ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

考えの整頓~佐藤雅彦

2017-08-31 03:04:05 | 本の少し
考えの整頓
クリエーター情報なし
暮しの手帖社

☆☆☆☆

四つ星ながら、読み終えるのに時間が掛かった本。

暮らしの手帖に、2007年1月から2011年5月まで連載された
「考えの整とん」に加筆されたもの。

物事の気になる、引っ掛かるものごとにゆっくりと核心にせまる。
走っていくのではなく、散歩しながら、ゆらゆらと考える。

そんな、究極の贅沢な様な本です。

最後に読んだ「一敗は三人になりました」では、情報についての考察を。

すごく気になるところがあるので長文ですが、そのまま写すと

「人と人とのコミュニケーションにおいて、伝える内容は、簡単で分かりやす
い方がいいかというと、あながちそうとも言えないのではないかと私は思って
いる。もちろん、ひとりよがりの小難しいだけの文章ではコミュニケーション
が取れないのは当然であるが、最近の何でも分かりやすく伝える、教えること
を良しとする傾向は、人間に本来備わっている「推測する力」、「想像する力」、
「創造する力」を考慮に入れない方向性で、それが却って教育や放送文化などを
貧相なものにしているのではないかと案じている。
私たちが生きていく過程で必要なのは、すぐに分かりやすい形に加工されて
いる情報を摂取し、頭を太らすことでなく、情報という形になっていない情報
を、どのくらい自分の力で噛み砕き、吸収していくかということなのである。
それは、うまく世の中を渡れる知識を手っ取り早く獲得することとは一線を画し
いかに自分が人間として、生き生きした時間を開拓するかということにつながって
いるのである。」

今、短歌をかじり初めていますが、たった31文字の中で表せることは限られて
いますが、その奥に秘められた思いが滲みでるような、そして読み手に想像の余地を
残すなんて、まさに、この佐藤雅彦さんが云おうとしていることと同じ。

多くの情報の中から、取捨選択。

日常の生活において何事にも、
自分の力で噛み砕き、吸収していくのか、大切なことですな。、

まさに、「考えの整頓」のヒントを与えてくれる本でおます。


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短歌ください・その二~穂村弘

2017-08-29 05:05:05 | 本の少し
短歌ください そのニ (ダ・ヴィンチブックス)
クリエーター情報なし
KADOKAWA/メディアファクトリー

☆☆☆☆

この本は、「ダ・ヴィンチ」に2010年11月号から2013年4月号まで掲載された
「短歌ください」をまとめたものの第二弾。

読者の投稿による短歌に、穂村弘が選び、多少の選評を加えたもの。
投稿作品でありながら、あまりの、読者の切り口の斬新さに驚く。

最近、短歌をつくりはじめただけに、凄さはヒシヒシと感じる。

第一弾と同じように、歌を読み、穂村さんの選評を読み、最後に作者の性別と年齢を見る。
改めて、若く、それも女性の多さに驚く。

納得する時もあれば、えぇと想像していた人物との差異に、もう一度読み直すこともたびたび。
短歌の中に、含まれる情景、心情、を想像摺るのは、落語の世界に相通じるものがある。

気に入ったというか、解りやすかった、作品を紹介。(あえて、作者、性別、年齢も列挙)

[数字]
顔文字の収録数は150どれもわたしのしない顔(一戸詩帆・女・25歳)
[エロ]
一度でも全部に触っていたいから下から上まで鍵盤を押す(たかだま・女・21歳)
[距離]
当事者にはなれないことを受け止める 空のシャンプー連打する朝(おりゅう・女・30歳)
なにをしてもいいと言われてきたけれどすべてがわたしから遠ざかる(虫武一俊・男・30歳)
[声]
ひとつだけ残った餃子しまうとき何で僕なの?と声が聞こえた(ゴ二クロイ・女・31歳)
[遊び]
遊園地来たけれど上手に遊べない私どこかが壊れてますか(えむ・女・21歳)
[仕事]
三十歳職歴なしと告げたとき面接官のはるかな吐息(虫武一俊・男・30歳)
「目的地周辺です」と言ったきり君はどこかにいってしまった(一・男・23歳)
[幸福]
柔らかい笑顔するのね下半身は暴力的に動いてるのに(チヲ・女・28歳)
[風呂]
男って女より先に死ぬものね 綺麗になったのに眠ってる(川上渚・女・23歳)
[旅]
読みかたのわからぬ名前のバス停で死んだ犬など思い出してる(いとうひでのり・男・51歳)

[自由]
青入れて赤赤赤の均整を壊してみせた自転車置き場(りっこ・女・24歳)
どこにでも行ける気がした真夜中のサービスエリアの空気を吸えば(木下ルミナ侑介・男・25歳)
ぐちゃぐちゃにカレーをまぜて食う彼とカーセックスを二回しました(モンキー高谷・女・29歳)
舌に舌で文字書くように愛してよ毛布吹雪基地躊躇夜(こゆり・女・26歳)
俺なんかどこが良いのと聞く君はわたしのどこが駄目なんだろう(泡凪伊良佳・女・16歳)
焼き肉屋白いちいさな飴ちゃんの服をぬがせる君は可愛い(伊藤ハムスター・女・24歳)
行ったのか待てば来るのかバス停で本当のことはわからずにいる(高橋徹平・男・34歳)
来年もよろしくと言ったあの人は知らないうちにオムレツの彼方(エイシャ・女・22歳)
大仏は俯きながら思案する(鶯餅か天麩羅蕎麦か)(九螺ささら・女・42歳)
きみのその深爪し過ぎた薬指にトンガリコーンを嵌めていいですか(はるの・女・24歳)
寄せ鍋の湯気で湿った前髪を気にして触る君世界一(森響子・女・28歳)
唐揚げの下のレタスを食べてみる駅のひだまり冷えた膝裏(レイ・女・22歳)
君よりも少しだけ長いお祈りで、君はわたしよりしあわせになる(いさご・女・23歳)
飲みながらおしっこしたらそれはもう管よ私は一本の管(木下龍也・男・24歳)
あと2秒後にキスをするカップルを見つけてしまう雑踏の中(岸田弥也・女)
好きだって言わなくたってセックスはできるものだというお告げあり(鈴木晴香・女・30歳)
ああむこう側にいるかのこの蠅はこちら側なら殺せるのにな(木下龍也・男・24歳)
「あ―どこかにおっぱい落ちてないかな」言う友達よそれは事件だ(枢木くるる・男・26歳)
一人閉じ それを見てまた一人閉じ 最初に傘を閉じたのは誰(中山雪・女・25歳)

今回は、自由題の作品からが、なぜか多くなりました・・・・。


前回の第一弾を読んだ後には、今月号の「ダ・ヴィンチ」を買って、
最新の「短歌」を読まなければ、そして一度投稿してみようと言っていましたが、

今回は、短歌づくりもはじめていることだし、今年中に必ず投稿したいもんですな。



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呂好一人勉強会

2017-08-28 08:52:56 | 笑福亭呂好
船場センタービルにある「船場寄席」

本日のネタおろしは「ちりとてちん」

呂好さんを応援するファンの方々

詳細は・・後日。


一、笑福亭呂好・・・・・・「牛ほめ」

昔、演ったものの中で蔵出しというか、
最近演ってないものをしようと思っていますと・・・・・・。

でも、この「牛ほめ」、この頃一番聴く噺でおますが・・・。

最後の牛ほめまでいくのですが、娘を牛と間違えて泣かすとこや
山水の掛け軸、棗形の手水鉢などはいつも割愛、結構おもしろいとこなんですが
20分の尺に納めるよう省かれてるんでしょうか・・・淋しおます。

でも、いつ聴いても安定感のある、呂好さんの「牛ほめ」でおました。

そういえば、昔は「池田の牛ほめ」というてましたな。


二、笑福亭呂好・・・・・・「三人上戸」

笑い上戸に、泣き上戸、怒り上戸の、三人上戸。

うどん屋や首提灯(上燗屋)につながる、酔っ払いの噺。
酒好きの呂好さんにもってこいの噺ですが・・・・。

くだを巻くのも、絡むのも、怒るのも、すべて遠慮がち、
爆発した時にどんな感じになるのか、見てみたい気がしますな。

でも、酒飲みの噺もよろしおます、呂好さんの「三人上戸」でおました。


三、笑福亭呂好・・・・・・「ちりとてちん」

ネタおろし、この噺って難しいんですね、と実感。

吉弥さんで聴くことが多いのですが、おべんちゃらの喜いさんと、
けなしてばかりいる竹との、このメリハリがこの噺のキモでおますか。

この、手探り状態なのは、やはりネタおろしのせいですか。

でも、竹はん、「ちりとてちん」一度食べたあと、もう一度口に入れるとは
勇気のある男ですな。

茶碗蒸しを食べたり、「元祖」「本家」など、クスグリをすべて排除した形。
ますます、今後磨きがかかってくるんでしょうな、期待の一席でおました。


四、笑福亭呂好・・・・・・「長短」

最後に、ご自分も不完全燃焼だったのか、もう一席よろしいでしょうか。
とお断りを入れて、これは次回ゲストで出ていただく鶴志師匠につけて頂いた
「長短」を・・・・。

気の短い方の恐ろしいぐらいの大きな声、まさに鶴志師匠が乗り移った様な迫力。

これぐらいの、デフォルメされた方が、芸としては活きるんでしょうな。

この「長短」は、呂好さんの十八番(オハコ)、間違いなしでおます。

呂好一人勉強会
2017年8月28日(月)午後7:00開演
船場寄席

一、笑福亭呂好・・・・・・「牛ほめ」
二、笑福亭呂好・・・・・・「三人上戸」

三、笑福亭呂好・・・・・・「ちりとてちん」
 四、笑福亭呂好・・・・・・「長短」


次回は、10月30日(月)午後7:00開演
堺筋本町・船場寄席

 ゲスト・笑福亭鶴志
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父と私~田中眞紀子

2017-08-26 05:43:21 | 本の少し
父と私 (B&Tブックス)
クリエーター情報なし
日刊工業新聞社

☆☆☆

今、田中角栄の本が注目されているが、
田中眞紀子さんが娘の立場から、田中角栄を政治家そして父として述べた本である。、

母親からは、「マコちゃん(眞紀子)が男であったら・・・・・」と常々言われ
この言葉は、父である角栄氏の心の叫びでもあると思える。

また、タコができるほど眞紀子さんに言い聞かせていた言葉に、
「感謝の心を忘れるな」
「時を大切にせよ」
「明朗闊達であれ」

そして、国民の為に政治家として何をすべきなもか、

特に外交は何をすべきなのか、あくまで理と熱をもった人物同士が
筋の通った白熱の議論を冷静に戦わせない限り進展はありえない。
曖昧な理想主義やいい加減な思いつきでは道は拓けないことは証明された。

この、難しい外交の時代に角栄さんが現役で国をひっぱっていかれたら、
さて、どんな形で近隣の国と接しているのか、興味あるところである。

政治が混沌としているが故に、
待望論として今、再び角栄さんが注目されてるんですな。

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志の輔の背丈~立川志の輔

2017-08-24 05:06:07 | 本の少し
志の輔の背丈
クリエーター情報なし
毎日新聞出版

☆☆☆

志の輔さんが、毎日新聞の東京版に連載されていたコラムから選ばれたもの。

基本は、あちらこちらでの公演の記録。

それにしても、寄席での出番が立川流は無かったので、
自分たちで、銭湯、蕎麦屋、居酒屋、ライブハウス、小劇場、そして渋谷パルコなど
色んな処で落語をし、どんどん客層を広げ、落語の形も会場に合わせて変えていき。

それなりの落語会の形をつくられたみたいです。

このまえの談慶さんではないが、一期一会ではないが、いかに落語会での
お客さまを大事にし、即ファンにして、各地での次回の落語会につなげる
その、サービス精神、開拓精神たるもの凄いです。

これって、立川流の伝統なんですね。

先日の本「やさしい落語」の聴くべき噺家さん30名の中で聞き逃している
噺家さんの一人・・・・志の輔さん。

東京ではチケットは取れないし、大阪での公演は無さそうだし、
出会いには、まだまだかかりそうですね・・・・・。
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やさしい落語~監修・柳家花緑、漫画・柚木原なり

2017-08-22 04:22:22 | 本の少し
マンガで教養 やさしい落語
クリエーター情報なし
朝日新聞出版

☆☆☆

初めて聴く方への落語入門の本、柳家花緑さんが監修。

漫画で、上手にまとめられているので、読みやすく、
落語大好きの私にとっては、おさらいのつもりで読み進む。

東京が主体なので、定番と言われた中でもちょいと制覇できてないものも、

定番落語演目紹介45で、聴けてない噺が、
「刀屋(おせつ徳三郎)」「二階ぞめき」の二つ。

そして、今、面白い落語家30で、聴けてない方が、
「林家木久扇」「春風亭小朝」「五街道雲助」「春風亭一朝」「林家たい平」
「春風亭小柳枝」「三遊亭小遊三」「瀧川鯉昇」「春風昇太」「立川志の輔」さんの10名の方

多少、落語芸術協会の方との出会いが少ないようで・・・・。

この方達との出会いを求めて、小屋を選ばなければでおますな。
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夕陽丘寄席~10周年記念スペシャルin繁昌亭

2017-08-20 21:35:32 | 夕陽丘寄席

夕陽丘寄席~10周年記念スペシャルin繁昌亭


今日は、夕陽丘寄席の10周年記念スペッシャルが繁昌亭で、
スペッシャルゲストに福矢さんのお師匠さん、福団治さんが・・・・・。

幕が開くと、三人揃ってのご挨拶。
夕陽丘寄席、10周年記念で繁昌亭で、最初の会はお客様が10にも満たず
余りにも少なく、第1回目とせず、ゼロ回として回数に数えなかった幻の
落語会からスタート。

なんとなく、気負わずダラダラとやってきたのが、長続きした理由かもと・・・。
三人三様の味のあるご三人。
まとまりのあるような無いような、適度な個性のバラツキが
会自体の味になってますな。



一、笑福亭呂好・・・・・・・・・・・・・「牛ほめ」

この頃よく聞く、ご自分の酒癖の悪さから、師匠の家で
お酒をよばれて、へべれけに酔ってしくじった、マクラからスタート。

噺は今や得意の「牛ほめ」、時間の関係で適度に抜きながらも、
きちっと、「天角地眼一黒鹿頭耳小歯違う」の牛ほめまで・・・。

安定感といい、伸縮自由といい、すべて良しの呂好さんの「牛ほめ」でおました。


二、桂福矢・・・・・・・・・・・・・・・・・「笠碁」

鶴志さんとの仲と云いますか、「ああ、御無体な」という関係を暴露。
でも、愛情に満ちた仲なんですな・・・・・・。

噺はその鶴志さんにつけてもらった「笠碁」。
幼なじみで碁敵仲間・・・今や二人ともご大家の旦那さんですが、
遊んでいる時は子供みたいな二人、好きなのに強情をはって喧嘩を。

でも、幾つ何歳になっても、遊び友達は大事にせんとあきまへんな。

今や、十八番と呼べる福矢さんの「笠碁」でおました。


三、桂福団治・・・・・・・・・・・・・・・「藪入り」

これも、十八番中の十八番「藪入り」(冬なら「蜆売り」なんでしょうが)。

ええ、噺ですな・・・親の子を思う気持ち、奉公に出て初めて帰って来る日。
父親と母親の、一言一言が身に染みる・・・年がいって初めてわかる
子を思う気持ち・・・・・。

風呂に亀吉が行っている内に、紙入れの大金を見つけてのくだりはなし。

途中で終わったのだが、この噺の、子を思う気持ちは充分に伝わりましたな。

名作中の名作、福団治さんの「藪入り」でおました。


四、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・・・・「首提灯」

亡くなられた師匠松喬さんの想い出を・・・
これも師匠の十八番だった「首提灯」を。

「これは~、なに」の声が、懐かしい。
あと二割増しくどくすると、師匠にぴったり。

でも「住吉駕籠」「高津の富」「首提灯」と師匠の十八番、
一番忠実に継承しているのは、遊喬さんでおますな。


五、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・「口入屋」
鶴二さんの十八番「三屋」と「稽古屋」「口入屋」「紙屑屋」と
勝手によんでるんですが。
どれを聴いても、よろしおますな・・・・。

この噺、番頭の「ドガチャガ、ドガチャガ」、あのおなごしの「立て弁」、
夜中の暗闇の中での大騒動・・・・どこをとっても、楽しさたっぷり。

ですが、やはり鶴二さんの「口入屋」が、一番でおますな。


夕陽丘寄席~10周年記念スペッシャルin繁昌亭
2017年8月20日(日)午後6:00開演
天満天神繁昌亭

一、笑福亭呂好・・・・・・・・・・・・・「牛ほめ」
二、桂福矢・・・・・・・・・・・・・・・・・「笠碁」
三、桂福団治・・・・・・・・・・・・・・・「藪入り」
仲入り
四、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・・・・「首提灯」
五、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・「口入屋」
三味線・・・・・・入谷和女


次回の、31回夕陽丘寄席は、大江会館に戻って、
11月16日(木)午後7時開演でおます。
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サイレンと犀~岡野大嗣

2017-08-18 05:05:05 | 本の少し
サイレンと犀 (新鋭短歌シリーズ16)
クリエーター情報なし
書肆侃侃房

☆☆☆☆、

知らなかったのですが、今、若い人たちの間で、短歌が詠まれている。
同人誌、学生短歌、Twitterまで現代短歌の場は、爆発的に広がっている。

これは、あの、新鋭短歌シリーズの第16冊め、岡野大嗣さんの「サイレンと犀」という本。

まだ、作者や作品について、どうこう言える様な知識も持ちあわせていないので、

例のごとく、気にいった、短歌のみ、覚書きとしてあげておきます。


散髪の帰りの道で会う風が風のなかではいちばん好きだ

ともだちはみんな雑巾ぼくだけが父の肌着で窓を拭いている

ハムレタスサンドは床に落ちパンとレタスとハムとパンに分かれた

地下街は地下道になるいつしかにBGMが消えたあたりで

そうだとは知らずに乗った地下鉄が外へ出てゆく瞬間がすき

ねるまえに奥歯の奥で今朝食べたうどんの七味息ふきかえす

空席の目立つ車内の隅っこでひとり何かを呟いている青年が背負って
いるものは手作りのナップサックでそれはわたしの母が作った

助手席の無言は続きウィンカーに指を何度も伸ばしてしまう

会いたいなぁ 高架の下の自販機で買ったココアがまだあったかい

限りなく豆腐に近い脳みそに醤油をかけたような憂鬱

ユニクロの部屋着のままでユニクロへよそいきのユニクロを買う


次は、どなたの歌集を手にするのか・・・・・・私自身、興味ありますな。



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猿会でござる・其の五~鶴二、紫、治門、呂好

2017-08-17 22:32:42 | 笑福亭鶴二

猿会でござる・其の五~鶴二、紫、治門、呂好


船場寄席



良かったですな。

じっくりと落語を堪能。

一、笑福亭鶴二・・・・・・・・・「包丁間男」

今度の独演会にもかかる「包丁間男」。

これは鶴二さんが、文珍師匠につけて頂いた噺とか。

元々、東京からの噺みたいで、アホの寅こうも底抜けのアホでもなし。
途中の唄でも、小粋さが残っている。

でも、鶴二さん、間の「八重一重]…、山もおぼろに薄化粧、娘盛りはよい桜花、
嵐に散りてネェ主さんに、逢うてなま中跡くやむ・・・・・」
唄いながら口説きますが酔うてる割には、上手すぎますな・・・・
でも、ええ、声で、独演会では拍手起こりそうですな。

本番の独演会での「包丁」、楽しみでおます。


二、露の紫・・・・・・・・・・・・・「船弁慶」

雀のお松、雷のお松っあんが帰ってきて長屋の嫁はん連中に立て弁で喋るところ
まさに、紫さんの独壇場・・・・見せ場ですな。

女性が喋る立て弁といえば、来週ある「口入屋」でのおなごしの台詞ですか。

女性の台詞が多少多いのは「悋気の独楽」に「子は鎹」など、
ほんま、落語って、男性用につくられてますな。

紫さん「子は鎹」されるんでしょうか、是非、それも父親が引き取ったパージョン
の方で、聴きたいですな・・・・・・・・。


三、桂治門・・・・・・・・・・・・・「竹の水仙」

これは、鶴二さんがつけたそうで、なかなかの出来。

こうして、9年目の噺家さんが、そこそこの噺をこなされる。
凄いですな、若手の成長ぶり、治門さんも正攻法でじっくり落語を語るタイプ。
浮ついた処もなく、安心して聴ける、よろしおますな。

匠シリーズでは次は「ねずみ」でおますか。


四、笑福亭呂好・・・・・・・・・「稽古屋」

若手では、一番贔屓の、呂好さん、今回はこれも鶴二さんからの「稽古屋」。

サゲはもちろん「色は指南の他でおます」ではなく、地唄の「すり鉢」の唄本を
渡され、持って帰ってお稽古を、「高いとこで」を勘違いして、屋根に登って声をだす。

「煙が立つ、海山越えて・・・・」のこのバージョン、よろしいな、
良いも悪いも、色んな形、引き継いでもらいたいもんですな。

若手のますますの活躍、一挙に見れる、「猿会でござる」、
次回もお楽しみに・・・・・。




猿会でござる・其の五~鶴二、紫、治門、呂好
2017年8月17日(木)19:00開演
ジョイ船場多目的ホール

一、笑福亭鶴二・・・・・・・・・「包丁間男」
二、露の紫・・・・・・・・・・・・・「船弁慶」
仲入り
三、桂治門・・・・・・・・・・・・・「竹の水仙」
四、笑福亭呂好・・・・・・・・・「稽古屋」
三味線・・・・・・・・・・佐々木千華



近くの居酒屋での、打上げ風景。

ああ、三味線は、大好きな千華さんでおました。
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食器と食パンとペン~安福望

2017-08-15 05:05:05 | 本の少し
食器と食パンとペン わたしの好きな短歌
クリエーター情報なし
キノブックス

☆☆☆

嫁さんが娘と行った韓国で買ってきたのが和紙に印刷された刺繍風の絵。
それを額に入れて欲しいというので、画材屋KAWACHIへ。

昔は、心斎橋に在ったんですが、天王寺ではHOOPの6階に。
その同じフロアにあったのがSTANDARD BOOKSTORE


雑貨も愉しいのがあるんですが、本がセレクト風に並んでいて好きな構成。
詩集、短歌のコーナーで、あれこれ眺めながら、他の本屋にある文庫本は避けながら
三冊購入・・・5000円もして思わずの出費でおました。

「短歌ください・その二」(穂村弘)、「サイレンと犀」(岡野大継)、
そしてこの本「食器と食パンとペン」(安福望」

見開きの右に一首、そして左に挿絵が、大人の絵本のよう。

92人の歌人で、一人一首で92首の短歌を紹介。

安福さんは、本業はイラストレーターで、本の挿画も多く、
ご自分がお気に入りをご紹介・・・・。

でも、赤い糸というか、読みつづけていると、先月から「暇活」でお世話になっている
牛隆佑さんの短歌が、掲載されているではありませんか・・・・嬉しいな。


牛隆佑さんの短歌をご紹介すると、(P146)
地球には風ってものがありたまに誰かの初夏を伝えたりする

しばらく、落語に短歌、そしてゴルフに読書と忙しおます。






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御菓子司・河藤

2017-08-12 21:56:52 | グルメ・スイーツ

御菓子司・河藤

今日は、墓参り、御供えも兼ねて、姉貴よりリクエストのあった
夕陽丘の「御菓子司・河藤」さんへ・・・。




色々な干菓子
それぞれについてある一律でない値段にも、
良心があらわれる。


ご夫婦で切り盛りされているが、
接客に仲の良さがほのかに漂う。


自宅用に持ちかえった、
“割氷(わりごおり)”、“通(つう)”、“州浜(すはま)”と干菓子のセット。

お茶との相性、抜群・・・・ご先祖さんに御供えのあと、いただきました。

日本の、和の文化、大切にしたいですな。



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三十一文字のパレット~俵万智

2017-08-11 05:43:21 | 本の少し
三十一文字のパレット〈3〉花咲くうた
クリエーター情報なし
中央公論新社

☆☆☆

俵万智さんが、「中央公論」に一つのテーマに基づいて、
毎月三首ほどの現代短歌を紹介されていたものをまとめた。

先月から、短歌に興味をもっているのですが・・・。

この本を読んでいて、好きな短歌の作者を書き留めました。

これからは、この人たちの短歌集でも読んでみようと・・・・。

刈谷君代さん、菊池正子さん、久松洋一さん、谷岡亜紀さん、武下奈々子さん、
馬場あき子さん、松岡裕子さん、影山一男さん、・・・・・・・


特に、直ぐにでも読んでみたいのが、
久松洋一さんの「ビジネス・ダイアリー」ですか・・・・。

「男親の歌」として取り上げられている中の一首を、紹介すると

我が家に電話かければ幼な子が 出てきて何だお父さんかという

何だお父さんはないだろうと、思いながら・・・・、
まだ子供たちが小さい時、私が家に居って、嫁さんが買い物にでも行っていたら、
帰って来た子供たちの第一声は、いつも「お母さんは?」でしたな。

そんな、心情につながる短歌で共感でおます。

共感できる、短歌をまずは沢山読んでみようと・・・・思っております。
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「暇活」短歌がつくれたら~(2017.08.10)

2017-08-10 22:22:22 | 短歌

「暇活」短歌がつくれたら~(2017.08.10)

先月からお世話になって、結構短歌に関係するイベントに参加したり、
短歌の本を積極的に読んだり、帰りの電車の中で短歌をつくったり、
今日のこの日を、正直、待ちどおしく思っておりました。

さて、二回目の本日、どうなりまするか・・・・。

今日は、若い女性が三人、私も含めて年の取った男性が二名、
進行係の女性と牛先生の計六名での短歌作り。

例によって、お題の書いたおみくじの様なものを引いてそれに基づいた短歌を。
生徒の三名は、三つも引いてそれを短歌に、三題噺。

私以外は短歌歴も古いようで、皆さん凄い、
短歌の出来ばえはセミプロと小学生との雲梯の差。

あまりの違いに、恥ずかしいこと限りなし。

でも、暫くは皆さんの短歌のできる過程を見ているだけで
楽しいので謙虚に通い続けようと・・・・。

それで、今回私が引いたのが「豚」と「かたつむり」。

食材としか浮かばなかったのですが、
あの、ざこばさんが鶴瓶さんと一緒にやっていた三題噺をつくる番組で
最後は作れなくて、泣いてしまったのを思い出しました・・・ああ、冷や汗。

作ったのは、

エスカルゴ家を背負って露草の下で逢引きしやぶ肉の豚

まだ、初めて25日といえども、はずかっしい限りでおます。



気分を替えて、このコワーキングスペース おーらい 「往来」の紹介。


そして、これは手作りばかりを集めた、空堀でいちばん小さいお店で
売っていた“お猪口”・・・・・
今年のお酒大好きの嫁さんへの誕生日プレゼントとしました。

来月は、展示会中で参加は無理でおますな・・・・・・。


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八月のフルート奏者~笹井弘之

2017-08-08 05:05:05 | 本の少し
八月のフルート奏者 (新鋭短歌シリーズ4)
クリエーター情報なし
書肆侃侃房

☆☆☆

続けさまに、また短歌集。

この前お伺いした、虫武一俊さんの「羽虫群」の批評会で、
隣に座られた東京から来られたお嬢さんに、本の後ろにあった
新鋭短歌シリーズのお知らせの中で、お奨めの作家さんはと尋ねると
お教え頂いたのが、この笹井宏之さんのこの本。

穂村さん以外の歌集としては、二冊目か。

歌集を見て思ったのは、その人となりが自叙伝のごとく語られていることです。

小説のフィクションと違って、短歌ってノンフィクションの世界。
歌人自身の私生活までが、あからさまになるんですね。

インターネットを中心に幅広く若者に愛された笹井さんの作品。


またしても、・・・・・ごまめが気にとめた歌を。

君が差すオレンジ色の傘を伝うたった一粒の雨になりたし

気兼ねなく好きだと言えるその人の手は僕よりも少し冷たく

他愛無い質問「好きな色は何?」答える「今日は水色でした」

味付きの海苔が好きとか嫌いとかそんな話の出来る食卓

携帯のカメラでは上手く撮れぬからメールに書いた「夜空を見なよ」

わたしくは運命という者ですが実はわたくしも頭痛持ちです

追い風に追い越されては追い付いてバトンを渡す春の真ん中

想うとは夏の動詞か汗と汗の間にいよよ強くなりたる

混沌を絡めて口へ放り込む パスタの白きああ白きスープ

呼び合える名があることの嬉しさにコーラの缶の露光る夏

マフラーのほつれにゆびを這わせつつうつつのわれにふるるゆめのわれ

告白のはじめの言葉はらはらと落ちるゆきやなぎの散歩道

わがうちに散る桜あり 君の名を呼ぶとき君はきらきらと風

涙にも温度があるということを頬のあたりに記憶してゐる

わがうではもうすぐみずに変はるゆゑそれまでぢつと抱かれてゐよ

かなしみがほうれん草にごまをふる音のなかよりあらはれいでぬ

前の世に出逢ひてゐたるあかしかと思ひぬ なにか君が懐かし

あすひらく花の名前を簡潔に未来と呼べばふくらむ蕾

ひとときの出会ひのために購ひし切符をゆるく握りしめたり

線香も花も持ちあはせてゐないからこの歌を代はりにどうぞ

ゆつくりと下から順にひび割れてオン・ザ・ロックの氷さやけし

親子丼親子でたのむゆふぐれはただ訳もなく笑ひあふなり

悲しみが痛みへ変はる瞬間の途切れさうなる我が蝉の声

西瓜のかは白磁の皿に乾かせて真夏真昼の夢に入りゆく

最後に

八月のフルート奏者きらきらと独り真昼の野を歩みをり


殆どの歌人は、新仮名、旧仮名いずれかで作歌するものらしいが、
ここにあるように、新旧二つの仮名使いを使い分けしながらの
笹井宏之さんは、稀らしい。

でも、旧仮名使いって難しいものですな・・・・。

ますます、色んな人の短歌、読みたくなりましたな。










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生田神社・(2017・08.02)

2017-08-06 06:06:06 | ご朱印(寺・神社)

生田神社

予備校時代に通った、神戸YMCAが丁度この生田神社の裏だったようで、
そこで食べたランチは予備校生にはたまの贅沢だった想いが・・・。

あとで、調べると現在神戸YMCAは神戸駅の方へ移ってしまったようで。


二の鳥居


鳥居と楼門の間の頭の上に、各企業の宣伝が、
格調よりも金儲けですか・・・・。


楼門

企業の宣伝の看板が写らぬ様には、一苦労。


拝殿


<奥にstrong>本殿

御祭神に遠慮して、斜めから。









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