のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

せつないいきもの/竹本健治

2009年01月10日 00時29分20秒 | 読書歴
104.せつないいきもの/竹本健治

■ストーリ
 武藤類子は明峰寺学園高校の二年生。剣道部のエースにして、
 学園の有名人だ。それには理由がある。自身の才覚もさることながら
 彼女は史上最年少で本因坊に就いたプロの囲碁棋士・牧場智久の恋人。
 そして、一部でカリスマ的な人気を誇るミュージシャン・速水果月の
 想い人なのだ。しかも、彼女は不思議な事件に遭遇する奇縁も持ち合
 わせていた。賑やかな日常の狭間で、類子は孤独で歪んだ魂の軋みを
 聞く。

■感想 ☆☆
 副題「牧場智久の雑役」を見て、牧場智久シリーズの続編?!と
 興奮しながら借りてきた。しかし、副題は「牧場智久の雑役」。
 まさにタイトルどおりの本だった。主役だったはずの牧場さんは
 今回、姿も現さず、電話での出演のみ。
 ヒロイン、類子さんと共に活躍するのは「殺人ライブへようこそ」
 で主役を張ったことがあるらしい速水さん。中編3編が収録されて
 いるが、全編類子さんと速水さんのドタバタした会話が主で
 どこかライトノベルっぽい雰囲気が漂う。
 ライトノベルっぽい雰囲気が悪いわけではない。その雰囲気も
 好きだけれど、私が牧場さんのシリーズに惹かれたのは、
 天才が故に見えすぎて苦悩する牧場さんであり、天才にも関わらず、
 自分の才能の限界に気付き、それでも、上を目指してじたばたと
 もがかずにはいられない牧場さんだったのだ。

 あまりに初期と異なる作風に驚いた新作だった。
 もう元のテイストに戻ることはないのかな・・・。


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