以前にこのブログで素顔の幸福を書きました。『素顔の幸福はしみもあれば涙の痕もあります。思いがけない片隅に、不幸のなかに転がっています。屑ダイヤより小さいそれに気がついて掌にすくい上げることのできる人を、幸福というのかもしれません』という向田邦子の言葉です。エリートである兄と町工場で働く弟。最後の最後まで兄夫婦はエリートであることを守り通します。TVドラマでは兄を山崎努が、弟を竹脇無我が演じていました。ずっと何かでなくてはならずに生きること、そのエリート意識が何であるのかも気付かづに生きていくこと、素顔の幸福からみると、大きなダイヤモンドでもどこかに悲しいものがありますね。何かにならなくてはならないと生きてきたけど、何にもなれずに貧乏な年寄りになりました。でも、「屑ダイヤより小さいそれに気がついて掌にすくい上げること」は出来たかな。「人を想うとやさしい心になれる」 という言葉を吉行和子さんが言っていました。そんな心をずっと持ち続けていればいいような気がします。あなたは?
(仙台の池田千里さんから頂きました)
(仙台の池田千里さんから頂きました)