昨日は女房どのの誕生日だった。
彼女が定年まで3年を残し教職を退いてからというもの、ほとんどの時間を2人で一緒に過ごしている。
それでも、昨年の春までは私が地域における役割を積極的に担っていたことから、外に出ることも多く、それが彼女の貴重な息抜きの時間になっていたことは想像するに難くない。
ところが、それが無くなった今、朝から晩までほとんど顔を突き合わせている状態だ。
彼女にとって、私が空気のような存在であれば、彼女に必要以上の気遣いをさせることもなくて済むのだろうが、私のような気まぐれで小難しい夫と鼻を突き合わせていなければならない妻は、たまったものではない。
彼女が1人になれる時間を保障しなければならない責任がこちらにある。
そういうことから、毎日の買い物には基本的に女房どのが1人で行く。話し合って決めたわけではないが自然とそうなった。
もう1つ、幸いなことに塾生が通ってくる月曜から金曜までの夜7時から9時までの間、私は2階の教室に入る。
この2つは、女房どのにとって、ひいては私にとっても貴重な時間となっている。
平昌オリンピックを2人で堪能した。ソファーに釘付けで、テレビ画面に見入った。
閉会式の翌日が、ちょうど女房どのの誕生日だった。
しばらく、外で食事をしていなかった。それに、女房どのの大好きな温泉にも行ってなかった。そこで、彼女の好きな波佐見町の「湯治楼」で温泉を楽しみ、「清旬の郷」で昼食をとることにして出かけた。
決して、特別な誕生日のプレゼントではなかった。
しかし、例え、どんな高価な品を贈ろうとも、女房どのがこの世に生まれてきてくれたことを感謝し祝福しきれることはない。
ささやかな誕生日プレゼントにも、彼女は喜んでくれた。
午前中、女房どのが「159」車検じゃない?という。「159」というのは私の愛車、アルファロメオ159のことだ。
「159」は、主に遠出の際に乗る。したがって徳島へ行ってから以降というもの乗っていなかったことになる。2か月近くになろうか。
車検は、もう少し先かなと思っていた。しかし、確認すると、なんと今日が車検の有効満了日ではないか。慌てて佐世保市大塔の「原口ボデー」さんに電話をして、夕方、持って行った。
女房どのは、それが気になって昨夜はよく眠れなかったとのこと。申し訳なく、有難い。
女房どのは、一人前でない私を何かとフォローしてくれる有り難い存在である。したがって、「女房どの」なのだ。
きょうは女房どのと久し振りに遠出した。
使用した車はルノー・ウインド。いい出会いがあり、今年1月に車検を迎えたコペンから乗り換えた。
2シーターのオープンカーは少年の頃からの憧れ、子供たちが巣立ってしまった後、ようやく実現させることができた。その日の気分や目的に合わせ、アルファロメオ159だったり、アルファロメオMITO IMOLAだったりと3台の車を使い分けている。
3台とも中古で手に入れた。新車はお金持ちにお任せし、私たち夫婦は、びっくりするほど安いイタリア・フランス製の面白くて楽しい車で遊んでいる。
さて、今日の目的地は雲仙。最初に、最近女房どのと始めた山歩きを楽しむために絹笠山(標高870m)へ。
前回、前々回と山頂で料理をし、コーヒーを沸かしして食事をとっていたのだが、今回は時間に制約があり「地獄」で温泉卵を、コンビニでおにぎりを調達することにしていた。
我が家から雲仙まで2時間ちょっと。雲仙に入ると窓を開けた車の中に、温泉地特有の硫黄のにおいが漂い始めた。
雲仙到着後、真っ先に「地獄」で一袋5個入り400円の温泉卵を求める。次に、近くのコンビニでおにぎりを購入。いざ、絹笠山へと思ったのだが、時刻はとうに正午を30分ほど過ぎている。腹が減っては戦ができぬとばかり、山歩きをする前に車の中で昼食をとることにした。
昼食後、早速、登山口のある白雲池へ。駐車場に車を止め、2人で頂上を目指した。女房どのの速いこと、速いこと。ついていくのが精一杯という程だった。登山道が頂上まできれいに整備されていた。晴天で、360度の眺望は素晴らしいものだった。
下山は、温泉街の方に下りたかったが、車を止めているところまで、そこそこ時間がかかるので、諦めて来た道を下った。
山を下りた後、汗を流すために近くの「小地獄温泉館」へと向かう。
浴場が木造の八角形になっており、窓の形や配置などに雲仙らしさを感じた。お湯は乳白色で雲仙でもここだけとか、かけ流しの少し熱めのお湯はとても気持ち良かった。
温泉を楽しんだ後、仁田峠を目指す。
仁田峠は、いつも車窓からと展望台からの景色を楽しむだけだったが、過日、徳島でロープウェイに乗った感動を思い出し、今回は初めてロープウェイに乗ることに決めていた。
既に午後4時近くになっていたが、平日にもかかわらずロープウェイは満員だった。そういえば、「地獄」の温泉卵売りの青年も、卵が困るほど売れたと嬉しいやら困ったやらであった。
紅葉は、盛りを過ぎた感じではあったが、それでも見事な錦絵模様を見せてくれ、間近に迫る平成新山普賢岳は迫力満点だった。
寒い朝だった。有紀さんの要請で早朝、佐々を発ち福岡へと向かった女房どのの話によると、佐賀の山並みは雪を頂いていたという。
つい先日までカエデの木が美しい紅葉を見せてくれていたが、このところの雨ですっかりその葉を落としてしまった。しかし、ヤマボウシは健在だ。冷たい空気の中、晴れ上がった青い空を背景に息を呑むほどの美しい紅葉が、いつ散り果てるか分からない儚さ故も手伝ってか心に沁みた。
心にぽっかり穴があくとはいうが、いつも傍に居てくれる女房どのがいないというのは何だかしっくりこない。張り合いがない。それでもやらなければならないことは待ってはくれない。
味気ない即席麵で昼食を済ませた後、町内会各班ごとに出されていた地元の神社の御守護と伊勢神宮御守護の申し込みを取りまとめて三柱神社へ出かけた。
神社で御守護を預かった帰途、今週末に控えているもちつきのために事前に注文していたもち米45㎏を受け取るためスーパーへ寄る。それを、すっかり馴染みになった店長さんに愛車コペンまで台車で運んでいただき、積み込みまで手伝ってもらい町内会へ戻る。
もち米を集会所で降ろし、いったん帰宅。すぐさま、来週金曜日に今年最後の町内会集会所で開くデイサービスの案内文書を作り、それを21軒分コピーし、案内と共に出欠を確認するため町内会を1軒1軒訪ねて回った。
すべて回り終えた頃には辺りは薄暗くなっていた。
夜7時からは今年最後の町内会の役員会を開かなければならない。その旨の案内を有線放送で行い、再びいったん帰宅する。
朝、多めに淹れていたコーヒーの残りを電子レンジで温め、カップを手に教室に上がる。美味いはずのコーヒーも今夜ばかりは、やはり味気なく感じる。
午後7時にはやって来る塾生たちのためにプリントをチェックし、自習できるよう各自のプリントを用意し、しばらく自習しておくよう張り紙をし、その後に役員会の準備を整え、再度、集会所へと向かった。
1時間半ほどの役員会を終え、教室に戻ると塾生たちは静かに学習していた。
今は塾生も帰り、あとはシャワーを浴びて晩酌をするだけの段となった。
最近は、その晩酌が楽しみでブログの更新も滞っていたが、今夜は、晩酌に合わせて美味い料理を作ってくれる女房どのがいない。酒が進むにつれて毒を吐く私の話を傍で黙って受け止めてくれる女房どのがいない。