のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

【劇団塾公演情報】三人の探偵

2007年07月29日 02時00分58秒 | 舞台(キャラメルボックス)
前回、舞台を見に行ってすっかり虜になった
劇団塾さんの公演案内が届きました。
わーい!見に行きますー!
先月に比べると落ち着きを取り戻しているので余裕で見に行けそうです。
「楽しい予定」は大歓迎♪

というわけで、ご案内。

舞台って何?
演劇なんて辛気臭そう・・・。
という方、ぜひ一度、生の舞台をご賞味あれ☆

劇団塾 特別公演「三人の探偵」
      ~複雑に絡む人間模様、現代怪奇演劇~
■日時■
 7月26日(木)19時~
 7月27日(金)19時~
 7月28日(土)14時~ / 19時~
 7月29日(日)13時~ / 17時~

■場所■
 ぼんプラザホール ※キャナルシティ博多前バス停近く
■料金■
 前売:2,800円
 当日:3,000円

■チケットお問い合わせ■
 090-8417-4892


・・・・現代怪奇演劇ですか。
夏にふさわしい演目ではなくって?
怖くてたまらなかったらどうしよう・・・とどきどきです。

エトランゼ/2001年春公演

2007年06月11日 21時16分22秒 | 舞台(キャラメルボックス)
■エトランゼ
■ストーリ
 ななえ(坂口理恵)は駆け出しのカメラマン。
 8年間アシスタントを勤めたスタジオを辞め、フリーとして
 活動を開始したばかり。しかし、仕事は思うようには
 見つからず、恋人・八木沢(西川浩幸)との仲もすれ違いがち。
 ある日、ななえのマンションに姉・かずみ(中村恵子)の
 子供たちが訪ねてくる。高校3年生の里奈(岡内美喜子)と
 弟・開(藤岡宏美)。父親が家の階段から落ちて、入院したと言う。
 かずみは病院に付きっきりだし、里奈たちは勉強に専念したい。
 春休みの間だけ、ななえの部屋から予備校に通わせてほしいと
 頼む里奈。しぶしぶ承知したななえだったが・・・。

■感想 ☆☆☆
 DVDの価格が落ちたので、思わず購入しちゃいました。
 こういう価格オチを発見するとテンションが高くなるわー。

 いつものキャラメルテイストとは少々異なる作品。
 優しい甘さのミルクキャラメルではなく
 大人好みのビターテイストのブラックチョコ。
 かなり苦味が効いていてラスト近くまで、胸がぎゅっと
 鷲掴みされているような苦しさを覚えた。

 周囲から男勝りと思われがちなヒロイン真澄は、
 自分自身も強くありたいと願っている。
 どんなにもがいていても傷ついていても、毅然とした態度を
 取り続けようと必死で自分を制御する。
 そんな彼女に容赦なくふりかかってくる現実が痛々しい。
 あきらめきれない夢ときちんと見えているどうにもならない現実。
 自分らしさを貫くために安易な道に行かず、苦しい道を選ぶ彼女は
 「強いですね。」と言われて苦しそうに答える。
 「強くなんかない。
  強くないから、強くなりたいと願うんだ。」

 この場面と冒頭の回想シーンが一番の泣き所だったと思う。
 小さい頃から期待され、その期待にこたえてきた姉と
 期待されることなく、家族の中で疎外感を感じていた真澄。
 彼女の独白シーンが続く冒頭シーンは、彼女が
 「自分らしさ」「自分の居場所」にこだわり続ける「理由」だ。
 家族の中で居場所がなかったから、何も期待されなかったから
 「自分だけのもの」を模索し、こだわり続ける。

 異邦人であり続けた真澄が個展を開く際につけたタイトルは
 「エトランゼ」。意味は「異邦人」。なるほどな、と思った。
 これは、ずっとずっと居場所を探してさまよっていた真澄の
 未来に対する決意なんだと思う。「異邦人」であり続けること
 それこそが、自分の居場所なんだと覚悟を決めたんだと思う。

 正直なところ、他のキャラメルボックスの作品のように
 爽快な終わり方ではないし、完全なるハッピーエンドにも
 ならない。見終わった後もなんとなく釈然としないものが残る。
 「キャラメルらしくない」作品だな、と感じた。
 ヒロインはすごくすごくかっこよかったんだけどね。
 「そこがどんなに居心地悪くても、踏ん張るしかない。
  だって、私が選んだ場所なんだから」
 毅然と宣言するヒロインの姿は今も胸に残っている。

 けれど、ヒロインのカメラマンとしての師匠が強烈に「嫌な人」で
 それも鼻についた。現実世界にはこんな人、たくさんいるのかも
 しれない。けれども、キャラメルの舞台では信念もなく
 こだわりもなく、ただただ性格が「嫌な人」って見たくないな。

 今更ですが「エトランゼ」の意味を知って
 なるほど!「ときめきトゥナイト」の主人公、江藤蘭世の
 名前はこういう由来でつけられたのね!と納得しました。
 本当に今更なんだけど。でも、気付くことができて
 すっごく嬉しい気持ちになりました。

前世(劇団 塾)

2007年05月21日 23時29分18秒 | 舞台(キャラメルボックス)
ひょんなことからお知り合いになれた「劇団 塾」の役者さんから
舞台のご案内をいただき、観劇してきました。
本当に申し訳ないことに全く聞いたことの無い劇団だったこともあって
多少侮っておりました。本当にごめんなさいっ!
キャラメルボックス以外にも大好きな劇団が増えました。
今後、この「劇団 塾」さんの舞台は
直接、ご案内いただかなくとも見に行きます。

そう決意するほど、面白く哀しく考えさせられる舞台でした。

■ストーリー
 主人公はある家庭の父親。
 仕事に忙しく、なかなか家族とコミュニケーションがとれないでいる。
 そんな父親と子供たちを持ち前の明るさでしっかりサポートする母親、
 お調子者で家庭の雰囲気を明るくする長男、
 そして、父親に対して冷たい態度を取る少し難しいお年頃の長女。
 父親はうまくいってない娘との関係を修復するため
 家族旅行を計画する。しかし、その旅行の最中、父親は娘をかばい
 交通事故でなくなってしまうのだった。
 天国で自分の家族との再会を果たす主人公は
 「生まれ変わりを希望しない限り、家族を上から見守り続ける
  ことができる」と知って、ひたすら家族と寄り添い、彼らを見守り続ける。
 しかし、突如、戦争が勃発して・・・。

■感想
 天国でのルールは以下の通り。
 ・死んだ後も家族を見守り続けることが出来る。
  但し、見守ること以外はできない。
 ・死んだ後は、自分の親族や家族とコンタクトを取ることができる。
 ・希望すれば生まれ変わることができる。
  但し、生まれ変わると、生前の記憶はすべて無くなる。
  生まれ変わりを選んだ者の家族も彼の記憶をすべて無くす。
 ・生まれ変わる時代や場所は自分で選択することはできない。

 主人公は家族と寄り添い、共にい続けることを選ぶ。
 その選択には納得がいく。いずれ家族もこちら(天国)に来るのだから。
 家族が天国に来れば、共に過ごし、会話を交わすことができるのだ。
 何より、家族を忘れたくない。家族に忘れられたくない。
 そう願う主人公の気持ちはよくわかる。

 しかし、突然起こった戦争が主人公の気持ちを変える。
 見守ることしかできない自分への絶望。
 助けられない自分への焦燥。
 見えてしまう以上、見ずにはいられない。
 家族から目をそらすことはできない。
 けれど苦しんでいる家族をどうすることもできない。
 ここにいる限り、家族を見守ることはできても
 未来永劫、彼らを救うことはできない。永久に。
 もちろん、生まれ変わったとしても、彼らを直接助けられるわけではない。
 家族の記憶すらないのだ。けれども家族を見殺しにするよりはいい。

 主人公の決意は悲壮だが、その一方で作者の「希望」でも
 あるのだと思う。こういった思いを抱えて生まれ変わってくる
 人間がいる限り、世界はぎりぎりのところできっと持ちこたえる。
 人類は平和を選択する。人は、恋人や家族をお互いに想い合い続ける。
 そして、作者の願いでもあるのだと思う。
 「前世」が存在するならば、「人が人を思う結果」であってほしい。

 ラストはいつか分からないが平和が再び戻ってきている時代の日本。
 主人公の生まれ変わりと思われる男性が自衛隊の制服姿で登場する。
 そこに野球の球を追いかけて、舞台に飛び出してくる少年。
 ボールを拾ってくれた男性に向かって、少年はひとりで居残り練習を
 していることを告げ、キャッチボールの相手をしてくれないか、頼む。
 男性は快諾し、少年に名前を尋ねる。
 少年が男性がかつて名乗っていた苗字を名乗るところで舞台は幕を閉じる。

 彼は願いどおり、愛する人たちの平和を、未来を守ることができているのだ。
 目に見える分かりやすい形で達成しているわけではないけれど。
 
 見終わった後、しみじみと余韻にひたることのできる幕切れだった。
 シリアスな内容だが、中盤まではどちらかというとコメディタッチだ。
 もちろん、家族の不和、主人公の事故死とシリアスな場面もあるが、
 コメディとシリアスの割合は7対3ぐらい。ひたすら笑い続けた。
 それが一転して重いテーマをつきつけられ、シリアスな展開のみが
 繰り広げられる。そのタイミングと割合が見事だった。
 どの役者さんの演技も好きだったが、特に主人公を演じた伏貫さんの
 迫力あふれる演技には圧倒された。
 福岡で劇団を運営し続けることは並大抵の努力では足りないと思う。
 けれども、是非、今後も上演し続けてほしい。
 次の舞台は8月。是非、また見に行きたい。

MIRAGE(2000年スプリングツアー)

2007年05月18日 23時23分28秒 | 舞台(キャラメルボックス)
■ストーリ
 3月1日。漫画家の真澄(坂口理恵)は花束を持って、
 高校時代の恩師・新庄(粟根まこと)の家を訪ねる。
 その日は新庄の50回目の誕生日。同級生の鶴岡(西川浩幸)や
 天童(岡田達也)も集まってくる。彼らは新庄を慕っていた。
 誰よりも厳しい教師だったけど、誰よりも生徒のことを
 思ってくれたから。彼らは、新庄の一人娘・たまき(中村亮子)
 から、新庄が突然学校を辞めたと聞かされる。
 半年前、新庄の妻・優子(大森美紀子)が亡くなり、それ以来
 新庄の時間は止まってしまったのだ。

■感想 ★★★
 強い女性、芯が一本しっかりと通っている女性、
 信念を持っている女性が良く似合う女優、坂口理恵さん主演の舞台。
 2007年度スプリングツアーにもゲスト出演されていた
 「劇団新感線」(古田さんや生瀬さんが所属している関西の人気劇団。
 是非、一度見てみたい。)の粟根まことさん出演と聞いて、興味を
 引ひかれて購入した。
 今回の舞台ではコメディ部分を一手に引き受けていた粟根さんが
 同一人物なのかと疑いたくなるほど、誠実でまじめで堅物な
 英語教師を演じている。

 ただひたすら妻を愛し続け、彼女の死後も彼女を思わずに
 いられない新庄。彼は妻を想うあまり、彼女が亡くなった後も
 彼女の幻と会話を交わし続ける。
 そんな彼を不安げに見守る彼の妹と娘、そして教え子たち。
 彼らは、新庄に生きる希望、目的を見い出させようと自宅での
 英語の講義を依頼する。

 キャラメルが常に伝えるのは「生きること」。
 今回はそれに「どう生きるのか」という視点で描いている。
 ヒロイン真澄は「自分の信じることに正直に生き」ようと
 壁にぶつかり傷つきながら、自分がどうすべきかを模索し続ける。

 「あんたのためじゃない。
  自分がしたいからするんだ。」
 「間違ってると思うことに追従するのは嫌なんだ。」

 青臭く熱いせりふだが、確かに胸が熱くなる。
 キャラメルは妥協を許さない。ナナメの視点で人生を捉えることも。
 人生、常に真っ向勝負。ダサくても格好悪くても効率悪くても
 自分自身と、そして自分の大切な人たちと向き合うことをやめないのだ。

 そして、明日に希望を持ち続ける。
 ただ生きるだけではなく、明日に楽しみを見い出すこと。
 それが「生きる」ということなのだと訴える。

 2000年の舞台とあって、すでに退団してしまった方々に
 多く出会えたことがうれしかった。
 南塚康弘さん、藤岡宏美さん、そして中村亮子さん!
 中村さんの演技はどの舞台でも変わらず好きだと改めて思った。
 大内さんの弾けた演技も秀逸。いつもは渋い役が多い大内さんが
 ピンクのバスローブとピンクのパンツで出てくるなんて!
 逞しく可愛らしいオンナッぷりを披露するなんて!反則だ!
 見事なコメディエンヌ(?)ぶりに、ただただ脱帽。

 けれど、この舞台で最も心に残ったのは大森さん。
 3場面ほどしか出演シーンはないのに鮮烈な印象を残した。
 表情が変わるだけ。ただそれだけなのに、普段と全く違う
 みっこさんが舞台に立っていた。
 少し儚げで、優しく穏やかな笑顔を絶やさずに夫を見守る
 「優子さん」が確かにそこにいた。

 MIRAGEの意味は「幻」。
 けれど、「存在しないもの」を指しているわけではない。
 未来に希望を託し続けるキャラメルらしい幕切れだった。

まつさをな/興奮冷めた後に

2007年05月13日 21時16分10秒 | 舞台(キャラメルボックス)
興奮がようやくおさまり、舞台の余韻を楽しむ。
何度も何度もかみ締めるように印象に残った場面を懐かしむ。
それは「祭りの後」を改めて実感する寂しさと
あの場にいた人たちと確かに舞台を共有した、共に同じ時間を
過ごしたと実感できる幸せが入り混じった不思議な時間だ。
舞台は映画やテレビに比べて、後からかみ締めるものが多くて
それが私を舞台にまた導く原動力になっているのだと思う。

今回の舞台のキーワードは
 「信じること」そして「生きること」。
登場人物はみな何かを信じていたり信じられなかったり
誰かを無条件に信じていたり、信じたいと思ったり、
でも信じられずにいたりしている。
日本という国の未来、藩の未来を信じる家老、青柳。
父の理想を、そして自分たちの明日を信じる青柳の息子、啓一郎。
自分の未来も国の未来も信じられずに絶望している
啓一郎の幼馴染、静馬。
藩の不正を発見し、信じるもののために立ち上がる鉄之助。
夫と息子と千鶴を信じて見守っている青柳の妻。
愛する鉄之助の無実を信じ、ついていこうとする静馬の妹、はるひ。
幼馴染と愛する人のどちらも信じたいと願い、悩む啓一郎。
愛する人に信じてもらうことを願うヒロイン、千鶴。

無数の気持ちが交錯し、誤解と信念が入り混じって
舞台が作られている。

「どうして、ただ信じてあげることができないの?」
「一度でいい。まるごと信じてあげれば良いじゃないの!」

一貫して伝えられるのは、信じることの難しさ、力強さ。
どんなに愛していても、不利な状況の中では
無条件に信じることは難しい。
けれども、そういった状況の中で信じてくれる人がいることの
心強さはどれほどだろう。誰も信じてくれない中、
ただひとり、味方になってくれる人がいることで
どれだけ救われるだろう。生きる力が与えられるだろう。

信じてくれる人がいるから生きたいと願う。
「生きること」はきゃらめるぼっくすがどの作品でも
常に伝えているメッセージだ。

人は生きなければいけない。
罪を犯したら、生きて償わなければならない。
これは「TRUTH」のテーマだった。
そして、今回、「まつさをな」では
「人は生きている限り、やり直せるんだ。」
と力強く訴える。人は必ずやり直せる。
だから生きることをあきらめてはならない。

いつも以上に見終わった後、爽快な気持ち、幸せな気持ちを
味わえる。クライマックスまでの展開からは想像も
つかないようなハッピーエンドだ。けれども、このハッピー
エンドがこの舞台には必要だったのだと思う。
「信じること」「生きること」の先には必ず幸せが待っている、
という劇団からのメッセージなのだと思う。

語りきれないエッセンスは他にもたくさんある。
2時間の中にいろんな人の人生があって
それぞれがそれぞれの人生の中で、懸命に生きているから
様々な感情が伝わってくる。だから舞台が愛おしいのだ。

まつさをな/2007年スプリングツアー

2007年05月13日 20時47分49秒 | 舞台(キャラメルボックス)
■ストーリ
 嘉永5年4月、小田原藩士・青柳啓一郎は、友人の
 宇佐見静馬・岩本鉄之助とともに、旅芸人の一座を見に行く。
 目隠しをして剣を振る娘・千鶴を見て、驚く啓一郎。
 千鶴の顏は、1年前に病で亡くなった姉に瓜二つだった。
 啓一郎は、父・徳右衛門に進言し、千鶴は青柳家の養子として
 引き取られることになる。最初は一座に帰りたがっていた
 千鶴だが、自分を引き取ろうと言い出したのが啓一郎だと知り、
 密かに思いを寄せ始める。そして・・・。

■感想 ★★★*
 やっぱり諦めきれずに行っちゃいました。スプリングツアー。
 ももちパレスは比較的、小さな舞台で、当日券にもかかわらず
 役者さんが近い、近い。舞台の迫力がものすごく伝わってきます。

 見始めた当初は、
 「おや?ワタクシ、このテンションについていけてない?」
 「あら?今回の笑いのツボはワタシ好みじゃないみたい。」
 と若干不安になりましたが、中盤以降はとにかく期待通り
 いえ、期待以上、予想以上に格好良いサムライに出逢えました。

 おっかーさんは「少年ラジオ」のときとは正反対の
 不器用でまっすぐで日本の未来を真剣に考える若者役でした。
 おっかーさんはこういう不器用な男性を演じてるときが
 一番、魅力的だと思うのです。すっごく素敵でした。
 照れたような表情をするおっかーさんに真剣にどきどき。
 わーん!どんどんどんどん年を重ねるごとに
 かっこよくなってるー!

 一方、大内さんは今回、ものすっごい悪役。
 見ていて途中で憎らしくてたまらなくなります。
 思わず、睨み付けそうになるぐらい。
 でも、かわいそうな人でもあります。
 自分自身ではどうにもならないものに縛られて
 幼い頃からの友人にどすぐろいコンプレックスを抱いてしまう
 どうしようもなく不自由な人。
 きっと、あの時代の日本には、こういった「自分ではどうにも
 ならないもの」にがんじがらめにされていた若者が
 多かったんだろうな、と思うと、余計に切なくなります。
 切ない、でも憎らしい。「TRUTH」の若者たちを
 髣髴とさせる役柄です。
 終演後、一生懸命に「僕、悪いやつじゃありませんよ?」
 と訴えてました。うん、訴えたほうがいいよ。
 うますぎて本当に嫌なやつに見えちゃったよ。

 でもって、今回のゲスト粟根さんと坂口さんが演じる
 とっても仲良しバカップル、ならぬバカ夫婦。
 とにかく仲良しさんでラブラブな雰囲気出まくりの夫婦に
 見ているこちらまで笑顔になりました。
 当初違和感を感じていたのは粟根さん演じる
 ハイテンションの父上にでしたが、後半、きちんと
 演じる人物像に深みが出てきて、底抜けに明るいだけでなく
 「国の将来を憂う男の悩み、悲しみ」を感じることが
 できました。さすがの演技力です。
 カーテンコールのときに誰も見ていないのに、
 きちんと母上の手を取ってあげたり、母上と腕を組んで
 スキップしたり、と最後まで坂口さんとかわいらしい夫婦
 を演じきってくださったのもツボでした。

 他にもいろんな魅力満載のドラマで大満足。
 一度では語りきれません。しばらくは余韻に浸ります。
 コメディ色が強いように見えて、中盤以降はシリアスな展開で
 ぐいぐいと引っ張ってくれた舞台。真剣に泣きました。

 「生きている限り、人はやり直せる。」

 いつもどおり、単純明快でどこまでも性善説に基づいた
 考えを力いっぱい訴えてくれる劇団です。
 甘い、と言われようがなんだろうが、信じたいものがある。
 人が人を信じなくて明日があるんだろうか。
 そんなふうに思わせてくれる素敵な舞台でした。

大いなる誘惑

2007年05月11日 00時10分47秒 | 舞台(キャラメルボックス)
思いっきりナーバスなのりぞうです。
哀しくて哀しくて仕方がありません。

なぜなら、すぐ近くにキャラメルさんたちが来ているのに
舞台に行けるかどうか、まだ分からないからです。

そうなんです。本日から三日間、
福岡ももちパレスにて、演劇集団キャラメルボックスさんの
春公演が行われています。席にまだまだ余裕はある模様。
笑って泣いて感動できて、見終わった後には
必ず幸せな気持ちになれる舞台が待っています。
お時間に余裕のある方はぜひ!

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『まつさをな』福岡公演

日時:5月10日(木)19時~
   5月11日(金)19時~
   5月12日(土)14時~

場所:ももちパレス
   地下鉄藤崎駅上ってすぐ。
料金:5,500円

■ストーリ
 嘉永5年4月、小田原藩士・青柳啓一郎は、友人の宇佐見静馬
 岩本鉄之助とともに、旅芸人の一座を見に行く。目隠しをして
 剣を振る娘・千鶴を見て、驚く啓一郎。千鶴の顏は、1年前に
 病で亡くなった姉に瓜二つだった。
 啓一郎は、父・徳右衛門に進言し、千鶴は青柳家の養子として
 引き取られることになる。
 最初は一座に帰りたがっていた千鶴だが、自分を引き取ろうと
 言い出したのが啓一郎だと知り、密かに思いを寄せ始める。
 そして・・・。
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昨年年末には公演案内の葉書が届いていたのですが
なにせ5月。あきらめていたのです。
・・・でも、あきらめられない!
公演は土曜日までです。
本当は明日の夜、実家に帰らなければいけないのですが
ぶっちぎっちゃって、土曜の舞台を見てから
大急ぎで実家に帰っちゃうかも。

だって、おっかーさんにお会いしたいのです。
元気をもらいたいのです。

意外と恋に突っ走るタイプです。

チック・チック・・・ブーン!

2006年11月26日 20時55分09秒 | 舞台(キャラメルボックス)
■内容
 「RENT」の原点であり、作者ジョナサン・ラーソン自身を
 描いたロック・ミュージカル。
 1990年NY。30歳を目前にしたジョナサン(山本耕史)は
 作曲家としてのキャリアに焦りと不安を感じながら、悶々とした
 日々を送っていた。現実派の親友マイケル(G・アドキンス)は
 ビジネスマンに転進し成功。恋人(愛内里菜)は結婚を望んで
 いる。30歳、それは青春の終わりなのだろうか。
 夢を諦めるべきなのだろうか。チック、チック、チック・・・
 頭の中で時計の音が鳴り響く。

■感想 ☆☆☆*
 驚くべきことに今月、舞台は5回目です。
 もっともその内容は多岐に渡っているため、純粋に「演劇」
 というジャンルでくくると3回目です。それにしても
 芸術性豊かな一ヶ月を送ることができたな、と
 自己満足に浸っています。

 3人の歌唱力に圧倒された2時間でした。
 彼らの歌の持つ魅力に鳥肌が何度立ったことか。
 人の声はすごい。様々な感情が歌に詰め込まれて表現され
 そして爆発する。その瞬間をダイレクトに味わうことが
 できました。
 3人それぞれの歌声がとにかく魅力的で、気持ちがよくて
 当初、不安に思っていたミュージカル初挑戦の
 愛内さんの演技もまったく気にならず。
 3人しかいないため、様々な役柄を一手に引き受けて
 いましたが、それぞれを見事に演じ分けていました。
 普段のやや甘ったるいしゃべり方を知っているだけに
 一緒に鑑賞した友人と感嘆してしまいました。

 ただ、親友マイケルを演じたアドキンスさんの拙い
 日本語にはやや辟易としました。科白が聞きにくいために
 感情移入がどうにもしづらいのです。というよりも
 拙い日本語なだけに「不自然さ」が鼻についてしょうがない。
 日本人が演じてくれたほうがよかったなぁ、としみじみ
 思ってしまいました。ミュージカル俳優を見つけるのが
 難しかったのでしょうか?

 そして主役、というよりはほぼ一人芝居の様相だった
 山本さん。彼の声のすばらしさ、歌唱力の見事さ
 演技にかける情熱は三人の中で群を抜いているように
 感じました。彼が出演するミュージカルは、
 またぜひ見たい、と心から熱望。

 ・・・えー。ストーリには触れずに彼らの歌ばかり
 褒めてます。そうなんです。話の筋は苦手だったんです。
 あまりにも自分自身の内面に突きつけられる内容で
 ひたすら痛くてたまらない舞台でした。

 やりたいことがあるにも関わらず、認められずに
 焦燥を感じている人生と
 やりたいことが特になく、日々をなんとなく
 でも、そこそこ楽しく生きている人生と
 やりたいことを一生懸命探している
 俗にいう「自分探し」中の人生と、
 一体、どの人生がもっとも幸せなのか。
 人はどれだけ欲張りなのか。
 「安定した生活」も「夢」も「成功」も「好きな人と
 過ごす毎日」も「金銭的成功」もどれも望んでしまう。
 決して「現状」に満足できない。常に今の生活にない
 ものを未来に求めてしまう。
 その焦燥感が自分を高めてくれる。成長させてくれる。

 と分かっていても、私は「安定」を優先させてしまう。
 そういうつまらない人間だな、ということを
 あらためて突きつけられた舞台でした。
 夢に向かってがむしゃらに努力できる人っていうのは
 それだけでとてつもなくすごい人だと思うのです。

惚れ直す

2006年11月18日 21時18分52秒 | 舞台(キャラメルボックス)
以前からことあるごとに言ってますが
(って、もしかしてこのブログでは初めてかも。)
前川清さんのファンです。

彼の声の渋み も
歌うときの姿勢の良さ も
しゃべるときの独特のイントネーション も
話す内容の面白さ も
観客を楽しませることに徹したサービス も
肩肘張らない舞台姿勢 も
何もかもが好きです。

総じて「力が入ってない、ゆるい、なのに面白い」殿方に弱いんです。

のりぞうが前川さんの魅力を知ることができたのは
NHKで放映されている「ふるさと皆様劇場」という番組でした。
彼ひとりでも十分面白いのですが
梅沢富美男さんとの掛け合いが彼の面白さ、脱力キャラぶりを
更に際立たせていて、1時間半があっという間に感じられる素敵な番組です。

番組は三部構成。
第一部は懐かしい匂いのする人情喜劇。
前川さんは大抵、科白を覚えてませんし、間違えます。
そういう脚本なのか、アドリブなのか分からない掛け合いや間合いが
大変面白い30分間です。ただ、最後の終わり方がぐだぐだなのがやや難。
けれども女性演歌歌手を迎えて楽しそうに演じる二人に
こちらまで楽しくなってしまうコーナーです。

第二部はふるさと情報コーナー。
この番組はのど自慢のように全国各地を巡って収録をしているため、
毎回、毎回、その土地特有のものをその土地のちびっこが紹介してくれます。
その後、地元の大家族や三世代家族などが舞台によばれ
梅沢さん、前川さんと楽しくおしゃべりを重ねるのです。
梅沢さんが司会として全体を仕切り、前川さんが興味の赴くままに
質問を重ねるスタイルは大変見事です。
おじいちゃん、おばあちゃんとの掛け合いがお上手なんです。

そして、第三部がカラオケコーナー。
舞台上で観客のリクエストに前川さんが応えてくださいます。
知らない曲が多い前川さんの素敵さが際立つコーナーです。

地味な番組ですが、実はのりぞうが大学生のころから続いている長寿番組。
ただ、現在はBSでしか放映されていないため
のりぞうは見ることができません。かなしひ・・・・。

・・・と、まずは熱く「ふるさと皆様劇場」の魅力について語りましたが
(BSが見れる方、どうぞ一度ご覧あそばせ☆)
その「ふるさと皆様劇場」の名コンビ、
前川清さんと梅沢富美男さんの舞台に行ってきました!
妹がただ券を当ててくれたのです!すってきー!さすがー!!
ふたりで大興奮の舞台鑑賞です。

第一部の人情喜劇では、いつもどおり
ふたりのアドリブなんだか、脚本通りなんだかよく分からない
細かい笑いを大笑いしながら楽しみました。
壁にぶちあたったり、障子に指をはさんだり、
オーソドックスな笑いなのに、とにかく面白い。
さすがの息のあったコンビです。

第二部は前川清ショー。
持ち歌を存分に歌う前川さんにうっとり。
面白いだけでなく、とにかくうまいんです。声が素敵なんです。
「まったく売れてない」(本人談)という今年の勝負曲も歌ってくれました。
覚えやすいメロディで、売れないのが不思議!と妹と首を傾げあいました。
・・・まあ、ワタクシも買ってないんですけど。
ていうか、この曲を耳にするのが初めてなんですけど。
演歌を聴く機会が減ってる現状を実感しつつ、
売れてないことを素直に暴露する前川さんにまたしてもうっとり。
ラストは、梅沢さんも出てきてお互いに褒めちぎりあい
その後に仲良く喧嘩をして前川さんの持ち時間は終わりです。
・・・・名残惜しい。。。。
妹が隣で「まじ、かっこいいんだけど!!」
と興奮してる姿が印象的でした。
姉の好みを見事に反映して育ってるわ、この子・・・。

第三部は梅沢富美男の妖艶な舞台。
梅沢さんがあでやかな女性になって登場です。

・・・・美しさにうっとりとはしたのですが
やはり前川さんの素敵おじさまぶりにはかないません。

ていうか、久々に生で見て、彼のすてきおじ様ぶりを再確認し
前川熱が久々に沸騰してます。
民放で、彼の面白さやすてきっぷりに
注目した番組製作を熱烈希望です。

少年ラジオ/2006年クリスマス公演(Rキャスト)

2006年11月05日 22時39分50秒 | 舞台(キャラメルボックス)
■ストーリ
 震災で親をなくした浮浪児ラジオは、スリをしながら
 その日暮らしを続けている。ある日、ひょんなことから
 財閥のお嬢様、美汐さんと知り合ったラジオは
 彼女が巻き込まれた数奇な運命から、そして彼女が
 味わっている孤独から、彼女を救い出す決意をする。

■感想 ☆☆☆☆☆
 本日はレッドキャストの舞台です。
 昨日も行っておきながら、本日も鑑賞。
 だって千秋楽ですものっ!
 と、礼拝が終わってすぐに天神へ出発したのですが。
 なんと、私がキャラメルの舞台に行くようになってから
 初の満員御礼。座席はすでになく、通路の座布団席で鑑賞。
 それでも見終わった後、やはり見てよかった・・・、
 と心から思いました。あったかくて優しい気持ちが
 たくさんたくさん流れ込んできました。
 元気を体の隅々にまでもらいました。

 昨日は一番前の左端の席で舞台を満喫しましたが
 本日は、前から10列目ぐらいの中央(の通路)で鑑賞。
 舞台を近くから見るのも素敵ですが、
 正面から全体を見渡すと、それはそれで、
 また昨日とは違う発見がたくさんあって、
 今日も思う存分、舞台を味わいつくせました。
 やはり生って素敵ですねー。

 初主演の畑中さんは本日も舞台いっぱいいっぱいを
 走り回ってました。一番前の席で見た昨日は、
 彼の汗だくの姿からその様子が伝わってきました。
 そして、真ん中の席だった本日は、全体を見渡せたため、
 昨日以上に舞台を隅々まで使って全力疾走しているのが
 分かりました。汗だくのその真摯な姿は
 「大切な人のために走り続ける」ラジオの生き様と
 見事にシンクロしていて。胸が熱くなりました。

 そして、見事に二枚目を演じきった大内さんの
 大人の魅力にくらくら。スーツ姿の立ち回りが素敵でした。
 悪役を演じたおっかーさんのオトコの魅力にもくらくら。
 どんな役でもかっこいいのです。悪役でも魅力的なのです。
 かわいらしい執事を演じた菅野さんの
 ちびっこの魅力にもくらくら。「クロノス」とは別人ぶりで
 かわいらしさ爆発の演技でした。彼の一挙手一投足に
 客席が注目し、くすくすと笑い続けてました。

 でもって、本日はレッドキャスト。
 レッドキャストの人とグリーンキャストの人では
 科白も笑わせるところも笑わせ方もかなり違っていて、
 舞台の大筋は変わらないのに、テイストが異なります。
 両公演でどちらのキャストとも絡む人たちは
 頭がこんがらがって大変だろうなーとしみじみ思いました。
 そんなことまで考えてしまうほど、違うのです。
 もっとも、その「違い」のおかげで
 のりぞうは昨日も今日も100%楽しめたわけです。
 キャラメルの旺盛なサービス精神に脱帽です。

 そして!!サービス精神といえば!!
 本日、福岡公演の千秋楽ではキャラメルの皆さんから
 クリスマスプレゼントをいただきました。
 役者さんひとりひとりが舞台から客席に降りて
 私たちに直接手渡しです。
 それだけでも大感激なのに。
 なんと運命的にっ!大好きな岡田達也さんがっ!
 のりぞうの目の前にっ!!

 きゃーっっっ!!

 と、大興奮でプレゼントをいただきました。
 握手もしてもらえました。
 会話も交わせました。
 本当に本当に幸せなひとときを満喫。
 今、思い出しても、顔がゆるみます。
 心に残るクリスマスプレゼントになりました。
 いただいたものはキャラメル一箱。
 しばらくは大切に持ち歩きます。
 見返しては、にやつきます。

 なんていうか、企画が粋だなー、としみじみ思いました。
 「いつも舞台を見てくれる皆さんから
  たくさんたくさん元気をいただいています。
  勿論、できる限り舞台で多くのものを返すつもりです。
  それでも、返せない想いを、感謝を
  クリスマスプレゼントとして、皆さんに渡します。」
 興奮しすぎて、うろ覚えではありますが、
 大内さんからの挨拶の言葉です。
 こういったイベントの端々から伝わってくる
 キャラメルのスタンスが大好きです。

 それにしても間近で見る岡田さん、かっこよかったです。
 思い返せば、今年は春にも岡田さんをすぐ近くで
 見ることができました。今年だけで二度も。
 幸せな一年となりました☆