ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

2023年・ごまめの落語・BEST10

2023-12-30 20:08:08 | 年間BEST・・・・
2023年・ごまめの落語・BEST10


今年は、コロナの少し緩和されて少し多めに落語会に。
それでも、どうしても「和泉ワンコイン寄席」や「北野田フェスティバル」に「せんしゅう亭」などの近場も多く、都合45公演、216の落語を聴きました。その中で印象に残った落語10を選びました。
今年も収穫は、若手の智丸さん、二葉さん、米輝さん、文五郎さん、九ノ一さん、三実さん、弥っこさんなど若手の溌剌とした創意に満ちた落語に感激。古典も新しく生まれ変わろうという波を感じます。

まずは、BEST10の発表です。(例年通り一人の咄家さん、ベスト一演目にしております。)


①、露の新治、「中村仲蔵」・(5・28)~質屋寄席
さて、本日の大当たり。たっぷりの高座。11年前に初めて新治さんで聴いたときも大感激した「中村仲蔵」。今、話題の歌舞伎界ですが、やはり大事なのは女房、役者いや男を支えるのはお内儀ですな。ああ、今日は「鰻谷」と言い「中村仲蔵」といい、良妻のお内儀続きでおますな


②、桂福團治、「蜆売り」・(12・25)~鰻谷寄席
鰻谷で福團治さんお「蜆売り」が聴けるなんてありがたいこと、それも私にとって本年度の落語納めが「蜆売り」。寒い師走に蜆のええ味が出た一席でおました。


③、奥村旭翠、筑前琵琶「土蜘蛛」・(9・18)~上方伝統芸能ナイト
「筑前琵琶」はさらに一格違います、奥村旭翠さんの琵琶と一声が能楽堂に響くと、思わずゾクッとする幽玄の世界に・・・。まさに人間国宝でおます。素晴らしい伝統芸能、もう少しで知らぬままに人生が終わってしまう時でした。
そういえば、生で聴いた武満徹さんの「ノヴェンバー・ステップス」の鶴田錦史さんの琵琶を思い出しましたな、因みに指揮は小沢征爾さんでしたが
(1969.04.16)。
もう一度、何かの機会を見つけて筑前琵琶を聴きたいものですな。
何ごとも、本物を知ることは大事ですな。


④、桂雀々、「船弁慶」・(8・11)~ハルカス寄席
さあ、ハルカス寄席、二回目になると一回目より少なくなるんですが、今日は雀々さん効果でさらに増えての80名の大入り満員。熱気がプンプン。舞台はEEDのスポットが後ろに下がって、今までの発熱球のスポットが前面に。客席はそうでもないんですが、高座は凄く暑いらしくて。噺は夏らしく「船弁慶」。お松さんが出てからは、清八も最後は喜六も扇子で扇ぎながら手ぬぐいで汗をぬぐいながらのお喋り。それがまっるきり、違和感がなくって、夏の暑苦しさが更に演出されてまさに芸。すごいですな、色んなことを考えながらも落語が進む、やはりプロでおます。私なんか、普段しない汗を拭く、ひと動作入れただけで左右が入れ替わりました・・・苦い経験です。


⑤、笑福亭鶴二、「らくだ」・(4・9)~笑福亭鶴二独演会
よろしいな本日の「らくだ」、大ネタの匂いがせずに気楽に聞ける「らくだ」に豊熟。
最初に鶴二さんの「らくだ」を聞いたのが12年前の「新丸八寄席」。あの時、演じる鶴二さんも聞く私たちも、凄いネタとなぜか身構えていた「らくだ」。今回で鶴二さんの「らくだ」、数えてみるとなんと9回目でおます。でも、聞く度ごとに新鮮、・・・落語というものは不思議、ワインみたいなもので上手に保管しとくと、時がどんどん熟してくれるんですな。


⑥、笑福亭伯枝、「幸助餅」・(5・20)~和泉ワンコイン寄席
よろしいな伯枝さんの「幸助餅」。ほろりとさせながら、ベタベタの人情噺にはせず、この泣き笑いの加減が絶妙。たまに歌舞伎でもあるので今度公演があったら落語との違いを見てみたいですな。
伯枝さんの「幸助餅」何度も何度も聞いてみたいたい噺に、これぞ十八番でおます。


⑦、桂文三、「天失気」・(2・1)~大阪落語祭
これまた、ご陽気な文三さんの高座。「転失気」がこれほど爆笑噺になるとは、演者さんの力はやはりすごいもんですな。文三さんのおかしさたっぷりのご陽気な落語、やはり落語はこれでないとあきまへんな


⑧、桂南光、「ちりとてちん」・(2・1)~大阪落語祭
よろしいな南光さんの「ちりとてちん」。ご隠居の茶目っ気が前面にでて、座敷の楽しさがありありと伝わってくる。ええな、落語の楽しさ大満喫。こんな隠居になりたいですな


⑨、笑福亭智丸、「寿限有」・(4・29)~新新作派
「寿限無」があまりにもご利益がある過ぎて、初代は今や200歳、そのあと170歳、140歳長生きし過ぎて寝たきりの時も長すぎて問題。そこで今度生まれてきた子には限りなく短くなるように、縁起の悪い言葉を並べた名前を「寿限有」。この言葉の選び方に、歌人でも智丸さんのセンスがあふれる。師匠仁智さんの創作のDNAを引き継いでるのは智丸さんではないかと・・・秀逸の「寿限有」でございました。


➉、桂二葉、「つる」・(2・1)~大阪落語祭
これまた、今一番勢いのある二葉さん。最高におもしろい。これだけ新鮮に活き活きしてる「つる」ありませんな。今年は旬の二葉さん、見逃してはあきませんな。

今年も一年、「ごまめ~の~いちょかみ」とgomame339にお付き合いいただきありがとうございました。来年も引き続きよろしくお願いいたします。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2022年・ごまめの落語・BEST20

2022-12-31 08:08:08 | 年間BEST・・・・
2022年・ごまめの落語・BEST20

今年は、コロナの少し緩和されて大阪へも足を伸ばして落語会へ。
それでも、どうしても「和泉ワンコイン寄席」や「北野田フェスティバル」に「SAYAKAホール」などの近場も多く、都合30公演、140の落語を聴きました。その中で印象に残った落語20を選びました。
今年の収穫は、若手の米輝さん、秀都さん、九ノ一さんなど若手の溌剌とした創意に満ちた落語に感激。古典も新しく生まれ変わろうという波を感じます。

まずは、BEST20の発表です。(例年通り一人の咄家さん、ベスト一演目にしております。)


①、笑福亭鶴二、「質屋芝居」・(9.17)~笑福亭鶴二独演会

桂米団治さんにお稽古していただいた「質屋芝居」。米団治さんは六代目の松鶴さんにつけていたので、ぐるっと回って笑福亭へお里帰りの「質屋芝居」。
途中の芝居は思わず、見とれてしまっていると「もぉし、裃どないなったぁんねん」で目覚める。
九割五分がキッチリした芝居仕立て、残りの五分で笑いと、決め球「もぉし、裃どないなったぁんねん」、肝心の勝負球だけに緊張しますな。
芝居も踊りも、仕草のキレイ鶴二さん、見ごたえのある一席でおました



②、露の新治、「福蓑(木村智子作)」・(11.17)~第一回新新作派

良かったですな。落語台本コンクールの受賞作らしいですが、擬古典というか時代背景が落語史のもので、すんなり入っていけるし、ちょい人情さもあって良い噺ですな。何度も繰り返し聞きたくなる「福蓑」でおます。
作者の木村智子さんってお幾つぐらいの方か、興味わきますな・・・




③、桂坊枝、「堪忍袋」・(10.30)~北野田エンタメフェスティバル落語会

本日一番、秀逸の坊枝さんの「堪忍袋」。ハリと勢いのある声で客席を圧倒。
よろしいな、最高でおます。

落語には声の大きさがいかに大事かようわかりますな。いま「一文笛」を稽古し始めていますが、あまりシットリとするのではなく、できる限りのメリハリのある声で秀を諭したいもんですな。


④、桂米輝、「あくびの稽古」・(6.2)~NHK上方落語の会

米輝さん、いいですね。あくびの稽古に続いて、いびきの稽古まで引っ張り込む。古典を創作とのコラボで大成功。落語の底力があるので、少々のいじくりも気にならない。上手いという噂は聞こえていたのですが、これからは米輝さん目当てに落語会、行かんとあきまへんな。


⑤、笑福亭伯枝、「高津の富」・(11.20)~笑福亭伯枝独演会

つくづく聴きながら、「高津の富」は笑福亭の噺、やはりお家芸でおます。他の一門とどこが違うのか、セリフも同じなのに、なぜか骨太。間?。声の質?。押しの強さ?。松之助、鶴二、遊喬、そして伯枝さんと、笑福亭の「高津の富」が好きでおますな。

⑥、桂米紫、「三年目」・(1.13)~NHK上方落語の会

今日一番の秀逸の米紫さんの「三年目」。陰気な噺を陽気な米紫さんが程よく料理して、気品ある一品に。米紫さんの人情噺などじっくり聴いてみたいですな。


⑦、内海英華、「女道楽」・(12.23)~アホの喜ィ公とカミナリのお松の会

英華さん、粋で華やかでおますな。「さわぎ」「さのさ」「のんき節」「淡海節」「やぐら太鼓」と唄も三味線も語りもどれも逸品。そして、「さのさ」では下座の呂翔さんらに細かく指示とボケを教え込む、こんなのも舞台での実践での講座でおますな。そして、「のんき節」での吾妻ひな子さんと鳳啓介さんの話や、「淡海節」での藤山寛美さんの話など昔の楽屋の風景を思い出しながら紹介してくださる、英華さん、まさに上方落語の生き地獄、いや粋字引でおますな。


⑧、桂文華、「悋気の独楽」・(7.24)~ぶんか寄席

師匠の文枝さんの十八番の「悋気の独楽」、よろしいな。
女中のお竹どんの骨太さでこの噺は決まり。それで御寮さんの上品さ、定吉の無邪気さも際立ちますな。

千鳥橋のほうに拠点を替えられた文華さん、そちらの方へもおっかけていかんとあきまへんな。


⑨、桂文都、「天災」・(6.2)~NHK上方落語の会

文都さんの天災も、普段聞きなれたざこばさんや銀瓶さんとはまた違う演出。
落語って、いろんな演出があるのがまた楽しい。今、上方落語のマグマ、うねってますな・・・どこから、どんな風にふきだすか、楽しみでおますな。


⑩、柳亭小痴楽、「粗忽長屋」・(1.21)~東西吟選落語競演会

これも十八番「粗忽長屋」。小痴楽さんの口調よろしいな。江戸落語って感じ、ぜひ「大工調べ」なんぞ聴いてみたいですな。


⑪、桂宮治、「棒鱈」・(1.21)~東西吟選落語競演会

これは、江戸らしい噺「棒鱈」。それでも、東京の寄席で小里んさんと市弥さんで聞いたことのある話。この田舎侍の訛りとヘタな歌いっぷりがキモですな。明るいご陽気な高座。これからの宮治さん注目ですな。


⑫、くにお・とおる、「漫才」・(10.21)~鰻谷寄席・10月度

この舞台が、くにおさんの最後の舞台になりました。
ご冥福をお祈り申し上げます。

よいですな。安心して楽しめるくにおとおるさん。解かっていてもでてくる「とおるちゃん」、その一声だけでほっこりしますな。笑いとは緊張と緩和と言いますが、緩和の連続に浸るのも良いものでおます。




⑬、笑福亭遊喬、「禁酒関所」・(6.2)~NHK上方落語の会

よろしいな、今も昔も七ふく。これぞ、落語。これぞ、笑福亭。これぞ、遊喬さんの落語でおます。骨太のどっしりとした落語。この安定感、安心感、遊喬さんの落語、追いかけて聞きまっせ。


⑭、ラッキー舞、「太神楽」・(11.20)~笑福亭伯枝独演会

大好きな、ラッキー舞さんの高座。いつまで経っても初々しくてかわいい舞さん茶碗の積み上げから、傘回し、ボール遊びから最後は得意の皿回し。後ろの女性のお客様が「どうすんの」「こわー」「まだ載すの」とその声聞いているだけで、こちらまで嬉しくなる。最後の皿回しで包丁が出てきたときは「ほんまにするの」「こわー」「えェ―、もうやめて」と叫び声に・・・。

ほんま凄い芸でおますな。ラッキー舞さん、大好き。


⑮、笑福亭鶴笑、「人形 西遊記」・(9.17)~笑福亭鶴二独演会

このパワー。鶴笑さんの十八番「パペット落語・立体西遊記」。今回で五回目、でも何度聞いても楽しい。子供に戻ったようで、動かぬ人形や動物、乗り物のおもちゃを手に持ってガチャガチャと遊んだ子供の時を思い出す。一緒に遊んだという満足感でいっぱいになる、鶴笑さんのパペット落語でおました


⑯、笑福亭生寿、「幽霊の辻」・(6.2)~NHK上方落語の会

小佐田定雄さんのデビュー作で、枝雀さんとの仲を取り持った演目とか。まさに古典の匂いがありながらの怪談ばなし。こんな噺が生寿さんから聴けるとは合わせてうれしくなる。生寿さんと小佐田さんとの相性はとても良さそうなので、次々小佐田さんの名作、手掛けて欲しいですな。


⑰、桂文鹿、「おみくじ製作所」・(6.18)~第211回和泉ワンコイン寄席

人と違う落語を目指し、人とは違う道を選んで日夜邁進されている文鹿さんの高座。何かとげとげしさも薄れて、まろやかなふわりとした高座に
噺は新作では好きな「おみくじ製作所」、そうか電話の注文を減らせば尺も自由自在、米紫、福矢、三若、春蝶、かい枝、菊丸、吉弥、と同期の落語家さんの名前があがるだけで楽しい噺。文鹿さんの古典も好きでおますので、文鹿さんの会に足を運ばんとあきまへんな。



⑱、旭堂南北、「柳田格之進」・(3.19)~第208回和泉ワンコイン寄席

落語では、東京の柳家さん喬さんで初めて聞いた時、嗚咽するほど涙した思い出の噺。今日は元々の講談を南北さんで聴く。さらに笑いはなく、武士の意地と主従の思いが淡々と述べられる、さん喬さんでは娘の絹さんは廓で狂い死ぬんですが、新治さんのは番頭と夫婦になったようですが、南北さんは太夫になって見受けをされて格之進さんの元へ帰って来るという、少しはホッとする終わり方。

でも、「井戸の茶椀」や「木津の勘助」の娘さんと言い落語にでてくる娘さんは、みな良い子でおますな。


⑲、桂秀都、「桃太郎」・(9.17)~~笑福亭鶴二独演会

秀都さんすごい。「桃太郎」がこんな斬新な噺に変身するとは、いまの若い方の感性は凄い。昔々で年号になって「大化」から始まって「令和」までをいっきにそらんじたり、旧の国名もそらんじたり、賢い子供をいっきに膨らます。
SNSが普及されてる現代、子供の生意気さも形を変えてきますな。
落語も、どんどん、形を変えていくんでしょうな。
秀都さん、注目でおます。


⑳、桂九ノ一、「軽石屁」・(1.15)~第206回和泉ワンコイン寄席

初めて聴かせてもらいました「軽石屁」、そして九ノ一さんも初めて。上手いですが、つかみどころがない噺を淡々とそして軽妙に、まさに師匠九雀さんの芸そのもの。この二、三、年のうちに化けるのはまちがいありません。これから注目の九ノ一の感激の一席。

一年間お世話になりました。
「ごまめ~の~いちょかみ」
来年もよろしくお願いいたします。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2022年・ごまめの本の少し・BEST15

2022-12-30 08:08:08 | 年間BEST・・・・

2022年・ごまめの本の少し・BEST15

今年は年間263冊の本を読了。隠居生活三年目、図書館利用も板について何と191冊ものの本を借りました。

☆5が15冊、☆4が93冊、☆3が146冊、☆2が9冊。
BEST10か20位と思いましたが、更に選ぶのがおっくうなので中途半端ですが今年はBEST15とさせて頂きました。
改めてその15冊をみると、今まで読んだことがない小説、人類学、骨のある随筆と、新たな出逢いに感動したんですな。
もちろん落語と短歌は優先的に読みましたが、今年は図書館関係の本も沢山目を通しました一年でおました。

やはり目的の本だけではなく、本の紹介や、本屋や図書館をウロウロして新たな出逢いを探すのもよろしおますな・・・それも読書だと思える今日この頃です。

さて、☆☆☆☆☆の本、順位つけるのも何なんですので、年初めから順に並べさして頂きました、よろしくでおます。

1・はみだしの人類学~松村圭一郎・(1.11)

昨年の末に読んだ著者の「働くことの人類学」がおもしろかったので、続けて読もうと検索すると図書館にあったのがこの本。NHK出版の「学びのきほん」シリーズでさらに初心者用に書かれており、私にはピッタリ。さらに人類学が整理されました。と言いながら、人類学は多岐にわたっており、多くの視点でとらえなおしてあるので、私のこれからの覚書もある面あちらこちらへとまとまりのないようになってしまいそうです。

もともと文化人類学は、19世紀末から20世紀前半に西洋諸国がアジアやアフリカの植民地政策時代に、なぜ人類はこれほど多様な文化があるのか?その差異はどのように生じたのか?異なる他者とどう関係を築けばよいのか?この課題はこのコロナ禍をみれば未だ引き続いているように思えます。そして西洋社会が直面する問題を考えるとき、近代的な視点だけでは限界がある。人類学は近代文明批判の旗手として、そうしたある種の希望を語る学問と注目されてると・・・。

それを掘り下げると、「わたし」とはなにか「かれら」とはなにかいう基本が揺るいできます。「わたし」の人格や価値観が絶対的なものではなく、「わたし」と「かれら」との境界も輪郭もあいまいにみえてきます。各、国や地域の「伝統」は長い年月を経たものではなく、ごく最近になって成立したり、ときに捏造されたものだと。立場、立場で歴史は違う、これって「わたし」と「かれら」の関係を知れば当たり前のこと。

そして、その「わたし」でさえひとつでなく複数であると。誰と対面するかで「わたし」のあり方が変化すると、家では末娘の「甘えん坊」、部活では頼れる先輩、大学では「生徒」、バイト先の塾では「先生」と複数の役割をもって生きています。単なる分け方も「男」と「女」、「若者」と「老人」、「既婚」と「未婚」、「正規雇用者」と「非正規雇用者」、「日本人」と「外人」、血液型や県民性などひとりの「わたし」はいろんなカテゴリーをもちながらも、ある面単一のカテゴリーで結びつけられて判断されているのは、このコロナ禍では痛切に感じることでおます。「ワクチンの接種」「飲食と飲酒」「不要不急の外出」「若者と老人」なぜか、線引きしなければとそれもいたってあいまいな線引きで、ワイドショーががなりたてているのにはまいってしまう。

はなしはそれてしまいましたが、どうすれば「わたし」や「わたしたち」がともによりよく生きることができるのか。生き方には二通りがあると、「直線の生き方」と「曲線の生き方」があるのに、いつの間にか直線的に歩むのが正解として歩んできたようですが、いま一度、二つの歩み方があることを自覚するべきだし、それが「よりよく生きる」ことへのヒントがあるように思える。

「わたし」も大切「あなた」も大切、こんなことを教えてくれた、「人類学」でおました

2・語り芸パースペクティブ~玉川奈々緒・(2.20)

素晴らしい、御本。浪曲師である玉川奈々福さんがプロヂュースする語りのついての11章節。どんな学術書より価値がある。
日本は伝統芸能がとても多い国。中でも語り芸が多いことは、大きな特徴であると、しかも、中世このかた生まれた多くの語り芸が、今も現役の芸能として残っている。「節談説教」「説教祭文」「ごぜ唄」「義太夫節」「講談」「女流義太夫」「上方落語」「能」「江戸落語」などと・・・。

視覚優位の時代に、想像力を駆使することを観客に強いる、ミニマムな芸能に・・心あそばせ、しばしうつつを忘れることで、心身が再生される、その作業を、この国の多くの方が楽しんでくださってる・・。

芸能者は、最初は神のご機嫌をうかがい、いつしか観客のご機嫌をうかがうようになった。あの世とこの世、聖と俗、貴顕と最底辺の間を行ったり来たり。

これって、まえがきの要約ですが、内容濃いでしょ。

一週間かけてじっくり読み進むうちに14か所も付箋がつきました、大事なことばかりなので、私のノートにはすべて写しましたが、芸能に興味のある方是非一度この本手に取ってごらんください。

「唸る」「語る」とは、「読む」、「言う」とは「しゃべる」とは、ほんと、この違いを考えるだけでも、芸能ってそもそもなんなのと考えさえられます。

手元に置いておきたいですが、逆に書き留めて、心に書き留めておきたいと思います・・それほど内容の濃い本でおます。

3・すべての季節に君がいて~・神田濡(2.28)

淡き恋って素敵です。

2017年からTwitterに140字ぴったりの物語を投稿、それをまとめたもの。遠き昔なのに、胸がきゅんきゅんします。

短歌を始めたとき、最初に教えられたのはまず小説の出だしを書きなさい、それを焦点を絞りながら31字にと、そうなんですまず沸き立つ思いを物語に。それが抜けてるから、この頃歌自体にわくわく感が抜けてしまっていると、自分でも感じます。

それと、並んで撮られているいろいろな写真。一枚の写真ながら、前後の物語が沸き立ってくる。いま、動画クリエーターの講座を受講し始めているが、まさにこれ、何を伝えたいのか。自分の感動、思いをまず見つめることからすべてが始まる。

短歌にも動画にも今の私のバイブルになる、タイムリーな出会いを感じる一冊でおます。

4・ものは言いよう~ヨシタケシンスケ・(3.30)
 
ヨシタケシンスケさんを知る完全読本。
 
ヨシタケさんファンなら是非手元に置いておきたい一冊。
ひみつと言って、その①・発想の源の“手帳の中身”を公開、毎日のスケッチとして、かわいいイラスト、ちょっとした絵と言葉がセットに書かれている。
その②・ほんまに小さなイラスト。絵はモノクロでとても小さい。会社員時代にいつでも手で隠せるようなサイズで落書きしていたら、それが定着。でも、そのコンテと言うべき下書きは、アイデアが詰まりながらも苦しみの跡が・・・。

ヨシタケシンスケさんのしくみとか、一日とか、このさい聞いてみようと100の質問。そしてヨシタケシンスケさんの本棚、どれもこれも、じっくりと見居てしまう・・・。

しばらくは、ヨシタケシンスケさんの本、続きそうです。

5・それでも生きていく~姜尚中・(4.18)

預言者のごとく、今、発刊三か月後の2022年の4月ですが、この間にロシアのウクライナ侵攻があって世界中がその危機に遭遇しているが、この本で述べられていることはすべて的を得ている・・まさに預言者である。

生命をもって生まれた以上、
その人には生きる権利があり、その価値がある。
ウイルスや戦争が起きて、自由に行き来できなくなり、身体の自由が制限されたことで社会は混乱し、グローバル資本主義の青天井の欲望にも、その脆さが明白にさらされました。

東日本大震災での原発事故でも、東京五輪での強行でも、コロナ禍でも、次々変革の機会、考える機会を与えられているのに、いっこうに変わらぬ日本。

すべては、「持てる者と持たざる者」との対立。コロナのしても正規雇用と非正規雇用の格差、教育や介護現場での人手不足など普段は、隠されている根源的なテーマが緊急事態によって露わになっているのです。

日本のような「弱い国家」「弱い社会」で危機的状況に立ち向かうことができるのか・・・政治に信頼がないだけに、不安が募りますな。


6・日本語びいき~清水由美・文、ヨシタケシンスケ・絵・(4.27)

ヨシタケシンスケさんがらみで、購入した本。
日本語の教師をしている著者が、日頃外国の生徒たちとの間で交わされる、日本語の難しさ、あいまいで「させていただく」は丁寧か、馬鹿丁寧か、「先生」の読み方は本当は「センセイ」「センセ―」どちら。

ふだん、私がしゃべっているのは大阪弁、それも船場言葉が中心。落語をし始めてから、落語の世界では、「はじまってるか」「はばかってんねん」「けっかんねん」「かせちゅうねん」「早ょう」「ぬくもった」、いかに、詰まった「っ」「ゅ」が多いことか。「持ってて」「持ってって」この小さな「っ」が癖もんですな、「持って行って」が「持ってって」になるんですから、大阪人のいらちぶりがわかりますな。

また、カタカナ語でも時代によって表記が違いますようで、日本語に移入されたのが早い外来語は「チ」が多く、歴史が浅い外来語ほど「ティ」で書かれるのが多いようです。
【「チ」の方がしっくりくるもの】・スチール、チーム、チケット、プラスチック、エチケット、チベット、スチームアイロン
【「ティ」がしっくりくるもの】・ミルクティ、パーティー7,ボランティア、シティー、クリエイティブ、エギゼクティブ、アイデンティティー

また、人工音声も自動放送も目覚ましい進化をしていますが、あの機械的なイントネーションは、ツッコミどころがいっぱい。(一度、声を出してお読みください)
「まもなく、3番線に、〇〇行きの*電車が、まいります。」
「4番の・カードを、お持ちの、お客さま、2番の*窓口まで、お越しください。」 *のところはふつうは、で切れてるんですが、やはり続けて言うて欲しいので、解かりやすく*で表記しましたが。AI君、こういう音声的な微調整してほしいですな。

まあ、日本語のおもしろさを、ツッコミどころ満載でご披露のこの本、おもしろおますで。

7・表現の技術~高崎卓馬・(5.9)

映像の作り方の本ですが、落語にも大いにつながる。

たとえば、「表現をどう受け止めるかは観客が決めること」というのは、次の次元の話。笑わせるのか。泣かせるのか。つくり手がそこを曖昧して「観客にゆだねる」のはいけない、と。

「笑いは笑いながらではつくれない」、笑いは表現の技術を駆使し尽して、つくりだすものだ、と。

笑いには、①・言葉遊びの笑い。②・即興的な笑い。③・キャラクターによる笑い。④・関係の笑い。⑤・不条理の笑い。があると、これって映像も落語も共通とはおもしろい。

コンテをネットの画像を貼り付けてつくるなんぞは論外で、すでにあるものでビジュアルをつくるなんぞは安易すぎて、うすっぺらいものになる。必ず個性を信じて、オリジナリティのものを目指さなければ、と。

郵便ポストを、他の言葉で表現すると・・・赤いやつ、手紙を届け装置、町の連絡箱、手紙届け窓口、古い伝達装置、・・・デジタルのメールより価値あるものに見せる・・この言葉の置き換え、発想、短歌につながりますな。

ことば、映像、ことば、表現、ことば、短歌、ことば、笑い、ぐるぐる言葉の輪の中で、遊びますな・・・同時多発思考のすすめ。

自分の感覚を上手に使って客観的な思考を手に入れる、違和感は答えを教える。

この本、図書館の本ですが、BOOKOFFで買って手元に置いておきたい本でおます。

8・まいにち 酒ごはん日記~ツレヅレハナコ・(5.7)

インスタグラムの写真の参考になればと思って買った本。

やはり答えは、美味しいそう、人であろうと風景であろうと、酒瓶一つがイキイキと主張している。

メニューでも、箸一本にしても、凛と背筋伸ばした姿を切り取ってあげること。百聞は一見に如かずで、写真は雄弁ですな。

でも、実は、ツレヅレハナコさんの文章もなかなかのもんでおます。

私にとっては、良い参考書、手に入れましたで・・・。

9・ヒノマル~古市憲寿・(6.14)

エッセイ好きの私ですが、こんな小説ならいくらでも読みたいものです。
まさに、タイムリー、コロナ禍や戦争が起こっている現代でも使われている“プロパガンダ”。先の太平洋戦争でも、民族の自衛も、東亜の解放も、大東亜建設も、鬼畜米兵も、普通の言葉として普及し、自分の思いを語れば非国民扱い、他人同士が憲兵となり、道徳や嫉妬が憲法となりまかり通る。

東京の上空からの「宣伝謀略ビラ」には、「あなた方の國には、戦争を理由に、あなたの自由を制限しようとする人がいませんか。アメリカでは、今この瞬間も、人々は自由を謳歌しています。戦争は、あなたの自由を制限する理由にはならないのです。自由を嫌う人は、戦争に勝利したいわけではなく、他人の自由を妨害することそれ自体が快感なのでしょう。」とある。

情報統制、今の日本のマスコミをみているとなぜか一辺倒。特定の思想、世論、意識、行動へ誘導する意図を持った情報に偏っているのではないか・・常に考える、自ら考える、ことの大切さをあらためて知る。


10・言葉の人生~片岡義男・(7.6)

言葉は人によってさまざまに使われる。私たちが普段使っている日本語は、常に人によって、各個人によって、独自のものとして変化している。

作者は、英語と比べたり、日常何気なく使われている言葉から、ことばの厄介さを問う。自分らしいことば、自分らしい言い回しなんてことがあるのか。

いま、短歌を詠んでいて先生がよく言われることに、きまり文句や常套句的言い回しは避けましょうと、でも独特な言い回しってあるのかないのか、所詮どこかで聞いたことのある、読んだことのあることば、に過ぎないのではと・・・。

日本語能力試験公式問題集にある、問題30は、
・つよい かぜが (    )います。括弧のなかに、なにが入るか。いちばん いいものを ひとつ えらんで ください」との質問に「1・ふいて、・2いそいで、3・とんで、4・はしって」からえらぶ。正解は・1の 吹いて のようですが、強い風が急いでいます。強い風が飛んでいます。強い風が走っています。これらの日本語の方が面白く、日本語しての可能性に満ちていますよね。

まあ、ことばって、たのしいもんです。

因みに、本書は「サンデー毎日」に「時代に翻弄されるコトバたち」と「コトバのおかしみ、コトバのかなしみ」として連載されたものです。週刊誌のコラム、エッセイ、結構たのしいですよね。

11・ヨーコさんの言葉~佐野洋子・文、北村裕花・絵・(7.9)

佐野洋子さん、老人の代表として、ひと言モノ申してくれました。

しわ、たるみ、しみなどが
花咲いた老人になって、
すごく気が楽になった。

世の中をはたから見るだけって、
何と幸せで心安らかであることか。
老年とは神が与え給う平安なのだ。

いきいき老後とか、
はつらつ熟年とか
印刷されているものを見ると
私はむかつくんじゃ

こんな年になってさえ、何で、
競争ラインに参加せにゃならん。
わしら疲れているのよ。

いや疲れている老人と、
疲れを知らぬ老人に
分けられているんだろうか。

疲れている人は
堂々と疲れたい。


12・ゆく川の流れは、動的平衡~福岡伸一・(7.17)

理系に身を置きながら、文系の心でものに接する、福岡伸一さんの真骨頂の一冊。文系的センスで物事に当たりながら理系的洞察力で物事を見つめる。またの逆も真なり。その異なる分野を自由に往還できることが大切と・・。

例えば、コロナ禍も発生から約二年が経過してしまったが、一向に収束は見えてこない。いったんは減少傾向にあった感染者数は、変異株の出現とともに、再び世界的な増加傾向にある。明らかなことは、ウイルスを完全に撲滅したり、駆逐することはできない。自然は押せば押し返し、沈めようとすれば浮かび上がる。
だから、変異株の出現のたびに過剰反応するのではなく、結局のところ、ウイルスとの動的平衡をさぐるしかないと。つまりウイルスも自然の環の一つとして、宿主には激しいダメージを与えるよりも、できるだけ安定した状態で共存できる方向へと動く。つまり必然的に弱毒化し、致死率の低いものへと変化してしてはずだと。宿主である人間の側も変化する。そうすればやがてコロナも“新型”ではなく“普通”の常在ウイルスになる日がくる。

ほんと、そう願っていますな。

というように、いろんな提案、提議がされています。
気になった、表題だけ列挙しておきます。

・旨いも辛いも、かみ分ける(甘、塩、酸、苦、旨、辛)
・弱者の巧みな戦力(定足数が越えたら、一気に攻める)
・美の起源、生命と結びつく青(水の青、空気の青、青は特殊な色だ)
・科学の進歩。「愛」が支える。(昆虫、彗星、化石、アマンの活躍)
・博士号とかけて、足に裏についたご飯つぶ、ととく(とらないと気になるが、とっても食えない)
・「記憶ない」ことこそ記憶(単に二日酔い状態との告白に過ぎない)
・作ることは、壊すこと(伊勢神宮と法隆寺、どちらが生命的)
・生命とは、西田哲学の定義(合成と分解、酸化と還元、結合と切断)
・建築家がモテるのは(画家、音楽家、小説家、ああ身近に落語家が)
・須賀敦子、読まれ続ける秘密(ひらがな、穏やか、やさしく、端正な文体)
・夜生まれ、朝消えるもの(その答えもまた希望である)
・虫食い算、口口を埋めてみて(言葉の虫食い算)
・自然界の不思議、交差する所(南方熊楠のウガの標本)
・コップ一杯、海に注いだら(絶えず揺らぎながら循環している)
・世界のこのかすかな移ろいに気づく(音でも、光でも、風でもよい)

13・丘の上の賢人・旅屋おかえり~原田マハ・(7.30)

あの、「旅代理業」の売れないタレント、“おかえり”さんの主人公丘えりかさんが、今回受けたのが北海道、とある動画に映っているのは、かつての恋人かも・・・調べて欲しいとの依頼。

今年の、NHKのBSで見たのでその続編とすぐに図書館に予約入れたんですが、先に15人もの予約者がおられて、ようやく回ってきたのが今月。

早速、読みだすと、テレビで見ていたので、主人公が(安藤さくら)さん、社長が(武田鉄矢)、その事務員さんが(美保純)さんと、そのままのキャラクターで登場するので、読んでいて、解かりやすい、わかりやすい。

物語は、おもしろく、小説自体がコメディタッチで楽しめる。

テレビのドラマ「旅屋おかえり」の続編「長野編」「兵庫編」も制作が始まったらしく、来年放映なので、それまでに小説の「旅屋おかえり」の第一作を読んでみようと・・・でも、これってテレビで放映あった分なんでしょうか?

14・好きノート・すきノート~谷川俊太郎・(9.21)

あいてるところに絵や言葉をかいてね。
空いてるスペースはあなたのものです。
あなたとの合作で世界に一冊しかない本になります。

おとなとこどもように、それぞれ25ずつの質問。
本来は、本に直接書くんですが、本を汚すのは抵抗があるので。

A4用紙にタイプして、はさみこむことにしました。
おとなようからはじめましたが、こどもようもたのしめました。

すきっていいね あかるいね
すきがあるって たのしいな
すきってだいじな きもちだよ
すきだと やさしくなれるもの

すき好きノートです

15・利休にたずねよ~山本兼一・(10.31)

特にこの「利休にたずねよ」は秀逸。利休の切腹から、秀吉との前日、細川忠興との十五日前、古溪宗陳との十六日前と遡っていく。
この時間を巻き戻し、そして幾多の人との出会いと関りによって、利休という一人の茶人を際立させていく・・・上手いですな。

そうです、一人の人を語る時、ある人はその人のすべてを知るものではなくやはり一部なんですよね。ジグソーパズルを埋めていくように周りから見つめることによって、最後にすべてが見える。

凄いですなあ、この構成力、それに委ねて突き進む読後感は快感でおます。

今年も一年間、「ごまめのいちょかみ・ほんの少し」をご贔屓いただきありがとうございました。来年は、積んである本の山を低くするのと新しいジャンルの本に挑戦したいと思っております。

皆様、良いお年をお迎えください・・・ごまめ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2021年・ごまめの落語・BEST20

2021-12-31 08:08:08 | 年間BEST・・・・
2021年・ごまめの落語・BEST20

今年は、コロナの緊急事態宣言でチケットを買っていて中止になった落語会が七公演、大阪へ出るのも自粛、近くの落語会、「和泉ワンコイン寄席」や、「せんしゅう亭」などを中心に足を運んで楽しませてもらいました。
ただし、11月末からの大阪落語会はチケットも安く、今年のストレス発散と4公演もお世話になりました。
落語会は都合34回、158の演目の中から、今年はBEST30ではなく、BEST20でおます。
例年のごとく、一人の噺家さん、ベスト、一演目にしております。

・天満天神繁昌亭


①、笑福亭鶴二、「中村仲蔵」・(4.10)~新生名人は誰だ

大当たり・・鶴二さんの「中村仲蔵」、大当たり。
仲蔵の奥さんよろしいな、旦那を励まし、旦那を遠回しに諭す。男ってやはり認めて貰いたいという動物、それが得られないときは失意のどん底、一番近くにいる師匠であり、一番のファンである、そういう意味で良い女房でおますな。
仲蔵が芸を磨き、役の工夫をして「五段目」の斧定九郎の役作りをするところ、踊りの素養のある鶴二さん、きれいな立ち姿、かっこいいですな。「百年目」「らくだ」に続いて聞きたい大ネタまた一つ「中村仲蔵」できましたな

②、桂春若、「京の茶漬」・(2.20)~泉州上方噺の会

本日の秀逸。もう何度も聴かせてもろうている春若さんの「京の茶漬」、一番前の近い席で見ただけに大阪の客人の顔の表情、心の動きが細かに伝わってくる。あまり台詞のない奥さんの表情まで伝わってくる。
続けてもう一度「京の茶漬」であっても聞きたくなるのは、春若さんの落語完成度の高い証ですな。


③、笑福亭伯枝、「ざこ八」・(11.14)~笑福亭伯枝独演会

三か月前のネタおろしも聞いたんですが、さすが本番、最高の仕上がり。やはりネタを練り上げるというのは凄いですな。「ざこ八をつぶしたんは、鶴さんおまはんのせいや」で始まる小父さんとのけんか腰の言い合い。よろしいな、変に人情噺にならずして、ざこ八とお糸さんのこれまでの年月が語られる。
ここのところだけで、鶴さん、お糸さん、小父さん、すべての人の心情が明かされる。
でも、一番かわいそうなのは、間に入って最後はのろけまで聞かされる魚喜さんでおますか・・・最後の終わり方は、優しさあふれる伯枝さんらしいですな。


④、桂春蝶、「やかん」・(8.8)~笑福亭鶴二独演会

よかったですな。最高でおます春蝶さんの「やかん」。知らぬものはないと広言している隠居のもとへ無理難題を吹っかけてくる主人公。その質問が秀逸、春蝶さんのセンスが際立つ。後半は「やかん」の由来を語るのに隠居大好きなデタラメの講談で煙に巻こうとする。このくだりあの「狼講談」を彷彿させる。大熱演、一つの落語で二つの落語を聞いたような充実感、何度でも聞きたくなる、十八番とも云える春蝶さんの「やかん」でおました。

知ったかぶりするものを東京の噺家仲間では「やかん」というらしい・・・知らんけど。


⑤、桂梅團治、「井戸の茶碗」・(12.11)~大阪城歳末特大寄席

本日の秀逸。本格落語でおました。この日16名の落語家さんが落語を、こんなM-1みたいに他の咄家さんを意識しながら、ご自分のベストの高座をぶち当てる。初めて落語に接するお客さんも多い中、お茶を濁すのではなくマクラもなしに「井戸の茶碗」を本寸法で話される梅團治さん、その真摯な姿勢に感動。
良いものはやはり良い、良いものは熱く伝わりますな。


⑥、笑福亭仁智、「ハード・ラック」・(12.11)~大阪城歳末特大寄席

「ハードラック」・・何度聞いても楽しい名作。今日初めてこの落語に出合えた方は、「グッド・ラック」でおますな。


⑦、桂文珍、「たちきり線香」・(2.16)~動楽亭・昼席

「軽い噺でも思ってたんですが、こうして前のモタレ役の南天さんが敢えて軽い噺でつないでくれたので、きっちとした噺しますわ」と、お茶屋のはなしを始めるので、「茶屋迎い」かと思いきや「子ども、定、定吉」、ええ、「たちきり」や、文珍さんの「立ち切れ線香」が聞けるとは、笑いは少ないが船場の若旦那と芸妓小糸との悲恋物語、しんみりと聞かせてもらいました。
終わったら、隣のお嬢さんが涙ぐんでるのを見てこちらまでグッときましたな、コロナ禍で人との関りが避けられていますが、やはり心の襞にしみいる落語の世界ってよろしおますな。


⑧、笑福亭松枝、「軒付け」・(2.16)~泉州上方噺の会

浄瑠璃の噺なので、「寝床」か「猫忠」と思いきやなんと「軒づけ」めったに聴くことのない噺。松枝さん以外で聞いたのは文太さんと春雨さんぐらい、・でも一番印象に残っているのは高校時代に聞いた松之助さんの「軒づけ」。何でも最初に美味しいもん食べるのはやはりよろしいな。でも、今のカルチャーセンターではないですが、趣味の者が集い会うのはたのしみで、早くコロナ禍もおさまって天さんの「テンツテンテン」、気兼ねのう聞ける日が来てほしいですな。


⑨、桂南天、「時うどん」・(2.16)~動楽亭・昼席

モタレ役の南天さん、そこは軽く「時うどん」ですが、米朝一門のひとりで食べるのではなく,喜六、清八、のふたりバージョン。もちろん、南天ワールド全開に、喜六が翌日ひとりで行ってうどん屋に「おつれさんもつけましょか」というくだりで、「ここに居てるんやから、ちゃんとここを見て言うていや」
と、独特のこだわりをほり込む、南天さんのこんなとこ大いに好きですな。


⑩、柳家喬太郎、「小言幸兵衛」・(7.23)~柳家喬太郎独演会

借家を借りに来た仕立て屋に息子がいると聞いてからの心中騒ぎ。こんな無茶ぶりの狂気さは喬太郎さんの十八番。仕立て屋さん、この大家さんなら、まあこの借家借りれなかって良かったんでは・・・・。


⑪、桂雀々、「代書」・(12.11)~大阪城歳末大寄席

「代書」・・十八番の、「ポーンです」。寒い冬でも、汗がでてくる大熱演。

   
⑫、立川志らく、「芝浜」・(11.27)~立川志らく独演会

これも志らくさんの十八番。恒例の師走にかけられる「芝浜」。これは東西の方で聴いていますが、やはり最初に聴いて泣かされた柳家さん喬さんのが忘れられませんな、その後の二度目の時にも泣かされました。
私にとっては「芝浜」は、泣くために聴く噺で、その涙の量が良し悪しの基準になってます。
まあ、歳をとると、解かっていながら涙もろくなってますな


⑬、桂南光、「鴻池の犬」・(9.23)~上方落語競演会

南光さんの「鴻池の犬」は初めて、兄弟愛がしんみり泣かせどころですが、南光さん以外にあっさりと、でも「鯛の浜焼き」「う巻き」と次々ごちそうを。遠慮するシロに「わしゃ、こういうもん食いあきてんねん。今晩あたりあっさりと奈良漬けで茶漬けでも食いたいとおもうてんねん」この台詞よろしおますな、弟への思いが溢れてますな。
落語には、お気に入りの台詞というのがありますな・・・。


⑭、笑福亭松喬、「尻餅」・(12.2)~大阪城歳末特大寄席

師走にピッタリの噺をじっくりと。


⑮、桂文鹿、「おみくじ制作所」・(12.11)~大阪落語祭・お楽しみ落語会岸和田

良かったですな、楽しい、たのしい一席、名作「おみくじ製作所」がようやく聞けましたおみくじ製作所にかかってくる電話の先の神社の名前が、米紫神社に、菊丸寺院、かい枝神宮、春蝶宮、三若寺院、福矢寺に吉弥大社などすべて同期の噺家さんが勢揃い、三金さんがないのがやはりさみしいですが。

これから初詣での季節、各神社では書き入れ時、この落語に近いおみくじや絵馬の発注、利は元にありでいろんなものの仕入れ、飾りつけの準備など、始まってるんでしょうな。


⑯、桂小春団治、「職業病」・(12.11)~大阪城歳末特大寄席

小春団治さんの十八番の創作落語。私にとって「職業病」とはなんなんでしょうな。気になりますな。


⑰、桂文三、「四人癖」・(6.27)~ラクゴリラ・25周年記念会

「四人癖」最高。落語の楽しさ全開ですな。変な蘊蓄ではなく、バカバカしくても、楽しい、そんな落語の原点みせてくれる文三さんの高座でおました。


⑱、笑福亭呂好、「盆唄」・(10.24)~角座・呂好一人勉強会

立川談四楼さんで、「ぼんぼん唄」というのを聞いたことがあるのですが、
噺が進むにつれてあの時の温かみのある落語が思い出されてきました。
呂好さんの、穏やかでしっとりとした噺よろしおますで、こんな良い落語どんどん聴かせてほしいもんでおます。


⑳、笑福亭生寿、「近日息子」・(6.27)~ラクゴリラ・25周年記念会

生寿さんもう入門15年とか、東京ならぼちぼち真打ち襲名の話が出るころですな。凄い「近日息子」見せて貰いました。言い間違いしてあやまらんとのくだり、すべてオリジナルでしょうか、斬新で、おもしろくて、噺のキモの部分に敢えてさらにバージョンアップに挑戦するとは・・・これは、ますます進化する生寿さんの高座、見逃したらあきまへんな。


その後続くのは若手中堅で、華紋「打飼盗人」(8.28)、ひろば「真田小僧」(12.11)、まん我「風邪うどん」(12.11)、鉄瓶「火焔太鼓」(9.11)、智丸「天狗刺し」(10.24)さん。その後も若手が続きます、入門10年前後の方の活躍は目覚ましくてうれしいですな。

来年は、落語ではなく文楽で幕開けの予定です。

一年間お世話になりました、
「ごまめ~の~いちょかみ」
来年もよろしくお願いいたします。

・和泉シティプラザ

・岸和田市浪切ホール

・心斎橋角座

・大阪城・TTホール



































コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2021年・ごまめの本の少し・BEST20

2021-12-30 07:07:07 | 年間BEST・・・・
2021年・ごまめの本の少し・BEST10
今年は年間290冊の本を読了。隠居生活二年目、本代もバカにならないので、図書館を大いに利用、156冊もの本図書館で借りました。
また、図書館の利用が増えた分、買うのがもったいないのと文字の小さいのは疲れるので、漫画、絵本とか今迄とは違う分野にもどんどん広がりました。
今年は、あまりにも多いので、BEST10ではなく敢えてBEST20に拡大致しました。


1.毎日新聞~佐藤雅彦・(3.25)
実は二冊目、8年前に文庫本で読んでおり確かその年のBEST10入りの本だったと思います。でも古本屋でB5版の大きなのを見つけるとやはり新聞というだけ大きいので読みたくなって購入。
良かったですな、まずは内容的に八割忘れていることと、その時気になった箇所と今回の箇所が多少違っていること。それは仕事の面から見ているのと、日々の生活から見ているのとの違いか・・・昔の本も良いもんでおます。


2.働くことの人類学~松村圭一郎+コクヨ野外学習センター・編(12.29)
ジャンルの違う本でありながら、読み終えるのに年末ギリギリまでかかりましたが随分楽しませてもらいました。この本は、あの文具屋さんのコクヨが野外学習センターを設立、そこでのポッドキャスト「働くことの人類学」に新コンテンツを加えて書籍化したものです。
丁度、今年は在宅ワークとかがきっかけに、働き方改革で会社の職場からほりだされてしまうと、どうしたら良いのか。会社へ行っているだけで「働いてる」と安心していた者にとって、働くとは何。一人ひとりの働き方や生き方も見直しが迫られています。
パブアニューギニアの「貝殻の貨幣」であったり、ブッシュマンの「ジェンダーバランス」とか、ダサネッチの「胃が違う」という感覚、世界中で暮らすモンたちの「トランスボーダーの生き方」とか、今の私たちとはまるっきり違う価値観で暮らしている。「何のために働くの?」、「食べるため」「楽しいから」「やりたいから」、でも「何のために」とかなくても良いような。
そこに、いま私たちの「働く」ということへの新しいヒントがあるような気がします


3.ききがたり ときをためる暮らし~つばた英子・つばたしゅういち(9.5)
けっして老後の生き方ではなく、現役での生活、暮らし方をご披露。自分たちが食する野菜と果物はすべてキッチンガーデンで育てる。自然の恵みを享受し手間を惜しまず、日々の生活を夫婦で愛しむ。
「本当の豊かさというのは、自分の手足を動かす暮らしにあると思いますよ。」(英子)「世の中のしきたりに従って流されて生きていると、決して幸せなことにはならない。」(修一)
野菜をストックし、保存食を作り、食に関して保存しているが、それだけではなく、幸せ、おもいやり、そして自分流のこだわり、それらを大切に保存する生活。
「人生はまだまだ美しくなると」楽しく自分を信じて、これからも日々の生活を大切に暮らしたいもんです。


4.神さまたちの遊ぶ庭辛~宮下奈都・(8.19)
作家の宮下奈都さん一家が、十勝・大雪国立公園にあるトムラウシに移住。大自然の中で、家族それぞれがどう生きていくか一年かけて手探りでたぐりよせる。三人の子供たちはの学校は小中合併置校で生徒が15人、職員室には校長先生筆頭に事務員さんまでいれて15名。ここでは先生も生徒も皆が主役、大きな集団では脇役だったり、今回わたしはパスというのがありますが、ここでは自分の役目、役割を自覚、それが楽しくて大人も子供も本気で全力投球する。
わたしも就職するときに大企業ではなく、それなりに自分思いがが発揮でき「真ん中の歯車となれるところ」を選んで45年勤めてまいりましたが、早くから人とのコミュニケーション、それも年代を越えた、周りのすべての人と共に生きることを教えられるとは、真の教育、教育のあり方、しいては、どう生きるかを考えさせてくれる暮らしぶりでおました。


5.不倫と南米~吉本ばなな・(10.26)
積読本の山から三年越しに引っ張り出した本。
久しぶりに良い本に出合いましたな。
南米を舞台に、七人の狂おしい恋と家族の絆、吉本ばななさん、エッセイや絵本ばかりで、小説ってまともに読んだことはなかったかも。
なんとも、ブエノスアイレスのアルゼンチンの異国の熱気と混沌とした街中の適当さ、気が張ることもない居心地の良さ、その状況が沢山の山口昌弘さんの風景写真と原マスミさんの挿画によって大人の絵本に・・・。


6.四字熟語グラフティ~五味太郎・(3.5)
五味太郎さん、言葉道楽で四字熟語を詳細説明、自然些少、大人絵本、至福時間、生涯座右、・・・些少紹介。

生存競争・漁夫之利・我田引水・弱肉強食・画龍点晴・自由自在・一方通行・以心伝心・適材適所・一目瞭然・輪廻転生・公私混同・先憂後楽・責任転嫁・起承転結・栄枯盛衰・無理心中・馬耳東風・愚問愚答・悪事千里・孤立無援・支離滅裂・男女平等・烏合之衆・賛否両論・魑魅魍魎・天地無用・連鎖反応・自問自答・過大評価・四苦八苦・花鳥風月・家庭円満・前代未聞・一期一会
「ごまめの問題」・・・次の人物にふさわしい四字熟語を上から五つ選べ。
・菅義偉・・・(   )(   )(   )(   )(   )
・森喜朗・・・(   )(   )(   )(   )(   )
・安倍晋三・・(   )(   )(   )(   )(   )
・橋本聖子・・(   )(   )(   )(   )(   )
・山田真貴子・(   )(   )(   )(   )(   )
少し問題易し過ぎましたか・・・。
四字熟語って、格式ばって偉そうに使うとなかなか効果的です、そういう意味で政治家さんにはぴったりでおますな。


7.汽車に乗って 船に乗って~阿川弘之・(7.26)
阿川弘之さんの自選紀行集、この時代の方の本はよろしいな。わが青春と重なる部分も多く懐かしさがこみあげてくる。あのマンボウの北杜夫、狐狸庵の遠藤周作との三人旅は、気ままにそれでいて憎まれ口も交わしながら、うわべだけの気遣いで過ごす、高校生がほたえているような、なんとも愉しそう。こんな友人、またそのような友人と行く旅羨ましい限りでおます。


8.短歌ください・君の抜け殻~穂村弘・(10.4)
「ダ・ヴィンチ」の「短歌ください」に連載されている投稿作品から選者の穂村弘さんが選んだ歌をまとめたもの。
その中でも、私が気に入ったのが44短歌、でもその中でも波長の合う人は既に歌人としてデビューされている方がおられて、鈴木晴香さんと柳本々々さん
木下龍也さん、岡野大嗣さん、柳本々々、九螺ささらさんがおられてその中でも気にいったのを抜き出しておきます。

鈴木晴香さん
「本」・「喜びと怒りと悲しみと楽しみ」太ももに挟んだ広辞苑
木下龍也さん
「祭」・路地裏でわたがし味のきみの指をふくめばとぎれとぎれのひかり
岡野大嗣さん
「果物」・念のため林檎も鞄に入れている果物ナイフ持ち歩くとき
柳本々々さん
「酒」・すきなひとのすきなひとのはなしをきいている そのすきなひとにもすきなひとがいる
九螺ささらさん
「忍者」・ルーシーに「忍者って、いるの?」と聞かれ「少なくなった」と答えるわたし
でも一番のお気に入りは、
ウチヤマユウキさんの
「自由」・ごはん派とパン派の最終決戦にうどん参戦 カレー観戦
と、栗原夢子さんの
「自由」・生きていく理由はいくつおつけしますか?産まれた意味はあたためますか?


9.Lily.日々のカケラ~石田ゆり子・(10.2)
インスタグラムでちょくちょく見かけてファンになった石田ゆり子さんの本。単にタレント本と思いきや、石田さんの“すっぴん”が見れて素敵な本。プライベート写真のお顔だけではなく、普段の生活ぶりが“すっぴん”、生き様が“すっぴん”、身につけているものが“すっぴん”、身の周りに置いてあるものが“すっぴん”、毎日の食事が“すっぴん”、人とのお付き合いが“すっぴん”、書くことによって自分と向かい合える“すっぴん”、しなやかな頑固者と言える“すっぴん”さん・・・・日々の暮らしがすべて“すっぴん”です。
“すっぴん”生活って、自然で素敵です。


10.文豪春秋~いしいひさいち・(4.16)
よろしいな、こんな息抜き、漫画の醍醐味。登場人物が野球選手を彷彿させる名前と顔のキャラ、それだけでもたのしくなる。主人公の作家広岡達三、推理作家の田淵コースケ、川上哲学先生、藤田元先生、鶴岡先生、西本先生、金田先生、長嶋茂吉先生、森祗明先生、関根潤三郎先生、あと、江本、青田、豊田、牧野、秋山、王、吉田、など往年の野球の名選手が登場、懐かしさと濃いキャラでニヤリ。抱腹絶倒の四コマ漫画。還暦過ぎた方必読でおます


11.黄色いマンション黒い猫~小泉今日子・(1.18)
美人に目を見て話されるとメロメロになりますな、それもあのキュンキョンこと小泉今日子さん。50歳の独身女性の本音が、小さな声で呟かれる。
インスタの本紹介であちらこちらで見受けますが、単なるタレント本ではなくひとりの女性の生きる覚悟みたいなものがひしひしと伝わってきます。
是非本屋であとがきとでもいうべき、最後の章「逃避行、そして半世紀」を立ち読みしてください・・・必ずレジへ持っていきたくなるでしょう。


12.文学はおいしい・小山鉄郎・(6.24)
一粒で二度美味し、いや三度美味しい本でおます。
日ごろ馴染みのある百種類の食べもの、飲み物を取り上げいるが、単に食べ物の紹介だけではなく、その食材が出てくる文学作品の紹介、それ以上に興味が湧いたのはそれらの食べものの食文化史の紹介である。明治5年(1872)に政府は千二百年間の肉食の禁をとき、天皇が肉食をする。肉食は日本人の体位を向上させる富国強兵策だったと。今、ステーキや焼き肉とか当たり前に食べてますが、まだ食べ始めて150年しか経ってないんですよ。


13.ことばのいたずら~五味太郎
このまえNHKで五味さんの世界を紹介、独特の感性で作品を生みだしておられる、そこで早速図書館で選んで二冊借りる。五味さんの「わざわざことわざ」は大昔に読んで手元に置いてあるんですが、五味さんの良さは絵だけではなく言葉にもユーモアが溢れていることです。
表現の手段に絵があるだけで、ことばの楽しさは、、井上ひさしさんや落語にまで通じるもの、私にとっては大好きな大人の絵本作家のお一人でおます


14.新しい分かり方~佐藤雅彦・(5.2)
あの佐藤雅彦さんの代表作でもある「新しい分かり方」をようやく読む。物事を知るにはあらゆる角度からの認知の仕方がある。「人間ってこんなわかり方をしてしまうのか」、錯覚というか思い込みというか、日常においては目のあたりにした情報だけを頼りに、独りよがりに判断していることがいかに多いか。
NHKのアナウンサーが天気予報のコーナー言ってはいけない言葉を例に挙げていってましたが、「明日はいい天気になります」とはNG。「一般的には晴れはいい天気かもしれませんが、雨を望んでいる、農業をやっている方たちには、一概に、晴れはいい天気とは言えないんです」と、すべてに裏と表、逆の方向からの視点が必要ということです。そういう新しい分かり方をみせてくれる一冊でおます。


15.旅の断片~若菜晃子・(11.25)
とっても楽しい旅の本。それも有名な街、有名な旧跡でもなく、普段着の人たちと触れ合う。好きなTV番組に「迷宮グルメ異郷の駅前食堂」がありますが、まさにその女性版(ご夫婦で移動してますが)。
全編、自分の好きなことしようじゃないかの精神が満ち溢れている。
出会ったある画家は沢山ある自分のコレクションを前にして「ものが増えるのはよくないという意見もあるけれど、生きているうちは好きなものに囲まれて生活する方がいい」と。あの梅原猛さんは、「自分がしている仕事だの研究だのは、他人のためではなく、自分がしたいからしているだけ。すべて自分の満足、自分の欲求、自分の納得のためでしかない。自分にできることなんて、たかが知れているのだ。だからこそ、自分のために生きればいいのだ。」と、
いいですな・・・自分のために生きる。


16.欲が出ました・ヨシタケシンスケ・(3.1)
『欲が出ました』。ほっこりしたいときすぐに手にしたい欲が出ました。くやんだ時にもう一度読みたい欲が出ました。気軽になんどでも読み返したい欲が出ました。気兼ねなく手元にずっと置いときたい欲が出ました。図書館に返したくない欲が出ました。・・・裏を見ると定価1000円、安いです。小さな欲が「所有欲」塊になって『物欲』に変化してしまいました。
九つの付箋の箇所があるんですが、買わなければ書き留めて置くんですが、買うと決めたのでなし。・・堂々の五つ星でおます。


17.たちどまって考える~ヤマザキマリ・(3.11)
なかなか骨のある本でおます。ヤマザキマリさん、漫画家、文筆家の肩書だけではなく世相評論家とでもいうべき今のパンデミックで動きを止めた社会に、自ら「考える」ことの重要性を説く。

こんな時こそ、たちどまって考える、社会や自分に向き合うことのできる。
・自分を知るには映画や本や音楽は自分で自分を知る鏡としては最高の素材になります。(本はほんと、たちどまって考えるきっかけと時をくれます)
「人々が社会生活を維持するうえで、必要不可欠な仕事に従事する人」と。そういわれると改めてアパレルに従事した自分の仕事、社会における必要性、重要性、など改めて考えさせられますな。・・もちろん裸で暮らすわけではないですし、終始単なる衣料ではなくファッションを提案してきたのですが、そこには着る喜び、着れば身も心も晴れやかになって元気になると、優先順位ではどこにくるかわかりませんが携わってきました。まあそんな、ゆとりの感じる世の中に早くなって欲しいですな)
まあ、いろんな意味で「たちどまって考える」、そんな本でおます。


18.きんぴらふねふね・石田千・(7.1)
食材に関してこれだけのエッセイが書けるなんてすごい。
別に高級レストランでの話ではなく、日頃誰もが口にしている食べ物ばかり、でも日に三度は食事をとらなければならないだけにおろそかではなく、大事に食と向き合っている。

もう、冷やし中華食べましたか。
このように、季節感のある言葉、大切にしたいですね。


19.作家と楽しむ古典 平家物語・能、狂言・説教節・義経千本桜・(5.9)
古典の文学を楽しむのではなく、芸能論である。文学、文芸は、文字である前はもともと語り、声であった。「平家物語」、「能、狂言」、「説教節」、「義経千本桜」、どれもまずは声にのせて伝えられる芸能だった。能や狂言、特にあの文楽における浄瑠璃の心を揺さぶる感激、効果はまさにそれである。
「平家物語」では死、「能、狂言」では幽霊、「説教節」の涙、「義経千本桜」の死と、すべてのことが死をもってにつながる当時の人の死生感がうかがえる。

あの浄瑠璃を聴いて涙がにじんでくるのは、どこか私たちのこころの奥と共鳴してるんでしょうか。涙ぐむのも決して恥ずかしいことではないとこれからは居直って堂々と聴けます、コロナも落ち着いて早く文楽劇場へ行きたいもんですな。


20.正しい暮し読本~五味太郎・(2.22)
またもや、五味太郎さんの絵本、思わず楽しくてすぐに読み返しました。
おとなが見ても、楽しく、ほんわかとさせてくれる本。
「正しい買物のしかた」は、そのまま70歳前の老人にあてはまりそうだし、「正しい犬のかい方」「正しい猫のかい方」は自分の都合でペット化してはならないと、「正しいテレビの見方」は人間らしく見る方も対応、対応に値しない番組はすぐ消すこと。「正しい本の読み方」では、①よくわからない本をずっと読んではいけません。本はがばって読むものではありません。②おもしろくない本をずっと読んでいてはいけません。本は無理して読むものではありません。③無理して、がんばって読んだほうがいい本は一生のうちに150冊ぐらいしかありません。・・えぇ、150冊もあるんですか・・辛いですな。あと「正しいだまし方、だまされ方」とか、「正しいしかられ方」とか、幾つ何十になっても役立ちそうなことが書かれています。

よく見ると【ただしい くらしかた どくほん】と、これは【絵本】ではなく【読本】、かみしめて読んでください。

今年も、一年間、「ごまめのいちょかみ・ほんの少し」をご贔屓いただきありがとうございました。来年は、積んである本の山を平たくしたいと思っております。皆様、良いお年をお迎えください。・・・・ごまめ。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2020年・ごまめの落語・・・BEST15

2020-12-31 07:07:07 | 年間BEST・・・・

2020年・ごまめの落語・・・BEST15

今年は、ガンの手術ありぃの仕事人生にピリオドもうって、大阪へ出ることも少なくなり、近くの落語会、「和泉ワンコイン寄席」や「泉州上方噺の会」、「せんしゅう亭」などを中心に足を運んで楽しませてもらいました。

落語会は24回、89の演目の中から、今年はBEST30ではなく、BEST15でおます。

例年のごとく、一人の噺家さん、ベスト、一演目にしております。

 

①、笑福亭鶴二、「らくだ」・・・(7.11)~鶴二独演会 in Nara

1時間10分の「らくだ」のフルバージョン。  よろしおましたなぁ。  酒が入って紙屑屋と熊五郎の立場が入れ替わるのだが、最後には紙屑屋が葬ってやろうと、一緒になって棺を担ぐ。  その心情の変化、「葬礼や、葬礼や、らくだの葬礼や」・・・・は、泣き笑いのもの悲しさですなぁ。

②、笑福亭松枝、「船弁慶」・(8.22)~第三回・泉州上方噺の会

音曲の「我が恋」、「八島」、「竜田川」、なんぞが入って、川遊びの風景がいかにも夏らしいお噺。  でも、川にはまったお松さん、とっさに平知盛の亡霊の真似ができるなんて、うるさいだけではなく、教養ありまんな階

③、桂かい枝、「豊竹屋」・(11.22)~せんしゅう亭(桂かい枝の会)

マクラで歌舞伎と浄瑠璃とかの芸事のハナシ。「七段目」、季節柄の「かけ取り」かなと思いきや「軒づけ」いや「豊竹屋」。かい枝さんの十八番、中にアンコも入れながらのたのしい、愉しい一席でおました。

④、笑福亭伯枝、「らくだ」・(9.19)~第187回・和泉ワンコイン寄席

独演会までのネタおろしのためのお稽古の「らくだ」。火屋場までは行かず途中まで、それでも50分の長講。紙屑屋と熊五郎の立場が入れ替わる、紙屑屋の態度、言葉、仕草、すべてがぞんざいになっていく。色んな要素が入っている大ネタですな。

⑤、桂春若「三十石」・(8.8)~新生第十回・名人は誰だ

文枝師匠からの「三十石」。櫓の漕ぎ方で文枝さんと談志さんの違いを、春若さんは丁度お二人の間で演出・・・こんなところに、春若さんのこだわりが・・・。  途中の舟歌は鶴二さん、結構な声でおましたな。

 

⑥、桂梅團治・「八五郎坊主」・(8.8)~新生第十回・名人は誰だ

楽しい、愉しい、梅團治さんの「八五郎坊主」、これは松枝さんから・・・。あの手紙を閉じるためのごはんを食べるとこと、味のある住職さん、好きですな。

 

⑦、笑福亭遊喬・「鬼の面」・(10.11)~鶴二、遊喬・和み会

よろしいな、遊喬さんの「鬼の面」。田舎娘の素朴さ、娘の父親と母親、お店の旦那と御寮さん、最初にでてくる骨董屋の親父、すべての登場人物が心あたたかく、噺自体がほっこりやさしくさせてくれる、遊喬さんにぴったり。

⑧、桂福楽・「富久」・(1.18)~第865回・田辺寄席

お目当て通りの熱の入った福楽さんの「富久」。最後のオチは「夢だった」で終わるのではないかとドキドキ。あの「ねずみ穴」、「宮戸川」とどこか勘違いして覚えているようで、「一千両当たった」のハッピイエンドでよろしおましたで・・・。

⑨、桂雀太・「代書」・(8.30)~せんしゅう亭(話芸の三きょうだい)

この日のお目当ての雀太さん。だらだらと長めのマクラを振りながら夫婦が出てくるので「天災」か「遊山船」・・・でもネタを決めかねているようで、最後は文盲で、やはり「代書」で決まりですな。おもしろい・・でもこれで三回連続。早く、違う十八番に巡り会いたいですな・・・ポーンです。

 

⑩、笑福亭呂好・「まめだ」・(1.5)~らくごなう

「近日息子」ではじまり、「もう半分」、「猫の災難」、「長短」、「井戸の茶碗」、「帚屋娘」そしてこの「まめだ」、呂好さんらしい、独自の味でてきましたな。

⑪、桂阿か枝・「四人ぐせ」・(8.8)~新生第十回・名人は誰だ

もちろん師匠文枝さんにつけていただいたネタ。阿か枝さん、声がまるっきり文枝さん瓜二つ。面と向かっのお稽古、師匠はどんな思いでされていたんでしょうか。

⑫、露の紫・「金明竹」・(1.5)~らくごなう

都師匠の味、うまく奪っていますな。上手さだけではなく、師匠がちょいと見せるチャーミングさを習得。一席の中でも、笑いの踊り場をつくりながら、段々に頂点を目指す。大いに楽しませてくれる紫さん、ますます楽しみですな。

 

⑬、桂治門・「犬の目」・(1.5)~らくごなう

治門さんいたってオーソドックスに語られるが、それがやんわりと味となってでてくる。ぼちぼち笑いが少ないがじっくり聞かす噺聴かせて欲しいですな。

⑭、笑福亭松五・「胴切り」・(11.28)~

松五さん、ええ味出てますな。派手さはないが本格的なお出汁の味がしみ出しています。飄々とした雰囲気が松五さんの芸風に思えてきましたな。

 

⑮、桂雀五郎・「肝つぶし」・(1.28)~船場で落語・雀五郎と呂好

いたって嫌味な噺。後味の悪い、妹を殺そうとする噺。妹よりも友人をとる・・・・こんな友、居りませんな。こんな噺、雀五郎さんのニンに合っていますな(これ、褒め言葉です)

 

一年間、おつきあいいただき、ありがとうございました。

来春は、1月8日の繁昌亭の「ハルカスメンバー集結・落語会」が初笑いの予定でおます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2020年・ごまめの本の少し・BEST10

2020-12-30 07:07:07 | 年間BEST・・・・

2020年・ごまめの本の少し・BEST10

今年は年間205冊の本を読了。5月末で仕事を完全にやめて隠居生活に。本代もバカにならないので、図書館を大いに利用、105冊もの本図書館で借りました。

toibooksさんに通うようになって本の拡がりができて、そこで今年新たに知った作家さんは、星野道夫さん、益田ミリさん、ヨシタケシンスケさん、北大路公子さん、原田マハさん、いしいしんじさん、山崎ナオコーラさん、フジモトマサルさん、若松英輔さん、片桐はいりさん、それ以外にも多くの方の本を読みました。また、図書館の利用が増えた分、買うのがもったいない漫画、絵本とか今迄とは違う分野にも広がりました。

今年は、あまりにも多いので、BEST30ではなく敢えてBEST10に絞らせてもらい増した。

①、「金曜日の川柳」・樋口由紀子編・(2020.12.17)

川柳おもしろいです。落語のオチのようであり、はたまた哲学的です。短歌と違って17文字、少ない分、尻切れとんぼみたいで、皆まで語らず、さらに深く考えさせる部分があり、哲学的に・・・・・・。

 

②、「旅する木」・星野道夫・(2020.09.05)

良い本に出会いました。写真家なんですが、この本では一枚の写真も見ないですが、彼の見たアラスカの光景が目の前に浮かび、厳しくて、そして恩恵に満ちた自然とそこで暮らす人々の暮しぶり。 人にとって幸せとは何・・・・・。自分にとって満ち足りた時間とは・・・・。

こうあるべき、こうすべきと、幸福感を教示するものではなく、漢方薬のごとく、じわりじわりと身にしみてくる本でおます。

③、「MARBLE RAMBLE」・長崎訓子・(2020.02.09)

漫画と一言で片づけられない本。言葉、台詞、は少ないのだが、中身が濃くて、読むのに時間がかかる。絵が原作が・・・。いづれにして良い音楽を聴き、珈琲でも飲みながら、ゆっくり読み返したい本でおます。

④、「旅する力」・沢木耕太郎・(2020.07.17)

私が本好きになった、一番影響を受けた本といえば沢木耕太郎さんの「深夜特急」。そのガイドブックのような本。なぜ「深夜特急」が生まれたのか、その「一世一代の旅」といわれる本の中にしみ込んでいる調味料を解き明かす。

旅で大事なのは「行く」の過程で、何を「感じ」られたか、そこにある「風」と「水」と「光」を、そして「人々」をどう感受できるか、と・・・・・。

⑤、「きみの隣で」・益田ミリ・(2020.10.05)

今年一番読んだのが、益田ミリさんの漫画。その中でも一番のおすすめの本を一冊選ぶとすれば難しいですが、敢えてこの本でおます。森という背景といい、家族や周りの人といい、ほっこりとあたたかくなる。焦ることなく、周りと比べることもなく、マイペースながら、すべてのものに優しくなる。

「生きがいは、ひとりひとり自分の中にしかないんだ」と・・・・・。

⑥、「デリカシー体操」・ヨシタケシンスケ・(2020.10.21)

ヨシタケさんの本。挿絵ばかりでの出会いなのでご本人さんのが見たくて図書館で借りる。ヨシタケさんの辞書ともいえるバイブル本。一つ一つに物語がある、1700個ものスケッチ集、素敵です。

⑦、「花森安治の青春」・馬場マコト・(2020.06.14)

物質的な豊かさよりも、精神的な豊かさを尊び、「きちんと暮らす」。単に毎日を「過ごす」のではなく、きちんと「暮らす」。コロナ禍で人々の生活。価値観が変わろうとしています。花森安治さんの思いもこんなところにあったんでは・・・・・・・・。

 

⑧、「セーターになりたかった毛糸玉」・津田直美・(2020.12.06)

絵本に出会ってよかったと思える一冊。こども心に戻って、わくわく、どきどき、がっかり、うれしい、かなしい、・・・・。

「夢はかなう」「波乱万丈」「ものは大切に」・・・なんども、読み返したくなる絵本です。

 

⑨、「恋する日本語」・小山薫堂・(2020.04.28)

優しい気持ちで暮らしたい、人を好きになる。

そんなときに・・・・・ふわりと、漂うことば。

 

⑩、「天才の凡人のための短歌教室」・木下龍也・(2020.12.29)

今年一番薄れたのが短歌。会社を辞めて大阪に出ることも少なく、「暇活」や「借家・短歌会」にも足が遠のき、かろうじてNHK短歌の投稿のみで自然と短歌を詠むという行為から離れてしまった一年。

今年最後の本は、来年への誓いも兼ねて、短歌の、それも「天才による凡人のための短歌教室」を揚げます。

短歌のルールが沢山述べられていますが、もう一度原点に戻って一つ一つ実践してみようと・・・まずは歌人を二人インスツールせよと、わたしでいえば“佐藤真由美”さん、“千原こはぎ”さん、“西村曜”さんで三人ですが、皆さん女流でせつない恋心ですが好きですな。

まずは、作歌を日課にして、そして推敲しまくる。量と質の両面で攻める。31文字のリズムを身体にしみこませる・・・・。

来年のテーマ、決まりました・・・・・・「Renaissance Tanka」

一年間、お付き合いいただき、ありがとうございました。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2019年・ごまめの落語・・・BEST30

2019-12-31 05:06:07 | 年間BEST・・・・
2019年・ごまめの落語・・・BEST30

今年もなかなか行けず、都合39回・170演目の落語などと出会い。
近くの落語会が多く、「呂好勉強会」「アーバン落語in堺筋本町」「ヴィアーレ」
「和泉ワンコイン」など・・・でも、東京の「圓朝祭」へ鶴二さん追いかけて、応援に。
今年は、松之丞さん、三回七演目、勢いのある芸はよろしおます
来年は、伯山襲名。

例年のごとく、一人の噺家さん、ベスト、一演目にしております。

1、笑福亭鶴二、「女の子別れ」・・・(7・14)〜圓朝祭・二日目

最高、最高、最高の高座。  東京の大舞台の高座。
緊張の分だけ、鶴二さんの落語は締って、爆発。
これほど本格的な落語やる噺家、大阪に、笑福亭におられるとは
東京の方、びっくりでおますやろ。

2、柳家権太楼、「心眼」・・・(7・14)〜圓朝祭・二日目
良かったですな、権太郎さんの「心眼」。
目が見えないとみえるもの、目が見えると逆にみえないもの。
人のこころとは、いかに卑しいものか・・・・・・。

3、神田松之丞、「安兵衛の掛け付け、婿入り」・・・(8・18)〜松之丞独演会

今年、たくさん聴いた中での一番はこれ。
安兵衛の掛け付けと婿入りをくっつけて長編に・・・勢いと笑いがあって好き。


4、笑福亭生喬、「百年目」・・・(5・6)〜リスペクト兄弟会

よろしおましたな、師匠のを彷彿させる生喬さんの「百年目」。
旦那の云われ、栴檀のくだりでキマリですな。


5、桂南天、「いたりきたり」・・・(5・4)〜南天・雀喜の奉天落語会

d大師匠、枝雀さんの作。「ねがったり、かなったり」
哲学的なこんなとこ、好きですな。

6、ナオユキ、「スタンダップ・コメディ」・・・(4・14)〜わもん寄席

あのナオユキさんの“つぶやき”を40分も聴けるなんて、幸せの限り・・・。

7、桂雀太、「代書」・・・(3・10)〜質屋寄席

今、「代書」といえば、雀太さん。三代目、枝雀さんとも違う。
上手な落語より笑える落語とは、雀太落語の真髄ですな。


8、柳家喬太郎、「紙入れ」・・・(6・9)〜柳家喬太郎独演会

喬太郎さんの女将さん、色っぽい。いやらしい妖艶さ。
これぐらいの官能さなければ・・・「ねぇ、新さん〜」。

9、柳家三三、「お血脈」・・・(7・14)〜圓朝祭・二日目

筋があって無いような噺。
噺家の実力、センスが発揮された三三さんの「お血脈」


10、桂九雀、「茶の湯」・・・(1・31)〜アーバン寄席in堺筋本町

良かったですな、九雀さんの「茶の湯」。古典を継承しながらモダンに味付け。
スマートに笑いのセンスを加えていく。

11、笑福亭松喬、「抜け雀」・・・(5・6)〜リスペクト兄弟会

先代松喬さんのDNAが形違えど随所に伝わってくる芸。

12、笑福亭呂好、「箒屋娘」・・・(12・21)〜呂好辞苑①

呂好さんのニンにあっている。登場人物のキャラが活き活きと輝いている。
呂好さんも、キラキラ輝いている。

13、桂吉弥、「試し酒」・・・(9・16)〜ヴィアーレ落語会

吉弥さんの権助さん、良かったですな。呑むところの仕草、
丁寧にやればやるほど、噺が締まりますな。


14、桂雀五郎、「けげんしゃ茶屋」・・・(11・27)〜船場で落語

この嫌味な噺。雀五郎さんならではの、さじ加減味加減、よろしいな。



15、桂文華、「井戸の茶碗」・・・(2・25)〜船場寄席

一本気な文華さんと相まって、気持ちよくできればこう生きたいと思う噺。
よろしいな文華さん。


16,桃月庵白酒、「馬の田楽」・・・(3・12)〜鈴本演芸場三月中席

声のメリハリ、言い回し、風格あるが滑稽さもたっぷり。


17、桂坊枝、「天王寺詣り」・・・(3・10)〜質屋寄席

よろしいな。天王寺さんのガイドブックでおます。お彼岸の一席。


18、柳亭市馬、「道具屋」・・・(7・11)

大看板の真打さんが、間の出番で。15分ですが、噺のおもしろさは凝縮。
こんな雰囲気が、定席寄席のおもしろさですな。


19、笑福亭呂鶴、「三人上戸」・・・(12・21)〜呂好辞苑①
弟子の晴れ舞台、ゲストの師匠も嬉しそう。
弟子には、まだまだ負けられんと元気いっぱいの高座。


20、桂千朝、「鹿政談」・・・(4・29)〜ヴィアーレ落語会

三都の名物、奈良の名所から奈良の早起きの長いマクラから、
米朝一門の格調高い「鹿政談」へ。



21、松旭斎天蝶、「浮かれの蝶」・・・(2・24)〜笑福亭鶴二独演会

手品の名門「婦天斎」のお家芸「浮かれの蝶」。
良いもの、本物は、感動を生みますな。


22、桂雀三郎、「野崎詣り」・・・(4・29)〜ビアーレ落語会

三代目とは違った、雀三郎さんの味付けたっぷりの「野崎詣り」
違うアングルで撮った映画みたいでおます。


23、笑福亭伯枝、「へっつい盗人」・・・(8.17)

泥棒に出るまでのくだり、たっぷりと。
病み上がりの伯枝さん、お身体、お大事に・・・・。


24、笑福亭銀瓶、「宿題」・・・(10・14)〜ロコウ・モーション

今や多くの方が手がける「宿題」。
銀瓶さんの十八番というべきおもしろさですな。


25、桂米團治、「稽古屋」・・・(4・29)〜ビアーレ落語会

日本舞踊の仕草たっぷり入っての見ごたえたっぷりの独特の「稽古屋」に。


26、音助、「権助の芝居」・・・(7・14)〜圓朝祭・二日目

圓朝祭の開口一番を任されるぐらいの上手さ、充実の高座。
初めての演者、初めての演目、との出会い、よろしいな。


27、林家菊丸、「湯屋番」・・・(7・29)

今年、話題の吉本興行所属の菊丸さん。この日も会社との面談があったそう。
吉本で一押しの落語家さん、実力発揮ですな。


28、英華、「女道楽」・・・(12・21)〜呂好辞苑①

どんと節から最後は踊りの「かっぽれ」を・・・。
色っぽいし、いつまでもお若く、お洒落ですな。


29、桂華紋、「ふぐ鍋」・・・(3・10)〜質屋寄席

華紋さんの十八番、上手いの一言。嫌味がなくさらりとしているが、
滋味のある味。  師匠の良いとこ、盗んでますな。


30、笑福亭智丸、「西行・鼓ヶ滝」・・・(12・21)〜呂好辞苑①

よろしおましたで。詩人疋田龍之介さんらしい、和歌にまつわる一席。

今年、一年、“ごまめ〜の〜いちょかみ”をご覧いただきありがとうございました。
来年も、いっちょかみ、らしく、“落語”、“読書”、“うどん”
そして“暇活”として、更に色んなものにいっちょかみしようと思っています。

来年の、初笑いは1月5日繁昌亭“らくごなう”の予定です。


皆様、良いお年をお迎えください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2019年・ごまめの本の少し・BEST30(下期)

2019-12-30 13:14:15 | 年間BEST・・・・

「短歌ください・vo3」・穂村弘
(2019.07.11)

「短歌ください」の最新版。短歌をかじりだしてから、
この本に掲載されてる歌の切り取り方に感心。
私との、次元の違いに、逆に打ちのめされる状態で・・・・・・。


「達人シングルが語る・ゴルフ上達の奥義」・山口信吾
(2019.07.01)

アマチュアのシングルプレイヤーのお話。
それも関西のゴルフ場をホームコースにされている方が多く親しみを感じる。
ブログには、13の気になること、実行したいことを書きましたが、読み返すと何一つ実行されていませんでした・・・・反省。


「つぎの物語がはじまるまで」・天野慶
(2019.08.10)

「ウタノタネ」で短歌づくりでたまに読み返している、天野慶さんの歌集。
牛隆佑さんと共に、NHK短歌のテキストの歌人紹介のコーナー担当。
身近に感じる、歌人さんのお一人です。


「ブとタのあいだ」・小泉吉宏
(2019.08.12)

小泉吉宏さんの本。人の心のあり方。「ブ」と「タ」の間に何があるか。
「表」と「裏」、「右」と「左」、「好き」と「嫌い」、の間に何が・・・
何も無いと言えば無いし、あると言えばあるし。
それを見極めるには、こうあるべき、こうすべき、と決めつけないこと。

「辺境ラジオ」・内田樹・名越康文・西靖
(2019.08.20)

ラジオの深夜番組「辺境ラジオを文字化したもの。
「この番組は、アメリカや中国ではなく日本、東京ではなく大阪、
テレビではなくラジオ、すなわち中心ではなく端っこだからこそ見える
ニュースの本質を語りあう番組です」。をコンセプトに作成。

立ち位置がはっきりしている分、清々しいです。

「きみの言い訳は最高の芸術」・最果タヒ
(2019.0917)

最果タヒさん、初めて知ったお方。  随所にはっとする言い回しフレーズがある。
もともと詩人さん。言葉を操る。・・・・・・言葉はきみの生中継。
刺激になるお方発見です。

「たとえる技術」・せきしろ
(2019.10.01)

「たとえる」と、一瞬にして、目の前の世界が変わる。
短歌をかじりはじめて、表現の幅、ボキャブラリィの無さに焦っている日々。
そんな悩みを解決してくれそうな、せきしろさんのこの本。
本棚に入れるのではなく、机の傍に置いて、辞書代わりに手垢がつく本に
なりそうです。

「妄想国語辞典」・野澤幸司
(2019.11.05)

言葉のもっている世界の拡がりを感じさせてくれる本。
短歌にも、落語にも、つながる、クスリと笑える本。
言葉の後に続く「意味」、これってまさにオチであります。

「たましいのふたりごと」・川上未映子・穂村弘
(2019.12.02)

このまえ、toibooksで買った本。
川上未映子さんと穂村弘さんが、78のお題について語りあう。
未映子さんの自由さが全編に凛とした風を起こす。


「コンビニに生まれかわってしまっても」・西村曜
(2019.12.08)

西村曜さんの歌集。
才能が満ち溢れている歌ばかり、すごく日常に寄り添いながら、
視点の違いでこれほどまでに、新鮮に風景が見えてくる。

“SHIGA TANKA”でお会いしました。
才能、センス、輝いておられる素敵な方でした。

「これはただの」・千原こはぎ
(2019.12.10)

大好きな歌人。・・・・・・千原こはぎさんの最初の歌集。
せつない恋の歌、それも受け身で、揺れ動く心の襞を詠う。

実際、ご本人さんに会って、思い通りのふわりとした女性、
ますます歌が染みてきます。

大好きなこはぎさんの歌
背伸びしてすべての窓にカーテンを掛けて始まるひとりの春は


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

明日は、「2019年・ごまめの落語・BEST30」でおます。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2019年・ごまめの本の少し・BEST30(上期)

2019-12-30 06:07:08 | 年間BEST・・・・
「神様の住所」・九螺ささら
(2019.01.03)

“九螺ささら”さん、独特の感性と手法で、短歌にアプローチ。
一見難解にうつるが、足湯のごとくゆっくりと馴染んでくる。
不思議な短歌、オンパレードです。

「上方らくごの舞台裏」・小佐田定雄
(2019.01.10)

小佐田定雄さんの「裏舞台シリーズ」の枝雀、米朝、に続いての第三弾。
今回は演目は、精選38と定番の演目ではなく、ちょいと捻ったもの。
「お囃子さん列伝」では、歴代のお囃子さんから、現役のお囃子さんまで紹介。
師匠とお弟子さんの関係が解かって、スッキリ。

シリーズのなかでは、個人的には一番のお奨めですな。


「無私の日本人」・磯田道史
(2019.01.14)

「無私の日本人」、私利私欲の為ではなく、人の為に生きる。今も政治家さんには
是非読んで、爪の垢でも煎じて欲しい。

「正直」、「誠意」、「浄化」、「利他行」、「感謝」、「先他後私」などの我が国にあった
良き倫理道徳は何処へ・・・。「日本人の幸福」とは・・・・。

日々の暮しを考えさせられる本でおます。

「しびれる短歌」・東直子・穂村弘
(2019.02.06)

東直子さんと穂村弘さんの短歌について・・・。二人がお互いに真似をして相互に
歌を詠みあうのですが、穂村さんが東さんをまるっきり真似すると、当たり前だが本人のよりもずっと見劣りしてしまう。
30%味付けが入っているのがわかるけど、それを抜くと歌全体がダメになってしまう。
その30%がその人の味。歌風、作風、なんでしょうな。
私の歌には、その風、匂いが吹いているのかきになるとこです。
大事に、大事に、詠む時に読み返す本できましたな。


「神田松之丞・講談入門」・神田松之丞
(2019.02.16)

講談界の救世主の呼声高い、神田松之丞さんの本。
今回この本を読んで、漠然としていた講談の知識が気持ちよく整理されていく。
本の半ばに松之丞さんの持ちネタの解説があり、これから講談に接する度に、
この本を広げなければと、机の横の棚に・・・・・。


「家族の歌」・河野裕子・永田和宏・その家族
(2019.03.07)

歌人一家の本。元々は産経新聞の「お茶にしようか」に連載。
始まって、河野裕子さん、乳癌を再発、科学治療を行う。
家族の死を見つめながら、気遣いと思いやり、優しさが入混じっての歌が沢山。
短歌って、日頃言えない、思いが・・・・。  31文字にちらりとみえる。

「デザインのひきだし」
(2019.03.19)

編集者の津田淳子さんが紹介されているNHKの番組を見てこの本を知り、
ネットで、4200円の定価の倍以上で買った本。
ものづくりに携わる者としても、こだわり、創意工夫、挑戦、熱意などヒシヒシと伝わる本。
心の支え、バイブルの様な本でおます。

「あの人  この人  いい話」・文藝春秋編
(2019.03.25)

「オール読物」の連載で「ちょっといい話」を再編集したもの。
山川静夫さん、山根一眞さん、水口義明さん、矢野誠一さん、の四人が書かれており、芸談というか、人の魅力の良いばかり、昔の芸人さんって、粋でおましたな。

「藤田嗣治・異邦人の生涯」・近藤史人
(2019.04.23)

藤田が修行していた頃のパリは、ピカソ、モディリアニ、マチス、ルノアール、
世界の画家が集まる1920年代。
遠く離れたパリで、時代の寵児とモテはやされたが、日本の画壇からは決して良い評価は得られなかった。
「乳白色の肌」と評される嗣治の絵、是非見たいものですな。


「これから泳ぎにいきませんか」・穂村弘
(2019.04.15)

大好きな穂村弘さんの本。
なかなか買えなくて「きっとあの人は眠っているんだよ」と二冊一緒に。
読書感想、書評集ですが、凄いのは、本の粗筋を追いかけるのではなく、
その中の一カ所、ひとつのことについて、掘り下げて書いている。
フォーカスの当て方に感心して読んでいると、いつの間にか読了でおます。

「食う寝る座る 永平寺修行記」・野々村馨
(2019.05.07)

一般のサラリーマンが30才の時、突然出家し雲水として、曹洞宗大本山永平寺にて一年間の修行生活に・・・・。
日々繰りかえす単調で平凡なことこそ、人間が気づかなければいけない真理がひそんでいると・・・・・。

「寄席の世界」・小沢昭一
(2019.05.14)

あの小沢昭一さんが、落語家、講談師、浪曲師、漫才師、小屋の支配人と、
芸に関することを対談方式で掘り下げていく。


「牧水の恋」・俵万智
(2019.05.23)

牧水の時代は、こんな好き好きのストレートの恋歌、短歌で良かったのか。
牧水の歌・・・好きです、好きです、ヨシコさん(三平風)。
全編、ラブレターのごとく、のぼせあがった歌・・・一辺倒に思える。


「夜にあやまってくれ」・鈴木晴香
(2019.06.11)

あの短歌好きには堪らない“葉ね文庫”へ行って購入した本。
5月の「借り家」の歌会でご一緒した鈴木晴香さん。
一見クールに見える美人さんだが、どこかホットな心情が見え隠れする。

「イタリアン・カップチーノをどうぞ」・内田洋子
(2019.06.18)

大好きな内田洋子さんのデビュー、エッセイとも言える本。
今から25年前、その後25年間。その間の内田さんの充実度は凄い。
歴史、人間関係、その両方を経糸と横糸として紡いでいく・・・・・。



「イタリア発イタリア着」・内田洋子
(2018.06.18)

続いて、内田洋子さんの本、最新文庫出版本。
内田さんがイタリアでの生活の基盤を築いてこられたか、
細切れに紹介されている。

「四千文字ゴルフクラブ」・佐野洋
(2019.06.25)

ゴルフとは不思議なスポーツ。
この本には、ゴルフプレイヤーにまつわる、人生の機微のハナシが
27ホール分書かれている。
たかがゴルフというべからず、ゴルフはそのプレイに人柄そのものが出てきますから・・・おもしろおますな。









コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2019年・ごまめの本の少し・BEST3

2019-12-28 17:32:21 | 年間BEST・・・・

2019年・ごまめの本の少し・BEST3

今年は、丁度100冊読了。

☆五つが、三冊。   ☆四つが、二十八冊。
☆四つは、ジャンルも違うし、本それぞれの感動も違うので、
今年から、順位づけはやめて、単に読了順に並べることにしました。

それぞれ、多いので、上期と下期に分けさしていただきました。

100冊の内29冊が短歌の本。
あと言葉に関する本、ジャンルがまるっきり違うのにゴルフの本。
そして一番は、原田マハさんや近藤史人さんの美術に関する本。
大阪の近代建物の本など、色んな拡がりをみせております。

会社の近くの“toibooks”さんとの出会いも、今年の大ヒット。
既に数人の新しい作家さんの本を購入、
セレクトショップとの繫がりで、新しい自分、発見です。

では、今年の、ごまめのBEST・3の発表です。

更に詳しく、ご覧になりたい方は、  blog.goo.ne.jp/momomeiai  へ。

BEST・1
「本の虫の本」〜林哲夫・能邨陽子・荻原魚雷。田中美穂・岡崎武志
(2019.1.22)

本好きの虫、5匹集まって、本の世界にまつわるキーワードをきままに解説。
本好きには、たまらない古本、新刊、書店、装幀、最後には古本にまつわる埃まで。

“犬耳”、“ショトン(書豚)”、“スピン”、“ゲタとイキ”、“スリップ”、“猫”、“面陳”
“せどり”、“ききめ”、“ツブシ”、“帯と函”、“ききめ”、“青木まり子現象”、
“ZINE”、“背表紙”、“古書組合未加入”、“古本の埃”、“ビニカバ”・・・
すべてお解りの方、正真正銘の「本の虫」認定です。

本好きの方には、たまらない本でございます。

BEST・2
「ジヴェルニーの食卓」・原田マハ
(2019.07.25)

今年数回、美術館へ。東京国立西洋美術館で買ったのがこの本。
画家の世界を、文学、言葉で描きながら、ここまで興味深く読ませるとは。
芸術を志す者、技術もセンスも、縁故も、後ろ盾も必要だろう。
志を同じくする仲間や経済的援助、発表する場も必要、でもほんとうのところは
芸術家自身の精神力がいちばん重要だと・・・・・・・。

原田ハマさん、令和元年、興味深い作者と出会いましたで・・・・。

BEST・3
「モンテレッジオ 小さな村の旅する本屋の物語」・内田洋子
(2019.03.05)

大好きな内田洋子さんの本。イタリア、トスカーナ洲のモンテレッジオという
山村から、本を担いで旅に出た人たちがいた。
1858年の村の人口が850人中、71人が職業は本屋と・・・・・。

「その人にあった、読んで心が豊かになる本を勧めるのが本屋の役目」
本が本を連れてくる。一冊の本が、次に手にする本を示してくれる・・・
無限の拡がり・・・・本を読むとの、原点を感じますなぁ。

残り、☆四つは明日、アップします・・・・・。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2018年・ごまめの落語・・BEST30

2018-12-30 05:05:05 | 年間BEST・・・・
柳家さん喬・「唐茄子屋政談」・(10.08)

今年の、「ごまめの落語・・BEST1」は柳家さん喬さんの「唐茄子屋政談」

今年は、なかなか行けずに、都合24回の落語会、117席の落語を拝聴。

家か職場か、近くの落語会にと思って行ったのが、
「いずみ山愛落語会」、「田舎そば寄席」、「せんしゅう亭」、「アーバン落語会in堺筋本町」、
「ヴィアーレ落語会」、「呂好一人会」、「和泉ワンコイン寄席」・・・・
結構近場利用させて貰いましたな。

では「2018年・ごまめの落語・・BEST30」  の発表。

1、柳家さん喬、「唐茄子屋政談」・(10.8)
勘当された若旦那、唐茄子売りにやってきたのが、吉原近くの田んぼ、
そこから聴こえる三味線の音に吉原での思い出が・・・さん喬さん、素敵。

名人芸が、目の前の至近距離で見れるなんて、稲田観音落語会、最高。


2、柳家喬太郎、「ハンバーグのできるまで」・(3.21)
お気に入りの「ハンバーグ・・・」大阪から行ったお連れの方も感動。
東京の方っていいな。日頃寄席で気軽に喬太郎さんが聴けるなんて。


3、笑福亭鶴二・「子は鎹」・(10.8)
父親に引き取られた寅ちゃんの元気の良さで、人情噺の湿っぽさがない鶴二さんの「子は鎹」


4、笑福亭銀瓶・「質屋蔵」・(2.4)
旦那が、質草にはそれぞれの想いが込められている。銀瓶さん真骨頂の「質屋蔵」。

5、桂雀太、「代書屋」・(9.25)
最高の高座。今、現役の「代書屋」では雀太さんが一番、超お奨めでおますな。

6、笑福亭たま、「源平盛衰記」・(7.14)
たまさん色満載の、「源平盛衰記」、地噺、たまさんに向いているみたい。

7、桂文三、「福の神 貧乏神」・(7.31)
神頼みででてきたのが、福の神と貧乏神。陽気に喋る貧乏神、文三のキャラと相まって最高。

8、ナオユキ、「スタンダップ・コメディ」・(10.21)
手ぶり、素ぶり、顔の表情も一時に比べて豊かに、テンポも増して笑いも増量。


9、桂南天、「粗忽長屋」・(5.4)
よろしいな。このおっちょこちょい。クレージ―さとナンセンスさ、南天ワールド全開。

10、桂米団治、「質屋芝居」・(6.10)
演じている米團治さん愉しそう。途中で下座から入る声は吉弥さん。


11、笑福亭福笑、「葬儀屋」・(7.5)
練られただけにおもしろい。随所に散りばめたギャグ満載。

12、笑福亭松喬、「鷺取り」・(9.9)
今や十八番。最後には「フライドチキンのカーネル・サンダース氏の若き日の一節でございます」で。

13、桂南光、「五貫裁き」・(6.10)
じっくり聴かせてくれました南光さんの「五貫裁き」・「欲にきり無し、地獄に底なし」

14、桂千朝、「替り目」・(1.14)
独特の語り口。千朝節は私は好きで、はまりますな。

15、桂塩鯛、「妻の旅行」・(1.14)
骨太と繊細さを持ち備えた、塩鯛さんの落語。上手さとオモシロさをほどよくブレンド。


16、桂文之助、「替り目」・(10.27)
文之助さんらしく、ほのぼの夫婦のラブラブ感ようでてますな。

17、笑福亭伯枝、「木津の勘助」・(12.15)
珍しい噺を・・・。ちょっと硬めで、ちょい泣かす、講釈ネタ伯枝さんにピッタリ。

18、橘家文蔵、「時そば」・(3.21)
真打の演じる「時そば」文蔵さん、今丁度、油の乗りきった噺家の旬でございます。

19、桂雀三郎、「船弁慶」。(5.10)
師匠枝雀さんとは、チョイ味付けの違う「船弁慶」。

20、桂よね吉、「蛸芝居」・(3.11)
師匠吉朝の十八番。吉朝一門の十八番として脈々と受け継がれていくんですな。

21、笑福亭鶴瓶、「青木先生」・(5.5)
今日初めて落語を聞くというお連れさん二人、御満悦でした。 「ピィ―」

22、笑福亭竹林、「まめだ」・(10.22)
まめだ、たぬきは、きつねと違って愛嬌がありますな・・・。

23、笑福亭松枝、「三十石」・(9.9)
下座からの舟唄は本日参加者全員で、楽しい、愉しい、八軒屋までの船旅でおました。

24、桂米左、「持参金」・(5.10)
正統派、米朝一門の米左さん。きっちりと噺のおもしろさだけが伝わってくる。

25、桂春若、「井戸の茶碗」・(8.12)
屑屋の清兵衛、千代田卜斎、高木作左衛門、でてくる人全てが善人。気持ちの良い噺。

26、旭堂南青、「山内一豊と千代」・(10.29)
南龍、襲名直前の南青さん。講談界では27年ぶりの真打誕生。

27、桂梅團治、「宇治の柴舟」・(8.12)
舞台が宇治というのが粋ですな。そうかオチの茶柱でお茶処でないとあきまへんな。

28、桂福丸、「風呂敷」・(6.9)
大人の噺「風呂敷」。福丸さんのイメージ払拭。だんだん、おっさんになっていくんですな。

29、笑福亭呂好、「まめだ」・(10.29)
しっとりと銀杏が敷きつめられた三津寺の境内が浮かぶ、呂好さんの「まめだ」

30、桂佐ん吉、「お血脈」・(6.10)
地噺で笑いを集めるのが難しい噺。でも、すごい、佐ん吉さん。楽しませて貰いましたで。


演者お一人様、感動の一演目とさせて頂いております。


一年間ありがとうございました。
来年もよろしくでおます。







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2018年・ごまめの本の少し・BEST30

2018-12-29 09:43:42 | 年間BEST・・・・

2018年・ごまめの本の少し・BEST・1
「短歌カプセル」・東直子・佐藤弓生・千葉聡

今年のBEST・NO1も昨年に続いて、短歌の本。

初心者にとって、アンソロジーの多くの歌人が載っているのは、
辞書替りで重宝致します。


今年も、読書ログに嵌って119冊読破、そのうち積極的に読んだ短歌の本が48冊。


この、BEST30でも、13冊が短歌の本、ジャンルの偏りはお許しください。



では、BEST30の発表。


1、「短歌カプセル」・東直子・佐藤弓生・千葉聡(4・15)
短歌をかじり始めた私にとって辞書のような本。
これを見て、好みの歌、好みの作風、好みの歌人を知る。



2、「まろん?・大掴源氏物語」・小泉吉宏(4.3)
すごい、漫画なのに読み応えたっぷり、源氏物語の世界を知る。



3、「ウタノタネ」・天野慶(2.12)
「ケータイ短歌」歌人、天野慶さんによる短歌入門の本。
言葉にならない思いをミソヒトモジにこめて。



4、「杏のふむふむ」・杏(10・11)
良きエッセイの要、最後の二行が憎い。落語のオチのごとく、うまい。


5、「食卓一期一会」・長田弘(1・25)
今一番興味のあるのが「言葉」と「料理」詩人が語る料理本。「言葉」の豊かさに驚く。



6、「今日もごちそうさまでした」・角田光代(12・18)
私が愛する料理とエッセイのコラボ。この本で12点料理つくりました。



7、「絶滅危惧職、講談師を生きる」・神田松之丞(6・28)
今注目の松之丞さん、落語ブームの陰に甘んじている講談界の起死回生を図る。



8、「BOOK BAR・お好みの本、あります」・杏&大倉眞一郎(12・26)
ラジオ番組「BOOK BAR」1000冊の中から50冊が本に。書評ではなく、あくまで「本から始まる四方山話」



9、「哲学的落語論」・平岡正明(10・5)
枝雀さんを語るには必備の本。どうしても手元に置いときたくて買い求めました。



10、「おさがしの本は」・門井慶喜(2・1)
あまり小説は読まないのですが、おもしろい、ワクワクして、最後は主人公を応援してしまう。



11、「短歌のレシピ」・俵万智(7・31)
短歌を上手になるにはたくさん読んで、たくさん詠む。それしかないと万智さんは?



12、「十八番の噺」(9・14)
本を探してもないとは、図書館で借りた本か。
落語家さんの十八番(オハコ)の噺とは、直接ご本人さんに聞いたはなし。企業秘密ご披露。



13、「ちるとしふと」・千原こはぎ(4・29)
娘が一人暮しを始めた日に「葉ね文庫」で。
二番目の歌が“背伸びしてすべての窓にカーテンを掛けて始まるひとりの春は”偶然。



14、「ラインマーカーズ」・穂村弘(4.24)
大好きな穂村弘さんの純然たる歌集。もったいなくてマーカーで入れることはできず付箋で。



15、「本は10冊同時に読め」・成毛眞(11・20)
嬉しくなりますな・・私が実践している同じ読書法。



16、「らくごころ」・撮影、橘蓮二(7・3)
落語を支える裏方さんに焦点をあてた本。橘さんの落語愛、満載。



17、「考える短歌」・俵万智(5・29)
短歌上達の秘訣は優れた先人の作品に触れること。自作を徹底的に推敲吟味すること。



18、「なぜ柳家さん喬さんは柳家喬太郎さんの師匠なのか」・(10・24)
なぜ芸風の違うお二人が師弟なのか。芸へ真摯に向かう姿は同じ。


19、「寝る前に読む 一句 二句」・夏井いつき×ローゼン千津(3・15)
あのTV「プレバト」で毒舌の夏井さんが、一刀両断に切り捨てる。



20、「うた合わせ」・北村薫(10・16)
現代短歌50組100首を“うた合わせ”で言葉の糸を解きほぐす。



21、「赤川次郎の文楽入門」・赤川次郎(8・23)
文楽の素晴らしさ、楽しさを、素人目線で丁寧に説明。



22、「短歌と俳句の五十番勝負」・穂村弘×堀本裕樹(7・20)
一つのお題にそれぞれ短歌と俳句で新作で対決。私はやはり短歌の方が好きですな。



23、「財務3表一体理解法」・國貞克則(4・19)
仕事での本。PL、BS、CS、個々が一体してつながる、三表一体理解。



24、「本所おけら長屋・三」・畠山健二(2・22)
落語に行けない時は、このシリーズ読めば笑いと人情が味わえる。



25、「大阪を古地図で歩く本」・(3・13)
「大阪ほんま大賞」で知った本。ちょいと大阪にまつわるハナシが沢山載ってます。



26、「人間の器量」・福田和也(11・22)
善悪、良否の敷居を越える。その物差しとして器がある。



27、「おしゃれと無縁に生きる」・村上龍(5・1)
初めて読む村上龍さんの本。骨のある話っぷりでおもしろい。



28、「新しい猫背の星」・尼崎武(8・21)
沢山読んだ短歌集の中でも、波長の合った歌人・



29、「小沢昭一的新宿末廣亭十夜」・小沢昭一(7・28)
プログラムには「随談・小沢昭一」と、
出囃子はラジオ番組「小沢昭一的こころ」のテーマ曲を三味線で。



30、「ヒット・エンド・パレード」・谷じゃこ(11.17)
顔を合す機会が多い谷じゃこさんの歌集。 ユーモアたっぷり大阪の匂いがどんよりと漂う。




この年末年始の間に、積んである中からできるかぎりの本を読まなければおます。



溜まりに溜まって、机の天板が反り返ってきて大変。
一部床に、まさに積読状態に・・・・優に150冊は越えてしまいました、
正式に数えるのが恐おます。



大晦日には「ごまめの2018年BEST落語30」をブログ致します。






















コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

祝・10周年「ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ」

2018-03-10 21:23:24 | 年間BEST・・・・

祝・10周年「ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ」

ちょうど、この「ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ」がスタートしたのが、
2008年3月13日、丸10年でございます。

(少し早めですが、13日は平日で出張ですので、10日にてフライングでおます)

長く、ご贔屓にして頂き、厚く御礼申し上げます

よく長く続いたものだと、自分自身でも、感謝感激あめあられでございます。




最初は、実はこの前に「ごまめ~の~いちょかみ」というのが半年ほど前に
スタートしていたのですが、作業中にトラブルで動かすことができなくなり、
仕方なしに始めたのがこの、「ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ」でございます。

途中から、本の読書後の感想も書くようになり、本だけで797回、
落語の約倍の回数に・・・・。

バスフィッシングに凝った年も、神社仏閣周りをした時期も・・・
そして、この頃は、短歌にと、この10年趣味もあちらこちらへと変化がございますが、
やはり、根底に流れているのは、落語と読書・・・でおます。


3月10日現在の閲覧と訪問の方がなんと

閲覧 1,594,082 PV 訪問者 459,160 IP

継続は力なり。


ごまめ、は、ごまめ、が、大好き。

そこで、ごまめの歌を。


    ごまめのうた

              島田陽子

  いつかて いっしょに あそびたい
  にいちゃんたちに ついてくねん
  さっさとしいや ほっとくで
  しかられたって へいきやねん
  ごまめで いれてくれるねん
    ごまめ ごまめ うれしいごまめ
    ちいさい子かて なかまやねん



  いつかて いっしょに あそびたい
  にいちゃんたちは おこらへん
  とっととしたかて おそいのン
  しゃあないいうて まってるねん
  ごまめやさかい かまへんねん
    ごまめ ごまめ うれしいごまめ
    ちいさい子かて なかまやねん




これからも、マイペースで続けてまいりたいと思いますので
末永く、ご贔屓のほどお願い申し上げます。

ごまめ





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2017年・ごまめの落語・・BEST30

2017-12-30 05:06:07 | 年間BEST・・・・
2017年・ごまめの落語・・BEST30

今年は、39公演、184席の落語を。

岡町南天の会はほぼ皆勤、ラジ関寄席もそこそこに、鶴二さんの独演会や
松喬さんの襲名披露、文楽もありいの、そこそこ聴けましたな・・・。

休みの日でもちょっとした時間で気軽に行ける来年は地元の落語会を中心に、
回数を増やしたいですな。

まずは、2017年・ごまめの落語・・BEST30でおます。



1、南天 「代書」(6・25)・大師匠の枝雀さんのタイプの「代書」愉しさ、はちきれんばかりの南天ワールドでおます。
2、鶴二 「包丁間男」(11・5)・独演会での一席。小唄を唄いながらちょっかいを・・・良ろしいな。
3、さん生「亀田鵬斎」(3・12)・強情なおでん屋と鵬斉、その強情さが気持ち良い。
4、松喬 「初天神」(10・8)・師匠に最初に自ら願ってつけて頂いたネタで。きついお叱りをうけた思い出のネタ。
5、かい枝 「子は鎹」(11・11)・親父の素朴さがでていて、お花さん、寅ちゃん、の三人三様のバランスが良い。
6、さん喬「抜け雀」(10・8)・江戸の粋さ、さん喬さんならではの上品な「抜け雀」。
7、福団治「藪入り」(8・20)・福団治さんの十八番中の十八番。子を思う気持ちどこの親も一緒ですな。
8、白酒 「犬の災難」(7・17)・白酒さん。江戸の上品さを保ちながらの酔いっぷり、粋。
9、生喬 「重ね扇」(6・17)・六代目松鶴がつくり三田純一が加筆。後世にこんな噺残しつづけて欲しいですな。
10、梅団治「佐々木裁き」(7・17)・梅団治さんの四郎吉子供の可愛さが残っていて好き。
11、菊丸 「幸助餅」(1・9)・菊丸さん惚れ直した一席。今年のトリも菊丸さんの「幸助餅」でおました。。
12、文之助「天神山」(4・5)・「恋しくばたずね来てみよ南なる天神山の森の中なり」春の心地ですな。。
13、小春団治 「猿後家」(11・23)・御寮さんの表情が最高小春団治さんの古典も素敵ですな。
14、春若 「一文笛」(6・4)・米朝さん直伝の「一文笛」私淑している談志さんのモノマネも入る。
15、塩鯛 「くしゃみ講釈」(1・15)・からくりは聞けるし、講談も聞けるし、貫禄の高座でおました。
16、鶴志 「長短」(10・21)・迫力まんてんの鶴志さんの「長短」、素の鶴志さんどちらのタイプ。
17、米二 「はてなの茶碗」(1・9)・端正、正調、落語の真髄、米朝落語の優等生、ここにあり。
18、花丸 「たいこ腹」(4・9)・安定感、たのしさといい、ちょいの粋さといい、よろしいな。
19、談慶 「井戸の茶碗」(7・23)・これこそ出てくる人は皆正直者ばかり、気持ちの良い噺。
20、生寿 「さんま芝居」(7・10)・良かったですな、ネタ選びといい、質感といい、よろしおますな。
21、吉坊 「鷺とり」(11・26)・吉坊見たさの落語会。「茶栗柿、麩」も聴きたかったですな。
22、文太 「愛宕山」(10・21)・師匠小文枝につけて貰った思い出の「愛宕山」。
23、遊喬 「上燗屋」(10・8)・「これぅ―は なに」のフレーズがこびりつく、先代松喬の十八番。
24、鶴瓶 「妾馬」(9・3)・酔っ払ってから鶴瓶ワールド全開。最後はしんみりと人情噺に。
25、佐ん吉「手水廻し」(2.27)・咲くやこの花賞受賞の会の一席。上手いなぁ。風格まででてきた。
26、喬介 「牛ほめ」(6・12)・完璧。「牛ほめ」楽しさでは喬介さん一番。今活き活き乗ってますな。
27、よね吉「宿替え」(10・24)・師匠吉朝の茶目っ気が乗り移った様な「宿替え」。
28、呂好 「へっつい盗人」(1・26)・喜六のアホさ加減が程よく、愉しくへっついさんを盗りに。
29、文珍 「猫の忠信」(9・18)・猫の忠信が芝居かかってますか・・・・・。
30、吉の丞 「時うどん」(10・24)・ヘンな小細工なしに、噺のおもしろさだけで、笑いの渦に。。


演者お一人様、感動の一演目とさせて頂いております。


一年間、ありがとうございました。

来年もよろしくでおます。

来年は、1月6日の文楽からはじまります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする