設けられてあった。

男女共同参画社会の実現、そして地方創生の実現、何れも国家・地方自治体にとって最重要課題の1つであり、生半可な議論や施策では如何ともし難い難題だ。

それを数回の審議会を通しただけで「はい出来上がりました」となっている現状を憂う。
さらには、計画を作るより重要とも言えるそれなりに分量のある事業の評価報告書についてA4用紙1枚で意見をまとめ、事業の評価・検証を委員1人あたりわずか3分で議論しろというのは無茶すぎる話だ。

自治体がいつまでたっても、こうしたアリバイ作りのようなことをやっていては、望ましい社会の到来など夢のまた夢と言わざるを得ない。
このことは、佐々町時代から提言し続けていることだが、先の当市の振興計画審議会の席上でも、その旨発言している。

懇談会の中止を電話で知らせてきた担当者にも、あえて上記したようなことを話し、理解を求めた。

ただでさえ、まちづくりについて深い審議・議論が求められているところに、コロナが追い打ちをかけるがごとく、こうした状況を作り出している。
住民自治が危機にさらされていると言えば、大袈裟だろうか。

ウイズコロナ時代における審議会等の新たなあり方に知恵を絞りたいが、取り敢えずは、せめてオンライン会議の実施を願いたい。
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