ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

うまや怪談~愛川晶

2012-02-28 05:49:36 | 本の少し
うまや怪談 (神田紅梅亭寄席物帳) (ミステリー・リーグ)
クリエーター情報なし
原書房

☆☆

愛川晶さんの落語シリーズ、第三弾。
噺は「ねずみ」と「厩火事」と「宮戸川」が下地になって噺がすすむ。
でも、謎解きはあるが、犯罪とか死人とは縁のないところで、難題だけが解きあかされていく。

この本のおもしろさは、落語を「どう演じるかのところである。
例えば、「厩火事」であのお埼の相談にのる「にいさん」てのは・・・あれ、何者なんでしょうかねえ」と
主人公の落語家の福の助が疑問に思う。

噺の中の登場人物は、侍なら侍らしく、職人なら職人らしく、商人なら商人らしく、見えなくちゃならない
そのためには、言葉遣いはもちろん、仕草や表情まで変える。・・・でも、言うことは年寄りじみているが、年は若そう。

「にいさん」というが、まさかお埼の実の兄貴ではじゃあるまい。義兄でもない。二人の仲人したのは確かだが、
もし、商人だったら、お埼が「旦那」と呼ぶだろうし、鳶の頭や職人の棟梁にしては、妙に学がありすぎる。
志ん生師匠は、お埼がにいさんの女房の髪を結いに来た時、二階に居候している半公に惚れたと・・。
息子の、志ん朝師匠だと、もっと具体的に「死んだ親方ところで、俺と一緒になって修行した弟弟子だ」と。

ひょっとしたら、お埼の亭主とおなじ、髪結の亭主だったりして・・・と、へんなところでひっかり、
日頃聴いているいる落語の世界が更に深みを増す。

「宮戸川」では、宮戸川の云われとは・・・相撲取の名前では「千早振る」だし、
実は、宮戸川は「隅田川」の別名と。駒川あたりから上流を隅田川、下流を宮戸川と呼んだらしい・・と。
で、この噺には後半があって、ちゃんと川が出てくるらしい。
(語れば、長いので、割愛、興味ある方は・・調べるか、この本を読まれるか・・・)

結構、各噺の演じられ方など、噺のウンチクが方々で語られ、飽きない。
はまってしまいましたな、愛川晶さんの落語シリーズ・・・・、あとの「三題噺・示現流幽霊」も読まなくては。



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第一回・なかのしま落語会

2012-02-24 23:41:49 | 落語

落語仲間の、落語日記さんことikeyanさんが主催の落語会。


中之島の中央公会堂で・・・。


主催者のお二人。

落語が開演するまで、らくご日和さんを紹介して頂き、愉しい時間を。

一、月亭天使・・・・・・・・・・・・・「初天神」

初めて見る、天使さんの高座。
元繁昌亭の職員さんで、八天さんに入門されて丁度丸二年。

マクラで、「お父ちゃん、出張」と「今やから云うけど、実は、あんたお父ちゃんの子と違うねん」の、
二つをかけるが、つまりながらしっくりこない。・・・・本人もそうだが客席もあれっと思うのは一緒。
でも天使さん「やり直します」ともう一度、アタマからやり直す。・・・そんなとこ、いさぎ良くて若々しくて好きですな。

噺は、25日が天神さんの日で、1月25日が「初天神」。
ネタ当てでは「子ほめ」とどちらにしようかと思ったが、2月ぎりぎりでまだイケると「初天神」でビンゴ。
ありがとうございます・・・天使さん。

噺っぷりは、話慣れた感じで、順調にすすむ。
飴玉をほほばって唄ったり、みたらしの蜜を啜ったりの仕種なんぞは手慣れたもの。

女性落語家として、今後どんな噺を演られるのか、楽しみですな。


二、林家そめすけ・・・・・・・・・「看板の一」

昔「仏師屋盗人」を聴いたような気がするが、そめすけさん、ものまね以外では久し振りの高座。

一言で云ってこんなにパワーフルとは・・・・
ガラッパチ風だが、デフォルメされた噺っぷりで楽しませてくれる。

噺は、「看板の一」。・・・終わったあとで、らくご日記さんが、年寄りの博打打ちが江戸の人というのは初めてと・・・。
結構、笑福亭なんぞではある形ですが・・・。でも、これって看板のサイコロで儲かるというだけではなく、
そのおやっさんのカッコよさに憧れるということで、喋りっぷり、気風の良さなど、お江戸の方で演じる方が多いようで。

この様な、ヤンチャなパワフルな人がでてくる噺、そめすけさんに向いていると、勝手に思ってしまった一席でおます。


三、笑福亭竹林・・・・・・・・・・・「井戸の茶碗」

中央公会堂の隣が府立図書館、その隣が大阪市役所。・・・・今話題の、橋本さんをマクラに・・・。

そして、十八番の「井戸の茶碗」へ。

屑やの清兵衛、若侍の高木作左衛門、浪人の千代田朴斉と、正直もんが三人でてきて、心温まる。
最初仏様から小判五十両がでてきた、その金を受け取る、受け取らないで、形(担保)に差しだした茶碗が
名器「井戸の茶碗」お殿様が三百両でご所望なされる。そして、次に差し出されたのは・・・朴斉さまのお嬢様。

どんどん、繋がっていく、この噺の展開がおもしろい、・・・・・でも最後は、ハッピイエンド。
落語とは、人間の性(さが)とはよく云われますが、
やはり、良い人物ばかりが登場する落語は、ほっこりとして愉しいもんでおますな。


四、林家そめすけ・・・・・・・・・「通天閣に灯がともる」

大阪人情落語24区の中から「通天閣に灯がともる」。
中央区で、「相合傘」と思いきや、新世界100周年記念で「通天閣に灯がともる」を、
あとの「ネタ当てクイズ」で「通天閣」という串かつを舞台にした噺があるそうで、
通天閣にちなんだ噺とすれば、二作目とか。

大正区「めがね橋」、浪速区「通天閣」、中央区「相合傘」、平野区「だんじり三代」
今度ある、西成区「ふるさとの味」、淀川区「平成・中島大水道」とか、
今、どれだけの噺が出来あがっているのか、落語日記さん、一度教えてくださいな。

噺は、人情噺というか、大阪の情緒たっぷりに、土地に住む人の思いが伝わる。
昔、北の梅新に住んでいた私とすれば、北区で思い出が蘇る様な噺を聴かせてほしいですな。


この「なかのしま落語会」、大阪の由緒ある建物の中での落語会。
是非、二回、三回、と続けてもらいたいもんですな。


第一回・なかのしま落語会
2012年2月24日(金)午後7:00開演
大阪市中央公会堂・大会議室

一、月亭天使・・・・・・・・・・・・・「初天神」
二、林家そめすけ・・・・・・・・・「看板の一」
三、笑福亭竹林・・・・・・・・・・・「井戸の茶碗」
四、林家そめすけ・・・・・・・・・「通天閣に灯がともる」

ネタ当てクイズで、見事と言えるかどうか一つだけ当たって、当選。
繁昌亭の手拭、頂戴する。
ちなみに書いたのは、「初天神」、「平の陰」、「堪忍袋」、「相合傘」。
天使さん、さまさまですな。

12-10-47




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オチケン、ピンチ!!

2012-02-21 06:40:30 | 本の少し
オチケン、ピンチ!! (ミステリーYA!)
クリエーター情報なし
理論社


「オチケン」に続く第二弾。

またもや、廃部寸前の落研で事件が・・・・三人部員がきると自動的に廃部。
他のサークルが、その部室をとる為に三枚出せば退学処分になるのを狙って
あの手この手で落とし入れる策略をねる。

落研の三人、いやここに登場するすべての学生は勉強もせず、
サークルの活動、雑用に日々明け暮れる。

落語のおもしろさより、昔の良き学生時代を思いださせる青春物語である。

我が学生時代にもっと身近に落語があれば、どんな青春をおくれたか・・・・・
ふと考えさせる本でおますな。

12-B15


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第595回・田辺寄席~笑福亭鶴志の段

2012-02-18 22:32:26 | 田辺寄席
本日は、久し振りの田辺寄席。




開口0番は「ワ」、「笑い噺」で、世界のジョークを・・・。




一、笑福亭べ瓶・・・・・・・・・・・・「江戸荒物」

名前が、べ瓶になってから初めての出会い。
腹に入っているというか、自由自在に思う存分語っている。
元気いっぱいの「江戸荒物」。やはり、べ瓶さんの勢いある落語は、健在ですな。

二、笑福亭鶴志・・・・・・・・・・・・「へっつい盗人」

鶴志さん、貫禄でおますな。
泥棒にいく相棒(喜六)の頼りないこと。

堺の刑務所や、シルクハット、小便に、へっついを持ち上げて下に縄を通すなど、
随所の頼りなさが、この噺を一段とおもしろいものにさせる。

ましてや、鶴志さん、喜六が竹の垣を除けるのにこわごわやってると、「一気にやれ」
「サロンパス剥がす時と一緒や・・・一気にやれ」とかあちらこちらに、ギャグ満載で
愉しさ倍増・・・豪快さと繊細さが入り混じった鶴志さんの「へっつい盗人」、おもしろおますで・・・。

三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・「兵庫船」

乗合船に乗ってからのお国の尋ねあいのとこは割愛して、なぞかけから入る。
サメが乗船客に魅入りするまでは、袖すり合うも多少の縁、のんびりとした船旅が楽しいですな。


四、笑福亭忍笑・・・・・・・・・・・・「三人上戸」

あとからでてきた鶴志さんが、「こんな静かな、三人上戸、初めてや」と言うぐらい笑いの少ない、
笑うのに、客席一同が、緊張してしまった忍笑さんの「三人上戸」。

笑いとは、緊張と緩和と言われているが、その緊張がずっと続く。

噺は、酒飲みが、泣いて、笑って、怒って、うどん屋に絡む、よく言われる「うどん屋」。
酒飲みが酔ってはいるが、どこか演技っぽいというか、笑う、間が、見当たらない・・・・。
喋くりは酔ってはいるが、目が酔っていないからなのか・・「目は口ほどにものを言い」ですか。

噺家さんが酒も呑まずに酔うなんて、こちらはいつも居酒屋気分で、気楽に見せて貰っていますが、
やはり、高度な話術、テクニックなんでおますな。

田辺寄席の寄合酒の解説におもしろいのあったので転載・・・。

「戸」は大人の男の意。古代社会では大人の男が稼ぎ人、筆頭。
大人の男が大勢いる家庭はよく稼ぐことができるから「上戸」です。
身入りがいいから当然、高いお酒もよく飲めます。それが上戸=酒飲みの語源。

単に飲む酒の多い事、酒飲みことだと思っていたが・・・「戸」が大人の男とは。
では、「下戸」は稼ぎの悪い男か・・・。


五、笑福亭鶴志・・・・・・・・・・・・「花筏」

初日の土俵入りが終わると宿に、花筏に扮した提灯屋へ、勧進元が挨拶、土地の顔役が挨拶に・・・
ここで、鶴志さん、「まあ、昔から興業というぐらいですから、その筋の方とは関係があったんですな・・」

千鳥ヶ浜の親父が、息子にいう、「おまはん、今日までの相撲、自分の力で勝ってると思うてるのか、
・・・・ワシは今度の興業には随分金も出している、わざと負けてもうてるのが、わからんのか・・。」
八百長というのが、公然とあったんですな・・・・

国技といいながら、この頃、町中で子供たちが取っているのを見たこともない相撲・・・。
真剣なるスポーツなのか、興行、見世物なのか、・・まあ落語にでてくる相撲は後者に間違いおませんな。

鶴志さんの体型といい、噺っぷりといい文句なしの横綱相撲の「花筏」でおましたで。



第595回・田辺寄席・卯月席・昼席~笑福亭鶴志の段
2012年2月18日(土)午後1:40開演
桃ヶ池公園市民活動センター

開口一番・・・・・・・桂文太
一、笑福亭べ瓶・・・・・・・・・・・・「江戸荒物」
二、笑福亭鶴志・・・・・・・・・・・・「へっつい盗人」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・「兵庫船」
仲入り
四、笑福亭忍笑・・・・・・・・・・・・「三人上戸」
五、笑福亭鶴志・・・・・・・・・・・・「花筏」







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どちらとも言えません~奥田英朗

2012-02-16 06:35:31 | 本の少し
どちらとも言えません
クリエーター情報なし
文藝春秋

☆☆

スポーツライターの奥田英朗さんが、「Number」723号~775号までの奇数号に
書かれたものをまとめたもの。

野球、サッカー、相撲など辛口で語られる。

気になる、お題だけでもご紹介すると、

スポーツにおける悪役の経済効果考。
WBCでわかってしまったアメリカ式の行く末?
どれほど野球選手をリスペクトしているか。
スポーツの階級と門外漢のジャパニーズ。
プロ野球の監督には利権がいっぱい。
スポーツチームはオーナーの道楽である。

改めて考える日本人サッカーの不向き論。
サッカー、番狂わせゾーンの快楽。

用具はドーピング? ならば原点回帰。
ジャイアンツ馬場と柴田錬三郎。
スポーツは報復合戦の宝庫なのである。
日本シリーズが国民的行事だった頃。
“個性より基本”は日本人独特の価値観。

どれもが、興味が沸く、お題でおまっしゃろ。

最後の、スポーツの楽しみは、語る楽しみなり。・・・・では
スポーツの楽しみの一番は、自分でプレーすること。
二番目は観戦である、それもテレビではなく、生でみるのがもっといい。
三番目は語ること。トーキング、おしゃべり、井戸端会議。
ああでもない、こうでもないと、知人であっても知人でなくても、
好き放題語りあえる・・・。

これって、落語でも一緒。
できないけれど、一番の楽しみは自ら落語をすること。
二番目は、観る。それも、テレビとかCDではなく、生でみるのがもっといい。
三番目は語ること・・・・そうなんですよ、終わった後での仲間での呑み会。
これが、また楽しいこと、愉しいこと。

まあ、「どちらとも言えません」と言いながら、辛口の言い放題。
スポーツだけではなく、見方、視点に興味が沸く本ですな・・・・・・・・・・・・。

12-B14

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戸村飯店 青春 100連発~瀬尾まいこ

2012-02-14 06:35:12 | 本の少し
戸村飯店 青春100連発 (文春文庫)
クリエーター情報なし
文藝春秋



男兄弟の二人が絡みあう、ボケとツッコミ。
兄が、弟が、自分の生きざまを見つけて、大阪と東京を行たり来たり。

自由気ままに要領よく生きているように見える兄の、ヘイスケ。
大阪人特有のボケをかましながら、自分自身の性格に悩む弟の、コウスケ。

家を飛びだした形の兄は、家に戻り、家を継ごうと決意した弟は東京の大学へ。
こういうのを、落ちつくとこに落ちつくといいうのでしょうか。

大阪の庶民的下町を舞台にした、肩の凝らない青春物語でおます。

12-B13



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いずみ寄席・2012~近くて遠き落語かい

2012-02-12 22:35:21 | 和泉ワンコイン&笑福亭伯枝
いずみ寄席、車で5分の和泉中央での落語会。
嫁さんといそいそと・・・・・・。


弥生の風ホールがある和泉シティプラザ


あまりにも後ろの席で、舞台が霞んでます。
(まあ、カメラの腕が悪いだけですが・・・)


一、桂優々・・・・・・・・・・「普請ほめ」

素晴らしい口跡。
若さと上手さがミックスされて、「普請ほめ」の噺自体がもつ楽しさを存分に発揮。
爽やかさで明るく楽しい高座。・・・・枝雀一門、いや、米朝一門の若きエース到来ですな。

二、桂吉弥・・・・・・・・・・「ふぐ鍋」

出囃子、山形県の真室川音頭をこの頃は使用。(かつては、青い山脈でしたが)
縁あって、地元の方から特産物を送ってきて頂く・・・・と。

噺は「ふぐ鍋」・・・吉弥さん得意の顔芸は、舞台が遠過ぎてあまり見えず、
何となく蚊帳の外みたい。オーバーアクションも白々しく、会場が大きいのでと、
身振り手振りも大きくすれば良いものでもなさそう・・・。

観る落語、語る落語、会場の大きさ、雰囲気などで伝わり方違う。
芸というのは微妙、ホント、難しいもんですな。

三、笑福亭銀瓶・・・・・・「宿題」

一人、笑福亭からの参加。この頃銀瓶さんが、よく演じられる三枝さん作の「宿題」。
子供が塾から持って帰ってくる算数の宿題をお父さんが解く。

「鶴亀算」では「鶴と亀、頭とか数えた時点で、鶴と亀、何匹おるぐらい解るやろ。
足数える暇があるなら、何匹ぐらい、ちゃんと数え・・。」

「さくらんぼの割り算」では、「各人の皿に分けて食べるなよ・・。さくらんぼは、
真ん中にどさっと盛って、一つずつ取りながら食べるのが楽しんや」

「速度と距離」の問題では、「兄は(弟をおいて)、先に行かんと待ったれよ。」
親父の、算数に対する国語的ツッコミ・・・・おもしろいですな。

三枝さんのセンスが光る、銀瓶さんの高座でおました。


四、月亭八方・・・・・・・・「AKO47」

先の銀瓶さんが創作だったので、続くことは無いか、「算段の平兵衛」か「猫の忠信」と、
期待していると、イタリアへ行ったマクラから、海外で有名な日本の都市は、
東京、福島、大阪、京都、奈良、そして、赤穂と・・忠臣蔵で有名・・・・そして「AKO47」へと、

三枝さんの数多い創作落語とは、正反対、落語としてのストーリー性はなく、
忠臣蔵をテーマにした、吉本風おしゃべりという具合・・・。

仲入り後の、塩鯛、ざこばさんが良かっただけに、残念な中トリの一席。


五、桂塩鯛・・・・・・・・・・「試し酒」

襲名して、一年半・・・ようやく自分自身では馴染んできたと思いきや、
今年の年賀状では、未だ都丸というのもあるし、中には「塩鯖」といのも・・。
(実際、塩鯛さんのブログにはその年賀状の画像あり)

TVなどで何度も見ているが、「試し酒」。やはり、生は良いですな。
田舎もんの権助の昔ながら素朴さが、塩鯛さんのニンにはまる。
今度は真近で聴いてみたいと思う噺。
やはり、「試し酒」は塩鯛さんの十八番でおますな・・・。


六、桂ざこば・・・・・・・・「厩火事」

得意の家族への不満のマクラは、奥さんや娘さんではなく今回は孫。
孫の気ままさ、我儘に、キレる、ざこばさんだが、でも根は可愛いくて可愛くて
仕方がないというのがわかる。

噺は十八番の「厩火事」
お咲さん、単に焼きもち焼きの年上の女房というだけではなく、
心底、亭主に惚れているのが伝わってくる。
そこが、ざこばさんの「厩火事」の真髄、良さなんでしょうな。

そういう、夫婦愛でいうと、ざこばさんの「替り目」
「かあちゃん、ごめん」なんぞ聴きたいですな。

来年もあるであろう「2013いずみ寄席」、嫁さんとのスケジュールを調整して
来年は早めにチケットを買って、前で観なければ。


いずみ寄席・2012
2012年2月12日(日)午後1:00開演
和泉シティプラザ 弥生の風ホール

一、桂優々・・・・・・・・・・「普請ほめ」
二、桂吉弥・・・・・・・・・・「ふぐ鍋」
三、笑福亭銀瓶・・・・・・「宿題」
四、月亭八方・・・・・・・・「AKO47」
仲入り
五、桂塩鯛・・・・・・・・・・「試し酒」
六、桂ざこば・・・・・・・・「厩火事」





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クリック~佐藤雅彦

2012-02-09 06:10:49 | 本の少し
クリック~佐藤雅彦超短編集
クリエーター情報なし
講談社



不思議な、佐藤雅彦さんの短編集。

電通時代の、新鮮な感性を短い言葉で描く。

気になったのを紹介すると・・・・、

カメラ
カメラはいつも眠っている
目をあけるのはほんの一瞬

屈辱
苺は、ショートケーキの上に置かれるのが一番きらい
ジャムにされるのは二番目にきらい

マヨネーズ
一人だけ倒立をしている。

しゃかいも → ざづまいも
濁点の貸し借りを禁止します。

切手
ハガキを貼ってお使いください。

何か、私の心のスイッチが入る瞬間・・・それがこの本の「クリック」とか、
全部で63のクリックがありますが、
独特の感性だから、どなた様も一人ですべてにクリックすることはまずないでしょう。
不思議な本・・・・・。

佐藤雅彦さんの本では「毎月新聞」からお読みになることをお勧めいたしあす。


12-B12
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秋の花~北村薫

2012-02-07 06:46:11 | 本の少し
秋の花 (創元推理文庫)
クリエーター情報なし
東京創元社


「空飛ぶ馬」に続いての落語家と私シリーズの第三作目「秋の花」。
二作目の「夜の蝉」を飛ばして読んだのだが、良かったかどうか。
というのは、大好きな落語家、春桜亭円紫さんの出番が第七章まででてこず。
それまでは、推理小説であり、それも女学生の「死」にまつわる話。

主人公の「私」は大学生になっているが、事件は卒業した高校でおこる。
屋上から落下した女子学生、事故なのか、事件なのか。
怖がりの「私」には、「死」にまつわる部分は重苦しい。
どれだけ、円紫さんの登場を待ち焦がれたことか・・・・・。

第二作では、円紫さんの登場は多いのか・・・ほのぼの感を期待する私は
さかのぼって、「夜の蝉」を読まなければ。


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こっちへお入り~平 安寿子

2012-02-05 21:32:51 | 本の少し
こっちへお入り (祥伝社文庫)
クリエーター情報なし
祥伝社

☆☆

三十三才の独身OLが、ひょんなことから素人落語の勉強会に入り、
どんどん落語の世界にのめり込んでいく。

帯には「落語は、不器用なオトナのための指南書だ」
と書いてあるが、
噺の筋と、実際の生活テが重なりあう。人間のいきざま、本質が描かれる。

でてくる演目は、「寿限無」、「たらちね」、「皿屋敷」、「饅頭こわい」、「三方一両損」
「船徳」、「明烏」、「金明竹」、「初天神」、「大工調べ」、「代書屋」、「粗忽の釘」、「宿替え」
「「悋気の火の玉」、「品川心中」、「お直し」、「厩火事」、「替り目」、「三年目」、「天狗裁き」
「湯屋番」、「富久」、「文七元結」、「崇徳院」、「「天災」、「猫の災難」、「佃祭」、「三枚起請」
「転失気」、「片棒」、「壺算」「芝浜」、・・・なんて多くの噺が出てくるでしょうか。

これに、まつわる演じ方、解釈が勉強会の面々があれやこれやと論じあう。

極めつきは、最後の「芝浜」、志ん朝、小三治、そしてさん喬さんの三人の「芝浜」を語る。

特に、女房の分析はこと細かで、
「お前さん、起きとくれよ」と揺り起こす第一声から、さん喬さんは遠慮がちだ、と。
さん喬さんの女房は、亭主の勝五郎にすがって生きている自分を意識している。
「わたしは昔っから、大晦日が大嫌いだった。大晦日になると借金取りが来て、
お父っつあんとおっ母さんが泣きながら頭ぺこぺこ、ぺこぺこ下げて謝るんだ。
だから、大嫌いだった・・・・・・・。」しっかり者の女房ではなく、亭主に寄り添って生きている。

こんな、男の噺である「芝浜」を、女房の心の葛藤から細やかに描いている。
二年連続で年末に聴いたさん喬さんの「芝浜」の女房の声がよみがえる。

でも、この本を読んでると、主人公がいう、日頃の自分まで変えてしまうなどと、
落語を演る楽しさが伝わってくる。

まあ、聴くだけではなく、演る方に来なさいよ「こっちへお入り」と云われているようでおますな。


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ホリエでアルテ~松喬一門会

2012-02-04 23:00:03 | 笑福亭松喬一門

大阪市内、西大橋駅徒歩30秒のところで、
松喬一門会が第一回「ホリエでアルテ」の落語会が開催。


ほぼ100人弱のお客様・・・・・・・・仕事の大先輩、K氏もお知り合いとご一緒に。



松喬さんのご挨拶。

二番太鼓がなる。開演5分前なのに思いきや・・・・・・、続いての出囃子は「高砂丹前」。
え―、松喬さんや、すると普段着姿で登場。

ご存知の通り、病気療養中なので、今回ご挨拶だけ・・。
この会は、この中井神社の会が終わりましたので、その替りの勉強会と、
年三回のペースでの開催を予定しております。
松喬、三喬さんが中トリ、遊喬から喬若までが毎回、トリを・・・。

そして、病気の状況と経過を細かく説明、思いのほか重い病気で頭の中が真っ白になったのですが、
この頃は必ず病気に勝つと・・・医者から言われているのは、早く普段の生活(落語をする)に戻るように・・と。
そして(良玉が悪玉細胞を食べるような)、自ら、免疫力をつける事。
明日から二回目の放射線治療に入りますが、四月の三人会を目途に復帰したい、と・・・25分も、力強く語られた。

お元気な松喬さんの高座も、もうすぐです・・・まずは、お大事に。


一、笑福亭喬介・・・・・・・・・・・・・・・・「みかん屋」

長い時間話されましたので、「では、落語はじめます」と、得意のフレーズでスタートしましたが、
今日の、喬介さん珍しく、ボロボロ。久し振りの大師匠との落語会で緊張しているのか、
かみかみで、言い間違いも随所に、愛嬌で笑いに変えて進めてはいるが、それさえも空回り気味。
「上を見んと、女房、子供が、養えません」・・・次の、落語会では、立ち直っているのか興味津々ですな。


二、笑福亭風喬・・・・・・・・・・・・・・・・「金明竹」

まあ、落語やってますと、よう言い間違いがあります。
風喬さんも、「池田の猪買い」と「道具屋」の入りが、よう似ているので、途中で入りまじって焦ったり、
米朝一門の若手が、滑舌もよく完璧に進んできて最後の最後、「わあわあ言うてます、八橋船でございます」を
「わあわあ言うてます、初天神でございます」と、魔が差すというかそういう一瞬があるんです、と。

噺は、金明竹。・・・・風喬さん、さすがに噛むことはないが、勢いがなくていつもと、ちと違う感じ。
道具七品の立て弁のところもおとなしく、盛り上がらない。

師匠の病気に、演者も客も気を使っているのか、おとなの笑いが響く。


三、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・・・・・・・「鬼の面」

松喬師匠の代演。
でてくるなり、「怒らんといてや」とチャ―ミングな台詞、遊喬さんのこんなとこ好きですな。
「鬼の面」、さすがに遊喬さん、いつものペース、雰囲気が漂う。
この噺、池田の親御と娘の素朴さ、お店の旦那さんを筆頭に登場人物の純朴さが、遊喬さんの人柄と相まって、
いつ聴いても、ほのぼの感のある、良い噺に。

安定感とともにどっしりとした、遊喬さんの味が染み出た、一席でおました。


四、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・・・・・・「辻占茶屋」

今日楽しみにしていた演目が、この「辻占茶屋」。辻占とは、偶然に出会った事物によって将来の吉凶を判断することとか。

生喬さん曰く、この地元、四ツ橋にちなんで選んだ噺で、ちなみに四ツ橋とは長堀川と西横堀川が交差するところで
井桁のように実際、四つの橋がかかっていたとか。(碑も現在あります)

この「辻占茶屋」、朝ドラの「ちりとてちん」の中で、確か中央公会堂のシーンで、でてきたのを覚えているが、
生で聴くのは初めて、でも話しだては、文太さんで聴いた「松島心中」は同じ様。

でも、上がった神崎屋の隣から聴こえる三味線で辻占徳占をするが、その唄が・・・・下座から聴こえる。

「可愛い男に逢坂の、関より辛い世のならい」(由縁(ゆかり)の月)

「待たしゃんせッ」「源太さん、お前といたい、こぉなったは並大抵のことかいな」(箙(えびら)源太)

「世話焼きゃしゃんすな、お前さんらのお世話になりゃしょまい」(世話焼かしゃんすな)

「カラッケツの空財布、財布はカンカン、いか上(のぼ)り」(からっけつの)

「こちゃかまやせぬ、こちゃいとやせぬ」(こちゃかまやせぬ)

ええ声で、やはりこの噺のヤマ場は、次々聴こえるこれらの唄。
そういう意味で、今日の主役は生喬さんではなく、三味線のはやしや香穂さんでおましたな。


五、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・・・・「抜け雀」

芸術についてのマクラから、「抜け雀」に・・・ああ、その前に三喬さんブランドのコーヒー豆の宣伝もありました。
この噺、舞台は東海道の小田原の宿ですが、最初にできたのはこちら、正真正銘上方落語の噺。
随所に、三喬さんらしい説明、いや解説を入れながも、実に楽しい「抜け雀」。

初めてなのに、三喬さんで何度も聴いたと勘違いするのは、あれほどたくさんギャグを挟みながら、
違和感もなく、本寸法で伝えながら、三喬さんらしさを堪能させるとは・・・凄い。

ほんと、スパイスと隠し味の微妙な、さじ加減が上手いんでしょうな。
三喬さんの「抜け雀」・・・・、はまりますな。


これからの松喬さん、一席、一席、精魂込めた落語になりそうですな。
一門の結束を改めて感じた落語会でおました。


松喬一門会が第一回・ホリエでアルテ
2012年2月4日(土)午後6:30開演
堀江アルテ

松喬さんのご挨拶。
一、笑福亭喬介・・・・・・・・・・・・・・・・「みかん屋」
二、笑福亭風喬・・・・・・・・・・・・・・・・「金明竹」
三、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・・・・・・・「鬼の面」
仲入り
四、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・・・・・・「辻占茶屋」
五、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・・・・「抜け雀」
三味線・・・・・はやしや香穂

12-07-32


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楽屋顔~林家彦いち

2012-02-02 05:43:39 | 本の少し
楽屋顔-噺家・彦いちが撮った、高座の裏側- (講談社プラスアルファ文庫)
クリエーター情報なし
講談社


林家彦いちさんが高座の裏側の写真集。
1990~2004年まで撮り溜めた「楽写」(楽屋写真)
好きな先輩、仲間がいっぱい。

一番印象に残るのは、高座袖から仲間の高座をみる噺家の顔の写真。
じっくり聴くもの。ゲラゲラ笑うもの。
「うれしい」、「楽しい」、「なるほど」、「チクショー」、憧れと嫉妬、ライバル心が渦巻く。

そして、四代目の桂三木助のそれぞれの写真。
冗談を云う、ご機嫌の表情。
小朝さんとくつろぎ語らう三木助さん。
出番直前、目をつぶりながら、何か言葉を繰り返す三木助さん。

亡くなられた本人に替って、自宅へ写真掲載の承諾を得るために自宅へお伺いする。
おられた、三木助師のおねぇさんとおかぁさまにお願いすると、
「是非お仲間に入れてあげてください。・・あの子も喜ぶと思いますよ。」と喜び、涙ぐまれる。

今、元気な噺家さんたちの前座、二つ目の若き時の写真も多く、
真打になる日を目指す輝ける若き楽屋、苦しい修行中でありながら、
カメラを向けられれば、誰もが笑顔で返す。

笑顔、笑顔、満載の一冊でおます。

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