のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

想い出がいっぱい

2019年11月02日 07時18分10秒 | 日常生活
9月29日は祖母の一周忌でした。

祖母が亡くなって1年。
亡くなったのは、祖母が入所していた施設に両親、妹一家と一緒に行くことにしていたその日の朝でした。大急ぎで向かったけれど、到着したときには既に祖母の心臓は止まっており、最後のお別れには間に合いませんでした。

寂しかった。
けれど「悲しい」という気持ちはありませんでした。
ずっとずっと結婚できないことを心配してくれていた祖母に夫さんを会わせられました。
私のウェディングドレス姿も見てもらえました。
更に更に長男坊にも会ってもらえました。
長男が生まれる少し前、祖母は心臓の動きが悪くなって入院し、「かなり悪い。どうなってもおかしくない。」と言われていました。それでも持ち直してくれた。もう十分。
本当に本当にありがとう。

私は祖母にたくさんたくさんかわいがってもらいました。
大学時代、ホームシックで病んでいたときは、実家よりもかなり近かったために毎週末のように祖母の家に泊まり、たくさんたくさん甘えました。

踊りや茶道、着物が好きで、楽しんでいた祖母。
私も妹もお盆は、祖母があつらえてくれたお揃いの浴衣で、盆踊りに連れて行ってもらっていました。

食器も大好きで、よくノリタケの食器を購入していました。
私が結婚する際、祖母の食器を譲り受けたため、我が家の食器のほとんどは祖母が使っていた懐かしいノリタケの食器です。3人家族なのに、お味噌汁の汁椀もご飯茶碗も10人分ぐらいある食器もちの我が家ですが、それでも譲り受けたのは祖母のコレクションのごくごく一部。段ボールにいくつもあった食器の中から、選び抜いた食器です。

食器が好きな祖母はもちろん料理も大好きで、食材に惜しみなくいいものを選び、得意料理の煮物や唐揚げ、てんぷらをぱぱっと作ってくれました。ぱぱっと作るのに味がこっくり染みた手羽先の煮物は特に大好きで、私にとっては思い入れのあるメニューです。炊き込みご飯、豆ごはん、タケノコの煮物、芋のてんぷら、手羽先の煮物、おでん、おはぎ、ぜんざい。祖母の用意してくれる食事は、季節の変化を感じさせてくれるものばかりでした。

「料理酒は、料理酒として売られているものよりも安くていいから日本酒を使った方がいいよ。」
「お砂糖は白砂糖より黒砂糖のほうがコクがでるんよ。」
「着るものは別にいいものじゃなくていいけど、食べるものは少しでいいけん、いいものがいいよね。」

料理をまったくしなかった私が覚えている祖母の教えです。
もっとちゃんと色々と教えてもらっておけばよかったな。
一緒にお料理をして、作り方をもっと見ておけばよかったな。
綺麗好きで、料理好き。編み物も縫物も得意。冬になると綿入れ半纏を手縫いで作ってくれました。リカちゃん人形のスカートもピンクの毛糸で編んでくれました。
尊敬するところがとても多いのに、小さいころの私はそのすごさに気付かずにいました。
色々教えてもらって、もっと一緒に楽しめばよかった。そんな後悔がたくさんあります。

認知症が進み、施設に入ってからの祖母は、とてもとても穏やかになりました。
話し方もゆったりとし、口癖は「ありがとう。」
遊びに行くと、とても喜んでくれて、疲れたらやんわりと「遠いけん、もう帰り。」と言われていました。
甘いものやたこ焼き、お好み焼きを持っていくと、すごく喜んでおいしそうに食べてくれました。
若いころの祖母は少し気難しかったり、気が強かったりするところもあって、色々と悶着の思い出もあるけれど、それらを「そんなこともあったね。」と懐かしく思い返せる「いい想い出」にしてくれるぐらい、素敵な年の重ね方をした祖母でした。

できることならば、私も祖母のように年を重ねたい。
認知症でいろんなことを忘れても、「ありがとう」を忘れない人でいたい。
そして、一周忌で祖母のように思い返してもらえる人でありたい。
私の大きな目標です。