その街を夕方訪れたのは3回目だが、秋になり同じ時間を歩いてもとっぷり街は暮れてしまうようになった。よく知らない街の夜道はさびしい。そんなときは妙に落ち込む。人生全て失敗の連続だったと。ふと荒木一郎の歌の一節を思い出す。「複雑な人生に 時としてつまずき 君は絶望の声も あげただろう」 歌の題名は「今日にさよなら」だったか。荒木一郎を知っているのは、「こんばんは 荒木一郎です」のDJをラジオで聞いた人だろうか。ああいう不良の匂いが好きだったのか。前にもぶろぐで「ほろ苦いコーヒー」として書いたが、やはり彼は青春だった。でも、もう「真っ赤なコート」を着せてくれる人はいない。右へ行く方がいいところを左に行ったり、すべてその選択を間違えた気がする。独り帰る電車はやはりさびしかった。
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