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Hanshin Tigers Series 2024

<オープン戦>阪神vs.広島(19日・高松)

2005-03-22 12:24:52 | Pre-Season Game
「デーゲームは得意じゃない」と嘯(うそぶ)く、エース・井川慶。【1回表】1アウト後、2番・木村拓也にライト前ヒットを浴び、バッターは3番「赤ゴジラ」嶋重宣。初球(135㎞)内角高めでファウル。2球目、スライダー(121㎞)がワンバウンド。3球目(136㎞)外角低めに決めて、「2-1」。4球目、決めに行った外角低め(138㎞)が「ボール」の判定。球威がないから、球審の心証も良くない。5球目、チェンジアップ(121㎞)がワンバウンド、「2-3」。6球目(137㎞)外角低目を狙ったが、球威がない!! レフト前に流し打たれ、1アウト、一・二塁のピンチ。

 4番グレッグ・ラロッカには、初球(134㎞)懐を突いて「ボール」。2球目、外のチェンジアップ(120㎞)でタイミングを狂わせ、ファウル。3球目、同じく外にチェンジアップ(124㎞)はワンバウンド。今日はチェンジアップのコントロールも良くない!! 4球目、棒球(134㎞)が高めに浮いて、これを強振されて、巨大ファウル。5球目、置きにいった外のチェンジアップ(122㎞)を打ち返されて、ライト前ヒット! 二塁ランナーが還って、「0対1」カープが先制。尚も一・三塁で、5番・前田智徳に初球(136㎞)これも高めの棒球を叩かれて、センターへ犠牲フライ、「0対2」。

「不調」の井川は【2回表】にも、1アウト後、9番「伊良部の天敵」森笠繁にライトフェンス直撃のツーベース!! 初球(131㎞)内角を突いて、2球目は一転、緩いカーヴ(108㎞)。3球目も同じ球(カーヴ・118㎞)を続けて、これを痛打された。1番・尾形佳紀にもレフト前に流し打たれ、3点目を献上する。初球(134㎞)でファウルを打たせ、2球目(137㎞)で仰け反らせ、3球目(132㎞)4球目(119㎞)5球目(135㎞)6球目(122㎞)、連続ファウルで粘られ、カーヴの次は真っ直ぐ、7球目の高めに浮いた棒球(137㎞)を狙われた。

 これでは「心配」だ。真っ直ぐは「140㎞」を超えず、スライダーやチェンジアップはワンバウンドになり、カーヴの次は真っ直ぐ、真っ直ぐの次はカーヴ、の単調な配球も読まれまくり、初回と【2回表】に痛打された。「デーゲームは得意じゃない」と言うが、今年から交流戦が始まる。週末の交流戦はデーゲームが主体。激増する。どうするつもりだろう? それにメジャーリーグでも、週末の試合は全てがデーゲーム。デーゲームが「苦手」では、海を渡れない。この日も黒いサングラスを付けて、すっかり「ヒール」が板についた井川。メジャーでも、このサングラスを付けるつもりなのだろうか?

【6回表】からは「復活」の杉山直久。フォーム「修正」男、だ。楽天イーグルスのエース・岩隈久志ばりにリリースポイントが見えにくい、ピッチング・フォームに修正。これが功を奏したか、7番・広瀬純をセンターフライ、8番・倉義和をフォーク(133㎞)で空振り三振に取り、2アウト。くるりと背を向ける「18番」が頼もしく映る。9番・左の「代打」末永真史にも初球ボールの後、2球目(143㎞)3球目(148㎞)快速球で続けて、空振り。期待させるが、4球目(146㎞)が内角を抉りすぎて、「2-2」。5球目(145㎞)ファウル。6球目(146㎞)7球目(142㎞)、いずれも高めに外れて、フォアボール。

 悪い癖が出たか、いつもの杉山が出たか、と「不安」になったが、しかし、変化球に頼らず、真っ直ぐで押す杉山に「好感」を持った。続く1番・尾形にも初球(144㎞)ボール。2球目、カーヴ(123㎞)を投げて、ストライク。その間に末永に二盗を決められるが、3球目、内角一杯に速球! 素晴らしい球で「ストライク」。追い込んで「2-1」から、勝負球はフォーク(132㎞)だったが、これをキャッチャー野口寿浩が後逸(記録は暴投)、ランナー三塁に進塁を許すが、5球目の勝負球(145㎞)は「ボール」。6球目(142㎞)ファウル。強気の真っ直ぐ勝負の後、最後はフォーク(127㎞)で空振り三振!

 最後、胸を張って、堂々ベンチに帰る杉山が眩しい。この短期間の間に、よくフォーム修正に成功した。3イニングスを投げて、1安打(1四球)3奪三振。「開幕一軍」の枠は(恐らく)既に固まっていて、杉山の入り込む余地はないかもしれないが、しかし、このピッチングなら、公式戦で必ず「戦力」になる。藪恵壹(オークランド・アスレティックス)が、背番号「18」を棄てて以来、僕等は真のエース・ナンバー「18」の到着を持ち続けている。その日は近い、と感じさせた。