ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

2012年・ごまめの落語・・BEST35

2012-12-31 05:06:07 | 年間BEST・・・・
ついに、今年も、あと少しで終わり。

今年は、仕事が忙しくて、去年よりもさらに少なくて44公演、208の噺。


今年は、なかなか時間がとれなくて、当日券でふらりといくという落語会も少なく。
後半は息切れ状態・・・。・

では、今年一年の中から、個人的な好みが大いに入った、BEST30いや35・・・。

新顔の噺家さんもちらほら、江戸の噺家さんもちらほら、創作落語もちらほら。
なんと言っても、ここには無い、文楽「仮名手本忠臣蔵・七段目」、初体験ながら感動でおましたな・・・。


今年も、噺家さん一演目に限定といたしました・・・・。

まあ単にごまめの、ひいき目と偏見と、お目溢しを。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2012年・・BEST35


01・・春團冶・・「野崎詣り」・・05・10・目の前に春團治師匠。こんな近くで三代目が、至福の時が流れる。
02・・新治・・・・「中村仲蔵」・・07・01・新治さん格調高く。身震いする,仲蔵の生き様と重なって最高。
03・・鶴二・・・・「三十石」・・・・01・24・明るく輝いて、そして華のある繁昌亭大賞受賞の会に相応しい高座。
04・・宗助・・・・「百年目」・・・・05・20・親旦那の品格が滲みだす、宗助さん感動の一席。
05・・南天・・・・「茶の湯」・・・・07・08・こんなに楽しい噺とは、一流シェフにかかって絶品の落語に・・・。
06・・吉坊・・・・「七段目」・・・・10・21・歌舞伎と落語、緊張と緩和、「七段目」は吉坊でキマリですな。
07・・鶴志・・・・「花筏」・・・・・・02・18・体型といい、噺っぷりといい、文句なしの横綱相撲の「花筏」。
08・・さん生・・「巌流島」・・・・12・16・武士と船中の町人の能天気、野次馬っぷりが最高、江戸落語の粋。
09・・松喬・・・・「網舟」・・・・・・10・21・病床の身体でありながら、新ネタに挑戦、凄い、松喬師匠の一席。
10・・塩鯛・・・・「素人浄瑠璃」10・27・浄瑠璃好きの旦那と塩鯛さんがダブリ、最高。・・・貫禄の高座。
11・・鶴瓶・・・・「青木先生」・・09・15・鶴瓶さんの私落語の代表作・何度聞いても楽しい「ピイ―」。
12・・雀々・・・・「手水廻し」・・07・22・「ちょうーず、ちょうず、ちょうーず」とおなごしの台詞だけで。
13・・ざこば・・「厩火事」・・・・02・12・お咲さん、単に焼きもち焼きだけではなく心底亭主に惚れてますな。
14・・八天・・・・「御神酒徳利」03・04・ギャグが満載。八天さんの創作落語のごとく主人公のセリフが自然。
15・・よね吉・・「七段目」・・・・01・24・きっちりと本寸法の良さ、米朝一門の匂いがプンプン。
16・・萬窓・・・・「締め込み」・・05・26・夫婦喧嘩が見せ所、嫉妬するぐらい仲が良いんでしょうな。
17・・小南治・・「甲府い」・・・・04・11・池袋演芸場のトリ。上方で聴く機会の少ないこの一席で満足。
18・・さん喬・・「船徳」・・・・・・07・28・乗っているお客二人も、揺れる揺れる、私たちまで船酔い。
19・・銀瓶・・・・「宿題」・・・・・・11・28・武生の奥さんの、「銀瓶さん、華があるわ」の一言でキマリの一席。
20・・九雀・・・・「雨乞い源兵衛」06・09小佐田さんの代表作は「雨乞い源兵衛」と「貧乏神」「茶漬えんま」。
21・・梅団治・・「親子茶屋」・・03・04・骨太の「親子茶屋」最高。梅團治さん、なんと片膝立てての大熱演。
22・・南光・・・・「鹿政談」・・・・07・11・南天襲名の日の落語。身近のライバルへの挑戦か。
23・・文也゛・・・「宿屋仇」・・・・11・21・本寸法で、硬さと柔らかさが見事に中和された落語。
24・・竹林・・・・「井戸の茶碗・02・24・やはり良い人ばかりが登場する落語は、ほっこりとして愉しいですな。
25・・三喬・・・・「鴻池の犬」・・06・30・・薬味がたっぷり入る「鴻池の犬」、このスパイスがたまりませんな。
26・・福車・・・・「代書屋」・・・・06・07・骨太の福車さんだが、随所に三代目の繊細さが・・・・・。
27・・遊喬・・・・「試し酒」・・・・07・08・よろしいな、主人公の朴念さと遊喬さんの味が相まって最高。
28・・まん我・・「野崎詣り」・・01・21・おもしろい春團治一門とは違う「野崎詣り」、色んな形楽しおますな。
29・・米二・・・・「天狗裁き」・・04・20・米二さん、端正な米朝一門の中でも、やはり一番の正統派ですな。
30・・文太・・・・「足上がり」・・08・04・高座にあがるなり「待ってました」の掛け声、ゆったりとした時が。
31・・春之輔・・「蛸芝居」・・・・09・15・一言一言の独特の間が、春之輔さんとの味に昇華の「蛸芝居」。
32・・染二・・・・「紺屋高尾」・・09・20・江戸落語の「紺屋高尾」、聴かせ上手、名調子の染二さんの一席。
33・・春蝶・・・・「権助提灯」・・03・18・春蝶さん、追い帰しながら甘える女の色気がエロイ。
34・・三扇・・・・「又も華やしい華燭の典」09・15・何度聴いても楽しい、もはや三扇さんの十八番ですな。
35・・ちょうば「ハンカチ」・・08・02・話しっぷりが自然で、上方台本募集優秀作、値打ちありますな。

落語外

①文楽「仮名手本忠臣蔵・七段目」・・11・10・・初体験、心に沁みる感動、大阪の伝統芸残さねば・・。
②浪曲「赤垣源蔵名残の徳利」、菊池まどか・10・21・・久しぶりのまどか節に涙・涙・・・。


今年も、一年、ごまめのいちょかみに、おつきあい頂きありがとうございました。




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2012年・ごまめの本の少し・BEST20

2012-12-29 05:05:07 | 年間BEST・・・・
ジーノの家―イタリア10景
クリエーター情報なし
文藝春秋



今年読んだのは、ほぼ100冊。そのうちブログに書いたのが84冊。
☆☆、星二つ以上で印象に残ったの40冊の中から、20冊だけを選ぶと。

今年のBEST・1は、
今年、最後に読んだ本・・・・・「ジーノの家・イタリア10景」(内田洋子)で決まり。
この、エッセイでありながら、イアタリアの風景と小説の様な出来事にドキドキハラハラ。



穂村弘さん、佐藤真由美さん、東直子さん、枡野浩一さんなど、短歌の人たちの本と。
今年は、「どうらく息子」に「昭和元禄落語心中」「えーカミさんを一席」など落語漫画にもはまる。

でも、素直に並べると、女流作家が多いこと、結構、おばさん波長で合ってるんでしょうな。


来年はどんな本に出会うのか楽しみですな。


ごまめの・今年のBEST20

①「ジーノの家・イタリア10景」、内田洋子・・・12・24・・事実は小説より奇なり、年の瀬にサンタからの贈り物の一冊。
②「仏果を得ず」、三浦しをん・・・・01・12・・・文楽とは決して古めかしいものではなく、私たちの日々の生活で活きている。
③「ひとりの夜を短歌とあそぼう」、穂村弘、東直子、沢田康彦・・4・10・・落語も短歌も同じ、それは「緊張と緩和」
④「べんとうの時間」、阿部了、直美・・・・・05・13・・お待ちどう続編・・・・今年も、想いで愛情弁当に軍配。
⑤「どうらく息子」、尾瀬あきら・9・4・「おまえはどんな噺家になりたいんだ」「人の了見を推し量れ」、6巻発売が待ち遠しい。
⑥「昭和元禄落語心中」、雲田はるこ・8・9・初の漫画、それも女性コミック。筋立ては落語世界どっぷりで、おもしろい。
⑦「恋するカノン」、佐藤真由美・・8・19・・今も昔も想いは同じ・・古き万葉の時代に、恋する歌音(カノン)
⑧「落語物語」、林家しん平・・6・12・・師匠のカミサン、葵さんに惚れちまった、ごまめでございます。
⑨「恋する言葉」、佐藤真由美・・7・12・・涙っぽくなったのか、短歌の世界に心地よく彷徨う。
⑩「上方落語の四天王」、戸田学・・1・7・・四天王、各々の特徴を演目紹介とともに、的確に分析しつつ解り易く紹介。
⑪「落語はライブで聴こう」八木忠栄・・8・2・・過去の名人を褒め上げるのではなく、現実に落語を聴き、一期一会を大切に。
⑫「一人で始める短歌入門」、枡野浩一・5・4・・簡単なことばでの、短歌に共感。
⑬「権太郎の大落語論」、柳家権太楼・8・14・・寄席芸人としての信念が随所に表れる、権太楼さんの落語論。
⑭「卵一個ぶんのお祝い」、川上弘美・・6・26・・最後の二行にどれだけの時間が割かれているか、後味すっきりの日記です。
⑮「三題噺・示現流幽霊」、愛川晶・・3・13・・神田紅梅亭寄席捕物帳シリーズ第4弾。でも今回で終了、残念。
⑯「談志のことば」、立川志らく・・4・24・・亡くなられた談志師匠と志らくさんの交換日記。
⑰「おじさん図鑑」、なかむらるみ・・6・5・・おじさんはもとより、おじさんに興味ある方は必見。(女房も買って家に二冊ある)
⑱「一之輔、高座に粗忽の釘を打つ」、春風亭一之輔・11・24・・その噺のキモ、演出のスポットのあて方で噺はどう変わるのか。
⑲「わかったと思うな」、中部銀次郎・・11・6・・珍しくゴルフの本。自分との戦い、いかに平常心を保てるか・・・。
⑳「若き餓エーテルの悩み」、桂文我・文紅・・8・7・・「若き飢エーテルの悩み」・・文紅さん・・清く正しく・・面白くでおます。



今年も一年、ありがとうございました。




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今年読みながら感想書けなかった本。

2012-12-28 06:08:10 | 本の少し
今年読みながら、なぜか感想書けなった本たち。

ももんがあ からっ風作戦 (文春文庫)
クリエーター情報なし
文藝春秋




SWITCH STORIES―彼らがいた場所 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社





四国はどこまで入れ換え可能か (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社




持たない暮らし (中経の文庫 し 3-1)
クリエーター情報なし
中経出版



見仏記5 ゴールデンガイド篇 (角川文庫)
クリエーター情報なし
角川書店(角川グループパブリッシング)



さくら (小学館文庫)
西 加奈子
小学館



寝ても覚めても本の虫 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社



すぐそこの遠い場所 (ちくま文庫)
クリエーター情報なし
筑摩書房





花の名前―向田邦子漫画館 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社





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ジーノの家・イタリア10景~内田洋子

2012-12-24 12:20:50 | 本の少し
ジーノの家―イタリア10景
クリエーター情報なし
文藝春秋

☆☆☆☆☆

事実は小説より奇なり、この一言がピッタリの本。

著者が、長年住むというよりは暮らしたイタリア・10景を綴ったエッセイ。
そこで起った数々の出来事は、フィクションですべて映画を見ている如く
ドキドキハラハラさせてくれる。

ミラノの物騒な〈黒いミラノ〉という処へ、取材と云いながら、
怪しげな地区を自分の目で確かめてみたい衝動で乗り込む。
そこのバールでの、閉ざされた冷え冷えとした視線、
一寸したサスペンスドラマのはじまりである。

北イタリアの地方都市で、「自分は北斎の生まれ変わり」という男に会う。
その噺は、夢物語のようでもあり、人の輪廻ということでは何か赤い糸で結ばれて
いるようでもあり、そのリグリアの風景画を目にすれば・・・葛飾北斎の微笑は。

夜中に玄関ドアのブザーがジリーン、ジリーンとけたたましく鳴る。いったい誰。
一階には通信工学の技術者家族。二階は女子大生三人が下宿。三階は、インテリ老夫婦。
四階の哲学教授に、五階には作者。そして六階にはペルー人の看護人と共に病弱な夫人。
実は住んでいたアパートが火事に、その様子はさながら、「タワーリングインフェルノ」。
その火事を未然に防いだのは一匹の黒猫・・・・。
「除災招福」としてこの集まりを黒猫クラブと命名。

犬を飼い、その犬仲間のイヌが誘拐にあう。
犬の身代金要求、深夜に公園に呼びだされて、相場は五百から三千ユーロ。
犬仲間五人で、その公園に乗込む・・・・・犯人との直接交渉、ワクワクドキドキ。
まるで「スタンドバイミー」みたいな冒険物語。

「海の見える窓あり」「町の中心でありながら、静か」「すばらしいパノラマ」
「住み手の個性を活かせる空間」「中世時代の建物の最上階、屋根付き」
このワクワクする不動産広告。(ナオユキさんには格好のツッコミ材料だが)
その「住み手の個性を活かせる空間」こそが、この本の題になっている「ジーノの家」。
坂を登り詰めた先は、後ろは山、前は海。山の上の一軒家で、そして、とても小さい。
道沿いから伸びる外界と家をつなぐ頼りなく風に揺れる一本の電線。
その道中に語られるジーノの半生・・・家の歴史をすべてを消して、他人に貸そうと。
その「住み手の個性を活かせる家」に、作者は住みはじめた・・・。

この様な、短編なる噺が全部で10章・・・・大事に、大事に、読みました。
この感動は、沢木耕太郎の「深夜特急」以来。

年の瀬に、ようやくこの本に会えたことは、サンタさんからの贈りものですな。


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趣味は何ですか~高橋秀実

2012-12-18 05:21:42 | 本の少し
趣味は何ですか? (角川文庫)
クリエーター情報なし
角川書店(角川グループパブリッシング)


三浦しをんさんの推薦の帯に魅かれて買ってしまった本。

趣味の発見、趣味は人生の味わいと。
でも、ここにでてくる方の趣味は尋常ではない。

愉しんでいるというよりは、明確な目標があったり、やらねばならぬといった
何か義務的な自分との約束事を、粛々とこなしていく、収入が伴わない仕事みたい。

そこまでやらなくてもと、一般人が思える時点になってこそ、やはり趣味といえるのか。

どんな趣味かと、紹介すると、「鉄道」では、普通「乗り鉄」「撮り鉄」などに分かれるらしいが、
さらにマニアの人たちには、それぞれの専門分野があるらしい。
車両、レール、橋、路線、廃線、模型・・時刻表に切符の収集、信号機まであると・・・。


第二章では、「航空無線」・・・これなんと思いますか・・・。

管制塔とパイロットの交信を傍受する。・・・・・・・「聴く」ことが専門、スパイか。
交信を聞き、航空路線を見ながらの確認。その飛行機の飛行ルートがわかる、と。
それで・・ニヤニヤするだけ、ただそれだけ。・・24時間BGM替りに聴く人も。

思わず、それが、何が楽しいんですか。と、突っ込みたくなる。


「郵趣」とは郵便趣味のことで、切手は「郵趣品」、その愛好者を「郵趣人」と、
でもすごい方は切手収集ではなく、各郵便局の消印の収集、なんじゃ、それ

日本にある2万4000もの郵便局の消印を集める、買うことはできず、
すべての郵便局で押してもらわなくては・・。
仲間と手分けして、各郵便局に見本を添えてお願いし、送りかえして貰う。
10人で手分けしてはじめたらしいが、それでも気の遠くなるようなハナシ。

それで完集できた方は、10人中5人。あとの5人は途中で亡くなられたと。
完集に必要だったのは、気力やお金だけではなく、寿命だったとは。


あと、おもしろいのは「階段」。
「階段を鑑賞する、つまり、階段を愛でるんです」、
山の手線内には現在、670余りの階段があるらしく、約三年を費やして登り下りをしたきた、と。

傾斜でいうと「坂」があるが、坂はどこまでが坂なのか曖昧。、
その点、階段ははっきりしていて、また坂のごとく車が通り近代化されてないので、
昔のまま、それも摩耗したりして、侘び寂びに通じる美しさがある。・・・と。

階段は「見る」「上り下りする」「腰掛ける」、趣味もこうなると、「階段」となるんですな。

月刊誌「野生時代」に2007年12月から二年間連載されたものらしいが、
著者の高橋秀実氏が、体験レポートのごとく逃げ腰ながらどんどん真髄、いや深みに入っていく。

知らない裏世界に侵入の様な、趣味めぐり、世のディープな趣味人に乾杯でおますな。


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笑の大学~柳家さん生独演会

2012-12-16 23:25:45 | 江戸落語


今日は、久し振りの落語、いや演劇を・・・。


三谷幸喜さんの「笑の大学」を、同じ日大芸術学部出身の柳家さん生さんが落語版に置きかえて上演。東京の落語家さんでは、ちょっと馴染みのあるさん生さん。
「岸柳島」の古典と、弟子のわさびさんの落語も楽しみ・・。



難波、千日前あたりは人でいっぱい、衆議院選挙というのにと思っていると、
選挙権の無い、韓国、中国の観光客ばかり・・・・
日本という国は、幸せな国なのか、不幸せな国なのか、ようわかりませんな。



満員の客席。




さん生さんの熱演の余韻を残す・・・・・終演後置かれたままの羽織。



一、柳家さん生・・・・・・・・・・「岸柳島」

出てきて、深々と頭を下げ、第一声が「どぅも」のお馴染のフレーズでスタート。
少し声が割れて調子が悪そうだが・・・。
前座替わりの高座なので、気楽に聴いて頂きたいと・・・・・

今回の大阪公演では、大阪ではあまりされない演目を選んだつもりで、今日は「岸柳島」を・・・。
(今上方では、「桑名船」で、まん我さん、文太さん・・・で)
あとで明かされるが、三谷幸喜さんの劇にも「巌流島」というのがあるらしい、それ繋がりもかけてか。

その武士と、船中の町人のコントラストが面白味を増やす。

でも、町人の野次馬、能天気さが最高におもしろい。
普段抑えつづけられている上の者に対する、無責任な遠吠え・・・庶民は辛いですな。

江戸らしい噺に、満足の一席。


二、柳家わさび・・・・・・・・・・「宮戸川」

さん生さんの一番弟子、実はもっか一人だけとか・・・。

大阪初めてだが、怖いところと教えられて来たが、きれいで人も優しい。
特に大好きな、メイド喫茶でも、大いに違ってこちらはお客様に親切・・・とか。
「ご主人様」、一度呼ばれると、癖になりそうなフレーズですな。

頼りない若旦那、わさびさんの風貌と重なってぴったり。
でも、噺も少し頼りなく聴こえてしまったのは演目「宮戸川」のせいか。


最後は、色っぽくなったところで「ちょうど、お時間で・・・」降りる。・・・・・・・残念。



三、柳家さん生・・・・・・・・・・「笑の大学」

まずは、この「笑の大学」を手掛けるきっかけを・・・。
三谷さんが、同じ日大芸術学部の先輩後輩で、特にさん生さんの奥さんと同期で仲が良かったと。

三谷さんに、落語会のネーミングをお願いして20回目記念に何かしようと持ちあがったのが、
三谷幸喜さんの劇の落語版での公演。
さん生さんが提案したのは、「巌流島」、それは武蔵と小次郎が決闘前夜、同じ宿に泊まり、
会わせてはいけないと周りの宿の者たちが走り回るドタバタ劇、
三谷さんが提案したのは、今夜の「笑の大学」、・・・理由は登場人物が少ないからだと、
さん生、納得できなかったけど・・・・結果、新しい笑いの世界が実現。

話は、昭和16年太平洋戦争末期、
劇団「笑の大学」の座付劇作家のツバキと、検閲官サキサカとの二人芝居。

次から次に、台本に難癖をつけ、上演中止させようとするサキサカと、
書き直してでも、上演にこぎつけたいツバキ。
「ロメオとジュリエット」、この様な外国の話、それも敵国の英国はイカン。
一晩で書き換えてきたのは「寛一、お宮」の物語に・・・。

「接吻はイカン」「あれはイカン、これはイカン」と
毎日、毎日、書き換えれば書くほど、台本は喜劇としての出来ばえ、笑いが増していく。

最期には、笑いの無い、究極の喜劇をつくれという難題に、
喜劇作家の意思をを通そうと何度も書きなおして戦うツバキ。
毎日書き換わる台本に、今まで心の奥底に抑えていた笑いがフツフツと沸きだすサキサカ。

一週間経って、お互いの中に生まれる男の友情・・・・・・・。

でも、最後は結果上演できなくなってしまう・・・それはツバキに召集令状が・・・。
「お国のために戦ってきます、お国のために死んできます」

でも最後の、ツバキの「なぜ、お国は、国民から笑いを奪うのか、わからない」の問いに、
「言ってはならない言葉だよ。お互いの立場を考えれば・・・・」と答えるサキサカ。

「この台本は完璧だよ、ツバキ君」・・・完璧であるがゆえに、上演するまで私が預かっておくので、
「必ず生きて、帰ってくるんだ」・・・・。

後半は立場を超えた男の「人情噺」。

劇中の二人の笑いへの想いと、さん生さんの落語への熱意が相乗効果で・・・
それとも、熱っぽい体調のせいか、さん生さんの目もうるうる。

熱っぽい、さん生さんの長講「笑の大学」でおました。

三谷幸喜さんの「巌流島」の落語版も聴いてみたいですな。
更に、直球の笑いが満載の落語になりそうでおますな。


笑の大学~柳家さん生独演会
2012年12月16日(日)午後2:00開演
TORII HALL


一、柳家さん生・・・・・・・・・・「岸柳島」
二、柳家わさび・・・・・・・・・・「宮戸川」
仲入り
三、柳家さん生・・・・・・・・・・「笑の大学」




12-44-208


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ねにもつタイプ~岸本佐和子

2012-12-15 08:27:36 | 本の少し
ねにもつタイプ (ちくま文庫)
クリエーター情報なし
筑摩書房

☆☆

本のセールスとは、不思議なもの、
この本も本屋で平積みされて目につくようになったのは確かこの秋口。

文庫本になっての新刊と思いきや、文庫初版は2010年1月。
帯に、講談社エッセイ賞受賞とあるが、これも数年前。
何かの機会で、再び拡販されているのか・・・。

でも、本は、微妙に増量して文庫化とあり、意味ないはなしが、次々でてくるが、
まとまりのない落語のマクラのごとく、くすっと笑える。

良きエッセイのキモである、オチのごとく最後の一行、二行が光っている。



桃太郎を題材にした、「桃」というはなしでは・・・

昔むかしあるところにお爺さんとお婆さんがおりました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・最後のところを書きだすと。

Ⅰ、・・・・・お婆さんがふと「ドンブラコッコスッコッコの“スッコッコ”とは何なのか?
だいいちそれではぜんぜん擬音語になっていないではないか?」などと自問しはじめて
しまったために、桃はそのまま流れていってしまいました。 おしまい

Ⅱ、・・・・・お婆さんは①桃を拾う、②桃を拾わない、のうち②を選択したので、
桃はそのまま流れていってしまいました。 おしまい

Ⅲ、・・・・・大きな桃を家に持ちかえって割ってみると、中からものすごく大きな種が出てきました。
「そらまあそうだわな」と二人とも納得しました。 おしまい

Ⅳ、・・・・・お爺さんが「なんかわし今日はダルい」と言い、
お婆さんも「だったらわたしだってめんどいし」と言い、
桃も「じゃ俺も流れるのやめとく」と言い、
川は「えー、じゃ自分だけ馬鹿みたいじゃん」と言いました。 おしまい


こんな愉しいはなしが満載、続けて読みたければ、即本屋へ。 おしまい


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大人げない大人になれ~成毛眞

2012-12-09 17:27:22 | 本の少し
大人げない大人になれ! (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社



大人げない生き方をしようと、子どもの時の好奇心、好き嫌いで満ちた「大人げなさ」が
仕事も含めた人生を楽しいものにすると・・・。

ビル・ゲイツ、孫 正義、ノーベル賞受賞者たち、成功者は皆「大人げない」。

やりたいようにやればいいと、我慢なんてしなくていい。目標を持ってはいけない。
あるがままにいることが個性。人は子供のままでいる人に憧れる。空気を読むな。

会社では、言っていること、言われていることとは正反対。

でも、実践編の「大人げなく楽しく生きる方法」では、
子供の頃の趣味を維持しよう、と。

私もこの年になって興味あるものが、すべて昔に戻っている気がする。

中学時代のクラシック音楽、高校時代の落語、大学時代のゴルフ。
小学校時代の切手収集もありましたな、十年前はバス釣りを、
そしてそこそこ続いているのが、読書。

でも、すべてが続いているわけではなく、その時々で集中しているのは、ほぼ三年ぐらいか。
成果とか結果ではなく、夢中になってその三年間試行錯誤を繰り返す時間こそが、
趣味そのものと著者も言っている。

今一度、昔を思いだしながら趣味の熱中年表をつくって、
そして、来年からの熱中するもの探したいですな・・・・・・・。

やっぱり、落語と読書だったりして・・・・・・。



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ていねいな暮らしと美しい人生~枡野俊明

2012-12-06 03:55:29 | 本の少し
禅の言葉に学ぶ ていねいな暮らしと美しい人生 (朝日文庫)
クリエーター情報なし
朝日新聞出版

☆☆

禅の言葉に学ぶ・・・この頃、手にする本が、生き方、心のあり方ちょっと宗教じみてきた。

この本のタイトル、「ていねいな暮らしと美しい人生」も
まさに外見ではなく、自分本来の心のなかを、穏やかな人生を送るために
必要な禅の思想を、わかりやすく解説・・・・・
くやしいが、すんなりと心に染み入るだけに、私も年をとったのか。

折りかえした言葉をひらうと

松樹千年翠(しょうじゅせんねんのみどり)・・「大切なものは、いつも眼の前にある」

白雲自在(はくうんじざい)・・・「こだわりなく自由自在に」

一期一会(いちごいちえ)・・・「ただこの一時に生きる」

誰家無明月清風(たがいえにかめいげつせいふうなからん)
・・・「チャンスは誰にでも平等に来る」

莫妄想(まくもうぞう)・・・・「なすべきことのみなせ)

これのみ、解説を写すと、ここでいう「妄想」は俗にいう誇大妄想とは違い、
相対的二元論、つまり、生死、愛憎、美醜、貧富というような対立的分別には、
選り好みが生じて執着心が起こるから、このような分別心、つまりものを二つに
分けて考えることをやめなさいということ・・・・莫妄想(まくもうぞう)なんだって・・・。

求めない、こだわらない、悩まない。
「禅の教え」、日々の生活に生かせまっせ。
心豊かに生きるためのヒント集。

あまり、仕事には生かしたくないですな・・・
その時点で、縛られている自分に嫌気が差しますな。

禅とは「本来の自分に出会う」こととか・・・・
ものごとに対する考え方、見方を変えてみる。

心静かに、一日が終えれるよう、本棚に入れるのではなく
しばらくベットの枕元に置いておく、そんな本でおます



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坊寝ん会・稲田観音打ちあげ

2012-12-01 23:36:29 | 稲田観音落語会

鶴二さんの実家、北巽の交差点にある、みさを寿司。

昼間の稲田観音落語会には参加できなかったので、夜の打上げだけに参加。
ここしばらく、都合がつかなく、このパターンが続いていますな。

まあ、忘年会も兼ねているのですが、今年ももう終わり、師走でおますな。




観音寺の住職さんと鶴二さん。




辻さんと呂好さん。
そして、てっちりフルコースのしめのぞうすい完食の鍋。
まあ、何と言っても打上げは、料理が主役ですな。




トイレに行っていて、写真撮影に遅れた、生寿さん。




お店の前で、美味しい料理と旨いお酒に、ほろ酔いかげんの皆さん・・・。


次回・稲田観音落語会は20回記念会で、四月の予定とか・・・。



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