野球少年は夢を見る…

Hanshin Tigers Series 2024

<オープン戦>巨人vs.阪神(16日・東京ドーム)

2005-03-19 10:57:26 | Pre-Season Game
 ルーキー能見篤史にプロの洗礼……1アウト後、2番・二岡智宏に初球、緩いカーヴ(101㎞)でストライク。2球目、真っ直ぐが来るのは「見え見え」だった。だから、キャッチャー野口寿浩は内角に構えて、内野ゴロを打たせる算段だったが、これが逆球になり、外角に来た速球を痛打されて、センター前ヒット。3番・高橋由伸にはコースを狙いすぎて、フォアボール。4番・清原和博には「2-1」からの外のフォークを振らせて、三振。一息ついたが、5番タフィ・ローズに「1-1」からのカーヴ(117㎞)を「ボール」に判定されて、カウントを苦しくして、4球目。同じ球(119㎞)で勝負に行ったが、これを叩かれて、打球はライトスタンドへ一直線! 3ランホームランで「0対3」。

 能見は【2回裏】にも、1アウト満塁にして、2番・二岡に詰まりながらも、ライトフェンスに直撃され、ツーベース!! 4番・清原の「どう見ても」ヒットの痛烈な当たりで(記録はサードのエラー)3点目をもぎ取られ、一挙に「0対6」。能見はどうしたのだろう? 東京ドームのナイトゲーム、打席には、今までテレビで見てきた人たちばかりが構えている。そんな状況に臆したか? マウンド上の無表情に変化はなかったが、内心では、心臓が暴れていたのかもしれない。

【3回裏】からは立ち直る。6番・小久保裕紀をサードゴロ。カウント2ストライクに追い込みながら、ボール3つで「2-3」。「不安定さ」を引きずっていたが、ラストボール(134㎞)を打たせた。【2回裏】にセンター前ヒットを許した7番ゲーブ・キャプラーには、初球(135㎞)を打たせて、ライトフライ。8番・清水隆行には初球、打ち気がないと見るや、真ん中でストライク(138㎞)。思わず、マウンド上の能見を見やる清水。2球目、今度は「打ち気」を誘って、緩いカーヴ(100㎞)でファウル。3球目で力んで、叩きつけ(132㎞)、4球目を外角に配して(137㎞)、セカンドゴロ。リズムを取り戻しつつある、能見。

【4回裏】には9番・阿部慎之助、1番・仁志敏久を連続三振。阿部には「2-3」にしながら、外角を突いて(133㎞)空振り。仁志には「2-1」から緩いカーヴ(97㎞)の後、これも外角を突いて(133㎞)空振りを取った。2番「天敵」と化しつつある二岡には、左中間に達するヒット。これで、この日3安打。ルーキーが「苦手」を作る瞬間に立ち会ってしまったようだ。3番・高橋にも三遊間を破られかけるが、ショート鳥谷敬が飛びついて、セカンドで封殺。頭を丸めた(一分刈り)鳥谷の「意地」のダイビングで、救われた。

【5回裏】4番・清原にはフェンス手前まで飛ばされるが、ライトフライ。5番・これも「天敵」ローズには「2-2」からの勝負球(138㎞)を叩かれ、センター前ヒット。何も投げても打たれる感覚に取り憑かれつつあるか? 6番・小久保にもフェンス手前まで持っていかれるが、センターフライ。昨シーズンまでの「飛ぶボール」なら、持って行かれたかもしれない。能見は「幸運」だ。ルーキーイヤーから「低反撥球」が採用される。キャプラーもセカンドゴロに打ち取って、予定の5イニングスを投げ切る。公式戦に入って、この「借り」を返せるか? 能見。

 ジャイアンツの先発は、これも若手左腕、能見同様、高校時代は“三羽烏”と呼ばれた、内海哲也が、5回までタイガース打線を「0」に封じてきたが、能見がマウンドを降りた【6回表】に突如、乱れ、5失点を喫する。1点差に追いつめた後、なお2アウト二塁で、打席に2番・藤本敦士が入るが、ボール球を振らされて、三振。この日、5タコ(5打数無安打)。少し調子を落としているようだ。試合はこのまま、ジャイアンツが逃げ切り、「6対5」。オープン戦とはいえ、ジャイアンツに「負ける」のは「悔しい」ものだ。