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Hanshin Tigers Series 2024

“鳥谷心中”(17日・ナゴヤドーム)

2005-04-18 19:17:40 | Nagoya Dragons
 先発・能見篤史が左脹脛に違和感を訴えて、3回終了で降板。その後、中継ぎ投手を繋いで、何とか【5回表】に挙げた、代打・浅井良のホームランによる「1点」を守り抜こうとしたタイガースだが、追加点のチャンスを悉く8番・鳥谷敬で潰し、“鳥谷心中”。中継ぎ投手陣の襷(たすき)リレーも、【8回裏】のジェフ・ウィリアムスの乱調で途絶え、「1対2」逆転を食らい、2カード連続の「1勝2敗」負け越しとなった。後に引く負け方、だ。

 鳥谷は【2回表】【4回表】のチャンスで連続三振。ドラゴンズのベテラン左腕「天敵」山本昌に「軽く」捻られた。【7回表】のノーアウト1塁のチャンスでも、送りバントに失敗。ここは久慈照嘉がいれば、代打・久慈なのだが、久慈がいなくても、ここは大事な場面。代打・秀太で送りバントでも良かった。「1対0」を守り抜こうと投手リレーで「執念」を見せながら、こんなところで若手(早稲田の後輩)を育てる「甘さ」を見せる。岡田彰布監督、その「資質」を疑わざるを得ない。「本気」で勝つ(優勝する)気があるのか?

「執念」の投手リレーも、左腕ウィリアムスを継ぎ込んだのは、ドラゴンズの右の代打の切り札、高橋光信、1番・荒木雅博、2番・井端弘和が控える「右シフト」。ここに左腕をぶつけた、愚かさは明らかな「戦術」ミス。2番手で好投した江草仁貴を引っ張るなり、間に左腕・吉野誠を入れ込むなり、4番手の藤川球児のタイミングをズラすなり、あるいは【8回裏】から「右の」桟原将司を突っ込むなり、策は在ったはず、だ。

 しかし、こんな愚かな「負け」試合でも、「1対0」以降の投手と打者との息詰まる対決には、見応えがあった。特に2イニングスを「担当」した4番手・藤川のピッチング。
 2番・井端に初球(145㎞)真ん中でストライク。2球目(144㎞)も外角低め一杯に決まるが、判定は「ボール」。球審の気紛れに翻弄される。この日の球審・小林和公。それならば、と3球目(138㎞)ほぼ真ん中で「ストライク」。何を待っている、井端? 4球目(144㎞)ファウル。5球目(144㎞)は高めに浮いて、「2-2」。勝負球の6球目は「何と」意表を突いて、カーヴ(110㎞)。しかし、これを待っていた井端。センターへ大飛球が飛んだが、赤星憲広の守備範囲。狙い球は「カーヴ」だったか。

 3番・立浪和義には、初球フォーク(135㎞)で空振り。初球の真っ直ぐ狙いを読み切っていたバッテリー。2球目はシュート(136㎞)で「ボール」。これも微妙な判定。外角には「辛い」今日の球審・小林。「1-1」とりあえずカウントを整えたがる「癖」があるのだろう。3球目もシュート(135㎞)が外れて、4球目はカーヴ(114㎞)で空振り。5球目(144㎞)、6球目のフォーク(136㎞)はカットされ、7球目(147㎞)で詰まらせ、セカンドゴロ。球児の勝ち。

 4番・タイロン・ウッズには、初球(147㎞)外角低めに決まるが、やはり、球審が採らない。「ボール」の判定。ならば、と真ん中高めに2球目(147㎞)を投げ込み、空振り奪取。「手負いの」ウッズに強気(大胆)な攻めで挑むバッテリー。それにしても、この藤川の球威!! 3球目(133㎞)はスピードを殺して、バックネット裏に打ち上げさせ、キャッチャーへのファウルフライに打ち取る。

【7回裏】は福留孝介から三振。【8回裏】に殊勲の逆転タイムリーを放つ福留だが、初球は立浪と同じく、フォーク(138㎞)から入り、福留は振らず。2球目も意表を突いて、フォーク(134㎞)。これも見逃し。この辺のキャッチャー矢野輝弘の配球に、【8回裏】に打たれる伏線がある。福留には何故か、変化球から入る、矢野。3球目(148㎞)は、この日の最速で「ストライク」。4球目(148㎞)も最速で、矢野のマスクを弾き飛ばして、ファウル。

 1対1(プラス1)の息詰まる「死闘」。こういうときは、テレビの音声を消すに限る。5球目(146㎞)のイン・ハイで、空振り三振! 見事なピッチング!! このリードが何故、【8回裏】にできなかった? 【8回裏】2アウト満塁で打者、福留、投手・久保田智之で、変化球を3球続けて、3球目を打たれた矢野。配球を読まれていたか。3球続けて、裏を掻いたつもりが、「表」(タイムリーヒット)が出た。矢野は悔やんでいる、だろう。

 6番アレックス・オチョアには、カーヴを続けて「2ストライク」。3球目(144㎞)の外角低めは計算通りに外して、4球目(148㎞)は外角低めに決めに行ったが、今日の主審は絶対にこのコースは採らない。意地でも採らない。「信じられない」という顔で固まる藤川だが、気を取り直して、5球目(147㎞)同じ球を投げたが、これを「ストライク」だと判断しているアレックス、流し打って、ライト線に際どくファウル。6球目はカーヴ(117㎞)。完全にタイミングを狂わされたアレックス。打ち上げて、ファーストフライ。球児の勝ち。

 7番・森野将彦には、3球目(146㎞)をセンター前に弾き返される。【5回裏】にランナーを置いて、三振を食らった森野。ベンチに下がっても非常に悔しそうな顔をしていたが、その悔しさを晴らすため、この打席に懸けていた。執念が伝わってくるヒット。8番・谷繁元信を迎えて、嫌な展開になるが、初球(134㎞)を打たせて、ファウル。谷繁も歯を食いしばり、フルスイングで挑んでくる!

 2球目(148㎞)は見送られ、3球目(144㎞)は「ストライク」。外角低めに決まったが、球審は手を挙げた。意外そうにバットを持ったまま、前のめりになる谷繁。4球目(145㎞)も外角低めにビシッと決まったが、今度は採らない。今度はマウンドの藤川が仁王立ちになる番、だ。外角低目を「採ったり」「採らなかったり」、球審に翻弄されるプレイヤー達。マウンド上でセットして、焦らしに焦らして、1塁へ牽制球。「2-2」からの勝負球はフォーク(135㎞)。これを打たせて、セカンドゴロ。球児の勝ち。

 2イニングスを0に封じ込んだ、4番手・藤川。しかし、NEXTバッター・サークルには、背番号「0」高橋がいた。藤川が必死に繋いだ襷(たすき)は、襷の意味が分からない(!?)「外国人」ウィリアムスが破いた。好投が報われず。しかし、セットアッパー球児の株は上がるばかり。投手陣は「いい」。打線が報いの一打を打たなければ……明日(19日)から東京ドームに乗り込んで、先週と裏返しのカード、読売ジャイアンツと3連戦。試練は続きそうだ。