ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

片想い・向田邦子~菅沼定憲

2013-04-29 14:48:35 | 本の少し
片想い 向田邦子
クリエーター情報なし
飛鳥新社

☆☆

強烈なラブレター。
かっこいいぐらいの、片想い。
昔はこんな男いてたんですな。

「あ・うん」の中の、主人公に親友である、門倉みたい・・・。

向田邦子の仕事仲間であった、菅沼定憲さんのいまだ心の整理がつかない叫び。
「恋人とはすぐに別れられるけど、友達は永遠のパートナーだ」。

片想いとは優柔不断のレッテルを貼られ、時にはストーカー行為の源泉とされ、
好きになったら突き進め、フラれたらあっさり諦めて次を探せの時代。

そんな中でも、抱いてはいけない、抱かれてはいけない、
抱いたら永遠に続くはずの友情がなくなってしまう・・・・と。

でも男女間で友情とは存在するのか、
なぜ著者はそれほどまでに向田邦子との友情にこだわり続けるのか、
仕事上の彼女の才能に惚れこむでいるからか。

でも、ドラマの中の台詞のすばらしいこと、
多くを語らず、それでいて余韻ある情景・・・。

少しご紹介しますと・・・。

あの「あ・うん」から、門倉が恋心を隠して親友の家で仙吉の妻たみと交わす会話、
戦争が厳しくなり、門倉の会社が倒産した後の状況。

門倉「素寒貧になっちまったけど、奥さん、いままで通りつきあってもらえますか」
たみ「門倉さん、わたし、うれしいのよ」
門倉「・・・・・・・・・・・」
たみ「門倉さん仕事がお盛んなのはいいけれど、うちのお父さんと開きがありすぎて
わたし、辛かった。口惜しかったもの。これで同じだと思うと・・・・・、うれしい」
門倉「ありがとう」
門倉がたみに注がれた酒を飲む。
これを二階から降りかかって階段の途中で覗いていた娘さと子のナレーション。
さと子の声「もしかしたら、これがラブシーンというのではないでしょうか・・。」


そして、向田邦子は短い台詞の間に巧みに沈黙を挿入すると、

男「キミが好きだ」
女「・・・・・・・・・」
男「他に上手い言葉が見つからない」
女「・・・・・・」



邦子曰く「大切なのは間なのよ。私はそれを寄席で学んだの。」

「文七元結」にでてくる俳句、「闇の夜は吉原ばかり月夜かな」

これをどこで間をとるかで意味が正反対になるじゃない、と。

「闇の夜は」で間をとって「吉原ばかり月夜かな」では、
闇夜でも遊郭だけは賑わっていると、

「闇の夜は吉原ばかり」で間をとって「月夜かな」ってやると、
月夜でも遊郭だけは深く沈んでいると、

どこで間をとるのか、どちらの解釈を選ぶのか、噺家によって違うところが凄いと。
言葉のこだわり派が落語が好きなんて嬉しくなりますな・・・。

この本で紹介されていた、向田邦子さんの「思い出トランプ」と、
娘の向田和子さんの「向田邦子の恋文」は早々に、読んでみようと思う。

「・・・・・・・・・・・・。」


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南天の会~其の三

2013-04-27 23:09:54 | 南天(こごろう)の会

久し振りのお初天神での南天さんの会。
毎回、ネタおろしに挑戦・・・・どんな噺が聴けるのか愉しみ。


懐かしいお初天神さん、高校時代の通学路だったんですよ。


こじんまりと満席の客席。

一、笑福亭松五・・・・・・・・・・・・「牛ほめ」

ぎこちないマクラでスタート。

マクラは普段の言葉で、最近あったこと、最近思うことなどを
なりげなく話し、場を和ますためのものなのに、
落ち着きなく早口で、こちらのほうが内容が聞き取れ難く焦ってしまう。

噺に入ってからは、演出なのか地なのか、松五さんらしい言い回しもあって、
落語ファンの多い客席から、思わぬところで笑いが入る。

入門して10年目、松五さん落語はどこへ向かうのか気になるところですな。


二、桂南天・・・・・・・・・・・・・・・・「書割盗人」

こごろうさんで、最初に聴いたのがこの「書割盗人」。
衝撃的でしたな・・・あの甚兵衛さんの筆タッチの素晴らしいこと、
遠近法に、ハイライト、さすが、大阪芸大の片鱗を披露か。

膝を立て手を伸ばして床の間の上の桟から始まる南天さんの書割。
どんどん書いていく様に、目の前に豪華な部屋ができあがる。

でも、この噺、あるつもりで注文して遊ぶ主人公に、書くのを愉しむ甚兵衛さん、
とったつもりで負けてない盗人、そんなしゃれっ気のある登場人物ばかりで、
遊び心満載の、南天さんぴったりの噺、ほんと騙されたつもり・・・・
で嬉しい一席でおましたな。


三、桂米平・・・・・・・・・・・・・・・・「持参金」

110kgの巨漢の米平さん、積み上げた机がもつのかちょっと不安。
揺らぐというところから地震の小噺を披露・・・。

「ほんに金は天下の回りもんや」・・・・・
アベノミクス、金は天下の回りもんとデフレ脱却で、ミニバブル到来か。

昔、枝雀さんの「高津の富」かで、金は天下の回りもんと言いますが、
でもそのお金のルートは決まっているらしく、ニアバイにいる方は良いですが、
ファラウェイの方はいつまで経っても近づけ無いと、いうのがありましたが、

今回のインフレの恩恵も、一部の方のみミニバブルで、一般庶民が良いめをするのは
いつになるやら・・・・でおますな。


四、桂南天・・・・・・・・・・・・・・・・「鷺とり」

この南天さんの会、毎回ネタオおろしを一席ずつ披露。
今回は「鷺とり」、最初の十階の身の上からスタート。

雀の仕草もたっぷり入れているが、基本は枝雀師匠の形か・・・。
もちろん、間で“仁輪加”も入って愉しい、
一つは枝雀さんの「テン、テン、天満のペンギンさん」でしたが、
もうひとつは南天さんのオリジナルなのか
「ヌタ、と、ホタテで・・・・・・・・」あれえ、意味わからぬままに・・・。

最後は、「一人助かって、四人死んだ」ではなく、枝雀師匠も晩年されていた
トランポリンのごとく、「また戻ってしまった」のサゲ。

まあ、人を助けるのが出家のお役とはいえ、死んでしまうのは
あまりにもと、南天さんらしく、ほのぼの感の残る終わり方ですな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


終演後、落語仲間のⅠ氏と大阪王将へ、

すると南天さんがマクラで後輩と食事してぼやいておられたメニューがそのまま。

唐揚げ付きのエビチリ定食と、ラーメン付の炒飯、ちゃんぽん・・に
追加の唐揚げと海老の天ぷら・・・・・・これやこれ。

でも、その二人の後輩誰か、気になるとこですな・・・。



ミナミ天の会~其の三
2013年4月27日(土)午後7:00開演
露ノ天神社・参集殿

一、笑福亭松五・・・・・・・・・・・・「牛ほめ」
二、桂南天・・・・・・・・・・・・・・・・「書割盗人」
三、桂米平・・・・・・・・・・・・・・・・「持参金」
四、桂南天・・・・・・・・・・・・・・・・「鷺とり」

三味線・・・・・・・・・はやしや香穂




梅新東のアメリカ領事館前の横断歩道の二つのマンホールのところが
私が高校まで住んでいた処、凄い都会っこだっだんです。





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米朝快談~嶽本野ばら

2013-04-25 04:00:53 | 本の少し
米朝快談
クリエーター情報なし
新潮社


「米朝快談」、よく新聞見ていると米朝師匠の記事だと思って
ドキッとすることがあるが、まさにこの本もその類。

貧乏の作家生活はいかなるものか・・・。
そして、伸助、さんま、鶴瓶さんなどの芸についてあれこれ述べているが、
肝心の落語については演目紹介のみ。

たちぎれ線香にはじまり、最後の地獄八景亡者戯まで、15の噺について
米朝師匠の十八番が並べられているが、あくまでCDを聞いての感想で、
生の落語は一切聴いたことがないのだと・・・。

こっれって、あり・・・。
食べたことがない人が書くグルメ本。
行ったことがない人が書く旅行本。
なぜか、落語に関しては、粗筋紹介どまりで、ちょっとがっかり。

気になってミミを折った箇所は一カ所のみ。

落語の会場の大きさについて、名著「落語と私」からの引用で、

落語では、ちょっとした捨てゼリフ、軽い息づかい、ふっとつぶやくように
言ったりするところに、微妙なおかしさがあるのですから、マイクを使わないと
するとやはり広さに限界があります。

「そんなら使えばいいじゃない」と言われたら、まさにその通りでして、
事実、使用してやっていることの方が多いですが、本当は無い方が良いのです。

マイクロホンを通した時、声は音になります。
・・・・・けだし名言ですな。

まあ、落語ファンが読むと・・・何という本。
まずは、買う前には本屋で必ずちょっと立ち読みされることをお奨めいたしあす。



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100回の鶴二さん落語会

2013-04-23 00:01:02 | 笑福亭鶴二


前回の武生の蔵の辻落語会が丁度、鶴二さんと出会って100回目の記念すべき落語会に。

2007年3月17日の田辺寄席での「馬の田楽」が最初の出会い。

その瞬間、すぐさま落語の世界に引き込んでくれました。



好きだった笑福亭の「高津の富」「不動坊」「くしゃみ講釈」「三十石」だけではなく、
「稽古屋」「口入屋」「紙屑屋」などの粋な噺から、「舟弁慶」「宿替え」などの夫婦もん
子供がでてくる「佐々木裁き」「馬の田楽」、酒にまつわる「猫の災難」「替り目」
そして一昨年の「らくだ」といい、すべての噺の登場人物が活き活きと・・・・・。

その後、人間らしい落語そのものの世界へ導いてくれる鶴二さんの落語にどっぷりでおます。

100回の落語会、126の演目の中で、印象に残ったBEST10をご紹介。

(解説は、そのときのものをそのまま転用しています。)


BEST・1・・・「舟弁慶」
名人とは何か~ラクゴがはずむ
2009年8月11日(火)午後6;30開演
天満天神繁昌亭

六、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・「舟弁慶」

鶴二さんの夏ネタ「舟弁慶」。去年より更にまったり感がでて
よろしおましたでぇ。

お松さんも、よう喋るけど、それほど下品ではなく。
上町のおやっさんとこでも、夜のはもちり(確か)、
翌日のなすの浅漬け等、具体的な料理が出てきて、
大阪の夏らしさが、更に増す。

喜六と清八が揃って出掛けるとこも、焼豆腐や鼻水と
油屋ならずとも、私たちも引き込まれる。

しっかりもんの女房と、頼りない夫。
始終、喧嘩しているようで、仲の良い夫婦。

それでないと、河へはまって芝居ごとなどできまへんで。
「青菜」の夫婦といい、落語にでてくる夫婦は温っかくて
仲ようて、よろいいなぁ。

ぐうたら亭主にしっかりもんの奥さん、」
私の理想とする、形でおますな。

名人とは何か。
何度も同じ演目を聴く。
それでいて、飽きない、芸。

まさに、鶴二さんの「舟弁慶」は、私にとっては名人芸でおます。

先日の「高津の富」に続き、鶴二さんのトリネタは
逃したらあきまへんでぇ・・・・。


BEST・2・・・「高津の富」
めざせ・四天王の会・・十八番に挑戦・・
2009年6月16日(火)午後6:30開演
天満天神繁昌亭

五、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・「高津の富」

鶴二さんの「高津の富」・・最高の舞台でしなた。
・・・いつにもまして、笑いと感動が同時におこる。

特に、主人公が、宿屋の亭主に、田舎での金持ぶりを喋るくだり、
言い終った後の「あはぁ・・あはぁ・・あはぁ・・・・・・・・あはぁ」と、
「うぇっ」という亭主の驚きに、今回の「高津の富」集大成をみたり。

パワー全快で、私の好きな「笑福亭の骨太感」に大満足でおます。

お囃子の入った、「紙屑屋」、「稽古屋」、や「口入屋」でみせる
指先まで神経の行届いた、女性ぽい、はんなり感。

喋りだけでみせる「野ざらし」、「延陽伯」、そして「高津の富」の
男くささの骨太感。

まさに、血液型、AB、そのままの両極使いを大いに活かしてますな。
そして、どちらも、超逸品なのが、これまた、にくおますな。

今日の「高津の富」を聴いて、
いづれおとずれるであろう、鶴二さんの「らくだ」が、楽しみですな。

サゲのあと、思わず叫びたくなりました。
(本日の鶴二さんの高津の富)

・・・・・・・・「大当たり」・・・・・・・・。


BEST・3・・・「らくだ」
噺家生活25周年公演~笑福亭鶴二独演会
2011年9月17日(土)17:00開演
国立文楽劇場

六、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・「らくだ」


http://pub.ne.jp/masutake/より転載


25周年の日に合わせての「らくだ」なのか、あえて25年間置いてあったのか
どちらにしても、25年の集大成としての落語を披露。

7月に初めて、ネタおろしをしてから、何度となく高座に掛けながら練り上げてきた「らくだ」
この大舞台で、最高の出来に仕上げるとは、凄い、意志力。
紙屑屋が酔い初め、ヤタケタの熊に絡み初めてからは、最高調。
随所に、六代目を彷彿させ、笑福亭のお家芸、酒の噺が完璧に、鶴二さんのものに。

音曲噺から、酒の噺、滑稽噺と、器用にこなす鶴二さん。
これからの、噺家生活で、更にどの様な鶴二さんの色を加えてくれるのか、愉しみでおますな。
「真摯に芸に励む」一人の芸人さんの晴れの舞台に立ち会えて、
心から、感動、感銘の落語会でおましたな。


BEST・4・・・「馬の田楽」
第418回・田辺寄席
2007年3月17日(土)午後6:10開演
大阪市立阿倍野青年センター

鶴二さんとの初めての出会いの落語会。

四、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・「馬の田楽」

なんて、「馬の田楽」の子供たちの活き活きしていること。
こんなに、楽しく、落語を演じる落語家さんがおられるのだと、感動。
仁鶴さんで育った私の落語好きが、ふつふつと再び沸きあがった瞬間である。

これから、はじまった、鶴二さんの落語とのおつきあい。
その後、4年も5年も続くなんて、私自身も予想していませんでしたな。

「ごまめ~の~いちょかみ」のプログは、2007年12月開始なんですが、
鶴二さんとの記念すべき落語会だけに、思い出しながら、敢てプログさせて頂きました。

そう言えば、このとき一緒に行った、中学生の姪っこの子が、今や東京の大学で学生生活。
時の経つのは、早いですな・・・・・・・(2011年4月)。


BEST・5・・・「紙屑屋」
巴の会
2009年4月5日(日)午後5:30開演
天満天神繁昌亭


三、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「紙屑屋」

出てくるなり、「待ってました」の掛け声。

「紙屑屋」、これも、昨年の独演会の時のネタおろしから、
鶴二さんの十八番(オハコ)の仲間入り。

踊りといい、なんといっても、下座からの本格的な唄の声と
三味の音。・・・本日は林家和女さんと寺西美紀さん。

紙屑屋、上方落語の総合芸術、発揮のネタですな。
鶴二さん・・・・・・・・・・・・・「大当たり」。

本日の紙屑屋、所属の松竹芸能の方で、カメラ2台で収録。
家でも、鶴二さんの芸、堪能できるよう、
早めのDVDの販売、希望致しまっせ。



BEST・6・・・天狗裁き」
イチロウの攻撃・2回戦 「2回の表」
2009年4月16日(木)7:00開演
雀のおやど

三、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・「天狗裁き」

鶴二さん、イチロウの会で、初打席、初ホームランの快挙。
「天狗裁き」ネタおろしを感じさせない、完璧なる一打。

メジャーのイチローは、今日復帰後、いきなり満塁ホームラン。
安打数も、3085本で、張本さんの日本記録に並ぶ。
でも、ユニフォームの背番号が、42.
大事な日なのに、永遠に記録に残るのに、51、残念。

噺は、最高。「友達」、「大家」、「奉行」、「天狗」と各人、
立場上分かったような話をするが、夢の話に興味シンシン。

ほんと、喧嘩の原因は些細なことながら、
その後の態度、対応で、話はややこしくなる。

この噺のおもしろさは、酒無くして、
人間のさががでているところだが

それを、鶴二さん、各人のセリフの違い以上に
しぐさと、そして目線で、見事に演じ分ける。・・・・よう、名人。

チラシには、お楽しみと書いてあったので、先週に続いて
「隣の桜」だったらと危惧していたが(我儘なファンまるだしでおます)
ほんと大当たり、ネタおろし直後の「天狗裁き」に出逢えるとは、幸せ。

でも、鶴二さんの打席に、ハズレ無し。

鶴二さんの、「お楽しみ」は、心から楽しみにして間違いありませんで。



BEST7・・・・「三十石」

第六回・繁昌亭大賞受賞記念落語会
2012年1月24日(火)午後6:30開演
天満天神繁昌亭

六、笑福亭鶴二(大賞)・・・・・・・・・・・・・「三十石」

もう、でてきた時が、8時45分、時間は迫っていたがそこは大賞の会でトリ、
喜六清八が東の旅へ・・・ええ、「七度狐」かと思いきや・・・大津の宿で・・・「三十石」。

安定感たっぷり、明るく輝いて、そして華がある舞台。
乗り込んでくるお女中と八軒家について、「相乗り、ホロ掛け、ほっぺたくっつけ、おけれっつパー」で始まる妄想部分も
急ぐ事もなく、客席の笑いを待ってくれる、そして鶴二さんらしいほのぼの感が漂う。

そして、船頭唄を聞きながら枚方から八軒家への夢の通い路、夕闇の中ゆったりとすすむ船旅が心地好い。


大賞受賞に相応しい、品格のある高座でおましたな。

さすが、繁昌亭大賞、各賞の受賞者の会・・各人、力のこもった高座で充実感と満足感で一杯。
来年も、誰がなろうと是非都合つけて観たいものですな・・・



BEST・8・・・「稽古屋」
第一回・正覚寺寄席
2009年10月4日(日)」午後2;00開演

三、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・「稽古屋」

「稽古屋」は、ここの御住職の奥さんのリクエストとか。
その奥さん、繁昌亭でお茶子もされており、やはりプロ。
座布団を仕替え、小拍子を置換え、名ビラをめくる動作で、
次の出番ヘの空気を、見事に入れ替える。
普段見逃しているお茶子さんの存在だけで、
落語会の格があがる。

鶴二さんの「稽古屋」丁度、一年ぶり。安定感バツグン。
お師匠さんのしぐさ、謡も、自ら愉しんでおられるかのよう。

鶴二さんの噺になってから、中央の小学生の笑い声。
それも、ひき笑いの声が、会場に響きわたる。
鶴二さんも、時折、好ましいという表情を・・・・・。
その笑いは、真に的を得た笑いで、
いつも高笑いのM子さんも形無しの
お客全員の、笑いのリーダー役である。

笑いに負けぬ大きな声の謡が本堂に響き渡り、心地良い。
「トーンツテン、トーンツテン、ツントチーンテンシャン、」

鶴二さんの「稽古屋」は、いつ聴いても、秀逸でおますな。


BEST・9・・・「替り目」
笑福亭で鶴二を祝う会・文化庁芸術祭優秀賞受賞記念
2011年5年11日(水)午後6:30開演
天満天神繁昌亭

五、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・「替り目」


Takeshi Masuda PhotoGraphyより、転載。


入門したての時、「初舞台用意しといたで」「なんかできるやろ」と言われて
一週間で「平林」を覚えて、のぞんだ初高座の想い出を・・・。

噺は「替り目」。・・・・・・・・・黒紋付きだけに、貫禄の高座。
普段、偉そうにいうている男どもでおますが、
「かかぁ、大明神」と心で手を合わせているのは、替り目の主人公だけではありませんな。

時間が、おしていたのか「ああ、おまえ、そこにいたんか」で終わる。
この後の、うどん屋とのしんみりとした「一人酒盛」状態のところが
鶴二さんの更に良いとこだけに、少し残念でおましたが、今回の受賞対象になった演目だけに
更に、夫婦の掛けあいの味が増し、最強の十八番ネタになりましたな。

鶴二さんを称えると云うより、皆が師匠の六代目松鶴を語り、
昔を懐かしみ、笑福亭バンザイの愉しい会でおました。


BEST・10・・・「佐々木裁き」
巴の会
2011年2月27日
天満天神繁昌亭

三、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・「佐々木裁き」

最高に、おもしろい。鶴二さんの「佐々木裁き」

四郎吉、生意気というより周りのおとなが普段喋っていることを悪気もなく喋っている。
それよりも、四郎吉の答えに、一本取られたと苦笑し、はたまた大人気なく憤ったりする
鶴二さんの佐々木信濃守、人柄の良さがでて最高
「座興、座興」と楽しむおおらかさ、ほんま、ええ、人ですな。

来月の、観音寺落語会は「親子茶屋」とか、ネタおろしではないが、
新たなる聴いたことのない噺の登場に嬉しくなりますな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

読み返してみると、恥ずかしくなるぐらいべた誉めですな。

でもこの間に、芸術祭優秀賞は頂くし、繁昌亭大賞も受賞。
どんどん噺家さんとして実力と共に世間様に評価されはじめたことは
嬉しい限りでおます。、

米朝師匠曰く、噺家の旬は50才を過ぎてからだと、
それまであと5年、鶴二さんがどんな噺家さんになられるのか興味あるとこですな。

おまけ
この126の中で一番聴いた噺は・・・。

1・「高津の富」「稽古屋」・・・・・8回
3・「替り目」・・・・・・・・・・・・・・・・7回
4・「らくだ」「・・・・・・・・・・・・・・・6回
5・「不動坊」「舟弁慶」・・・・・・・・5回
7・「猫の災難」「寝床」「野晒し」「遊山船」「紙屑屋」
「七度狐」「米揚げ笊」「竹の水仙」・・・・・4回

逆に1回しか聴いてないのは

「鰻の幇間」はほん最近のネタおろしですが、その他では
「親子茶屋」「隣の桜」「七段目」「眼鏡屋盗人」「動物園」「道具屋」「煮売り屋」
どれもおもしろいのですが、なかなか出会うのは難しいですな・・・。


まずは、100回記念のご報告でおました。


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武生・蔵の辻落語会~笑福亭鶴二

2013-04-20 23:04:54 | 笑福亭鶴二

武生・蔵の辻落語会~笑福亭鶴二


ついに、武生の町に笑福亭鶴二さん登場。
お知り合いの明城さんが主催の落語会が、武生の蔵の辻で開催。
ご自分の立派な建物。


玄関のこの日の為に作られた、提灯と名前の看板。


演者さんと明城ご夫妻とお母さま。


正面には、南光師匠書の「楽」の額が・・・。


それに合わせて創られた、にこやか亭の法被
長めの丈に、七分袖、ヒョウ柄の配色でオシャレ。

大阪から駆けつけられた、いつも仲の良い辻さんご夫婦の後ろ姿。


この日のために、用意された本格的高座、もちろん見台と膝隠しに名ビラ台、
そしておNEWの60席のパイプ椅子、準備万端でございます。


雨模様にかかわらず、80名もの満席の2Fの会場。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

上品で品がありながら、笑いも多く、とっても良い落語会でおました。

一、鶴二、呂好、千華・・・・・・・・・・・「お囃子紹介」

最初に、鶴二さんが出てこられて、まずはお囃子紹介をと、
三味線の千華さんと、太鼓の呂好さんを紹介。

最初に、「一番太鼓」「二番太鼓」・・・・。
出囃子では、「石段」「三下り鞨鼓」そして「野崎」
鳴り物では、効果音として「雨の音」「風の音」「波の音」「雪の音」など
鶴二さん、説明と笑いを入れながら紹介・・・・・

そのあと、一人になって、見台、膝隠し、などの紹介と
手拭いと扇子の使い方として、筆や、割り箸、うどんの食べる仕草から
焼き芋、最期は鼻を噛むところまで、懇切丁寧にご披露を・・・・。

一段と、お客様の笑いがほぐれたところで、「七度狐」に。


二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・「七度狐」


楽しい楽しい、「七度狐」、最後列観ていたが、お客様のよう笑われること。

よくみると、七割が女性客、一度笑いだすと止まらないミセス、
それもミドルミセスからハイミセスになので、笑い声の大きいこと・・・。

後ろで、聴こえる黄色い声に、こちらまで嬉しくなってくる。

ぎっしりと入った会場、笑いの渦が巻いている、
ほんま落語会って、空気ですな、それって一番はお客さんなんですな。

上品で、ナチュラルで、無垢なお客さんばかりで、
エルさんが長年おつきあいされてきた雰囲気がよくわかりますな。

良い噺家さんに、良い上方落語の噺、そして良いお客様が揃って
気持ちの良い笑いが、会場いっぱいに満たしていきました。

「七度狐」の紹介は無しか・・・・・えへへ。


三、笑福亭呂好・・・・・・・・・・・・・・・「近日息子」

呂好さんの十八番「近日息子」。

あとで、聴いたんですが今日は急ぐことなく、
ゆっくりと言葉が明瞭に聞こえるのを意識して噺されたとか。

これもまた、息子のとんちんかんの受け答えに、どっかん。
言い間違いを謝らない男に文句を言い、どっかん。
悔みに行った近所の男の戸惑いに、どっかん。

最後の息子の「近所の人も、知らなすぎます」
「忌み札の片に、近日よりとしております」で、どっかん。

これだけ、笑いが決まると、KOシーンを見ているみたいで
呂好さん、気持ち良かったですな。


四、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・「ハンカチ」


夫婦もの、それも尻に引かれている亭主がでてくる話、女性の方大好き。

新婚さんと、子供でもできた夫婦とは大違い、と。
マクラで、たっぷりの笑いではじまった現代落語の「ハンカチ」。

最後の主人公の亭主が本音を語るところでは、皆さんうるうる。

ハナシ終えると、思わず会場から拍手が、まさに商店街の会場と
この落語の会場が一体化されたのが、よくわかる。

終わった後の満足感。

話し手の鶴二さんしかり、聴き手のお客さんしかり、席亭さんしかり。

ほんま、お帰りになるお客様のにこやかなお顔をみていると、
なんだがこちらまで嬉しくなった、今日の落語会でおました。



武生の町に、落語のたのしさを・・・・次の落語会も予定されているとか。

楽しみですな。


武生・蔵の辻落語会~笑福亭鶴二
2013年4月20日(土)午後7:00開演
武生・ルシックエル2F・にこやか亭


一、鶴二、呂好、千華・・・・・・・・・・・「お囃子紹介」
二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・「七度狐」
仲入り
三、笑福亭呂好・・・・・・・・・・・・・・・「近日息子」
四、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・「ハンカチ」

三味線・・・佐々木千華



半数の方が参加された1Fでの愉しい、打上げ風景。



料理は美味しいお弁当、そして愉しい会話。


愉しい、お顔、その1.


愉しい、お顔、その2.


愉しい、お顔、その3.

愉しい、お顔、その4.


愉しい、お顔、その5.


愉しい、お顔、その6.
そして、おばさま達に大人気のはにかみ王子こと、呂好さん。




ああ、それと今日が鶴二さんとの出会いで6年目、
丁度100回目の記念の落語会となりました。

それも、合わせて後日に、プログに・・・。


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ひなびたごちそう~島田雅彦

2013-04-18 23:42:00 | 本の少し
ひなびたごちそう (ポプラ文庫)
クリエーター情報なし
ポプラ社

☆☆☆

久々の料理に関する本ではヒット。

うん蓄を語っているようで、B級グルメ以下の料理も・・・。

でもすべて、家庭にて実現可能な料理ばかり・・・。

切干大根のオムレツ、野菜の干し物、アタリメの炒め物、
活ダコのカルパッチョ、火鍋、大根の皮のオイスター炒め、
マグロのカツレツ、牡蠣のワンタン包み揚げ、芋煮
蕎麦のペペロンチー二、ごはんだけのビビンバ・・・。

これらが、読みながら作ってみようとページの端を折った料理の数々。

最後のほうで、著者は、

食べ物についてとやかくいうので、人は私をグルメと勘違いするが、
常にうまいものばかりを食べて入るわけではない。むろん旅先では様々なものを
賞味してきたし家庭では料理に工夫を凝らしてきたが、うまいものにありつくためには、
相応の回り道もせねばならず、うまいものと同じ数だけまずいものを食べなければならなかった。

うまいものを食べれば舌は肥えるが、まずいものを食べれば舌が荒む。

しかし、舌は絶対の判断基準を持っているわけではない。
味覚は相対的なもので、比較的うまいとかまずいと判断することしかできない。
従って、時々はまずいものを食べなければ、うまいものの価値がわからなくなる。

すなわち、味覚のうまいまずいは相対的ものであると・・・。
そういう意味では、それぞれの家の料理、すなわち家庭料理は、
奥深く、それでいて微妙に評価し難いもんですな・・・。

身体が欲しているものをつくって食べる・・・基本中の基本を諭す貴重な料理本でおます。



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稲田観音落語会~第20回記念公演~

2013-04-13 21:27:47 | 稲田観音落語会




ぞくぞくと詰め掛けるお客様。


禅寺らしくて天上からは賑やかなお飾りが。
さて、本当は何て言うんでしょうか。

一、笑福亭呂好・・・・・・・・・・・・「動物園」


Takeshi Masuda PhotoGraphyより許可を得て掲載しています。


見台が無いので、敢て見台を使わないネタをと・・・「動物園」。
前座ネタなのに、しっかりとした噺っぷり。

でも、主人公のチョカのところが足りなくて、逆におとなしくて
はじける部分が少なくて、残念。

あの虎の歩き回る動きでは、楽しませてもらったが、
やはり、虎の皮を着る仕草では、もっとたっぷり遊んで欲しいな・・・。

もっともっと笑いを増殖させて欲しいなぁと思った、
死んだ虎の皮算用でおました。



二、笑福亭生寿・・・・・・・・・・・・「千早振る」



いつものごとく、上手にまとめられた生寿さんの「千早振る」。

あの竜田川が相撲取りの名前であるとは、とっさの思いつきのアイデアで
はなしが、考えながらどんどん進んで最後にはつじつま合わせ。

しどろもどろだが、段々自分の考えがまとまっていく物知りのその変化の様を
細やかに知りたいという、贅沢な思いが、噺上手な生寿さんだけに湧いてきましたな。


三、桂春之輔・・・・・・・・・・・・・・「子は鎹」




春之輔師匠の噺はすべて味がある。
またまた、他の演者とはひと味もふたあじも違う「子は鎹」を・・・。

最初夫婦が喧嘩して形見として「げんのう」を貰い、別れるところから始まる。
最後のサゲの予告編のおまけがついたようで、ちょっとお得感が・・・。

間では、寅公とのやりとりのところで、天神祭のくだりがある。
子供の自身の口で、男親のいないくやしさを語らせ、ほろりとさせる。

言葉足らずの父親と控えめな母、親との鰻屋での出会いも
本来であれば、今日の春之輔師師匠のごとく、言葉の出ない
ギクシャクとした途切れ途切れの会話になるのでは・・・と。

言葉少なしは情多し、そんな春之輔師匠の「子は鎹」でおました。


四、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・「鰻の幇間」



6時20分には名古屋に行かなければならない用事があるため、
4時過ぎには、会場を出なければと、・・・・・途中で抜けるかもと、
席を出口付近に移して観る。

噺は東京ネタの「鰻の幇間」、ネタおろしたてで、
今日のゲストの春之輔師匠につけて、いただいとか。

生は初めて、聴いたのはCDも志ん朝さんのみで、そのイメージが強い。

こちらは、会場を出なければと気が焦っているし、
幇間ののらりくらりのじゅうさいな言動と波長が合わず、
残念ながら、笑いのツボにはまらず、消化不良気味で会場をあとにする。

今年の独演会の演目の候補とか、それまでに聴く機会もあると思うので、
こちらの体調いや余裕の時に再度聴いてみたいもんですな・・・。



稲田観音落語会~第20回記念公演~
4月13日(土)午後2時開演
稲田観音禅寺
  
一、笑福亭呂好・・・・・・・・・・・・「動物園」
二、笑福亭生寿・・・・・・・・・・・・「千早振る」
三、桂春之輔・・・・・・・・・・・・・・「子は鎹」
仲入り
四、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・「鰻の幇間」


13-15-66



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あたらしいあたりまえ~松浦弥太郎

2013-04-09 05:05:26 | 本の少し
あたらしいあたりまえ。 暮らしのなかの工夫と発見ノート (PHP文庫)
クリエーター情報なし
PHP研究所



どんどんでてくる、松浦弥太郎さんの本。
ちょっと増産気味で、中身が薄れてきたように。

いつも生き方のちょっとしたヒントがぽつりぽつりと語られているが、
今回は、あたりまえって何。
自分の人生、自分の経験で培われたのが常識で、そのひとのあたりまえ。

毎日の仕事と暮らしを、あたらしくありたいという気持ち。
でも、難しいことは一つもなし、そのものに、興味をもつこと、
自分自身に興味をもつこと、そんな小さなきっかけが大切だと・・・。

解説の高山なおみさんは、通勤電車の行き帰りや、寝る前の布団の中。
トイレの中など、ちょっと読むのにちょうど良い本。

そんな、ちょっとした気休め、ちょっとした向上心、ちょっとした変化。
このちょっとが、松浦弥太郎さんのミソですな・・・。

これからは、松浦弥太郎さんの本といえども、中身を見て買わねばと・・・、
ちょっとマンネリ化傾向の、弥太郎さんの本でおましたな・・・。


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巴の会~鶴二・瓶太・遊喬・文鹿四人会

2013-04-07 22:49:58 | 笑福亭鶴二

「巴の会~鶴二・瓶太・遊喬・文鹿四人会~」



和気藹々の四人の会・・・・・
肩がこらず、それでいてきっちりとした落語が聴ける。

座談会

幕が上がると、四人が勢揃い。
向かって左から、文鹿、瓶太、鶴二、遊喬さんの順に。

今回で、七回目。本来年一回のペースのつもりが昨年とんで、久しぶりの会。

最初、瓶太、鶴二、遊喬の三人で始めた会。その打ちあわせに使った喫茶店が
三者三様で、シャレとは思うが皆違う。

あとから入った、文鹿さんがつんぼ桟敷に置かれて、
そんなことどうでもよろしいや・・・と。

その文鹿さんから自己紹介を。
気の使うことのない、和気藹々の会がスタート。


一、桂ぽんぽ娘・・・・・・・・・・・・・・「桃太郎」

娘さんができて、お母さんになった、ぽんぽ娘さん。
いつもは、メイド漫談が多いが落語で登場。

でも、私はいつも落語ばかりで、メイド漫談は聴いたことがないんですよ・・・。

噺は、「桃太郎」・・・・子供を叱るところでは、ぽんぽ娘さん
恐いお母さんの片鱗を既に発揮。

お子さんが小学校に入り、本当に憎まれ口でも言うようになった時、
ぽんぽ娘の「桃太郎」はどのように変わるのか・・・。

お母さんになったぽんぽ娘さんに、公私とも期待ですな。


二、笑福亭瓶太・・・・・・・・・・・・・・「道具屋」

瓶太さん、「道具屋」今回ネタおろしとか。こんな前座噺が残っていたとは、
さすが瓶太さんらしく、キッチリとまとめられていた。

でも、随所で笑いが少なく感じたのは、
探り探りの状態で、吹っ切れてない分、お客の心の中に、
ちょっとした不安感が禍しているのか・・・。

こなれた時の、瓶太さんの「道具屋」再び聞いてみたいもんですな。


三、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・・・・・「胴切り」

実によろしいな。

胴切りにあいながら、、気楽に歌を唄って足に踊らせたり、
番台に座って楽な仕事に「こんなやったら、何でもっと早う
胴切りに遇わなかったかと思う」と気楽なことを言わせたり、
まさに、悲壮感がなく、前向きに生きる・・・そんな、気楽さが
遊喬さんの、とぼけた味と相乗効果で、最高の噺に・・・・。


四、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・「ハンカチ」

これも、ネタおろし、それも現代落語に、鶴二さん初挑戦。

結論からいうと、さすがの出来、最高におもしろい。

元々2丁拳銃の小堀さんの繁昌亭の台本コンクールの受賞作。
でも、今日の鶴二さんネタおろしの割には、慌てる事もなく
エントリーNOの7番の方から随時でてきた、長柄さん、久志さん、大倉さん
みんな、今日の他のメンバー達の本名・・・ネタおろしなのに余裕ですな。

最後には、どっしりと構え、最後は人情噺と思うぐらい、しっとりと。

こんなんどっかにあるな・・・と、思って聞いていると
ああ、まさに松竹新喜劇ではないか・・・。
笑いがあって、ちょっとお涙頂戴。

丁度、息子がいて夫婦のちょっとした、いざこざ
鶴二さんが演ると、古典口調が多少あるのか、平成ではなく、
昭和の良き時代を彷彿させられる。

でも今も、鶴二さんの等身大の話で、すんなりとけ込むことができましたで。


五、桂文鹿・・・・・・・・・・・・・・・・・・「鍬潟」

相撲取りの噺。いや小さな小さな男のハナシ。

周りのおかみさんや相撲部屋の親方とかの暖かいまなざしに
漫画チックでありながら、ほんわかとする噺。

関取言葉のぶっきら棒さが、文鹿さんもキャラと相まって好演。

関取がでてくる、「花筏」「あか半分」「佐野山」あたりを聴いてみたいもんですな。


「巴の会~鶴二・瓶太・遊喬・文鹿四人会~」
2013年4月7日(日) 午後6:00開演
天満天神繁昌亭

一、桂ぽんぽ娘・・・・・・・・・・・・・・「桃太郎」
二、笑福亭瓶太・・・・・・・・・・・・・・「道具屋」
三、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・・・・・「胴切り」
~中入り~
四、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・「ハンカチ」
五、桂文鹿・・・・・・・・・・・・・・・・・・「鍬潟」


13-



繁昌亭前の、ひろ菜さんでの打上げ風景



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悪女の美食術~福田和也

2013-04-04 23:17:34 | 本の少し
悪女の美食術 (講談社文庫)
クリエーター情報なし
講談社

☆☆

講談社のエッセイ賞受賞作品ということで読み出した本。

悪女の美食術と、女性の為のグルメ本と思いきや、
途中からは、作者である福田和也さんの食へのこだわりが満載。

女性向きの美味しいお店の紹介、ちょっとしたマナーの手ほどき本ではなく、
食べることの大事さ、妥協しない食事。

単にお腹を満たすだけの食事では、人生にとって淋し過ぎる。
読めば読むほど、手軽で美味しいといっている女性陣への挑戦状のような本。

食べる道で、食道。食べることをおろそかにするというのは、
生きることをないがしろにするということ。

食と恋への貪欲と快楽への謙譲が、何よりも肝要だと・・・。

男のこだわりは、こんなもんだと依怙地なぐらい食べることにこだわった本。

普通、食に関する本は読むにつれて、なにがしろ食べたくなるもんですが、
読めば読むほど、食べる前に、おのれの生き方を考えさせられる不思議な本でおます・・・。


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歳々年々、藝同じからず~桂米朝

2013-04-02 05:16:49 | 本の少し
歳々年々、藝同じからず: 米朝よもやま噺
クリエーター情報なし
朝日新聞出版

☆☆

「歳々年々、藝同じからず」と。

芸というものは勝手に変わっていくもんだと、
演者自身が意識せんうちに、またその時々のお客との出会いもあるけれどと。

芸というものを他人に教えるというのは、実に難しいことで、
結局は自分で作っていくしかないものだと。

歌舞伎から狂言、浪曲、講談、漫才まで上方芸能史のごとく
多岐に渡って多くの人が登場するが、まずは落語での紹介されている方といえば、

塩鯛、米平、すずめ、枝雀、米輔、ざこば、米八、千朝、吉朝、南光そして南天。

覚えの早い者もおれば、遅い者も、笛が上手い者、寄席文字が上手い者、
紙芝居落語ができる者、曲独楽で貴重な色物として芸を究めた者。

まあ、ばけるというか、独自の味をだすのが、最終的には芸人さん。
他人とは違う味で勝負なんでしょうな。

そのなかで、東京の寄席は噺家さんの色が違うけど、
上方の方は一つになってしまったような。

澤田隆治さん曰く、そうなったのはあんた、
(米朝さん)の落語の影響が強すぎるからだと・・・。

まあ、上方の噺家も250名以上、芸事だけに
芸風プラス個性、キャラに各々のファンがつきまっせ。

繁昌亭ブーム、落語ブームも次の時代に入りましたな・・・・。


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