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Hanshin Tigers Series 2024

<オープン戦>阪神vs.横浜(8日・西京極)

2005-03-11 18:35:31 | Pre-Season Game
 意外な先発投手、左腕・中村泰広。キャンプ、オープン戦を通じて、左の中継ぎ要員と見られていた中村。この先発にどういう意味があるのか? 単に同一リーグに能見篤史ら「新戦力」を見せたくなかったのか? それとも「本気」で先発で試してみるつもりか? 【1回表】1番・石井琢朗を速球(139㎞)でピッチャーゴロに打ち取り、まずは1アウト。2番・金城龍彦も初球のカーヴ(120㎞)を打って、セカンドゴロ。3番・オープン戦の「本塁打王」多村仁には「得意の」スライダー(127㎞)で空振り三振! 見事な立ち上がり。

【1回裏】のタイガースは、ベイスターズの先発、タイガースを袖にした男、染田賢作(自由獲得枠)から、4番アンディー・シーツがライト前にタイムリーヒットを放ち、1点を先取。オープン戦ではこういう「得点」パターン、1番・赤星憲広が出塁して、4番のシーツで返す「先制」が続いている。公式戦でも頻繁に見られるか? シーツの「勝負強さ」は頼もしい。ジョージ・アリアスとは「対極」のバッターを獲った。

【2回裏】の中村泰。4番・新外国人ケヴィン・ウイットに「2-3」にしながら、速いスライダー(136㎞)で空振り三振! 5番・村田修一も「2-2」と追い込み、内角に曲がるカーヴ(127㎞)で見逃し三振! ベンチの岡田彰布監督も思わず、大声を上げる。6番・再起を期す鈴木尚典も速球(139㎞)を打たせて、セカンドゴロ。中村のパーフェクト・ピッチングが続く。

【4回裏】1番・石井に「0-3」。一回りして、意識し出したか? 4球目で難なくストライクを取り、5球目を打たせて、センターフライ。昨シーズンまでに較べて、コントロールが格段に良くなっている。2番・金城も2球目のカーヴ(126㎞)を打たせて、ショートゴロ。3番・多村には「1-1」からの3球目(126㎞)、微妙なコースを「ボール」に判定される。外角一杯「ストライク」だ。見事な「誤審」。オープン戦「本塁打王」の威光が、こういうところに威力を発揮する。これでリズムが崩れた中村は、結局フォアボールを与える。若い投手を泣かせるのは、いつもこういう球審の「誤審」だ。

 しかし、それにメゲズに中村泰。4番ウイットをファーストゴロ。ファースト・シーツが華麗なグラブ捌きで、ベースカヴァーの中村にトス。見事な守備だ。タイガースの内野陣はファーストだけは「鉄壁」。ベンチの岡田監督も思わず立ち上がって、拍手。名手シーツとそれから、新しい「秘密兵器」誕生、中村泰を迎える。このピッチャーは「使える」。ベイスターズの4番同様、タイガースの新外国人投手も「使えそうにない」ので、その代わりに彼が先発ローテーションに割って入ってきそうな勢いだ。

【5回表】タイガースの2番手は、新人・橋本健太郎。191センチの長身。京都・西京極球場、ご当地選手だ。5番・村田を「2-1」と追い込み、カーヴ(125㎞)で空振り三振! 6番・鈴木には「1-3」からフォアボール。7番・ベテラン種田仁には「2-1」からフォークボール(119㎞)で完全にタイミングを狂わせ、空振り三振! 8番・内川聖一には2球目の速球(139㎞)を叩かれるが、センターライナー! 赤星の守備範囲で3アウトチェンジ。

【6回表】9番・武山真吾にはフォーク(122㎞)を振らせて、空振り三振! 1番・石井には高めの速球(139㎞)を打たせて、レフトフライ。2番・金城にも「2-2」からフォーク(120㎞)を振らせて、空振り三振! 全く危なげないピッチング。このピッチャーも「使える」。「秘密兵器」。桟原将司が出遅れているだけに、この橋本が「中継ぎ」で重要な役割を務めそうだ。藤川球児に繋ぐ大事なセットアップ。

タイガースは【7回表】からベテラン左腕・佐久本昌広を投入し、【8回表】からは豪腕・牧野塁。しかし、先頭の7番・種田に初球の速球を叩かれ、レフトスタンドへ同点ホームラン! 「1対1」。牧野はその後、2アウトを取るが、1番・石井に146㎞~147㎞の速球で追い込みながら、フォークを1球混ぜて、「2-1」にして、勝負球の速球が減速(143㎞)して、高めに浮いたところを石井に弾き返され、レフト前ヒット。岡田監督もベンチで首を傾げている。快速球を持ちながら、それを活かしきれない、中堅投手・牧野。「開幕一軍」は厳しいか……若手の台頭が、牧野を追いつめている。