ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

笑福亭鶴二・文化庁芸術祭優秀賞・受賞記念の祝賀会

2011-01-30 21:52:01 | 笑福亭鶴二

笑福亭鶴二・文化庁芸術祭優秀賞・受賞記念の落語と祝賀の会


笑福亭鶴二・文化庁芸術祭優秀賞を受賞されたのを記念して
心斎橋・湖月にファンがつどい、盛大に祝賀の会が開催される。


奥様とお母様にはさまれて喜びの鶴二さん。


・・・・・・・・文化庁芸術祭優秀賞の賞状。・・・・・・・・


・・・・そして、トロフィー。・・・・



スーツ姿の司会の呂竹さん、きっちりした進行に会が引締まる。


「本年は噺家生活二十五周年を迎えさせて頂く事になりました。
受賞を励みに、お客様方に喜んで頂ける舞台が務められますよう、
より一層芸道に精進して参ります。」とご挨拶・・。
そして、落語を一席・・・「竹の水仙」。ファンにとっても思い出の一席になりましたな。


お母様からの御礼の言葉・・
「これから、鼻にかけることの無いようご指導のほど、よろしく」と。


文鹿さんの「河内にわか、南京玉すだれ、そして鶴二さんとの音曲漫才」


御贔屓の方々。


笑福亭鶴二・文化庁芸術祭優秀賞・受賞記念の落語と祝賀の会
2011年1月30日(日)午後5:00より
割烹湖月(心斎橋)


11-05-18

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パンジョ寄席~今年も商売パンジョウまちがいなし

2011-01-29 22:31:09 | パンジョ寄席

今年、最初のパンジョ寄席。


ぎっしり満員のお客様。

一、桂優々・・・・・・・・・・・・・「四人癖」

鼻の下を人差し指でこする。目を両手でこする。
着物の袖をひっぱる。これは良いと手をたたく。

なくて七癖。優々さん、堂々の舞台、へんな癖もついておらず、
白紙の状態に、好感がもてる。

でも、師匠は雀々さん、だけに。
今後どんな、味、においがつくのか、今から楽しみですな。


二、桂よね吉・・・・・・・・・・・「天災」

吉朝の三番弟子ですが、三年間は、預かり弟子で大師匠の米朝の元へ。

噺は、「天災」だが、「離縁状二枚、書いとくなはれ。ばばと嫁はんに。」と、
入り方がシンプルでおもしろい。
心学の先生も、紅羅坊ではなく、堀佐田勘兵衛、縮めて「ホリカン」というのは、吉朝風か。

初めてのクスグリばかりで、ひと味もふたあじも違い、新鮮。
家へ帰ってからの、隣のタツツァンとこへ行ってからが、先ほどの教えを知ったかぶりで
云うが、チンプンカンプンで、最高におもしろい。

最近は、ざこばさん系の乱暴者の八五郎に出会うのが多いが、
気の短い職人で単に口が荒いだけの八五郎も、正統派っぽく
スッキリしていて良ろしおましたで。


三、桂雀々・・・・・・・・・・・・・「戻り井戸」

「死んだらどうなるのか」「死ぬと人間はどこへいくのか」と、
常に仏教書を読んでいるか、それ以外はすべて落語のことをと。
師匠枝雀さんの思い出をまくらに。

噺は、「戻り井戸」、小佐田定雄さん作と思いきや、枝雀師匠作とか。
噺は、男が気がつくと真暗の井戸の中にいる、助けを呼ぶと、通りかかった
田舎のお百姓の二人に助けられ、家で酒を振る舞われる。

最初は、田舎の良さ、人の素朴さなど、誉めていたのが、酔うにつれて
悪態をつきはじめる。・・・・・・このあたり「一人酒盛」状態。

最後は、酔って寝ているうちに、怒った田舎びとに、元の井戸に掘り込まれてしまう。

男が気がつくと真暗の井戸の中。・・・・・・「天狗裁き」ように、はじまりに戻る。
あれは、夢だったのか、それとも現実だったのか、・・・・不思議な噺である。

でも、雀々さん、師匠を懐かしんでの高座の様な気がしましたな。


四、桂吉弥・・・・・・・・・・・・・「不動坊」

地方でのマクラか、いまだ「ちりとてちん」のハナシから。

噺は「不動坊」だが、新さんに太鼓をもってきて、裕さんにアルコール買うてきてと
頼む仕込を忘れる。あんころ餅でも笑い半減、もったいない。

セリフの中にも「ムチャクチャ」とか、ぞんざいな言葉も入ってきて違和感を覚える。
噺を解りやすくするのと、崩すとは、別もんと思いますが・・・。

サゲは、「そんなことでは、不動坊の先生、浮かばれませんやろ」
「それで、今まで、井戸に沈んでいましたんで」・・・。

年四回のパンジョ寄席、次回はいつ頃か、待ち遠しいですな。


パッジョ寄席
2011年1月29日(土)午後4:30開演
パンジョホール

一、桂優々・・・・・・・・・・・・・「四人癖」
二、桂よね吉・・・・・・・・・・・「天災」
三、桂雀々・・・・・・・・・・・・・「戻り井戸」
四、桂吉弥・・・・・・・・・・・・・「不動坊」


11-04-17



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ココロがうごく~ハナシがうごく

2011-01-27 06:10:04 | 本の少し
ハナシがうごく! 笑酔亭梅寿謎解噺 4 (笑酔亭梅寿謎解噺)
田中 啓文
集英社

☆☆☆

笑酔亭梅寿謎解噺4、去年の春に単行本が出ていたが、高くて買わなかったが、
この日曜日に、新古本であったので、早速買って、一気に読んだ。

まあ、新古本にでるからには、もうすぐ文庫本の発売間近か・・・。

でも、おもしろいですな。

・一期一会の芸である落語を、CDに音源として残すことの是非。

・芸としての落語と、食べるための副業のかかわり。

・売れていく者への、周りの落語家のやっかみ。

・年季明けの喜びと不安。

・漫才と落語の本質論。

などのテーマが明確にあり、「二人癖」、「仔猫」、「兵庫船」、「皿屋敷」、「猫の忠信」
「鬼あざみ」、「牛の丸薬」、「ひとり酒盛」の噺に絡ませ、上方落語の内情を
さもあらんと、紹介してくれる。

酔いどれ師匠梅寿とツッパリ弟子梅駆、そしてダメ人間がヒシメキあう。
ほんま、肩が凝らずに、気楽に一気に読める。

文庫本、発売されたら、即刻買いでおますな。


11-8

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米朝ばなし~上方落語地図

2011-01-25 05:50:17 | 本の少し
米朝ばなし―上方落語地図 (講談社文庫)
桂 米朝
講談社

このアイテムの詳細を見る

☆☆☆☆

今さらと思いながら、35年前に買って、事典替わりに活用している、
「米朝ばなし・上方落語地図」を、ご紹介致します。

上方落語にまつわる、馴染の場所が落語の内容と地名の由来、そしてその地にちなんだ
ハナシは、講談、歌舞伎など多岐にわたり、まさに地名からと、落語の内容からと、
縦横無尽に活躍できる。・・・・実は、私の、座右の書である。

「堂島」、「米揚げ笊」の舞台、「住吉駕籠」の相乗りの行先も、堂島。
「大川町」は、言わずと知れた、「高津の富」がはじまる宿屋町。
「高津」は「高津の富」ですが「崇徳院」にもでてきて、前の黒焼き屋は、「親子茶屋」にも・・・。
そして裏手では「高倉狐」、「稲荷俥」のはじまりはここから。
「天満」には、「初天神」の天満の天神さん、「米揚げ笊」の笊屋があり、
「千両みかん」の青物市場もある。
「桜宮」は、「百年目」と「桜宮」。「浪速橋」では、「遊山船」、「船弁慶」の夕涼み。
「船場」は、お店ものの宝庫、「百年目」、「鬼の面」、「月並丁稚」、「七段目」などなど。
「今橋」は、言わずと知れた、「鴻池の犬」。「鰻谷」は、「欲の熊鷹」。
「住友の浜」は「次の御用日」と、「佐々木裁き」、といまだに共に碑がある。
「東横掘」は「帯久」。「四ツ橋」は「辻占茶屋」。「瀬戸物町」は「壺算」と続く。
「日本橋」は、「宿屋仇」であり、「代書」のトメの本籍地も日本橋。
「天王寺」は、「天王寺詣り」、「鷺取り」では主人公が運ばれてくるのも天王寺さん。
「逢阪」は、一心寺の裏手の安居の天神さん、「天神山」の狐と出会う処。
「三津寺」の前には、「まめだ」のびっくり膏の店がある。
「道頓堀」は、「蔵丁稚」で芝居に夢中になる、今はない五座の小屋があった。
「堀江」には「阿弥陀池」があり、「玉造」は、「東の旅」の二軒茶屋がある。

これから、「旅ネタ」中心に北摂、播州、京都、奈良へと移っていく。
米朝さんらしく、メモ参考文献の豊富さ、大阪を知る、学術書の感もある。

どこを開けても、落語ファンの馴染の場所が続々登場、落語で行ったあの場所が再び蘇る。

上方落語ファン、必買い、必読でおます。
今は、文庫本が出ているので、是非手元に置かれることをお勧めしますで。




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第二回・いかいの寄席

2011-01-23 23:16:31 | 笑福亭鶴二

いかいの寄席・・なんと桃谷でっせ。

今日は、本町から心斎橋、そして桃谷へ、休日なのに忙しおますな。
でも「柳田格之進」は、楽しみな噺。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

お洒落な、韓国カフェ、内装が素敵。


韓国調度品の数々。



一、笑福亭喬楽・・・・・・・・・・・・・・「餅屋問答」

地元だけに、親戚の方が多く来られてるとかで、熱が入った高座で、汗びっしょり。
後で聞くと、単に肥り過ぎで、汗かきだけとか・・・。

マクラは、ランドセル寄付のタイガーマスクのハナシ。
そして、「餅屋問答」へ、にわか坊主が適当に読むお経は無く、ちょっとさびしい。

餅は餅屋いう言葉があるが、坊主は餅屋でも務まるということか。
まあ、仏の教えを、あり難く聞いた様な、禅問答、無言の行でおますな。

大ちゃん、大熱演の一席でおました。

二、露の新冶・・・・・・・・・・・・・・・・「柳田格之進」

鶴二さんが、この度文化庁芸術祭の受賞をされたので、トリをして頂くので、
先に演らしていただきます。

正月三が日も、家でゆっくりさせてもらって、孫の面倒で愉しんでいましたと。
首を上げた、寝返りをうっただけで喜んでいる、我兄にも、初孫ができましたが、
「目の中に入れても痛くない」というのは本当で、孫の可愛がりようは尋常ではないみたいですな。

噺は、こちらでは珍しい「柳田格之進」。
彦根の藩士で下目付役だったが、汚名を着せられ、浪人として大阪で暮らす。

主人公は、碁のお相手で、大店の主人である井筒屋の籐兵衛さん。
元々は講釈ネタである。前に聴いたのでは、娘のお絹が廓に身を売ったあと
気がふれるのがあったが、新冶さんにはそのくだりがないので救われる。

柳田様への嫉妬とわだかまり、奉公人の忠義の見せ所と動く、
番頭の人間性に焦点をあてた、新冶さんの演出。

最後に、身請けされたお絹さんが、晴れて父と再開だが、
父の気持ちを考えると、ハッピイエンドと、心から喜べないのは私だけか。

でも、武骨とか、清貧とか、昨今には聞かれない噺だけに、心打たれますが・・・。
上方では、この様な人情噺を聴く機会がないだけに、新冶さんには良い噺。
ありがとうさんでございます。

三、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・「不動坊」

マクラで、宝恵駕籠に乗ってでた時の初体験を紹介。


http://pub.ne.jp/masutake/より転載。
今宮戎の宝恵駕籠に乗る、鶴二さん。(文化庁芸術祭賞、受賞のご褒美か)

二週続けての「不動坊」。
噺はいつもながら、明るく、長屋に掃きだめに鶴というお滝さんと結婚できるという
利吉の浮かれるさまが、愉しい。

早川久子さんの三味線が入って、雪の降るシーンが締まり、寒さも心地良い。

でも、「不動坊」、季節商品だけに、冬のコートみたいで仕舞ってしまうと、
今年の冬まで出すことはないが、でも、ぼちぼち春。
「不動坊」は今日が最後でクリーニングに出すと。

文化庁芸術祭賞、受賞で、鶴二さんも、春到来ですな。


最後に、ざっくばらんの楽しい座談会。


若い時の苦労ハナシを・・・・、色んな処で落語をしましたと、バーのカウンター、
新冶さんは、居酒屋で店が一杯で、表の路上の段ボールの上で着替えたとか・・・・。

最後に、落語家になりたいという小学生が登場、
新冶さんが、「賢い子でないと、落語家にはなりたいとは、思いません。」
「でも、本当に賢い子は、落語家には、なりません。」と、
いたって真面目に答えておられたのが、印象的でしたな。

喬楽さんの、叔母さんや従兄弟の方も紹介されて、ほんとアットホームな雰囲気で、
次回、三回目は、5月か6月開催を予定しているとか・・・。


第二回いかいの寄席
2011年1月22日(土)午後6:30開演
タルマジ

一、笑福亭喬楽・・・・・・・・・・・・・・「餅屋問答」
二、露の新冶・・・・・・・・・・・・・・・・「柳田格之進」
仲入り
三、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・「不動坊」


11-03-13


一口メモ
猪飼野(いかいの)は、大阪市東成区・生野区にまたがる、鶴橋から桃谷にかけての
JR 大阪環状線東側と平野川に挟まる地域とその周辺の地域の総称。
旧東成郡鶴橋村の大字 であり、住居表示制度施行(1973年)前の地名である。 ...


会場は、そかい通りにある、焼肉の高橋さんの三階でおます。


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惜しい人~おいしい人間・高峰秀子

2011-01-20 01:46:33 | 本の少し
おいしい人間 (文春文庫)
高峰 秀子
文藝春秋



昨年12月28日に亡くなられた、高峰秀子さんを偲んで、「おいしい人間」を引っぱりだす。
大河内伝次郎、イヴ・モンタン、花柳章太郎、藤田嗣冶、梅原龍三郎、司馬遼太郎など
日本の各界の巨匠との交友というか、お近づきのこと次第を、丁寧に紹介してくれる。

司馬遼太郎さんを、「人間たらし」と
昭和53年の春、司馬遼太郎を筆頭に文壇の先生方と、高峰、松山、ご夫婦も
一緒に中国を訪問したときの話・・・・楽しい二週間あまりの旅はあっという間に終わり、
香港での解散に、別れは淋しいと思っている、二人に司馬先生は
「度には終わりがありますなァ。でも、あなたがたとは、これが旅のはじまりっていう気がするんだ。」
このすざましいほどの殺し文句。「女たらし」ではなく、「人間たらし」の達人と・・・。

あの大女優の高峰秀子の心をつかんでしまう、さすが司馬の言葉の巧みさが際立ちますが、
どの先生達も、自然にふるまうことのできるように、させる高峰こそが
大先生達の、人の心にはいりこむ名人である。

その名人芸を、とくとご覧あれ・・・。

11-06

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お父ちゃんのゲゲゲな毎日

2011-01-18 02:51:06 | 本の少し
お父ちゃんのゲゲゲな毎日 (新潮文庫)
水木 悦子
新潮社




ゲゲゲ、繋がりで、水木しげるの次女である、水木悦子さんが描くお父ちゃんのゲゲゲの生態。
肩張らず、きのうのお父ちゃんこんなんやったでと、卓袱台の前でお茶を呑みながら聞いている心地。

妻を選んだ理由を娘に言われ、
「悦子がこげなこと、ゆーがな(言ってるぞ)。ほら、どーすげーだ(どうするだ)おーい。
幸(叔父)、お前だまらせ。何笑っちょ-だ。」と顔を赤くしてトイレに行く、しげる。

飼っていた猫の説明では、
「かわいげなかったよ(かわいかったよ)ペル。お父ちゃんが顔を近づけ-とな、
なめ-だ(なめるんだ)、がいに(すごく)、ペロペロとな。そーな(それを)
おばあちゃんが見とって「ペル」と名づけたんだ」と、
テレビの「ゲゲゲの女房」を見ていただけに、しげるの気取らない言葉が、自然と入ってくる。

悦子さんは普通であり、父親の水木しげるの妖怪さが際立つ。
この本のおもしろさは、ひとえに、題材の、父のおもしろさ、妖怪さである。
しかし、昔はどこの父親も、威厳があり、多少の無理難題もその家庭ではまかり通ものだった。
この本を読んで、何か安心するのは、その父親としての悲哀とか、家族との距離間に
共感するからかもしれない。

「ゲゲゲの女房」のファンさん、番外編として十分楽しめまっせ。

11-05

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第134回・須磨寺落語会~おいしかった・須磨寺

2011-01-16 23:05:46 | 梅団治・須磨寺落語会

今年最初の、鶴二さんの落語。


雀松さんに、かい枝さんそして梅團冶さんと、充実の落語会、まちがい無しですな。


今年最高の寒さ・・・・でも須磨は比較的ましか。

一、桂咲之輔・・・・・・・・・・・・・「鷺とり」

名ビラが無いので、花が咲くの咲にと・・・・・の輔と、丁寧にご挨拶。
噺は、商売根問と思いきや、「鷺とり」へ、どうしても、枝雀さんや雀々さんの
ハイテンションの「チュチュン、チュン、チュン」で馴染んでいるだけに、
ずっと、商売根問が続いているような、おとなしさを感じる。

「うぐいすトリ」や「俄(にわか)」があった方がやはり楽しい。
まあ、「鷺とり」、開口一番でするには、時間的にも無理があったようでおますな。


二、桂かい枝・・・・・・・・・・・・・「堪忍袋」

この前、かい枝さんのNHK「笑神降臨」のTVを見ましたが、
今一番、油ののっている、そのままの舞台。パワー全開である。

「堪忍袋」を作って、不平不満をいれる際、
「ブクブク、太りやがって、元の体型に戻れ、ピー」
「何を、須磨まで行って何ぼになるか知らんけど、普段から家でゴロゴロ
せんともっと働け」とか、かい枝さんご自身のギャグ満載。

まあ、堪忍袋が一杯になるぐらいに、昔の人もストレスはあったんですな。
私がいれるとすれば「、かい枝さん、古典落語で、堪忍袋と野ざらしと豊竹屋以外の
古典落語、聴かしてくれぇ」ですな。

でも、創作も古典もいつ聴いても、楽しおますな。

三、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・「不動坊」

鶴二さんの「不動坊」。冬にふさわしい噺。
昔は、噺家とか講談師は、遊芸稼ぎ人とか、技芸師とか呼ばれてた時があったと、
マエフリできっちり説明。

利吉の風呂屋での、内輪ゲンカの下稽古の惚気が楽しい。
まあ、やもめに降って湧いた結婚ばなし、それもお滝さんという、
掃きだめに鶴の別嬪さんといえば、誰でも舞い上がりそうですな。

サゲは、この頃「あんたも、よほど、頼りない人ですな」
「あぁ、最前まで、宙に浮いておりましたんで」と米朝系の多い中、
そこは笑福亭らしく、「遊芸(幽霊)稼ぎ人でおます。」と、私は不動坊は、
やはり、このサゲでキマリでおますな。

四、桂梅團冶・・・・・・・・・・・・・「酔い鉄」

鉄道マニアが酔うて、夜遅く帰ってきて、うだうだと女房相手にもう一杯。

茶碗は、岡山で買った備前焼のビアジョッキーを出せで始まり、
熊本の「辛子蓮根」、SL貴婦人を見に行った時の山口の「かまぼこ」、
静岡の「山葵づけ」など。鉄道がらみで行った時の、各地の名産品が
、次々でてくる。・・・
・まさに、梅團冶さんの私生活そのままの「替り目」状態。

でも、実際にこれが、我家でくりひろげられているなら、
梅團冶さんと、奥さんはラブラブなんでおますな。・・・・よう、ご両人。


五、桂雀松・・・・・・・・・・・・・・・「星野屋」

「猫の忠信」が聴きたかったですが、やはり十八番の「星野屋」
男と女の化かし合い、最後、男や女というよりは、年の功ですな。

なあ、嘘でも、心中しようというおなごはんが居られるだけでも
羨ましいですな。

実力者揃いの、落語会、今年も須磨寺は目が離せませんな。


第134回・須磨寺落語会
2011年1月16日(日)午後2:00開演
須磨寺青葉殿

一、桂咲之輔・・・・・・・・・・・・・「鷺とり」
二、桂かい枝・・・・・・・・・・・・・「堪忍袋」
三、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・「不動坊」
仲入り
四、桂梅團冶・・・・・・・・・・・・・「酔い鉄」
五、桂雀松・・・・・・・・・・・・・・・「星野屋」

11-02-10


次回・「第135回須磨寺落語会」は、3月13日(日)午後2:00開演
笑福亭学光、桂米紫、笑福亭智六、桂福團冶、笑福亭鶴二の出演。


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もうおうちへかえりましょう

2011-01-15 04:09:31 | 本の少し
もうおうちへかえりましょう (小学館文庫)
穂村 弘
小学館

☆☆

穂村弘さんの、「世界音痴」に続く二冊目のエッセイ。(初出、2004年)
短歌が存分に散りばめられていて、その分野に疎い私には、好都合の短歌入門書である。

ユニクロのフリースはよく燃えるってたしか誰かが言っていたような・・・天道なお

したあとの朝日はだるい 自転車に撤去予告の赤紙は揺れ・・・・・・・・・・・・・岡崎裕美子

起きぬけで曇る視界のはしっこに焦げた東京タワーが見えた・・・・・・・・・・・天道なお

北風にわらべはみたり月光患側団団員募集のポスター・・・・・・・・・・・・・・・・・山崎郁子

初雪発見係目覚めて呆然とみつめるいちめんのゆきのはら・・・・・・・・・・・・・穂村 弘

木枯しも今は絶えたる寒空よりきのふも今日も月の照りくる・・・・・・・・・・・斉藤茂吉

手応えでだめだとわかるクロ―ゼットの扉のレールのわずかな歪み・・・・・兵庫ユカ

ラジカセの音量をMAXにしたことがない 秋風の最中に・・・・・・・・・・・・・五島 論

おきぬさんおくらさんとておを付けて名を呼びあひしとほき母の世・・・・・佐藤正枝

若い人がつくる短歌、ささいな日常の中に、絶望であったり、希望であったりが
見えかくれする。日によって、茂吉などが良かったり、心に響く歌が違うのは、
受けての自分自身の心のおきどころか。

おまけ・・・
「妖怪になりたい」では、これからの時代には、もうこんな人は出てこないだろうな、
と思わせる人がいると、宮沢賢治であったり、そして、存命の方では、水木しげるは大物だと
最近のゲゲゲ・ブームを予言するような一文が載っている。

戦場で片腕を失い、「会って家族がびっくりしてはいけないと思い、腕のない私の姿を
はがきに描いて送っておいた」というエピソードなど、不屈の浮世離れとでも云うべきかと。

「妖怪になりたい」という水木のエッセイ集を一読して、充分妖怪だと思えると・・・。
小心者の怪しさの漂う歌人、穂村弘は、世間離れしている点では十分、妖怪への登竜門は
既にくぐっているのか。・・・エッセイのちょっとしたフレーズと言葉に、
不思議と心温まる、一冊である。

11-04

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先が後ろか、後ろが先か~ホルモー六景

2011-01-13 07:01:28 | 本の少し
ホルモー六景 (角川文庫)
万城目 学
角川書店(角川グループパブリッシング)

☆☆

「鴨川ホルモー」に続いて読んだ、「ホルモー六景」。

鴨川ホルモーの各パーツ、パーツがオムニバス形式で、六編が語られる。
続編というか、この各登場人物のエピソード、キャラクターが最初にあり、
あとから一本の糸で繋いだのが、あの「鴨川ホルモー」ではないか。

この二つの作品の生立ちを是非、作者万城目さんに聞いてみたいもんだ。
同時進行でできたものであれば、多くのキーワードの中からの一部の紹介であり、
続編がでる可能性は、まだまだある。

京都を訪れると、思わず足元を見てしまいそうな
「ホルモー」の「六景」でございますな。


11-03

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青春物語り~鴨川ホルモー

2011-01-11 01:43:44 | 本の少し
鴨川ホルモー (角川文庫)
万城目 学
角川グループパブリッシング



会社の女子社員が、読んでいたのがあの「鹿男」の万城目さんの「ホルモー六景」。
貸してよと言うと、最初から読んだ方が良いと、二冊一緒に借りる。

なんとも、不思議な本。
でも、青春物語のような、爽やかさがある。

私も、大学時代を京都で過ごしたが、あの時も私たちの周りで、ホルモーが
活躍していたのでは・・・・・・・。

学生生活は、今思いだしても、バカバカしいこと、してましたな。
クラブの仲間10人程で、白梅町から千本丸太まで、ぶたまんの食べ合いをして、
パン屋(当時ヤマザキパンなどで、ガラスの塔の中で蒸かして売っていた)のハシゴ。

二つ、三つと、サバイバルゲーム、だんだん脱落していき、各店売り切れで、次の店を探して南へ南へ
4軒目あたりで、11個食べたものが優勝だった様な記憶。

それとか、大阪組が帰る阪急電車の中。
網棚に寝ると、1000円とか言って、実際、横になる者がいて、乗ってくる人の
驚く顔を、喜んでいた。(今思いだすと、何とも恥ずかしい思いでですな。)

このような、青春のバカバカしさが、全編に溢れている。
日常と常識とは違うところで、青春のエネルギーがほとばしる。

まさに、この本にでてくる「ホルモー」は、青春小説ここにありでおますな。


11-02


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落語を変える・・だいそれたことを~花緑

2011-01-09 13:09:10 | 本の少し
僕が、落語を変える。 (河出文庫)
柳家 花緑,小林 照幸
河出書房新社


10年前の、2001年に新潮社から出版された本だが、今回河出文庫本で読む。

五代目小さんの孫ではあるが、29才の落語家ではまだ、駆け出しの分際で
本のタイトルが、「落語を変える」とは、文庫出版にあたり、振り返り、
花緑本人の公約集、マニフェストだったと、花緑は言うが、なんと、だいそれた題。

師匠であり祖父である小さんに可愛がられ、子ではない、祖父と孫という微妙な師弟関係が
逆に七光りといわれても、プレッシャーもストレスも和らげているように思える。

談志からは、「オメエ、落語はこれから駄目だと思うな。オメエが駄目って思えよ」と
感激の言葉を、真打襲名の挨拶に行った、談志のマンションの螺旋階段で聴く。
「いいか、オメエがバカで、オメエが出来ないんだ、と思えよ。落語界が駄目だから、落語の人気が
今一つじゃないんだ。落語はこれからの時代にも合ってゆくものなんだぞ・・・。」
離れた師匠である小さんの弟子でありながら、気になる花緑にシャイな談志なりの、
選んだ場所とハナシである。

独演会の「花緑飛翔」のプログラムに寄せた、立川志らくの言葉が、
今の花緑を言いえているので、長文だが、あえて引用させてもらうと、

「 花緑はイイ奴だ。しかし、このイイ奴というのが危険である。というのも彼は大変
な真似っこなのだ。私のやることなすことを片っ端から真似をする。私の落語を聴いて
古典落語を自分の感覚で喋っていいということに気づいたらしくて、あれだけ小さん
師匠から教わった通り演っていたくせに、近頃では当然のような顔をして我流の物語を
語っている。
更に私のシネマ落語にも影響を受けてシェイクスピア落語なるものを始めた。それから
私が落語のCDを販売したのも羨ましかったしく、今年になってソニーから出しおった。
真似はこれだけにとどまらない。自宅のトイレに世界地図を張っているのまで真似
された。そのうちきっと落語論の本も出版するに違いない。
だけど、腹が立たないのだ。花緑がいろんな事にチャレンジする姿を見ていると
微笑ましいし、つい応援したくなってしまう。
何故か? それは彼がイイ奴だからである。あまりイイ奴だから私の映画にも必ず
出演してもらいたくなるし、芝居でも使たくなる。だけど、最近、これは危険と気が付いた。
花緑は大勢の人の栄養分、つまり良いところをどんどん食い尽くす生き物なのだ。
普通、そんな生き物は嫌われる。そこで彼は考えた。イイ奴になりすませばいいのだと。
イイ奴を装って我々に近づいてきて、いつの間にか食べてしまう。いい物しか食べない。
ならばしょっちゅう食べられている私はとても光栄だと言えるかもしれない。ああ、複雑だ。」

ほんと、美味しいものが知っている、若旦那であるが、目上の者に可愛がられるのは、
ズバリ、オジッチャン子で、甘え上手の一言である。

10年の歳月は、花緑さんを着実に変えているが、
若気の至りとも言える本もご賞味あれでおます。

11-01


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新春恒例~一心寺落語会

2011-01-03 23:36:31 | 落語

新春恒例の一心寺落語会へ、春團冶師匠の華やかな高座を・・・。





昨年暮れに続き、春野恵子さんも登場。

一、桂吉の丞・・・・・・・・・・・・・・・・・「犬の目」

上手ですなぁ、安定感、たっぷり。
医者の「この汚い目、一度見といたらどうや」とか、「目抜き通りで賑やか」など
笑うツボで、きっちり、笑わせてくれる。

聴く度ごとに、医者の年齢が上がっていて、
それだけ落ち着いて貫禄ができたと云うことですな。

聴いている方も楽しいですが、演っている吉の丞さんも
油が乗ってきて、一番楽しい時なんでしょうな。


二、桂阿か枝・・・・・・・・・・・・・・・・・「太鼓腹」

よろしいな。太鼓持ちより、頼りなくて気楽な若旦那が、ぴったりはまる。

そういえば、先代の染丸、小染さんが演る、繁八が入ってきて、
おなごしにべんちゃらを言い、最後には「猫さん、ご機嫌さん」と猫にまで
言う台詞が、阿か枝さんでは無いのは、
やはり、繁八より若旦那に趣きをおいているからか。

このような噺にも、正統派の実力発揮。
次々と新しいネタ、御披露願いたいものですな。


三、桂小春団冶・・・・・・・・・・・・・・・「旅する小説家」

天王寺を徘徊する小説家が口述したのを、出版社のアシスタントに書かせる。

通天閣が、エッフエル塔
串かつが、チーズフォンジュ
阪堺電車が、オリエンタル特急
豹柄が、クリッツアか

大阪とパリとの言葉変換のおもしろさ。
共通性があるような、それでいて差異があるような。

こんな、おもしろさを思いつく発想・・・やはり、小春団冶さんの独断場ですな。


四、春野恵子・・・・・・・・・・・・・・・・・「高田馬場」

春團冶師匠に、初めてお会いして、凄く緊張したと。
お正月で呑み過ぎたのか、少し声がかすれている。

本日は、「高田馬場」、今日の恵子さんは、楷書体のきっちりとした舞台。
私は、この前の「樽屋おせん」でみせた、草書体の少し艶っぽい恵子さんの方が
好きですな・・・・単なる、ミーハーか。


五、桂春團冶・・・・・・・・・・・・・・・・・「寄合酒」

最後は、お目当ての春團冶師匠。
舞台袖での会釈し、高座下で草履を脱ぎ、そして羽織を肩から滑らせて脱ぐ、
どの姿を見ても、凛としていて、かっこいい。

噺は「寄合酒」、・・・「頭割りや」、「だしあいして呑もか」と、最初の部分から
きっちり、たっぷりと語る。

「だすもん出さんかいな」、「はよ、ださんかいな」と、下ネタも、
いたって上品にながれる。

毎年、正月の春團冶さんの高座は、私にとっては、新年の恒例行事になりましたな。
来年も、再来年も、そしていつまでもお元気で、楽しませて頂きたいもんですな。

今年も、良き落語会でスタートでおます。

一心寺亭
2011年1月3日(月)午後1:00開演
一心寺シアター倶楽

一、桂吉の丞・・・・・・・・・・・・・・・・・「犬の目」
二、桂阿か枝・・・・・・・・・・・・・・・・・「太鼓腹」
三、桂小春団冶・・・・・・・・・・・・・・・「旅する小説家」
仲入り
四、春野恵子・・・・・・・・・・・・・・・・・「高田馬場」
五、桂春團冶・・・・・・・・・・・・・・・・・「寄合酒」

11-01-05


一心寺正門の仁王像(?)

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あけましておめでとうございます・・・ごまめ~の~いちょかみ

2011-01-01 01:01:01 | 落語
あけましておめでとうございます
・・・ごまめ~の~いちょかみ・・・



本年もよろしく、お願い申し上げます。



去年に続き、大好きなごまめの歌の歌詞を、今年も掲載させて頂きます。
作詞の島田陽子さんは、万博の「世界の国からこんにちは」の作詞家でもあるらしい。


    ごまめのうた
              島田陽子

  いつかて いっしょに あそびたい
  にいちゃんたちに ついてくねん
  さっさとしいや ほっとくで
  しかられたって へいきやねん
  ごまめで いれてくれるねん
    ごまめ ごまめ うれしいごまめ
    ちいさい子かて なかまやねん

  いつかて いっしょに あそびたい
  にいちゃんたちは おこらへん
  とっととしたかて おそいのン
  しゃあないいうて まってるねん
  ごまめやさかい かまへんねん
    ごまめ ごまめ うれしいごまめ
    ちいさい子かて なかまやねん



こんな、ごまめ、今年も、よろしくでおます。



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