年金時効撤廃法案、衆院厚労委で可決(読売新聞) - goo ニュース
昨日行われた安倍首相と小沢民主党代表による党首討論は、ほとんどの時間が年金記録不備問題に費やされました。結構なことだと思います。が、与野党ともこれは明らかに今夏の参院選を意識したもので、私の心には響いてきませんでした。
安倍首相は「まじめに払ってきた年金が給付されないという理不尽なことがあってはならない」と見えを切りましたが、一方で「申請があれば自動的に給付せよとおっしゃるのですか」と開き直ってもいました。結果として、国家による振り込めサギなのだから、基本的に国民の申し出をきちんと受け止める姿勢が求められてしかるべきだと思います。
そもそも、政治家も官僚も庶民【しょみん】の国民年金なんてたいして関心がないに違いありません。そうでなければ、政治家の年金未納問題はなかっただろうし、あの優遇された議員年金などあるはずもありません。
「僕は共済年金だからホッとしてる。ただ家内の分が心配だ」官僚OBのある政府高官は人ごとのように記者にこう漏らしたそうです。
記録漏れの5千万件は、住民票を移動せず転居を繰り返した人など追跡が難しいデータが多いとのこと、つまりは社会の底辺で押しつぶされそうに生きている人たちが、ないがしろになっているのです。
結局、この問題をずるずる引っ張っていては参院選に悪影響が出るとふんだ自民党は、わずか5時間の審議で年金特例法案を強行採決しました。
今国会では、重要な法案が私たちに十分説明されることなく、与党の数の力で次々と決まってしまいました。この年金記録不備問題も、なぜ保険料納付記録が欠落したのか、その責任はどこのだれにあるのか、こんなことが起こらないようにするためには何が必要なのかといったことが十分論議されることなく力ずくで幕が下ろされてしまいました。
特例法にしても問題があります。5年の時効が撤廃【てっぱい】されたのは当然ですが、その手続きとして、記録漏れの疑いのある受給者が、わざわざ社会保険事務所の窓口に出向き、いろいろと面倒な手続きを踏まない限り、未処理記録の解消は進まない仕組みになっています。それでもまだ、そこまでやって認定されれば救われますが、救われないのが認定されない人たちです。さらに、救われないのが自分の年金の記録がもれていることにさえ気付いていない人たちです。もしかすると、この人たちの割合が相当になるのかもしれません。あちらこちらで横行【おうこう】している振り込めサギと同じ構図です。
私たちは、どこか精神的に封建制度をひきずったまま今日まで来てしまっているところがあるように思われます。
「お代官様は、お偉くていらっしゃる。おれたちは、黙っておとなしくお代官様の言うことを聞いていれば間違ぇねえんだ。きっとお代官様がよくしてくださるに違ぇねぇ」
「会社の社長の推す人の名前を書かなきゃなぁ。あの人、落ちたら会社に仕事が回ってこなくなるっていうし、そうなったらヤバイし。じいちゃん、ばあちゃんも投票所に連れて行って、頼まれている名前を書かせなきゃなぁ」
市民が立ち上がることなく近代化を迎えた私たちは、ずっと自立できずに今日まで来てしまいました。そのことがお代官様政治家の傍若無人【ぼうじゃくぶじん】を許してきたのです。今こそ、私たち一人ひとりが自立し、主体的に行動できなければ、明るい未来を迎えることなどできないでしょう。私たち自らの頭で考え、私たち自らの判断で行動するのです。
今、行われている政治をよく見ていたいと思います。安倍首相が何を言ったか、何をしたか。政権与党が何を言って、何をしたか。民主党が、社民党が、共産党が、その他の政党が、政治家が何を言って、何をしたか、よく、見ていたいと思います。
そして、ただ、批判するだけに止【とど】まることなく、私は7月の参議院選挙で投票所に行きます。投票所に足を運んでも、選ぶに選べなくて困ってしまうことがあります。むしろ、その方が多いかもしれません。そんなときは、よりマシと思える候補者の名前を書きましょう。希望を抱き、あきらめずにそれを繰り返し重ねていけば、必ず、少しずつでもよくなるはずです。
私は、あきらめません。
昨日行われた安倍首相と小沢民主党代表による党首討論は、ほとんどの時間が年金記録不備問題に費やされました。結構なことだと思います。が、与野党ともこれは明らかに今夏の参院選を意識したもので、私の心には響いてきませんでした。
安倍首相は「まじめに払ってきた年金が給付されないという理不尽なことがあってはならない」と見えを切りましたが、一方で「申請があれば自動的に給付せよとおっしゃるのですか」と開き直ってもいました。結果として、国家による振り込めサギなのだから、基本的に国民の申し出をきちんと受け止める姿勢が求められてしかるべきだと思います。
そもそも、政治家も官僚も庶民【しょみん】の国民年金なんてたいして関心がないに違いありません。そうでなければ、政治家の年金未納問題はなかっただろうし、あの優遇された議員年金などあるはずもありません。
「僕は共済年金だからホッとしてる。ただ家内の分が心配だ」官僚OBのある政府高官は人ごとのように記者にこう漏らしたそうです。
記録漏れの5千万件は、住民票を移動せず転居を繰り返した人など追跡が難しいデータが多いとのこと、つまりは社会の底辺で押しつぶされそうに生きている人たちが、ないがしろになっているのです。
結局、この問題をずるずる引っ張っていては参院選に悪影響が出るとふんだ自民党は、わずか5時間の審議で年金特例法案を強行採決しました。
今国会では、重要な法案が私たちに十分説明されることなく、与党の数の力で次々と決まってしまいました。この年金記録不備問題も、なぜ保険料納付記録が欠落したのか、その責任はどこのだれにあるのか、こんなことが起こらないようにするためには何が必要なのかといったことが十分論議されることなく力ずくで幕が下ろされてしまいました。
特例法にしても問題があります。5年の時効が撤廃【てっぱい】されたのは当然ですが、その手続きとして、記録漏れの疑いのある受給者が、わざわざ社会保険事務所の窓口に出向き、いろいろと面倒な手続きを踏まない限り、未処理記録の解消は進まない仕組みになっています。それでもまだ、そこまでやって認定されれば救われますが、救われないのが認定されない人たちです。さらに、救われないのが自分の年金の記録がもれていることにさえ気付いていない人たちです。もしかすると、この人たちの割合が相当になるのかもしれません。あちらこちらで横行【おうこう】している振り込めサギと同じ構図です。
私たちは、どこか精神的に封建制度をひきずったまま今日まで来てしまっているところがあるように思われます。
「お代官様は、お偉くていらっしゃる。おれたちは、黙っておとなしくお代官様の言うことを聞いていれば間違ぇねえんだ。きっとお代官様がよくしてくださるに違ぇねぇ」
「会社の社長の推す人の名前を書かなきゃなぁ。あの人、落ちたら会社に仕事が回ってこなくなるっていうし、そうなったらヤバイし。じいちゃん、ばあちゃんも投票所に連れて行って、頼まれている名前を書かせなきゃなぁ」
市民が立ち上がることなく近代化を迎えた私たちは、ずっと自立できずに今日まで来てしまいました。そのことがお代官様政治家の傍若無人【ぼうじゃくぶじん】を許してきたのです。今こそ、私たち一人ひとりが自立し、主体的に行動できなければ、明るい未来を迎えることなどできないでしょう。私たち自らの頭で考え、私たち自らの判断で行動するのです。
今、行われている政治をよく見ていたいと思います。安倍首相が何を言ったか、何をしたか。政権与党が何を言って、何をしたか。民主党が、社民党が、共産党が、その他の政党が、政治家が何を言って、何をしたか、よく、見ていたいと思います。
そして、ただ、批判するだけに止【とど】まることなく、私は7月の参議院選挙で投票所に行きます。投票所に足を運んでも、選ぶに選べなくて困ってしまうことがあります。むしろ、その方が多いかもしれません。そんなときは、よりマシと思える候補者の名前を書きましょう。希望を抱き、あきらめずにそれを繰り返し重ねていけば、必ず、少しずつでもよくなるはずです。
私は、あきらめません。