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Hanshin Tigers Series 2024

筒井和・先発で奇襲! (27日・甲子園)

2005-04-28 22:00:24 | Koushien Stadium
 下柳剛が右脹脛痛(右下腿三頭筋炎)で戦線離脱して、先発ローテーションから左腕が一枚抜けて、代役には、右腕の太陽(ファーム調整中)か、新外国人のジェイミー・ブラウンか、あるいは、ダーウィン・クビアンだと思われていたが、蓋を開けてみれば、この日の先発・筒井和也。「つ、筒井和!?」全国のタイガースファンの驚愕の中、マウンドに上がった、ハイウェイのスピード王は、ドラゴンズの1番・荒木雅博をライトファウルフライ(桧山進次郎がナイスキャッチ!)に打ち取り、まず1アウト。

 しかし、2番・井端弘和に早速フォアボール(四球)を出して、言わんこっちゃない。この首位攻防・第2戦の大事なマウンドに、こんな若いピッチャーを出して、大丈夫なのか? 全国に「不安」の漣(さざなみ)が拡がる。3番・立浪和義にもカウント「0-2」。漣の音が聴こえるようだが、3球目のストレート(139㎞)を打って出た立浪。セカンド正面の強いゴロで併殺(ダブルプレー)完成。緊張感、漂う【1回表】が終了した。

【2回表】先頭のタイロン・ウッズにライトスタンドに運ばれて、「あ~あ…」。「絶不調」福留孝介は空振り三振に取るが、6番アレックス・オチョア、7番・森野将彦に連打を浴びて、迎えるバッターは、8番の「クリンナップ」谷繁元信。破綻の予感、漂うが、99㎞のスローカーヴで空振り三振Get。9番の朝倉健太も当然、三振に斬って、ピンチ脱出。一発の1失点だけで切り抜けて、上々のピッチングだが、本人は唇を噛み締めながら、1塁側ダッグアウトへ帰る。

【3回表】そんなこと気にすることなかったのだが。1番・荒木を四球で出して、前のイニングを引きずっているか? 2番・井端をセンターフライに打ち取ったものの、3番・立浪に前の打席の「借り」をキッチリ返され、ライトフェンス(最上部)直撃のツーベース!! キャッチャー矢野輝弘が首を捻っている。矢野は外角低めに要求したのに、球(126㎞)は真ん中高めに来た。1アウト、2,3塁のピンチを迎える。

 4番ウッズを空振り三振。こちらは前の打席の「借り」を筒井が返したが、5番の「絶不調」男に四球。満塁になって、6番オチョアには「1-1」からの3球目を足に当てて、死球。これで2点目を献上。続く7番「当たっている」森野にも「1-3」にして、この時点で、ダッグアウトの岡田彰布監督は、今日の筒井和に「見切り」を着けたか? 打ち気に逸る若者が「1-3」から打って出て、レフトフライに打ち取れたものの、筒井和に4イニングス目は巡ってこなかった。

 試合は【4回裏】タイガースが“新・代打の神様”町田公二郎のタイムリーで1点を返し、なお1アウト満塁で、藤本敦士の故障(左太腿肉離れ)戦線離脱で、2番に起用された関本健太郎が力み過ぎて、ショートゴロ併殺コースへ。しかし、1塁走者・赤星憲広のチャージ(スライディング)で、セカンド荒木の送球が逸れ、2者生還。「3対2」で逆転。【5回裏】にも先発・筒井和のリードで苦労した7番・矢野が値千金の2ランホームラン! 矢野が珍しくガッツポーズ!! 苦労したのだろう……

 その後は「必殺」の投手リレー、藤川球児、ジェフ・ウィリアムスが繋いで、最後は久保田智之。「6対3」で逃げ切って、この3連戦、1勝1敗のタイに戻した。勝ち投手は2番手で1イニングスを投げた橋本健太郎。24日の能見篤史に続いて、プロ入り初勝利を挙げた。地元・甲子園球場で挙げた、というのが気持ちいいだろう。一生の記念(思い出)になる。