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あなたに「ぬくもり」を届けたくてブログをつくっています

博士の愛した数式

2015-10-10 20:00:59 | 日記
 朝晩が寒いくらいになった。昨年と同じ時期に宮城県松島町へ75歳以上のシニアサッカー大会の取材に出かけた。東北の方たちのあたたかいぬくもりに出逢う。認知症の母がいろいろ問題を起こした後だったので、そのぬくもりに癒された。小川洋子さんの「博士の愛した数式」では、博士は80分しか記憶がもたなかった。母は10分くらいだろう。10分前に電話で話したことも、当然内容も何も覚えていない。それに気がついて、とてもつらそうだ。メモを取っても、そのメモの意味が分からない。でも、その10分を母はしっかりと判断し、理解し、自分に都合のいいように解釈する。それはみごとで、その瞬間が母のすべてなのかもしれない と思う。そして、母にはそれが10分なのであり、私も限りある記憶の時間を、母のように生きている気がする。限られた時間にまことしやかに自己表現をして、自分に必要な(都合のいい)記憶だけ残して人は生きているのかもしれない。だから、私はその中にある純粋な数式を愛したいと思う。


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