ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

ちるとしふと~千原こはぎ

2018-04-29 04:05:06 | 本の少し
ちるとしふと (新鋭短歌シリーズ39)
クリエーター情報なし
書肆侃侃房

☆☆☆☆

娘が家を出て一人暮らしを・・・・私の生まれ育った梅田から近い天満に。
女房と一緒に電化製品やベットにふとんを買い、運べるものは運び入れて、
ようやく終わったのが3時、あと、ガス屋が来るだけと・・・・晩めしまで
時間があるので、「行きたい本屋があるねん」と、中崎町の“葉ね文庫”へ。

そこで、「去年の秋から短歌をはじめて、まだ素人なんですが・・・」
「桜前線」や「タイムカプセル」みたいな、多くの人が載っている
カタログみたいな本、何かありませんか」
「佐藤真由美さんに、加藤千恵さん、岡崎裕美子さん、佐藤りえさんが好き、なんですが」

そこで奨められて買ったのが三冊で、
その中の一冊がこの「ちるとしふと」千原こはぎ,さん。

本を開けて、二番目の歌が

背伸びしてすべての窓にカーテンを掛けて始まるひとりの春は

偶然とは凄い、すぐさま、同じ部屋にいる娘にLINEで送る。

素敵な本を、オーナーの池上さん、ありがとうございます。

では、恒例の気に入った歌を、今回は多いですよ。

最初にあったのが

玄関のドアをひらけば吹いてくる風のことです春というのは


全力で曖昧なことがしたくなりジーンズひとつざぶざぶ洗う

存在をときどき確かめたくなって深夜ひとりで立つ自動ドア

なにひとつ揺れないキスをするような大人になると思わなかった

春いまだ遠くひとりのリビングで私の旬はわたしが決める

結婚はできない派でなくしない派でそれはさておき買う抱き枕

選ばれる準備はいつでもできている玉子焼きなら焦がさず焼ける

八時間置きっぱなしのコーヒーをまた口にして気づく夕暮れ

真夜中の自販機だけはやさしくてお釣りも少し多めにくれる

絶対にわたしが触れることのないドアをくぐって会いにくるひと

家族席で君と牛丼食べている家族になろうと言いそうになる

しあわせの数は決まっていてあとはさみしさだけを消化する日々

息白く見知らぬ駅で待っている わたし、 だいじにされてなかった

五杯目となるカプチーノ ファミレスでさよならなんてやめてください

叶わないことの重なる週末は牛乳パックをただ切りひらく

〈三番線発車します〉の声にすらすこし泣きたい〈ドア閉まります〉

待たないでもう眠ります この夜はかすかに雨の匂いがするの

「寒くない?」「ちょうどいいかな」色づいた木々と背中を撫でてゆく秋

おしまいのさいごのさいごに離すゆび  次はいつふれるかわからないゆび

ひとり飲むホットココアはやさしくて忘れることを許してくれる

また今日もサンドイッチの具を落とすきみの油断を愛してしまう

牛乳がしずかに膜を張るようにあなたを少し拒んでいたい

そうこれは癖です近づき過ぎたあとそのぶん離れようとする癖

わたしから言えないことがあなたから溢れ出す日を待つ晩夏です

きみに会うときはスカートと決めていてスカートばかりはきたい日々だ

罫線も方眼もないあなたとのこれからを自由帳なんて呼ぶ

あいたいとせつないを足して2で割ればつまりあなたはたいせつだった

あたりまえみたいなことが特別でゆっくり弱火で焼く目玉焼き

これ以上誰にも出逢いませんようにたったひとりを待つ冬の窓

 困らせてしまいたくなる訳もなく未読のままで過ごす一日


素敵な本を、“葉ね文庫”さん、ありがとさ~ん、でおます。







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ブッタとシッタカブッタ・1~小泉吉宏

2018-04-26 05:05:05 | 本の少し
ブッタとシッタカブッタ 1 こたえはボクにある【新装版】 (コミックエッセイ)
クリエーター情報なし
KADOKAWA / メディアファクトリー

☆☆☆☆

便利な世の中になりましたな。

小泉吉宏さんの本を本屋さんで探しても無く、ネットで検索すると中古本も
含めてざらりと登場、思わずこの「ブッタとシッタカブッタ」シリーズ1巻~3巻までと、
「ドッポたち」を二冊の計5冊申し込むと、翌々日には手元に・・・助かりますな。

帯にもあるように、シッタカブッタのじたばたする姿を見て、
笑いながら、あなたは幸福や不幸、悩みの正体を発見することでしょう。

マンガといってあなどれない、「心」を語る本・・・・と。

世界はすべて
自分の心の中にある
世界は自分の心が
映し出しているもの



苦しいことはあるのがあたりまえ

苦しいことを知っているから
楽しいということもわかる

人生を楽しむためには

苦しみも
楽しみのひとつに
すればいいんだ


この新装版は2003年に発行されているんですな、
既に15年も経ってようやく出会えたと・・・。

まだまだ、人生には出会いを待っていることがたくさんありそうですな。
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ラインマーカーズ~穂村弘

2018-04-24 06:08:10 | 本の少し
ラインマーカーズ―The Best of Homura Hiroshi
クリエーター情報なし
小学館

☆☆☆☆

大好きな穂村弘さんの純然たる歌集。

「ラインマーカー」の題ですが、
もったいなくてマーカーで印入れることができず、
付箋んをずっと挟みこんできました。

各、歌集単位で、好きな歌が偏っているような、
まずは気になった歌からあげていきます。

【シンジケート・#01】

体温計くわえて窓に額つけ「ゆらひ」とさわぐ雪のことかよ

「猫投げるくらいがなによ本気だし怒りゃハミガキしぼりきるわよ」

【シンジケート・#02】

ほんとうにおれのもんかよ冷蔵庫の卵置き場に落ちる涙は

サバンナの象のうんこよ聞いてくれだるいせつないこわいさみしい

「さかさまに電池を入れられた玩具の汽車みたいにおとなしいのね」

「耳で飛ぶ象がほんとうにいるのならおそろしいよねそいつのうんこ」

【シンジケート・#03】

抜き取った指輪孔雀になげうって「お食べそいつがおまえの餌よ」

終バスにふたりは眠る紫の〈降りますランプ〉に取り囲まれて

【ドライ ドライ アイス】

真夜中の中古車売り場で思い切り振って渡した三ツ矢サイダー

キスに眼を閉じないなんてまさかおまえ天使に魂を売ったのか?

校庭の地ならし用のローラーに座れば世界中が夕焼け

「童貞に抜かせちゃ駄目よシャンパンの栓がシャンゼリアを撃ち落す」

【蛸足配線】

約束はしたけどたぶん守れない ジャングルジムに降るはるのゆき

さみしくてたまらぬ春の路上にはやきとりのたれこぼれていたり

こんなめにきみを会わせる人間は、ぼくのほかにはありはしないよ

【手紙魔まみ、夏の引越し】

目覚めたら息まっしろで、これはもう、ほんかくてきよ、ほんかくてき

【手紙魔まみ、意気地なしの床屋め】

このピンク、この柔らかさ、本物の魚肉ソーセージでございますよ、閣下

『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』をみせてあげたら夢中で齧る

【手紙魔まみ、完璧な心の平和】

ハロー 夜。 ハロー 静かな霜柱。 ハロー カップヌードルの海老たち。

【手紙魔まみ、ウェイトレス魂】

お客様のなかにウェイトレスはいませんか。 って非常事態宣言

なれというなら、妹にも姪にでもハートの9にでもなるけれど

なんという無責任なまみなんだろう この世のすべてが愛しいなんて

これと同じ手紙を前にもかいたことある気がしつつ、フタタビオクル

【ラブ・ハイウェイ】

冷蔵庫が息づく夜にお互いの本のページがめくられる音


400首が一冊にまとめられています。

こうして並べてみて、一番はといわれると、

終バスにふたりは眠る紫の〈降りますランプ〉に取り囲まれて

でございまする・・・・・・。









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平成30年度4月文楽公演

2018-04-22 23:35:31 | 文楽・歌舞伎・能
平成30年度4月文楽公演~五代目吉田玉助襲名披露

本朝廿四孝・義経千本桜


国立文楽劇場


本朝廿四孝

なかなか、ややこしい筋立て。

武田家と長尾家の対立と、あの策士山本勘助の名跡をめぐっての兄弟での争い。

後で、このパンフレットを読んでも理解が難しい。

次の、文楽のときには、一度イヤホンガイドでも借りて、
公演中の理解、深めんとあきまへんな・・・・。


五代目吉田玉助襲名披露

昭和41年生まれ、52才。

父は二代目吉田玉幸、(今回、4代目吉田玉助を追贈される)
祖父は三代目吉田玉助。

襲名披露、はよろしいな。


義経千本桜・道行初音旅

幕が開くと、舞台の上に太夫さんが9名、三味線さんが9名。
凄いパノラマ、勢揃いでおます。

はなしは、落語の「猫の忠信」にでてくる、義経千本桜。
途中、忠信とはぐれてしまった静御前が、初音の鼓を打つと
旅姿の忠信が忽然と現れる、実は狐の子、この狐の仕草が可愛いらしい。

静御前と狐忠信、落語がパロディなんですが、落語好きの私には
知ってる、知ってる・・・と、逆バージョンですな。


平成30年度4月文楽公演~五代目吉田玉助襲名披露
2018年4月22日(日)午前11:00開演
国立文楽劇場

今日は、嫁さんと、文楽へ・・・・。

第一部

本朝廿四孝・桔梗原の段

五代目吉田玉助襲名披露・口上

・景勝下駄の段

・勘助住家の段(襲名披露狂言)

 義経千本桜・道行初音旅


国立文楽劇場の緞帳
第一緞帳「有職道長文様」

第二緞帳「四季扇面彩の舞」

第三緞帳「蒼流悠松図」



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聖地巡礼“葉ね文庫”

2018-04-21 21:21:21 | 街で

“葉ね文庫”

短歌を愛する人には聖地みたいな“葉ね文庫”さんに
初めてお伺いしました。


大阪の今やマニアックな人が集う・中崎町に。


中に入るには靴を脱ぐんですが、
それがまた居心地の良い空間に。


手作り感、満載・・・・ことば遊びと同じで、コツコツと。


私がお世話になっている“牛隆佑”さんが
コーディネートされているコーナー。
(写真と歌、のコラボ)

営業日が  火・木・金・土
営業時間が、火・木・金・19時~21時30分
      土・11時~21時30分

なんて気ままな、営業なんでしょう。

でも、オーナーの池上きくこさん、
素人の私の要望にも、嫌な顔ひとつせず、
親切にそして、的確に本選びをサポートしてくださいました。


買った三冊の本。
カバーの色と柄が、かわいい。


“葉ね”の由来が気になったので調べると、

・・・・・・・・・・。

時々行ってしまう、気になるお店がまた一軒増えましたな。

      
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財務3表一体理解法~國貞克則

2018-04-19 03:03:03 | 本の少し
【増補改訂】 財務3表一体理解法 (朝日新書)
クリエーター情報なし
朝日新聞出版

☆☆☆☆

仕事で読んだ本。

丁度、2月が決算月でそれにあわせて読んでいたのですが、
なかなかよろしおましたで、PL、BS、CS、個々に理解していたものが、
一体にしてつながりで、三表一体理解法とすんなり頭に入る。

一つうごかせば、つながりで、すべてが変わる。

まあ経営していると、BSの大事さはつくづく感じますな。
「BSは経営者の成績表」、まさに過去にさかのぼっての会社の体力がわかりますな。

三月末に、無事、監査法人の監査が終わり、
あとは五月末に、株主総会があるだけでおます。

並行して、新しい期の営業活動はドンドン進んでいきますが、
「変化する瞬間、進化する」とこんなときこそ、変革は大事ですな。
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霧のむこうに住みたい~須賀敦子

2018-04-17 11:40:46 | 本の少し
霧のむこうに住みたい (河出文庫)
クリエーター情報なし
河出書房新社

☆☆☆

大好きな須賀敦子さんの本。

イタリアって素敵、ミラノも素敵、そこに生きる人たちも素敵。

なんて文章が清楚でありながら、素敵なのか・・・。

短歌をはじめて、その素敵さにほれぼれする。

例えば・・・アルプスを越える列車の夜の記憶が戻ってきた、と。

《夜、駅ごとに待っている「時間」の断片を、夜行列車はたんねんに
拾い集めてはそれらをひとつにつなぎあわせる》

なんて、素敵な言い回し・・・・短歌にしたいぐらい。
エッセイですが、詩人なんですね。

河出文庫では「須賀敦子・全集」と計八巻出版されてますが、
虜になりそうで、しばらくは近づかないようにしておきます・・・えへっ。
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短歌タイムカプセル~東直子・佐藤弓生・千葉聡

2018-04-15 04:03:02 | 本の少し
短歌タイムカプセル
クリエーター情報なし
書肆侃侃房

☆☆☆☆☆

「短歌タイムカプセル」、短歌をかじりはじめの私にとって、辞典のような本。
これを見て、好みの歌、好みの作風、好みの歌人、を知る。

前回の「桜前線開架宣言」に次いで第二弾であり、前回は若手歌人を中心に、
この本は近年の歌人までさかのぼっての紹介。

115人の現代歌人と各人の20首を紹介されてますが、

好きな歌をマーカーで印を入れていくと、
三分の一の40人の方は、ノーマーク。

結構、好き嫌いがはっきりとわかりますな・・・・。


一番、多く選んだのが加藤千恵さん、17首、ほぼ全てが好きと・・・。

順に並べて、そのなかでも一番のお気に入りだけ紹介しときます。

17首
①、加藤千恵(1983年生まれ)
好きなことを好きなだけする生活に一番好きなあなたがいない

9首
②、佐藤りえ(1973年生まれ)
抱きしめることと束縛することの違いを百字以内で述べよ

②、土岐友浩(1982年生まれ)
本棚が足りなくなって生活のところどころに本があふれる

②、穂村弘(1962年生まれ)
終バスにふたりは眠る紫の〈降りますランプ〉に取り囲まれて


8首
⑤、田丸まひる(1983年生まれ)
幸せに浮かれてばかりじゃ痛い目を見るっていうなら今すぐ見せて


7首
⑥、岡崎裕美子(1976年生まれ)
はい、わたし生まれ変わったら君になりたいくらいに君が好きです。

⑥、岡野大嗣(1980年生まれ)
もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい

⑥、小池純代(1955年生まれ)
ゆめのやうに過ぎてゆきますあくまでもゆめのやうにでゆめぢやないです

⑥、松村正直(1970年生まれ)
忘れ物しても取りには戻らない言い残した言葉も言いに行かない

⑥、林あまり(1963年生まれ)
さくらさくらいつまで待っても来ぬひとと死んだひととはおなじさ桜

⑥、山田航(1983年生まれ)
鉄道で自殺するにも改札通る切符の代金は要る


6首
⑫、干場しおり(1964年生まれ)
言えなくてペンギンのように哀しくてひこうき雲をひとり見ていた

⑫、三原由起子(1979年生まれ)
横座りして君の腰に手を回すその手に君が手を重ねたり


5首
⑭、河野裕子(1946年生まれ)
たとえば君 ガサッと落葉をすくふやうに私をさらって行ってくれぬか

⑭、佐藤りえ(1973年生まれ)
抱きしめることと束縛することの違いを百字以内で述べよ

⑭、東直子(1963年生まれ)
おねがいねって渡されているこの鍵をわたしは失くしてしまう気がする

⑭雪舟えま(1974年生まれ)
ホットケーキ持たせて夫送りだすホットケーキは涙が拭ける

歌会の楽しみに、短歌を創作する以上に、他の人の作品を読み、覚え、
語り合うことに無常のよろこびを感じていると・・・まさに、この本
各作者の思いが凝縮されています。

ある方が、「短歌づくりで上手くなるには?」の問いに、10でも20でも
好きな歌を諳んじるようにすれば、必ず上達しますとおっしゃっていましたが、

ここに書いた歌は、覚えようと思います・・・・・が。

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「暇活」短歌がつくれたら~(2018.04.13)

2018-04-13 21:21:21 | 短歌

「暇活」短歌がつくれたら~(2018.04.13)


「暇活」短歌の会へ・・・・。

この、お題を貰って、その場でつくるこの会。
スリリングで結構、好きでおます。

わたしが引いたお題は、「神社」、「動物」


ごまめ短歌

亀に牛、鼠と狐おまえたち仕える神のどこに惚れたん

遥かなるさざれ海原ふみしめる音色はひびくかすむ社に

踏みしめるさざれ海原遠ざかり社はかすみ米粒のよう

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大富豪からの手紙~本田健

2018-04-12 03:45:00 | 本の少し
大富豪からの手紙
クリエーター情報なし
ダイヤモンド社

☆☆☆☆

ビジネス本のコーナーから購入。

でも、ビジネス、生き方の、指南書ではなく、
小説仕立てで、面白く読めた。

主人公が20才になったとき、祖父が書き残してくれた9つの手紙。

その9つは第一の手紙から順に「偶然」「決断」「直感」「行動」
「お金」「仕事」「失敗」「人間関係」「運命」

主人公は、東京から始まって、小樽、京都。神戸、バンコク、チェンマイ、
と次々、引っぱれるように、各地を訪れ、祖父の旧友から祖父の思いを知る。


気になった言葉、命題を拾い上げると

決断した瞬間に、その未来は、同時に誕生する。

最低限、お金に邪魔されない人生を生きる。

仕事の喜びは、まわりの人を巻き込みながら、関係者全員を幸せにすること。

自分に与えられた命を使い切る。

本当の幸せは「人間関係で得られる幸せ」にほかならない。

人生を信頼すること、人とつながること。

「宿命」は、宿る命。 自分が生まれたときに決まっているもの。

「運命」は、運ぶ命。 どうやって生きるかは、キミが自由に決められる。

人生を変える選択肢が、毎日、与えられている。

そう思うと、誰もが一日24時間しかない。

ほんと時間って、大切ですよね。


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中澤系歌集~中澤系

2018-04-10 05:06:07 | 本の少し
uta0001.txt―中澤系歌集
クリエーター情報なし
双風舎

☆☆☆

独特の味付けが癖になる、中澤系さんの短歌。

何か理科系の匂いがする、元々文化系の短歌なのに
そこに、理論めいて人の温かみが感じられない無機質な言葉が先行する。


そんな中でも、私の気になる歌は、

3番線快速電車が通過します理解できない人は下がって

かみくだくこと解釈はゆっくりと唾液まみれにされていくんだ

メリーゴーランドを止めるスイッチはどこですかそれともありませんか

はなれゆく心地したりき快楽のためにかたちを変えた時に

出口なし それに気づける才能と気づかずいる才能をくれ

許されるならば切りたし春の日に「切れてるチーズ」を作った奴ら

昨日から今日へそしてまたあしたへ跳躍もなければ変容もない

 全体を蔽いすべてのまなざしをそらすもの ことばはそのものだ

わからないのならばしかたがないですねとりあえずは信じておきなさい

 バーボンの瓶には半ばバーボンが残りて命日恙無く過ぐ

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ブヒ道~小泉吉宏

2018-04-07 04:07:11 | 本の少し
ブヒ道
クリエーター情報なし
ポプラ社

☆☆☆☆

この前読んだ、小泉吉宏さんの「ま・ろん」がおもしろかったので、
著者のベストセラーの「ブッタとシッタカブッタ③」(第45回文藝春秋漫画賞受賞作品)を
求めて紀伊國屋さんへ、①も②もすべてなく、あったのは最新のこの「ブヒ道」が。

ブタのキャラクターのサムライの主人公が禅と剣の道を知り、
心とからだを解きほぐしていく、寝る前に読むにはもってこいの本。

漫画ですが、一気には読めず、二週間かけて読了。
読みやすいですが、中味は濃縮、日々薄めながら読んでいた次第で・・・。

最後のページには、

師匠は「闘っているなら全力で闘いなさい」
「逃げているなら全力で逃げなさい」
「死んだのなら全力で死んでいなさい」
「生きているなら全力で生きなさい」

豚兵衛「闘うなら闘うことに全力をかたむけ」
「逃げるなら逃げることに全力をかたむけ」
「思うがままに技を使い・・・・」
「心と体と技がひとつになることをめざす」・・・と。

武士道とは、無心になる修行と
からだを自由にはたらかせる技術を積む修行は
車の両輪である。

欲をなくし、無心で、生きる。

生きようとすればするほど・・・むつかしいことですな。

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さよならバグ・チルドレン~山田航

2018-04-05 06:07:08 | 本の少し
さよならバグ・チルドレン―山田航歌集
クリエーター情報なし
ふらんす堂

☆☆☆

山田航さん、実は今、「世界中が夕焼け」という本、
穂村弘さんと山田航さんの本を読んでいる最中。

なぜか馴染みのある歌人、山田航さん、でも歌集を広げるのは最初。

選んだ歌をみるとカタカナが見うけられる・・・これも山田航さんの特徴か、
たまたまそういう歌に私が反応しているだけか・・・・。

まずは、選んだは歌は、

鉄道で自殺するにも改札を通る切符の代金は要る

なだらかな曲線描く眼鏡入れ書架の片隅に置かれてゐたり

やや距離をおいて笑えば「君」という二人称から青葉のかをり

地に落ちる水の未来をおもふとき涙はふいに逆流をする

靴紐を結ぶべく身を屈めれば全ての場所がスタートライン

歩きださなくてはならぬかなしみを犬をからかってごまかしているね

水飲み場の蛇口をすべて上向きにしたまま空が濡れるのを待つ

古書店の奥で見つけたカフェオレのレシピ「コーヒーにミルクを混ぜる」

カフェオレじゃなくてコーヒ―牛乳といふんだ君のそのやり方は

昨晩のその場しのぎの言い訳にサランラップがかけられてゐる

 たぶん親の収入超せない僕たちがペットボトルを補充してゆく


いまひどい嘘をきいたよ秒針のふるへのさきが未来だなんて
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まろ、ん?~小泉吉宏

2018-04-03 03:04:05 | 本の少し
まろ、ん?―大掴源氏物語
クリエーター情報なし
幻冬舎

☆☆☆☆☆

凄い、漫画なのに読み応え、たっぷり。

やはり原作の「源氏物語」が凄いのか、
原作が読みたくなって、図書館で手にしたのですが、
読破する勇気にはならず、スタートできず。

でも、この本、漫画ながら、源氏物語の世界を知るには好都合。

丁度、短歌も初めており、中にある和歌も興味が・・・・。


みをつくし恋ふるしるしにここまでもめぐりあひけるえにはふかしな

数ならでなにはのこともかひなきになどみをつくし思ひそめけん

身をかへてひとりかへれる山里にききしに似たるまつかぜぞ吹く

あまの世をよそに聞かめや須磨の浦に藻しほれしも誰ならなくに

あま船にいかがは思ひおくれけんあかしの浦にいさりせし君

年月をまつにひかれて経る人にけふうぐいすの初音きかせよ

ひきわかれ年は経れども鶯の巣立ちし松の根をわすれめや


和歌は、お公家さんの間で詠まれ、短歌は明治以降庶民の間で詠まれる。
そして、文語体から口語体へ、近代短歌はまだ30年しか経っていない。

と言いながら、この源氏物語は1000年前の世界。

恋愛と栄光、政治、権力、今も続いている永遠のテーマ。

でも、小泉吉宏さんの漫画、可愛くて、おしゃれで、素敵です。


出世作の「ブッタとシッタカブッタ」シリーズ、読んでみたいですな。
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