ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

ゲゲゲの女房〜武良布枝

2015-04-26 11:11:43 | 本の少し
ゲゲゲの女房
クリエーター情報なし
実業之日本社

☆☆☆☆☆

NHKの朝ドラ「ゲゲゲの女房」の原作。

水木しげるの奥さんの武良布枝さんが、好きな漫画に打ちこむ夫を支え、
おおらかにほがらかに生きていく自伝物語。

本を読んでいくと、夫は水木しげるさんそのままですが、ヒロインの奥様は
テレビでの女優、松下奈緒を彷彿させるぐらい、清らかで、文体そのものが
飾り気がなく、平易な言葉で語られているが、夫を信じる思いは大いに伝わってくる。

最初に食うや食わずの貸本マンガ家だった水木が“講談社児童漫画賞”を受賞した際、
その快挙は「幸運」でも「奇跡」でもなく、ある意味水木のいうとおり「当然の結果」だと・・・。

私は人に自慢できるような力もなく、なんら立派なことをなしとげたこともない
平凡な人間です。ですからこの快挙は、もちろんすべて水木の努力のたまものです。

でも、私は、あの暑い夏の晩に、仕事をする水木の後ろ姿に感動して以来、
彼の仕事を信じ続けてきました。そのことは、私の生涯最大の「誇り」なのです。

仕事に打ちこむ夫がいれば、それを支える妻がいる。

そんな二人にも、仕事が順調満帆にいきかけてから、逆に会話がなくなり、
貧乏時代よりも、寂しく、精神的にも辛い時代だったと・・・。

共に苦労をする、なんて、今の若い方には死語になりつつなるんでは、

どんなご夫婦も縁あって夫婦なった訳で、この本の副題では無いですが、
「人生は・・・・終わりよければ、すべてよし!」とお互い尊敬しながら
伴侶を信じ、暮すことですな・・・・。


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落語手帖~矢野誠一

2015-04-18 22:56:11 | 本の少し
落語手帖
クリエーター情報なし
駸々堂出版

☆☆☆☆

約一カ月前に、東京神保町の古本屋で買った本。

艶消しのハトロン紙に巻かれているのは、それなりの風情がある。

色んな本の合間に読んでいたのだが、じっくり過ぎて今日にてようやく完読。

全部で274の噺が、「梗概」「成立」「鑑賞」「藝談」「能書」に分けて説明されている。
特に興味のあるのが「藝談」・・・・・

その中でも先般亡くなられた米朝師匠の言葉を拾いだすと・・・・・。

「牛の丸薬」、季節感を大切にしたいはなしです。

「親子茶屋」、このハナシに使われる下座噺子の緩急、高低が大変重要でして
はなしの進展につれ、またその場面に応じて変化させねばなりません。

「景清」、ぐっと泣かせるところのあるはなしですが、あまり締め過ぎてもいけず、
変にくすぐってもいけません。笑いも涙もおのずから生じてくるもので
ありたい・・・・と思っています。

「蟇の油」、サゲは「煙草の粉を少々分けて下され」(タバコは血止めになる)
または「袂クソがあったらちょうだいしたい」(これも同じく血止めになるとされた)
・・・・いろいろあったのですが、今ではわかりにくいので、私はあっさりと、
「お立会いのうちに、血どめはないか」としています。

「口入屋」、明治時代の商家の構造をある程度知っていないと、
演るほうもやるにくいし、お聞き下さる方も面白味が薄れるのですが
そこをよく理解して頂くためにも、演者にちょっと配慮が要ります。

「鴻池の犬」、前半は人間の話で、後半はすっかり擬人化された犬の物語ですが、
そこの変化に不自然さがあってはイケません。いささか大層ないい方ですが、
犬に仮託して人生の運不運、有為転変・・・というものを暗示した作品かと
思って演じています。

「瘤弁慶」、この落語サゲ「されば、夜のこぶは見逃せぬ」は、今や説明が要る
ようになりました。夜間、昆布を見たらちょっとつまんで食べる、
「夜の昆布は見逃せん」等といって、よろこぶ、喜ぶ・・・という言葉の洒落に
過ぎませんが、花柳界や水商売では今でもある風習です。

「崇徳院」、瀬を早み岩にせかるる滝川の・・・・の歌を書くのも
扇子、短冊、色紙、いろんなやり方があるのですが、私は後の手掛かりが
何もないほうが良いと思って茶店の料紙に書くことにしたのですが、
これで別に差支えはないようです。

「てれすこ」、元来は「イカの乾したのをスルメといえあすな」・・・これがサゲです。

「抜け雀」、この話は桂文枝に教わりました。大体この「抜け雀」という落語は
桂派のネタで、二代、三代の文枝も得意にしたものでした。
私が教わったのでは、雀は室内を飛びまわるだけで、障子を開けるとバタバタと
絵に納まってしまうのですが、私は東京式に一ぺん戸外へ飛び出すことに
しました。

米朝さんの解説は誰のよりも長く、学術的で、
そして、今、上方で聴いているスタンダードでおます。
その恩恵に与って、ありがたいことでおます。

後ろに索引としてこの本で紹介されてない演目も題だけが書かれていますが
今や、上方落語の定番とも云えるのが沢山あります。

その題だけ列挙すると、「阿弥陀池」「家見舞」「いかけ屋」「池田の猪買い」
「犬の眼」「稲荷車」「馬の田楽」「お玉牛」「帯久」「お文さま」「鶴満寺」「勘定板」
「堪忍袋」「義眼」「京の茶漬」「「肝つぶし」「くしゃみ講釈」「稽古屋」「仔猫」
「米揚げ笊」「「鷺とり」「猿後家」「算段の平兵衛」「七段目」「七度狐」「指南書」
「宗論」「相撲風景」「ぜんざい公社」「高尾」「蛸芝居」「ちしゃ医者」「提灯屋」
「次の御用日」「つる」「手紙無筆」「天神山」「動物園」「豊竹屋」「「猫忠」「軒づけ」
「野崎詣り」「花筏」「鼻ねじ」「反対車」「東の旅」「平林」「べかこ」「堀川」「豆屋」
「桃太郎」「やかんなめ」「夢八」「欲の熊鷹」

上方の地名がでてくるもの、鳴り物が必要なもの、商家を扱ったもの、
浄瑠璃がらみのものなど、東京へ移し難かったんでしょうか・・・・
でもこの本の初版発行が25年前ですから、現在ではもっと変わってるんでしょうな。

まあ、東京落語を聞くには、バイブル的本で傍から離せませんな・・・。



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男の着物人生始めませんか~泉二弘明

2015-04-14 05:09:06 | 本の少し
男の着物人生、始めませんか
クリエーター情報なし
リヨン社

☆☆☆

こちらは、銀座もとじ「男のきもの」店主の泉二弘明さんが
男性の着物初心者に、懇切丁寧に、和の大人の世界へ誘ってくれます。


昨年着物デビューしました私目にとりまして、
この本で書かれていることは、ほぼ聞いたり見たりしたことなのですが、
先にこれを読んどければと思ったことが、一つあり。

それは、ワードロープ五カ年計画を立て購入するということ・・・。

一年目・・夏の着物からはじめよう、で。
小千谷縮の麻の着物と長襦袢のセット

二年目・・着物に着慣れて着流しを楽しむ。
紬(無地)の着物と長襦袢のセット。

三年目・・素敵なレストランでお食事を。
紬(無地)の羽織と小物。

四年目・・セミフォーマルな場に着物で出席。
お召しの着物と羽織、袴のセット。

五年目・・そろそろいい頃・
おしゃれ紬の着物と羽織。

実は、昨年秋、最初に買ったのが、五年目のおしゃれ着物と羽織、それに四年目の袴。
今年の春に普段着用に買ったのが、一年目の麻ではなく木綿の着物。

まさしくバラバラの様なので、これからはこの五カ年計画を見ながら
穴埋めをしなければと思います・・・・・が。

でも、その前に着る機会を増やさなければ・・・・と。



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無銭横町~西村賢太

2015-04-11 06:13:41 | 本の少し
無銭横町
クリエーター情報なし
文藝春秋

☆☆

芥川賞作家である、西村賢太さんの新刊本。

図書館の新しく入ったコーナーで見つけ借りた本。

なんとも、後味の悪い本。

お金にだらしなく、生活にだらしなく、人とのつきあい方にだらしない。

私小説らしく、日々の著者の生活ぶりが窺える。

お金が全てだとは思わないが、生きることに喜びが感じられない
日々の生活を見せられると、こちらまで生気が吸いとられていくような気に。


借りた本なので星☆☆、買っていたら間違いなく星☆。

あれ、本の評価にいつのまにか、金銭面が加味されていますな・・・・反省でおます。


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桂春団治・はなしの世界~豊田善敬編

2015-04-09 01:04:07 | 本の少し
桂春団治 はなしの世界
クリエーター情報なし
東方出版

☆☆☆☆

三代目、春団治さんの本、この前東京の神保町の古書店で買ったもの。

1996年初版の本ですが、今迄見たことが無かった本。
何か出会いを感じるのは、古書店の良さですな。

三代目といいながら、初代、二代目も詳しく語られ、この前亡くなられた米朝師匠
文枝師匠、六代目松鶴師匠も登場し、三代目について祝辞というか、
思い出ばなしや、芸風について述べられている。

帯を見ると、「三代目桂春団治芸能生活50周年記念出版」と
そして、すいせん・古今亭志ん朝と書かれている。

十八番である、十一の噺がすべて速記文で書かれている。
「いかけや」「祝いのし」「お玉牛」「親子茶屋」「子ほめ」「皿屋敷」
「代書屋」「高尾」「月並丁稚」「野崎詣り」「寄合酒」・・・・どれもよろしいな。

これ以外で、我家にあとCDがあるのは
「平林」「有馬小便」「豆屋」「宇治の柴船」「寿限無」だけですな。


芸談で気になったところは、

よく世間では「春団治の落語は何度聞いても同じ完成品である」と
いう意見があるが春団治の落語は毎回条件の違う場所で、
一見同じ落語のように一部の好事家や評論家に思い込ませ、
楽しませるという凄さがあると、条件の変わった分、違った演じ方で
あるのにもかかわらず、同じ落語のように思わせ、楽しませるのが
ほんとの、凄さであると・・・・。

そして、それをなしているのが、春団治の“間”であると、
間には縦の間と横の間があると・・・。
縦の間は言葉の抑揚や人物どうしの距離感などを表わす時に用いる。
横の間は文章で言えば行間。速記本で読むとこの味はわかりにくいが、
春団治落語は、その日の客筋に合わせて間合いを自由に変化させ、
それによって登場人物の息吹や噺のテンポまで変えているのだと・・・。

それでいて、聴き手を納得させる一期一会の芸だと・・・。


春団治さんの十八番の、十一の噺、一度この本の速記を拡げながら、
CDでじっくり聴いてみたくなりましたな。



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酒のさかな~高橋みどり

2015-04-07 05:43:21 | 本の少し
酒のさかな (ちくま文庫)
クリエーター情報なし
筑摩書房

☆☆☆☆

タイトル通り「酒のさかな」の本。

著者の高橋みどりさんが最初につくったメニュ―ではなく、
すべて、通い詰めた船田さんの店で味わった肴の数々。

でも、飲み物はビールではなく、基本はお酒。

魚にしても、鶏でも牛肉にしても、いたってあっさりめで、お酒。

早速、先日の日曜日「きゅうりの塩もみ」と
これは、今迄作ってたきゅうりもみではなく、もっとポリポリとした
歯ざわり感を残したもの・・・・蛸と二杯酢と和えましたが、
本の通り、まぶしておいた塩味だけでも十分いけたようです。

二つ目は「「なすのふくめ煮」
これは、やわらくしようと長めに煮たので、ちょっと辛めに仕上がりましたが、
皮めに細かく切りこみを入れたのですが、このまえ道具屋筋で買った良い包丁の
切れ味のよいこと、きゅうりにしても、茄子にしても、切り口の素晴らしく
みずみずしいこと、凄いです。

弘法、筆を選ばずというのは嘘。

料理するには、それなりの道具が必要でおます。

はる、なつ、あき、ふゆ、と季節ごとに紹介されているので、
今年いっぱいは、この本、まずはキッチンのある一階に置いたままですな。



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桜寄席〜文昇ひとり会

2015-04-04 20:08:25 | 落語

会場の岸和田市立女性センター


桜寄席に相応しい、センター前の桜。


こじんまりとした会場に30名もの、大入り満員。

ほんとは、狭山の鉄瓶さんの会か、岸和田の文昇さんの会か
どちらにしようか悩んだ挙句、近いこちらの会に寄せて頂きました。

確か、前回お伺いした時は、2階の大きな会場だったんですが、
今回は、1階のこじんまりした会場。

婦人会館だけに、前の方は女性の方ばかり、
開演前の後から入ってくる方は皆さんにまずは挨拶、
椅子に座るなりお喋り、大声でしゃべる、しゃべる。

でも、一番太鼓のテープが流れると、一気に静かに
皆さんほんと、落語会のマナー心得ておられますな。


一、桂文昇・・・・・・・・・・「運廻し」

マクラは、まずはこの前の米朝師匠のご葬儀のご様子から
そして二ヶ月前の東京の、東大医科学研究所付属病院での落語会のはなし。
なんと、そこの外科のお医者さんが、岸和田高校の文昇さんの同窓生。
東大の教授、目指して奮闘中とか・・・・。

噺は、「田楽喰い」の「運廻し」。

気楽に楽しめた、文昇さんの落語。
この様な、軽い噺、軽妙さというか、味がありましたな。


二、萬屋とん勝・・・・・・「代書屋」

素人さんの落語。

名前から、想像すると、本職は「とんかつ屋」さんか。

演目は「代書屋」、枝雀さんの形。

時々、台詞が出てこなくて、それが絶妙の味に。

でも「生年月日を」と「ぽーんです」では爆笑。
言葉の持っている力って凄いと、つくづく感心。

喋りと言い、訛りと良い、とんかつ同様、良い味出てましたで。


三、桂文昇・・・・・・・・・・「代脈」

この、医者の下男の周達の軽妙さが、文昇さんと相まって好演。

喜六が主役の「向う付け」とか「祝いのし」に「崇徳院」「宿替え」なんぞ、
聴いてみたいですな。

次は、こちらでの落語会はいつなんでしょうか。

やはり、近くの落語会は、お気軽でよろしいな。


strong>「桜寄席〜文昇ひとり会〜」
2015年4月4日(土)午後1時半
岸和田市立女性センター

一、桂文昇・・・・・・・・・・「運廻し」
二、萬屋とん勝・・・・・・「代書屋」
仲入り
三、桂文昇・・・・・・・・・・「代脈」


「第7回・文昇さん、独演会」の凝ったチラシですな。

大阪夏の陣から400年、何か落語で因んだものはと考えて、
難波戦記が語られる「くしゃみ講釈」を独演会で、・・・
その、イメージのチラシらしいですが、
文昇さん、いつの時の顔、・・・・・・・若すぎまっせ。


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